1. わたしは光をにぎっている
カネコアヤノの「光の方へ」が主題歌という理由だけで鑑賞。 「四月の永い夢」の中川龍太郎監督作品。 物語自体はよくある話というか、リアルな人間ドラマが展開されていたのが良かった。 退屈な人には退屈だと思うけど、ゆったりと過ぎて行く時間がとても心地良くて好き。 寂れた商店街の風景や、昭和情緒溢れる銭湯の風景がなんとも懐かしく、癒される。 しかし、それらも段々と失われつつあるという現実。 シャッターが降りたままの商店。 次々とやめていく飲食店。 劇中のドキュメンタリーという設定で描かれたそれらの光景はとても寂しさを感じさせる。 松本穂香のぼーっとした演技がとても良い。何を考えているのかわからないようでいて、段々とその優しさが理解できるようになり、最後はとても応援して見ていたように思う。 渡辺大知のキャラクターもとても良かったんだけどいつの間にかフェードアウトしてしまっていたのが勿体無い。 光に反射した湖とか、自然の情景などの映像がとても美しい作品だった。 [映画館(邦画)] 8点(2020-01-19 14:13:16) |
2. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
ネタバレを恐れるあまり、初見時は一切の情報を仕入れず観たため、60年代のハリウッド事情や、元ネタの映画がわからない上に、シャロン・テートの事件ですらよく知らずに観たものだから、途中までまったりした雰囲気だったのに、何故か急に怪しげな空気になる中盤のあのシーンとか何が起こっているのかわからず、あまり楽しむ所か、ポカーンとしたまま帰路に着くことになり、感想としては「つまらない」というものだった。 という訳で2回目を観るにあたり、まずシャロン・テートが出てる映画を観るべきだろうと思い「サイレンサー第4弾 破壊部隊」とポランスキーと共演した「吸血鬼」を鑑賞。さらに詳細を知れば知るほど胸糞悪くなったあの事件の事も調べた。これで完璧、いざ2度目の鑑賞へ。 結果、面白かった。 ストーリーが無くてダラダラと長いと思っていた主演2人の日常パートでさえかなり見所があった。 やっぱりレオ様の演技シーンがとても良かった。ちょっとダメ出しされただけで精神的に弱っちゃう繊細な所や、8歳の子役に慰められるシーンとか良かった(この女の子が短いシーンながら凄い存在感)、また、スタントマンを演じたブラピとの関係性がとても興味深かった。 ブラピの方もとても人間味があって魅力的な一方で、何処か得体の知れない凄味を感じさせる独特の存在感が凄かった。 あと、これまでのタランティーノ映画と決定的に違うのは無駄なバイオレンスが一切無い事である。終始落ち着いた雰囲気で見られるのが良い。 60年代ハリウッドを忠実に再現するのではなく、この時代の空気感をタランティーノ流に再現して見せる事に特化しており、夢と現実が交差するなんでもありのファンタジー的な面白さがあると思う。 [映画館(字幕)] 9点(2019-08-30 18:51:13)(良:1票) |
3. ワイルド・スピード/スーパーコンボ
主演2人の凸凹ハゲコンビがいがみ合いながらもなんだかんだ仲良く協力して敵に立ち向かって行く所が楽しい。敵は悪のスーパーマンを名乗る超人!しかし、ハゲコンビも超人みたいなもんなので殆ど互角!全然決着が着かない。ひたすら殴り合い撃ち合いの2時間!ワイスピというよりもはや只のアクション映画になっていた。 世界を滅ぼす程の恐ろしいウイルスを巡って繰り広げるとにかくスケールのでかい物語だった。 お馴染みの家族愛も描かれるけど、そんなに感動はなかったのが残念。あくまでスピンオフなのでワイスピ本編とは別物と考えた方がいい。 [映画館(字幕)] 6点(2019-08-07 00:28:04) |
4. ワイルド・スピード/ICE BREAK
《ネタバレ》 ちょっと赤ちゃんを救っただけで過去の因縁等吹き飛ばし、飄々とファミリーに加わるショウ。元妻が死んだのにヘラヘラと終始ご機嫌でファミリーの前で演説するドミニク。 何なの、ファミリーってそんな簡単になれるもんなの?ブライアンが居なくなったから急遽人員を補充しました感が否めない。 終わり良ければそれで良しって…死んでいった人達が浮かばれねぇし…。 このシリーズにそこまでのストーリー性は求めていないけど、ちょっとあんまりな展開だったので全然楽しめなかった。 [インターネット(字幕)] 4点(2019-08-06 15:05:52) |
5. ワイルド・スピード/SKY MISSION
車って空を飛ぶ物だったんだ…。 ストーリーがどうでもよくなるくらいとにかくアクションの連続で思考を停止させてくる。 飛行機から車でダイブ→崖から車でダイブ→超高層ビルから車でダイブ お前ら、なんで生きてるの!? [インターネット(字幕)] 8点(2019-08-05 23:31:58) |
6. ワイルド・スピードX3/TOKYO DRIFT
時系列順に観た方が良いと言われ、「ユーロミッション」の後に観たのだが、時系列とか以前にハンというキャラクターが出てくる以外殆どワイスピ本編と関わりが無さすぎて、別に観なくてもいいレベルだった。 日本が舞台なのに主要な登場人物は殆ど外国人、日系アメリカ人、韓国人などばかりで、たまに日本語わ喋ってもカタコト過ぎて引く。 千葉真一はまだまともな役柄で良かったが、妻夫木聡や北川景子に至ってはエキストラ並みのチョイ役で笑ってしまった。 全体的にヘンテコな日本を紹介するのが目的か?と思っちゃうほど訳のわからない映画だった。 [インターネット(字幕)] 3点(2019-08-05 18:49:29) |
7. ワイルド・スピード/EURO MISSION
《ネタバレ》 懲役25年の刑から逃げていたのに、犯罪者を掴まえるのに警察に協力しただけで、全員無罪とか話が美味し過ぎない?そもそも犯罪者に協力を仰ぐとか日本とは価値観が違い過ぎてちょっとびっくりしてしまう。 まあ、そんな細かいこと気にしていたら本シリーズは見れないのだろうね。 ひたすら終わりの見えない滑走路での延々カーチェイス&バトルはリアリティーを無視しまくってて笑えてくる。でも面白い。 [インターネット(字幕)] 7点(2019-08-05 16:46:11) |
8. ワイルド・スピード/MEGA MAX
笑っちゃうようなあり得ないアクションでも、大真面目にやる事でもしかしたらあり得るかも?と思わせる事に成功している。 スッポリ取れた金庫をそのまま車で引っ張りながら逃亡って…小学生でも考えないだろう無謀な計画だが、逆に馬鹿馬鹿しさが一周して大笑いしながら楽しめるようになっていた。嗚呼、フィクションって最高。 [インターネット(字幕)] 7点(2019-08-04 18:24:25) |
9. ワイルド・スピード/MAX
ドミニクとブライアンのコンビが復活し、面白くなりそうなはずなのにストーリーが平凡なのかいまいち乗り切れなかった。 なんか全体的にシリアス路線になっちゃってて1作目とは全く別の作品みたい。 ラストのトンネルでのカーチェイスにしてもCG感丸出しでがっかりだった。 [インターネット(字幕)] 4点(2019-08-02 22:46:31) |
10. ワイルド・スピードX2
普通のバディものポリティカルアクション感が強く、ハチャメチャだった前作に比べると落ち着いた印象。 ストーリー的にはイマイチだったが、相変わらずカーアクションは満載で楽しめた。 [インターネット(字幕)] 6点(2019-08-02 22:44:38) |
11. ワイルド・スピード
新作が公開されるので全作予習しておこうと思い見始めた。 いかにもアメリカ映画って感じのダイナミックさが楽しい作品だった。 普通に街中の道路でスピードを競い合うクレイジーな連中。 トラック強盗から仲間を救うくだりの豪快さ。 とにかくカーアクション満載で楽しめた。 ドミニクとブライアンがとにかく格好いい! [インターネット(字幕)] 7点(2019-08-02 22:43:38) |
12. 若おかみは小学生!
ベストセラーの児童文学を映画化した作品なんだけど、子供向けだと思って侮っていたわ。これは面白いし、泣ける。 主人公のおっこが小学生ながら「春の屋」という旅館を継ぐために若おかみとして奮闘するという物語なのだが、まずその境遇に涙する事請け合い。 また、泣けるだけじゃなくて、ライバルの旅館の娘であるクラスメイトとのバトルや、幽霊や妖怪といった類いが登場する奇想天外な展開にグイグイ引き込まれた。かと言ってファンタジーよりな物語でもなくて、恐ろしいほど厳しい現実もちゃんと描きつつ、旅館における礼儀作法や接客を学んで成長していくおっこを応援しながら、その頑張る姿には素直に感動させられる。 脚本が吉田玲子ということで、やっぱり構成が巧いし安定感があった。原作もテレビアニメも未見の私でも問題なく楽しめた。作画もとても丁寧で綺麗な画作りだった。子供にも大人にもオススメの作品。 [映画館(邦画)] 8点(2018-09-24 13:35:35)(良:1票) |
13. ワンダーストラック
トッド・ヘインズ監督と言えばたまに実験的な映画を撮るという印象。 本作はもろにその実験精神が発揮された作品だった。 どこかファンタジーな物語。無声映画を思わせる白黒の映像。アメリカ自然史博物館とクイーンズ美術館で繰り広げられる少年の冒険。ノスタルジー溢れる書店。デヴィッド・ボウイの名曲「スペース・オディティ」のハマり具合。 全体的に退屈な所も多く、そんなに感動したわけでもないものの、その独特の映像センスには妙に引き付けられるものがあった。 特に巨大ジオラマとストップモーションアニメにて語られる少年と祖母の物語がとても素晴らしかった。 [DVD(字幕)] 8点(2018-09-12 11:39:36) |
14. ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!
エドガー・ライト好きにはたまらない作品であるはずなのにイマイチノリきれなかった。 いい歳したオッサン達が酒場12軒はしごするという無謀なプロットは面白かったが、SF的展開になってからはひたすらバトルばかりで飽きる。そんなに大爆笑するような展開でもないし・・・。 ゾンビを宇宙人に置き換えただけで、「ショーンオブザデッド」と殆どやってること同じじゃんと思った。 [ブルーレイ(吹替)] 4点(2017-10-10 20:27:32) |
15. わたしは、ダニエル・ブレイク
税金を払う事を誇りに思い、真面目に生きてきた男が病気で働けなくなった事によって、社会からつまはじきされていくという物語。 どこの世界でもお役所はあんな感じですよね。本当に市民の事を考えてくれているのか。 そんな社会に不満を持つ主人公ダニエル・ブレイクの、静かな戦いが淡々と描かれる。 彼は決してヒーローではない。しかし、彼が投げかけたメッセージは同じような不満を持つ者の心に大きく響いただろう。 それだけでも、彼のとった行動は報われるのではないだろうか。 決して感動を煽ったりせず、常に乾いた視線で綴られる物語はケン・ローチ監督らしい語り口だった。 [DVD(字幕)] 7点(2017-09-07 08:21:08)(良:1票) |
16. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ/完全版
「午前10時の映画祭」で鑑賞。 ここでの上映時間は227分となっているが今回上映されたのは261分もあるものだった。(最初に説明で、失われたフィルムを修復し、よりレオーネ監督が思い描いていた完全版になっているとの事だった)よって勝手にこれを“真・完全版“と命名。 さて、約4時間半である。眠くなるかなと心配したが全くそのような心配はないほど集中しきって観ることが出来た。 内容は勿論名作。 でかいビルの間から橋が見える有名なショットとか(←もっと上手い表現は出来ないものか…)大きなスクリーンで観ると迫力が違う。またこれまで観たことのなかったシーンによって、より深く作品世界に誘われたので観て良かった。 それでも10点付けないのは、まだまだ自分自身が若輩者であるので、人生を総括する旅に出たヌードルスの全てを理解出来たかというと怪しいので今のところは9点にしておきたい。年取ってから観たらまた感想が変わるのかもしれない。 [映画館(字幕)] 9点(2016-12-14 04:57:41)(良:1票) |
17. わたしのグランパ
ストーリーについてはベタすぎるとしか…。 文太兄ィに演らせる為に用意されたような役柄でしたな。石原さとみは初々しいが演技は微妙。浅野忠信はさすがの安定感。もっと感動させるような映画かと思いきや、ただ説教臭いだけで消化不良。キャストがいいだけに勿体ない作品でした。 菅原文太さんのご冥福を謹んでお祈り致します。 [地上波(邦画)] 4点(2014-12-06 16:32:23) |
18. 私が女になった日
《ネタバレ》 女性に焦点を当てたイラン映画を観るなら、まずこの作品をお勧めしたい。 短い上映時間ながら3話からなるオムニバス作品で、様々な年代の女性を力強く、丁寧に描いた作品だ。ちなみに脚本を務めたモフセン・マフマルバフはこの監督の夫である。 まず心を奪われたのが第1話に登場する9歳の女の子だ。男の子と遊ぶ約束をしていたのに、急にもう男の子と遊んではいけないと言われる少女。そう、イランでは9歳になると大人の女として扱われる為、チャドルで身を隠さなくてはいけない。気軽に男性と会話したりもできなくなるのだ。だが、納得のいかない少女はどうしても遊びに行きたく、自分が生まれたのは正午だからそれまでまだ1時間あるから遊びに行かせてと懇願する。かくして、少女の自由に遊ぶ事のできる最後の1時間が始まった。時計は無いので木の棒を頼りに、影がなくなるまでの間だ。 ほのぼのとした展開の中にもタイムリミットがあることで非常にサスペンスフルだし、もう永遠にその男の子と遊ぶ事ができなくなるのではという悲しみも感じさせるので、なんだがとても切なくなった。 続いて第2話、一転して今度は躍動感溢れる映像を堪能できる。チャドルを身に纏った大勢の女性達が自転車で猛スピードで駆けて行く。自転車レースだ。だが、この話の主人公である女性はある理由があって参加していた。というより逃げていた。『少女は自転車にのって』という映画でもそうだったように、この女性もまた自由を求めて未来へ向かって駆けて行く。特筆すべきはその結末の描き方。第3者によって、遠目から映し出されるその映像は非常にリアリティがあって良かった。 第3話。文字数も限られてきたので簡潔に。これまでの女性は自由になろうと必死にもがくが、結局は社会に屈さずを得なかったが、この話に登場する老女は究極の自由を求めて旅立った。無謀だが、もはやそこに私なんかの意見を挟む余地など無い。彼女にはそれが最良の選択なのだろう。 [DVD(字幕)] 9点(2014-11-15 17:35:28) |
19. 悪い男
観ていないギドク作品を制覇してやろうと思い、休日だったので朝からギドク作品を連続で鑑賞。この作品は実は初めて観たギドク作品なのだが、忘れていたので改めて再見。しかし、朝から観る作品じゃあないねこれは。この映画の持つ熱量がハンパなく、どぎつすぎて疲れる。 女子大生を罠に嵌めて売春宿に監禁し売春させるという設定自体凄く、初めて観たときはあまりの酷い内容に辟易した。しかし、他の作品を観てギドク慣れした私には問題はなかった。ギドク作品には売春婦が良く出て来るのでこれくらいの展開ではもはや驚かない。この映画はよく純愛だ純愛だと叫ばれているが、『うつせみ』こそ究極の純愛映画だと信じる私にはやや疑問が残る純愛だ。主人公の男は歪んだ愛の果てに無理矢理に純愛を手にしようとした。それは理解できなくもないが、女に対しては全く共感できるところが無く。何故、男を愛するようになったのか謎が多い。特に捕まった主人公に面会に行った女が泣いて戻ってきてと懇願シーンはゲラゲラ笑いながら見るしかないね。もうちょっと、ヒロインサイドの心情の変化を丁寧に描いていたらわかりやすかったと思う。 まあ、ギドク映画にわかりやすさを求めても仕方ないのだが。 [DVD(字幕)] 6点(2014-08-13 10:36:13) |
20. 悪い女(1998)
《ネタバレ》 どろどろした人間関係。修羅場につぐ修羅場。救いようのない悲劇。売春婦で生計を立てる一家の異常性。もうギドクワールド全開。 真っ当なはずの長女よりも売春婦の方をある意味魅惑的に描いている辺り、観客の倫理観を揺さぶってきます。この売春婦、確かに悪い女なのですが、それよりも悪いのはあの一家だろうと思ったのでした。あんな声筒抜けの薄い壁の部屋で毎晩情事させて、童貞の長男が平静でいられるはずがないだろうと。それでいて、関係を持ったとばれるやいなや、大事に育ててきたのに!とキレる母親。そりゃあないだろうと思ってしまった。ほんと救いようがないです。でも、後半はその長女が人が変わったかのように売春婦に対して理解がでてきてほのぼのとした展開になったのは良かったです。悲劇がさらに連鎖しかねない勢いだったので。 あと、前作に続いて鯖が登場します。鯖を見ながら家に壁画を描いているという・・・この監督はよっぽど鯖が好きなのか?いや、きっと意味があるんでしょうな。鯖は暴力への起点であり、金魚は内包的な心情を表しているみたいな。凡人にはわかりませんが。 [DVD(字幕)] 7点(2014-08-13 08:04:29) |