1. 我輩はカモである
《ネタバレ》 つまらないんだ。翻訳の都合だとは思うんだけど、釈然としないダジャレ。ピンキーというキャラ。ハサミでいろんなものを切り落とすんだけど、それで面白いと思っているところが、近頃のバカッターと重なっちゃって不愉快。なんだよコレって思ってたところ、被った鉢に顔の絵を描いたシーンで笑ってしまいました。ラストシーン、歌ってる彼女にみんなで食べ物を投げるシーンでまた笑ってしまった。…不覚としかいいようがない。でも笑っちゃったからなあ。4点。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2021-12-26 19:32:47) |
2. わらの犬(1971)
《ネタバレ》 ああ。オラは弱虫だから、こんな暴力映画好きじゃないなあ。同様に弱虫の主人公が暴力のことあまり知らないから、キレるともう手加減を知らないから、あんな自宅での攻防なんて、ああ。見せ場だったのかも知れないが、ラストシーンのとおり、なにも解決していない。むしろ、手のつけられない修羅場の始まりだったかのようだ。イヤだ。だいたい、何か意味ありげなタイトルの「わらの犬」。Wikipediaによれば、「天地にとって万物は芻狗(祭儀に用いるわらの犬)のようなものでしかない」という意味の老子の言葉からきたものとのこと。はぁ?そりゃ、天から見れば、人間のやってることなんて、無力で取るに足らないことですよ。そんなこというんであれば、どんな映画(万物)もそうじゃないですか。であるならば、「わらの犬~ターミネーター編」、「わらの犬~天空の城ラピュタ編」になるんじゃないですか、どうですか。…ウソです。そんなことは、全然思っていません。あんまりイヤなので、ケチつけたくて言ってみました。 [DVD(字幕)] 4点(2021-09-28 20:50:23) |
3. 私は貝になりたい(1959)
《ネタバレ》 怖いのは、矢野中将が個人的には全くの誠実な人であること。清水豊松という「トカゲのしっぽ」を切ったのは、上司による保身のためなどではなく、軍や裁判という仕組みのシステムエラー。こういうのは、時代によるものなのだと以前は思っていましたが、今開催されているTOKYO2020オリパラの組織委員会。大会終了後に事後総括が行われた際には、どんな理不尽に責任取らされる担当者が出てくるかと思うと、悲しいです。印象的だったのは、同房の大西が名前を呼ばれた後、聖書を机に置くまでの間に覚悟を決めるところ。だから、囚人たちが大西を見送るために賛美歌を歌うというありえないシーンがとてもいい。夢のようなシーンだ。これは、10点。所ジョージ版があるのですね。それも見たい。 [DVD(邦画)] 10点(2021-08-28 20:57:41) |
4. 我が家の楽園
《ネタバレ》 うーん。理解し難いものを見たという印象。冒頭でカービー氏のことを、銀行家であることはともかく、軍需産業の元締めみたいな紹介をしているので、彼の評価は上げようがないのですが、しかし。かといってお話では、バンダーホフの方が独善的で、娘の嫁ぎ先になるかもしれないカービー夫妻への敬意がないように思われました。オラは、バンダーホフ家の皆さんとは、親戚になりたくはないなあ。傲慢な金持ちは嫌いだけど、傲慢な貧乏人のこともオラは嫌いだぞ。原題の「You can’t Take It wIth You」は「あの世には何も持っていけない」という意味の英語表現とのこと。金はもちろんだけど、あらゆるものをあの世には持っていけないよ。作中、バンダーホフの印象的な言葉「最近は皆 主義を持っとる 苦しくなると何かの主義に逃げ込もうとする」。諸行無常。もしや本作は、第二次世界大戦直前のアメリカの寄る方なさが作ったものではないでしょうか? …嘘です。そんなこと思っていません。最後に、好きなシーン。裁判官がチャーミングなところ。「スミス都にいく」の議長さんみたい。ところどころ、好きなところはあるんだけどなあ。 [インターネット(字幕)] 4点(2021-08-25 22:08:53) |
5. 私をくいとめて
《ネタバレ》 ガチャンといわせないようにドアをロックする。恋愛のはじめの頃の、ため口と丁寧な口調が混じったたどたどしい様子など。せっかくお呼ばれしてきたのにバイク乗ってくる多田。そして、みつ子が部屋の中を取りなそうとした様子を素早く察知した気遣いにも思えるシーン。初めての料理で、かき揚げをだす黒田は本当に料理がうまいんだなとか。監督、巧いなと思うシーンを数えればいくらでもある。そして 語尾にハートマークをつけるしゃべり方が”苦手”な演技とか、のんがさすがだなともうシーンもたくさんあるのだが。でも、なんかちぐはぐだったんじゃないでしょうか。めんどくさい女性が、一歩踏み出すというか、すこし変わる映画だったんだと思いますが、なんか、まだひたすらこじらせ続けているようでした。【追記】のんのその場の空気を制圧する力は、往時の藤谷美和子のそれに似て。 [インターネット(邦画)] 7点(2021-06-17 21:04:33)(良:1票) |
6. わたしは、ダニエル・ブレイク
《ネタバレ》 公開中の「すばらしき世界」を経由して、本作にいたりました。どちらも生きづらい初老の男の話。■西川監督曰く、『むしろ「あ、似てる……ヤバい」と思っています(笑)。』(CREAインタビュー)とのこと。どちらの主人公も循環器の病で急死してしまいます。■私が思う一番大きな違いは、最後に世の中とどう折り合いをつけたかということ。自分の心を押し殺した(ちょっとズルくなった)三上(「すばらしき世界」)に対して、「尊厳を失ったら終わりだ」と告げ、反抗に及ぶダニエル(本作)。■亡き奥さんとのエピソードや葬儀で明かされるメッセージなど、映画的なカタルシスは本作の方があります。■しかし、福祉事務所の理不尽が、さすがにこれはないだろうと思いますので8点です。(あるんですかね)。■物語中盤、園芸センターの経営主がダニエルのキャリアを認め、雇用の申し出をしてくれるのですが、ここで断らずを得ないダニエルの気持ちに胸がふさぎます。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-02-21 17:17:05) |
7. ワンダーウーマン
《ネタバレ》 戦争を止めるためには軍神アレスを仕留めなければならないって妄想が膨らみすぎて、その行動を妨げようとする勢力(ドイツ軍)に対しては、まったく容赦がないってなんかおかしくない?無敵のように強くて、美しくっていろんなことを知っているんだけど、幼稚。子供設定ならいざ知らず(ハンガー・ゲームの主人公がそうでした)、いくら育ちが特殊(女性しかいない島で、プリンセス)だったとしても。無垢が魅力なんだと思いますが、大人の女性がこんなだとなあ。ものすごくバランスの崩れたものをみているような気持ちになりました。ルーデンドルフ総監を倒して、何かに気づいたようでしたが、それから先はもう、それまで積み上げてきたテクニカルな戦い方を捨てたドカンボカン。まあ、オラには、わからなかったですよ。 [DVD(字幕)] 3点(2021-01-22 17:36:44)(良:1票) |
8. 悪い種子
《ネタバレ》 「禁じられた遊び(1952)」以降の作品とすると多少割引いちゃいますけど、それでも面白い。それほど周到な悪ではなく、やっぱり子供らしいツメの甘さ(宝箱にメダルを保管しちゃったり、雇い人の誘導尋問に引っかかったり)があるところがむしろ怖い。おそらく母親のことは、本当に世界一綺麗で優しいと思ってた彼女がやらかしていることだと思うとゾッとする。雇い人の焼死のシーンを母親の視線だけで見せたシーン。母親の絶望がみるみるうちに伝わってきます(へんな言い方?)。最後天罰が降るシーンは、見た時は興醒めとも思いましたが、これを書いている今は、時代のついた味わいだと思っています。お尻ペンペンのシーンも含めて。今時の身も蓋もないのじゃなくて、演出にいわゆる良識のあった頃の映画なんだなって。 [DVD(字幕)] 7点(2020-10-19 22:05:31)(良:1票) |
9. 若おかみは小学生!
《ネタバレ》 なるほど。面白かったですというか、なんか好感を持ちましたというか。基本的なフォーマットは、幼気(いたいけ)で、元気な女の子(チョット勉強は苦手)が、大きな不幸にも負けず(健気)に、周囲の心を動かしていくってやつ、つまりNHKの連ドラのアレ、往年のケンちゃんシリーズのソレなわけで。まあ、この式に馴染みがあるオトナにとっては、外さない仕組みなわけです。ですからこれ、今回は映画でやりましたけれど、続編はNHKの深夜にドラマとして、半年に一回くらいのペースでやったらいいんじゃないでしょうか。おっこの成長をもう少し見守りたいような気になっています。旅館屋のおっこちゃん。【追記】ああ。テレビで日曜の朝に15分枠で子供用にやってたのですね。しかしそれでも、NHKの深夜枠で、少し屈託のある内容でアニメドラマとしての続編。ノスタルジーに浸りたい大人向け。需要ないっすか。 [地上波(邦画)] 7点(2020-05-31 22:50:00) |
10. ワンダフルライフ
《ネタバレ》 最も幸せだった記憶とだけあの世に旅立てる。とっても心優しいファンタジー映画だと思ったのですが。しかし。我が身に振り返って考えてみると、やはり誰かと心を通じ合えた記憶にするだろうなと思うのだけれど、渡辺一朗氏のエピソードみたいにパートナーとすれ違いがあったらイヤだなあ。それなら飛行シーンにこだわった彼のように、独りの幸せの記憶を選んだ方が懸命かもね。とか、考えながらみていました。そしたら。最後の試写会はグループみんなでみるんじゃないですか。そんな究極のプライバシーを。これからあの世に行くにしても。いや、あの世にいってからもなんか気まずいじゃん。それなら、もう少しチョイスするエピソード考えたよ。(せこいよ、オレ)なんてね。1時間45分頃に、望月のしおりへの言葉、「だから 僕は消してここでのことを忘れたりしない」。このシステムの運営側としては、軽々に言ってはいけない事と思われ。ここでの事を忘れること前提で、別れを告げる方が誠実なのではないか。というわけで、優しさを装ったデリカシーのないファンタジーということで、ワタシの中では収まりました。でも、オレも誰かの幸せに参加していたいなあ。 [DVD(邦画)] 3点(2016-10-09 07:44:01) |
11. わるいやつら
《ネタバレ》 物語への間合いが計りにくい作品。戸谷院長。ああ、サスペンスだから、この人が最初に死んでしまう人だなって思ったら、物語の中心人物じゃないですか。しかも、理由の分からないモテさ加減。終始、え、なんでと思いつつ観てました。緒形拳がでてから、ようやく物語が正気に返った感じでしたな。 [DVD(邦画)] 2点(2016-02-14 07:50:44) |
12. ワールド・ウォー Z
《ネタバレ》 終幕近くになってから見始めたせがれに、この人は一体何をしているのかと聞かれ、「ゾンビから身を守るために、自ら○○○を打ち、○○になろうとしているのだ」。自分の口から出てきた言葉があまりに馬鹿馬鹿しいことに、はたと気づいて唖然としたワタシ。あらかじめB級映画として見ていれば、そこそこだったと思うのですが、ブラピの大物然とした二枚目っぷりがこの世界観に合わず。それでこの点数です。 [DVD(字幕)] 3点(2014-05-29 22:19:53)(笑:1票) |
13. ワイルド・スピード
《ネタバレ》 もっとアクロバチックな車のサーカスみたいな映画を期待してましたが、そういうものではないのですね。とにかく、作中の音がうるっさい。チューンナップされたエンジンの音とか、軋むタイヤの音とかうるっさい。地球が壊れたり、宇宙人と戦ったりするもっと騒がしい賑やかな音の映画を観てきましたが、本作のはホンットうるっさい。夏の夜に県道走っているあいつらの音なのですね。やってる悪事はDVDプレーヤー泥棒って、小者っぷり。それでいて結構友情に厚かったりする、ようするに外国の「ヤンキー映画」です。本邦にもそういう映画の需要はあるように、外国にもそれが楽しい方々がいるんだろうけど、なんで大人しい日本のワタシがそんなの見なきゃいけねーんだよって感じでした。 [ブルーレイ(字幕)] 3点(2014-02-21 22:47:23) |
14. 私は二歳
《ネタバレ》 高度経済成長期における若夫婦の日常を赤ちゃんの視点から描き出すということであれば、もう少しコメディっぽいものを期待してました。しかし、その赤ちゃん視点が、期待していたほどには少なく、また若夫婦の日常もおそらくとってもリアルなもの。喜劇要素なし。期待はずれ。なんにも起伏なく進むストーリー展開に、1962年のキネマ旬報ベストワンだったそうですが、「切腹」や「椿三十郎」を抑えて何故?という気持ちでいっぱいです。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2012-01-03 19:21:32)(良:1票) |