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1.  グラン・トリノ
古き良きアメリカの象徴としてのグラン・トリノ、そしてウォルトもまた古き良き時代のアメリカ人なのだと思う。すごくシンプルな物語、けれど頑固じいさんの生き様を描いた感動作という感じはしませんでした。「とにかく伝えたい」こんなことを感じた。 「ミスティック・リバー」でのデイヴも「チェンジリング」でも守られなかった子供を描いている、しかし本作では最優先に守り教え、信頼関係を築く。 幼い子供、未熟な若者を守り教え、導くこと、それが未来への希望に繋がるというメッセージを感じる。 イーストウッドは神に祈り、赦しを請い、希望をもらうことに期待も意義も持っていないのでしょう、人間の業を受け止め、人間の可能性を信じる人なのかなと。 時代は変わっても変わらない、変えてはいけないものと変えなくてはいけないものを見せられた思いです。床屋と建築現場監督との関係、隣人との交流の行程、男同士のコミュニケーションから女のくどき方も教える、良かったですねぇ。ユーモアを絡めた演出は余裕があり、安心して観ていられる。さすがです。 グラン・トリノはモン族のタオに受け継がれ、白人至上主義のアウトローは消えた。 コレは今までライフルやらマグナムやら撃ちまくり、数々のアウトローを演じたイーストウッドのひとつの結論としての意味もあるのでしょうか、そして「ミスティック・リバー」で描いた怒りと暴力の連鎖も終わらせた。 80歳になるというのにこんなことをやってのけるクリント・イーストウッド、本当に頭の柔らかい人格者、生涯現役、素晴らしい。エンドロールが始まってからなぜかポロポロ泣けた。
[DVD(字幕)] 10点(2010-05-16 13:38:37)(良:1票)
2.  チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 
理不尽すぎて何がなんだかわからないような話です。けれどこれに匹敵する話は今も昔も世界中どこにでもあるはずで、そういう人の世を見続けてきたイーストウッドが「こんな酷い目にあい、それでも希望を持って気丈に生きた母親」と今さらストレートに描くとは思えない。オープニングの寒々とした緊張感、これから何をどんなふうに見せられるのかドキドキした。 息子との短いやりとりのほんの2~3のシーンでクリスティンへの違和感を持った、特に息子を学校へ送り届け電車に戻ったクリスティンは一度も息子を振り返らない、有り得ない。そして彼女は息子が消えた後もいつも真っ赤な口紅を付けている、有り得ない。 クリスティンの人物描写のこの厳しさ、その他の大人たちも厳しい目で描かれる、この大人たちの子供への対応は大人げなく、高慢で横暴で自分の都合のみ。偽息子へのクリスティンのそれも例外ではありません。 子供の心情を優先しようとする大人がひとりもいない。死刑執行を間近で見物し、事務的にメモをとっている人までいる、死刑制度そのものより異常と感じるし、そこには瞬きもせず一部始終を凝視するクリスティンがいる。 子供たちがなぜこんな理不尽で残酷な事件に巻き込まれなければならないのか、イーストウッドの子供たちへの愛と心痛な想いがヒシヒシと伝わる。 理不尽な世の中と大人たちの中で子供たちは不安を抱え怯えながらも純粋で健気だ、子供たちのセリフがズシリとくる。 後半、状況が好転し始めた時にクリスティンが学校の前を通りかかる、この時は見えなくなるまで学校を見つめるクリスティン、かけがえのないモノを無くしてから気づくことの大きさは計り知れない。最後までクリスティンに同情するような描き方はされない。観終わった後、印象に残ったのは犯人の従兄という少年の話をきちんと聞いた刑事とクリスティンの職場の上司、ハリスさんでした。 これは昔々こんな酷いことがあったけど正義が勝ったという単純なものではありません、こうなる前に何をもっても、全てを犠牲にしてでもせめて我が子は守り抜けというメッセージを感じます、これは私が子持ちだからかもしれません。 テーマの奥深さ、描き方の公平さ厳しさ、けれどラストには漫然ではない根拠のある希望、可能性があり救われる。イーストウッドのすごさを改めて感じました、パーフェクトな映画だと思う。
[DVD(字幕)] 10点(2010-04-04 12:36:59)(良:2票)
3.  アメリカン・ギャングスター
まず、これは男性が好む映画だなと感じました。とにかく前置きが長い、いつになったらラッセル・クロウとデンゼル・ワシントンが顔を合わせるのかとジリジリしたけれど、二人が出会うまでを交互に丁寧に描いているのね、だから飽きない。 時代設定が70年代なら作風も70年代なの。いつお風呂に入ったか分からないような、どうにもこうにも清潔感のない刑事たちと小ざっぱりとダンディなギャングに悪徳警官たち、いいですねーこういうの。 あの年代の映画によくあったじっとりとしたアツさを感じる映画です。リドリー・スコットのこんな映画は初めて観た気がします。実話をもとにした、俳優と製作者のセンス、力量でみせる久々の映画といっていいのじゃないでしょうか。 男同士の対決といったらマイケル・マンが浮かぶけど、あっちはあくまでも理想の男ならこっちは等身大の男同士の対決という感じ、だから憧れはないけれどリアルで説得力があるように思います。 ラッセルのこういう役柄も初めて観た気がする、なかなかいいじゃないですか、益々好きになりました。正統派ハンサムで完璧な善人顔のデンゼル・ワシントンは犯罪者やクセのある役を演じるには見た目で結構損してる気がする。 あのハチャメチャな「バーチュオシティ」も思い出しました。共にオスカー俳優となっての共演はなんか感慨深かったです。
[DVD(字幕)] 10点(2008-10-06 08:51:49)
4.  死ぬまでにしたい10のこと 《ネタバレ》 
出演俳優はサラ・ポーリーしか知らなかったし彼女の作品を見るのも初めて。どことなくスーザン・サランドンに似ている気がするサラ、母親はブロンディのあのデボラ・ハリーではないの、マリア・デ・メディロスが美容師になって登場するは、ダイエットおたくの友人はアマンダ・プラマーと驚きの連続という見始めでした。 とにかく設定の全てがなんと悲しいのか。アンの若さに泣けた。娘たちの幼さに泣けた。若い夫婦が貧しいけれど愛情いっぱいに暮らしているのに泣けた。そして死ぬまでにしておこうと書き出したことのほとんどがなんら特別なことではなく、日常普通にしていることなのが泣けた。告知されてからラストまでうるうるしながら見ていました。ラスト、残された人たちが新たな人生をスタートさせている様を見たとたん号泣。 若くして母親になり、夫しか知らず、貧しいトレーラー暮らしをグチらなくとも満足しているわけがない、彼女はまだ23才だもの。自分がこうなりたい、ああもしたいと望んでいたことを皆に託し、自分がそこにいない家族の光景を眺めながらひとり死んでいったアン、浮気に対して厳しいご意見もありますが、私的にはこの映画に関しては死を宣告された彼女の選択は完全に「有り」です。 語り継がれるようなことを成し得て死ぬ人もいますよ、それはそれで凄い。けれど変わり映えのしない平凡で退屈な日常もまた、どれほどの幸福であるかを思い知らされる映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2004-09-01 09:49:25)(良:1票)
5.  ミスティック・リバー 《ネタバレ》 
これは怒りと暴力の連鎖、それに関わる人々が非常にリアルに描かれていると感じる。癒えることなく血を流し続けるキズを持ちながら必死でそれに耐え、平静を装っているデイヴ。ジミーとショーンにとってはデイヴのその存在自体が重荷だったのでしょう。セレステは全てを予想し、告白する相手にジミーを選ぶ。アナベスは自分にジミーに言いきかせ、間違ってはいないと思い込むことで自分と家族を守る。毎月の500ドルの送金のために父親のことを諦めざるをえないあの一家。ラスト近くデイヴから開放されたかのように妻からの電話に初めて謝罪の言葉を口にするショーン。これらは自分はこうはなりたくない、なるまいと思いながらも、何かがきっかけとなって誰でもそうなりえる現実なのだと思う。同情はできないが娘を殺され、ショーンが語る納得できそうにない自白内容を受け入れるしかないジミー。アナベスの「あなたにはあと二人娘がいるのよ」という言葉からも想像できる義理の娘との確執。その娘がいなくなったことで自分と実の娘たちでジミーを独占できる満足感があの独善的な言葉となったように思う。デイヴがケイティ殺しの犯人と思い込んだセレステはそれを世間に知られることを最も恐れたのだろう。イーストウッド監督はこのような表には出にくい人の業を淡々と映し出していく。正義はないけれど深い作品です。しかし車で連れ去られた25年前と同じ光景は痛すぎる。忌まわしい過去の上に殺人者となってしまったことを抱え、救われることなく葬られたデイヴがなんとも痛ましく涙が出ました。一見平穏を取り戻したかのようなラスト、しかし何も解決はしていない。またしても臭いものに蓋をしてしまった人々。怒りと暴力の連鎖はデイヴの息子マイケルに繋がっていくのでしょう。決して忘れることなどできない不幸を忘れるんだ、忘れなさいと無かったこととして無理やり封じ込めることの不条理、恐ろしさを感じる。アナベスのあの言葉が象徴的です。ティム・ロビンスは秀逸。ショーン・ペンはハマリ役ですね。マーシャ・ゲイ・ハーデンのオドオドとした歯がゆい演技とパレードのシーンでローラ・リニーが見せたあの目、表情が凄い。ケヴィン・ベーコンが初めてシブく、かっこよく見えましたねえ。そして「グラディエーター」「アンブレイカブル」の大っ嫌いな子役のあの子。最初に出てきた時にイヤな予感がした。
[映画館(字幕)] 10点(2004-03-13 01:24:59)(良:4票)
6.  トラフィック(2000)
あまり積極的に観始めたわけではありません。途中で寝ると予想してました。が、なんとまあ、面白い、面白い。どんどん惹き込まれてしまいました。「麻薬」を中心に三者三様の話が同時進行していくわけですが、ブツブツ途切れた感じなど全くない。三つの話がラストできれいに繋がるというわけでもない、逆にそうなってしまったら「ああーやっぱりねー」て感じで、フツーの娯楽作品になってしまっただろうなぁ。きっちり繋がってはいない、けれど当事者も知らない意識しないところで「麻薬」によって実は繋がっているだよと感じさせるのがいいです。キャストもよいわね、ベニシオ・デル・トロ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ、特にキャサリンについては、それまで持っていたイメージは私の誤解だったとわかりました。いまに浮気相手が登場するんじゃないかとヘンな期待を持って観ていたマイケル・ダグラスなんですが、ここでは自分の社会的立場とクスリに溺れる娘を抱え、かなりの好演好印象でした。最初から最後まで緊張感漂う秀作だと思う。スティーヴン・ソダーバーグの底力を見たような気分でした。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2003-11-22 00:38:39)(良:1票)
7.  イースタン・プロミス 《ネタバレ》 
ひとことで言って、めちゃくちゃクールなバイオレンス映画。 けれど、14歳で死んだロシアの少女の日記がオープニングからラストまで語られるとこから ロシアンマフィアの実態とか現状を世に知らしめようという意思が感じられて 単なるバイオレンスじゃなくきちんと社会派映画になってると思う。 タイトルの「イースタン・プロミス」意味が人身売買だそうで、もうこれだけで問題提起は何かが わかるし。  俳優も物語の進み方も無駄と感じる所が一切なく、へんな娯楽性もなし。 バイオレンス映画、しかしそれを欧州のなんとかって監督みたいに「世の中、人間なんてこんなもん」的に 描いてないとこが良いです、グロいシーンもあるけど暴力を否定的に描いてると感じます。 特にヴィゴ・モーテンセンの、いいやつなのか非道なヤクザなのか・・・というキャラといい所作といいサイコーです。 全編、物凄い緊張感。安定のヴィゴの最高にシブイ演技。観てよかったー。
[DVD(字幕)] 9点(2017-06-22 17:11:15)(良:1票)
8.  その土曜日、7時58分 《ネタバレ》 
うん、なかなか見応えのある映画でした。 あの両親も元々シロウトじゃないんですね、二人の息子たちは全然似てない ダメ男ていうのは共通してるけど。 大金を得るための思い付きみたいな犯行、それが思いもよらない悲劇へ。 「ファーゴ」とか「シンプルプラン」とか思い出したのでした この作品は親子兄弟の関係が描かれていて、やたら仲の良いラブラブな両親、 それはいいけど息子たちへの関心の無さね、長男の劣等感やチャラい次男のいい加減さ そういうものがしっかりこちらに伝わってくる。だからこっちものめり込めるわけです。 俳優たちの演技も最高、イーサン・ホークの歯がゆくてイライラする演技に感心しました 傑作!!
[CS・衛星(字幕)] 9点(2016-04-07 00:00:59)
9.  イングロリアス・バスターズ 《ネタバレ》 
久々にのめり込んで映画観ました。さすがタランティーノ、オモシロイ!! タランティーノ作品の特筆すべき点はキャスティングの絶妙さ鋭さ、畳みかける会話と 音楽。今作はそれが冴えわたっている。 なかでもやっぱりランダ大佐、クリストフ・ヴァルツ。これまたすごい俳優がいたもんですねー。本当にいやらしい人物であるランダ大佐を見事に演じていたと思います、あっぱれです。「おとなのけんか」でもイライラするわ、いやらしいわで今まで見たことないタイプの俳優さんです。 何回か出てくるテーブルを挟んでの緊迫するけどしつこい会話のシーン、これが見所でした。オープニングからいきなりコレが出てきちゃったらもう最後まで観るしかないでしょ。 上手くいきそうでいかないという歯がゆい展開、映写室にひょっこり現れるフレデリックには笑うしかなかったし、あれだけ鋭くいやらしく事を運んできたランダ大佐のラストのアレ、胸のすくような素直でストレートな終わり方にしないのがやっぱりタランティーノなのでした。健在だった、よかったー ふざけてるけど、でもナチスは許さないというモノはストレートに伝わってきました。 タランティーノ流ナチス批判映画だと感じました。 二度とあのようなことは将来絶対無いとは言い切れないからね。 
[CS・衛星(字幕)] 9点(2014-04-11 17:21:07)
10.  ファム・ファタール(2002) 《ネタバレ》 
コレ面白い、大好きなタイプの映画です。 オープニングからして単なる犯罪映画じゃないと感じるモノがムンムンしてる、どこまでいっても予測不可能、次から次へと展開するへんてこりんなシチュエーション。 デ・パルマがノリノリだとこうなるのね。今回はヒッチコックよりデヴィッド・リンチが浮かぶ。 金魚の水槽の水がだーだー溢れてるのが意味不明だったけど、そんなことは忘れた頃にそうくるか・・・そこまで戻るわけか・・・やられました、お見事というしかありません。 デ・パルマ独特の映像美と怪しいパリの街、パリって犯罪映画のよく似合う街だわね。 レベッカ・ローミンはモデル出身だけあって、完璧なボディはもう芸術、完璧すぎて淫靡さには少々欠けるけど男と女のすったもんだの愛憎がテーマじゃないから、現実離れしたスーパーボディのミステリアスな美女はあってると思う。しかしほんとにあんなカラダしてる人がいるんですね、ウエストのくびれからヒップラインの流れなんてもう神です。 何がテーマかといったら「もしもあの時こうしたら、しなかったら」でしょうかね、ロールだけじゃなく、取り巻く人々の人生も変わるというものです。こう考えると普段何気なく選んでいる些細なことも結構意味を持つことなのかもなんて気がしてきます。 ただあの黒人俳優がさ、なんていうかすごく場違いな暑っ苦しさがあって不快でした。これでマイナス1かな。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-05-11 22:11:01)(良:1票)
11.  めぐりあう時間たち 《ネタバレ》 
ヴァージニア・ウルフのことも「ダロウェイ夫人」も知りません、何年か前に録画したビデオを見かけたことがあるけど、重そうで断念したことがあります。そして気まぐれにこの度観ることになりました。 オープニングのクレジットが出ている時点でこれから何が始まるのかが暗示されてるようで、それがわかるということにこの作品の質の高さを感じました。 これはそれぞれの時代のヴァージニア・ウルフを描いていると私は思います。 そうなるとですね、ローラのバージョンがいちばんキツイんです。あの時代の専業主婦なのにケーキを焼くのも初めてのようでしたし、見事なまでに母性を感じない女性、家族を捨てた根拠はこれで充分理解できました。そして家族の誰よりも長く生きているローラ。 ダロウェイ夫人と同じ名前のクラリッサは同性愛のパートナーといることで安らぎを得る。このように少しずつ変化がつけてある部分が見事です。 ローラもクラリッサもいつも死を予感させながら、何かを背負いながらもちゃんと生き延びる術、手段を手にする。ヴァージニア・ウルフの変化形ともいえるローラとクラリッサがついにめぐりあい同じ場所で同じ時を持つ、ロマンですね。 作者のヴァージニア・ウルフへの愛情を感じてしまいました、もしかしたらこれは案外ハッピーな映画なのかもしれない。 俳優たちの演技も見事でした、この脚本にみんな惚れ込んだのかなぁなんて思いました。しかし私としてはやけにワイルドな雰囲気で登場したジェフ・ダニエルズに目を見張ってしまいました、カッコイイじゃないですか!! やはり映画は脚本が大事なんですよねー「それぞれの時代のヴァージニア・ウルフ」を描いたというのなら、その完成度はとても高い作品だと思います。 ヴァージニア・ウルフの小説、経歴、人となりなどよく知っている人ほど興味深くたのしめる作品だと思います。
[DVD(字幕)] 9点(2010-10-14 16:52:17)
12.  3時10分、決断のとき 《ネタバレ》 
男っぽいラッセル・クロウに期待して観賞、裏切られませんでした。もう最高! クリスチャン・ベールもいつのまにこんなイイ役者になったの?イメージ変わりました。 丁寧な状況、背景説明がないからオープニングあたりはいったい何がどうなのよ?って感じだったけれど話が進むうちにきっちり見えてくる。 優等生と悪ガキが反発、対立しながらも共感していき、同じ目的に向かって突き進む、そんな感じでしょうか。二人で列車まで駆け抜けるあのシーンには鳥肌が立ちました。  ベン・ウェイド、なんて魅力的な男なんでしょう。ラッセル・クロウはこういう役を演じると魅力爆発です。 登場人物の中でいちばん人間味を感じる人物だったベン・ウェイド。逮捕されたきっかけは女っていうのがいいじゃいですか、しかも絵が上手なのよ。ダンの息子も奥さんもあっという間に彼に惹かれる。誰もかれも多かれ少なかれベン・ウェイドに魅了されちゃうんです。 この映画、何が誰が善か悪かは問題にしてないんですね、酒場ではやけに気が利いたチャーリーですが、こいつこそなんにもわかっちゃいない大馬鹿野郎でした。 滅茶苦茶かっこいい映画が観られました、満足です。
[DVD(字幕)] 9点(2010-03-14 17:35:14)
13.  ウェルカム トゥ コリンウッド
何これ!!好き好き、こういうの大好きです。こんなにゲラゲラ声出して笑った映画はほんとに久しぶりです。まずキャスティングがいい、みんなハマってる。 いつも赤ん坊を抱っこしてるウィリアム・H・メイシー、赤ん坊抱っこしなくなったら今度は石膏でがちがちに固められてやっぱり右腕がふさがってる、笑いました。 トト役のあの俳優さん、いい味出してましたねえ。 哀愁漂うダメダメ男たち、これでもかと続く絶妙のタイミングの悪さ、もう笑うしかありません。ふっとウディ・アレンの「おいしい生活」がよぎりました。 なんていうのかなあ、こういう男を見ると守ってあげたい癒してあげたいって思うんですよ、プライドとか変なミエのない一途さを感じるんでしょうか、良く言えば純情、悪く言えば単純?その境界線スレスレの感じ?なんか母性が湧いちゃいます。 「オーシャンと全く逆の泥棒たちなんてどう?」なんてソダーバーグとクルーニーが一杯飲みながら冗談半分で出た話が実現したのかなあ、なんて想像してしまいました。 ドタバタだけど粋でセンスのいいコメディでした、観た後も思い出し笑いしてしまったわ。 
[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-09-02 00:52:58)
14.  マッチスティック・メン 《ネタバレ》 
これは面白い!まったくの予備知識なしで観たのがよけい良かったと思う。 無駄なシーンはまったくないし、軽快で演出も伏線の張り方も何もかも粋な映画。 出てくる人が誰もかれも胡散臭いの、唯一信じられたのはドラッグストアの薬剤師?店員さんかな。出来すぎ感アリの娘の言動でこれはもしかして・・・と思ったら案の定そうでした。 でも子供の存在っていうのは万国共通偉大ですね、結果的にロイは安堵を手にしたわけで、カーペットの汚れに神経をすり減らす生活から解放された。しかしカーペットからは最後まで縁が切れなかったラストには笑いました。元奥さんとレジの彼女は似たタイプだし。 通り一遍じゃないハートウォーミングな人生再生映画かな。ニコラス・ケイジがすごくいいです、サム・ロックウェルは久しぶりに見たけどなかなかカッコイイ。 騙しているだけでは気づかない、騙されて初めて気づき学ぶことは大きいかもね。 
[CS・衛星(字幕)] 9点(2009-08-23 00:05:20)
15.  ボーン・アルティメイタム
前作の手ぶれ、カット割に辟易し、怒りすら感じたのですが、今作はいいですね、前ほどひどくなかったと思います。 これは面白いです、特に駅のシーンの緊張感と流れのよさね、いちばん盛り上がったなぁ。相変わらずカーアクションも見ごたえありました。 ジェイソン・ボーンシリーズのいいところは爆破シーンやバタバタと人が死ぬ撃ち合いがないのがいい、からだに叩き込まれた知識と技術、能力が武器っていうのがいいです、どことなく憂い、情感のあるインテリジェンスなアクション映画。確かマットがインタビューでこの役を選んだ理由に同じようなことを言っていたと思う。 そしていつもラストがなかなか粋なのね、1作目のオープニングを思い出させるラスト、わかっちゃいるけどやっぱり「ニヤっ」としてしまいました。エンディングの曲もかなり好きです。 そうそうマリーはジェイソンに髪を染めてもらってカットもしてもらったのに、ニッキーはどっちも自分でしてました、なんだかいちばん切なかったシーンです(^_^.) スコット・グレンの影が薄かったのがちょと残念です 
[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-09-28 00:59:24)(良:1票)
16.  砂と霧の家
冒頭、保安官役でお気に入りのロン・エルダードが出てきた時に「こりゃただの親切なおまわりさんで終るはずない、絶対絡んでくる」と予想してそのまま鑑賞することにしました。 この映画のキーワードは「家」と「執着」でしょうか。母も兄も出て新しい道を選んだのに対しキャシーがあそこまで家に執着するのは家が大事なのではない、子どもを産むことを拒絶された上に去っていった夫、ひとりぼっちになった彼女にとって父の遺した「家」はたったひとつの拠り所、自分の存在を証明する唯一のものだからじゃないかな。けれど大佐の奥さんの暖かい心に触れ家はどうでもよくなる。母国を追われアメリカに亡命したイランの元大佐はアメリカではなんの効力もないにも関らず大佐という肩書き、身分を捨て切れず執着している。保安官は「自分の家と家族」はあっても心が満たされずにいる。 ひとつのことに執着し続けたキャシーと大佐、強引に前に進もうとした保安官。相手の事情、心情を考慮せず信じず、自分を押し通すことが最悪の結果を招いたということでしょう。皆性悪の悪人ではない、特に大佐の息子に罪はない、これが悲しいですね。この三者を結びつけたのが行政ミス、大佐が亡命するに至った理由も国の都合なのでしょうか。アメリカだからの話じゃないですね、ただ、そこに銃があるかないか、警官がすぐに発砲するかしないかの違いです。  現実的な社会を背景にして人間の業を描き、問題提起しているモノというのは国や民族文化が違ってもあらゆることに共通、通じることだと思う、この映画は「対岸の火事」じゃないですね。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2008-04-27 12:59:24)
17.  クラッシュ(2004)
ひっさびさに出会えました。まさにこれは「映画」です。この作品をひと言でいうと「厳しい、けれど可能性はゼロじゃない」かな。それぞれのエピソードを観ていくうちにこの作品において「人種差別と銃」の問題はアメリカを語る上であって当然、無きゃおかしいというシチュエーションにすぎず、メインテーマではないと感じた。人種も立場も地位も違いながら皮肉な巡り合わせで繋がっている登場人物たち、唯一共通しているのは、皆いつもイライラして怒っている、心の安堵がないということ。けれど不条理で複雑な世の中で安堵を求めて必死に生きている。求めていることは人間みな同じ、それを手に入れるためには正しいことばかり言ってはいられない、悪いこともしてしまう、そんなことが浮かびました。そういう意味でこれはアメリカに限った事ではないとも思う。 ”「価値観の違い」「人それぞれ」はあったりまえ。それに拘る人は一生言ってればいい。そのかわり一生信頼も安堵も手にできない、独りよがりの勘違いだと気付かない” アメリカという国はそれを語るには充分すぎるくらいの下地があるのです、わかりやすいのです。  困難な日々にふっと訪れるひとときの幸福感、それはそれまでの苦悩を帳消しにする威力があり、次への希望になる。人の一生はそれの繰り返しなのかもしれない。黒人の幼い娘がエンジェルならペルシャ人の娘は聖女でしょうか。ふたりの娘は希望と安らぎを感じる存在でした。綿密な脚本と構成、選曲とその使い方も洗練されている。素晴らしい!  
[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-03-06 19:12:25)
18.  カレンダー・ガールズ
こういうの大好きっ!!ほのぼのしていていいわ。でもハリウッドでの扱われ方がね、なんといいますか、イギリス人とアメリカ人の違いっていうのかなあ、胸がチクっと痛む。どうして彼女たちがヌードカレンダーをつくったのかというのがどこかにいっちゃってるの。早くイギリスに帰ればいいのになんて思いながら見てた。クリスとアニー、たぶんこの二人は子どものころからいつも一緒でお互いを知り尽くしているんじゃないかなあ、だからあんなケンカもできるし、その後仲直りもできるような気がする。カレンダーの撮影をしてるシーンは軽快で楽しかった。みんなだんだん大胆になっていくのね。でもさ、あのカメラマンなんだけど、もうちょっとリラックスして楽しそうに仕事してもいいじゃん、なんか必死の決死隊みたいでちょっと失礼だわよ。女だって死ぬまで女なんだからさっ(笑)
[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-12-02 21:27:52)(笑:1票)
19.  ニューオーリンズ・トライアル
久しぶりにジョン・グリシャム原作の映画を観ました。陪審員コンサルタントなる職業があることも初めて知りました。ジョン・キューザックはまっとうな正義の人という役柄が少ないからなのか、ラスト近くになるまで善人なのか悪党なのかどっちだと引っ張られましたね。キューザックが出てればお約束通りジェレミー・ピヴェンもいるわけなのですが、ダスティン・ホフマン側のコンサルタント役としてはちょっと影が薄かったのが残念です。キューザックの友人&協力者でもっと絡んでくるのかと思った。なんといってもジーン・ハックマンかなあ、いつもながら凄い存在感です、ダスティン・ホフマンとのキャラの違いを着ているスーツで見せているのがいいわね。テンポもいいし、これはかなり面白いよ。レイチェル・ワイズは強いし。「12人の怒れる男」を彷彿とさせるシーンは盛り上がったなあ、あそこはもっと見たかったです。この数年に観た法廷モノの中では抜群だと思う。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2005-07-03 10:26:25)(良:1票)
20.  “アイデンティティー” 《ネタバレ》 
大雨が原因でモーテルに集まった10人、このザーザー降り続く雨、みんなビショ濡れがなぜか今回はジメっとした湿気を感じることなく、いい雰囲気で怖さを盛り上げてくれました。ジョン・キューザックとレイ・リオッタ、やっぱりこの二人がノーマルな役で出てくることはないんですなあ。「囚人護送」の絡ませかたがいいわね。最初からあんまり必要じゃないように思えたティミーの存在、しかし昔実父から虐待を受けていたと語られたり、上着を着るリオッタの背中、デモーネイの部屋の鏡に映る人影など「おや?」と思わせられる。「ここで気づける人は気づきなさい」というシーンでしょうか、私は気づくには至りませんでした。「そして誰もいなくなった」的にこっちもあっちもと行く先々で人が死んでいき、ご都合主義のなんでもありに拍車がかかり始め「おい、おい大丈夫?」となりかけたところでタネあかしと、絶妙のタイミングだと感じました。あのオチならそれまでの出来すぎのエピソードはアリと考えます。なるほど「アイデンティティー」かあと、見終わってタイトルが持つ意味を噛みしめた次第です。ティミーが暴力におびえる子どもの人格ではなく、これこそが殺人者であったというのが怖いし、してやられたというところでした。すごいオチだわ。でもレベッカ・デモーネイ、アマンダ・ピート、クレア・デュヴァルの女優三人がギャーギャーわめき過ぎなのが不快。クレアはかなりハマり役ではあったけどね。
[DVD(字幕)] 9点(2004-10-07 09:59:10)
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