1. わが青春に悔なし
《ネタバレ》 私は原節子さんという女優さんをこれと「白痴」でしか観た事が無いが、小津作品から入った方が観ると、黒澤映画の原さんはあまりにもエネルギッシュで「え?」と思うらしい。でもきっと原さん自身は大変ではあっても黒澤の現場は役者としてやり甲斐があったに違いない(映像の中に生きる原さんがとても輝いていた)。最初はいい所のお嬢さんなので着ているものから表情から(芯は強いが)美しいというイメージだったが、ダンナがスパイ容疑で収監され、特に獄中での死亡を聞かされた辺りから、自分の生き様を決して曲げない信念と共に、ものすごい形相に変わっていくのがとても見応えがあった。ヤンマーの田植え機もない時代、あれだけの田植えをムチャクチャにされたらどれだけ絶望と怒りがこみ上げたであろう。でも社会全てを敵に回してでも自分を生きた様はまさに「わが青春に悔なし」とばかりだった。 110分間という決して短編ではない作品なのだが、物語にさほどの起伏も無いので観る人が見たら中だるみを感じるかもしれない。しかし黒澤が戦後第1作にこれを選んだのは、まさに国策映画や検閲の呪縛から解き放たれた監督の気持ちそのままをヒロインに投影したかったからではないだろうか? 余談ですが糸川を演じた役者さんは、3の倍数でアホになる芸人さんにちょっとだけ似てます。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-05-11 01:38:19)(笑:2票) (良:1票) |
2. ワイルド・スピードX2
私は車好きではないですが、カーアクションとして無難に楽しめる作品だったと思います。お決まりのハッピーエンドは見えているし、別にハラハラもしないけど、ある程度のスケール感もあるし及第点の作品だと思います。少なくとも3作目よりは全然面白いです。デヴォン青木ちゃんが初めて可愛く思えました(^^) [地上波(吹替)] 6点(2007-10-08 01:56:34) |
3. ワイルド・スピードX3/TOKYO DRIFT
ワケのわからないなんちゃってジャパンがまた観られました。予想通りのダメ映画。せめて日本を舞台にするのなら、主要キャストは日本人で固めて欲しい。カーチェイスにしてももういい加減マンネリな感じで・・・。最後の最後に出てきたヴィン・ディーゼルが嬉しかったので3点にプラス1点で。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-09-26 00:50:26) |
4. 私の頭の中の消しゴム
《ネタバレ》 若年性アルツハイマーは他人事ではありませんね。ある日突然愛する人が、恋人の記憶だけじゃなく自分自身をも失っていく恐怖に対峙したらと思ったら、たまらなく哀しくなってきました。そんな中でも、どんな未来であれどんな形であれ、愛を失わせまいと努力する夫、自分の気持ちとは裏腹に記憶が失われていく中で「ごめんね、でも愛している事だけは忘れないで」と健気に心を伝える妻。愛の形が自分本位になりがちな現代において、映画の世界でこのような究極の恋愛を作り出すという事に、私自身は十分すぎるメッセージを感じました。主役二人もまさに熱演ですし、特に終盤アルツハイマーの症状が進行する役を演じたソン・イェジンは、「夏の香り」で可愛らしさを振りまいたあの時に比べ、演技に重みが出てきたと思います。物悲しく、救いようがないような展開の中で、二人が出会った場所、コンビニとコーラ、支えてきた二人の身内との久々の対面の中で、自分の記憶を取り戻し「ここは天国なの?」と呟く彼女の表情に胸打つものがありました。辛い点数のレビューが多いですが、私はメッセージ性のある恋愛映画の一本としてとても高く評価してあげたいです。 [DVD(字幕)] 9点(2006-07-17 18:52:05) |
5. ワイルド・アット・ハート
《ネタバレ》 リンチの映画は「暗闇のエログロ」が多い(ツインピークス、ブルーベルベット、ロストハイウェイなどなど)が、この映画は「太陽の下のグロ」って感じでちょっと位置が違う。痛い位純愛映画。ラストにローラパーマーを出した辺りがにくい♪てことで、ウィレムデフォーのストッキングの中の頭(ベチャッとしたね 涙)に6点!! 6点(2004-09-23 01:46:28) |