3. 藁の楯
《ネタバレ》 法律は専門外だが、警察というのは社会の治安を維持するためにある。個の事情は国家体制維持より優先順位が下にあるわけで、それゆえどんな犯罪者でも私刑させるわけにはいかない。「こんなクズを守るのか?」ではなくて、守っているのは国家によって保たれた社会秩序だ。劇中そんな基本的なことすらわかっていないかのような人間が多数登場して驚いた。それから、犯人であるが、これは非常によく描かれていた。本質的に精神異常者なので常識は通用しない。なので、何を言い出しても驚くにはあたらないし、いちいち理屈や常識が多少は通じるなどと考える事自体、知識不足。「そんなもの」として扱うべきだが、最前線の警察官なのにそんなことすら知識として持っていないのかと、そう描かれており現実社会で頑張っている現場の警官に気の毒だった。しかし、設定、展開、映画のテンポ、テーマ、犯人の異常者ぶり、本来美貌の松島菜々子の疲れ、老けぶり。アクション入った日本映画も面白いな、よく作ったものだなあと感心しながら素直に楽しめた。 [映画館(邦画)] 9点(2013-05-23 23:13:20) |