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1.  時をかける少女(2006) 《ネタバレ》 
この映画は海外のレビューサイトで見かけて興味を持ちDVDを借りて観た。そうでなければ男が積極的に観たくなるような要素はあまりないと思う。タイトルといい、ストーリーといい、あまりにもありふれているからだ。しかし見終わったらすっかりこの90分ほどのアニメに魅入られていた。映画としてのデキ以前に「この映画が好き」と言わせる何かがあるのだ。時かけの監督の細田守はジブリの試験を受けたと知って妙に納得したが、「観客のガードを下げさせるシステム」がジブリの良作に似ている。それからこの映画にも「もし間違ったら駄作になってしまうポイント」がいくつかあるが全てクリアしている。(最後に千秋が真琴にキスしない等)ちなみにこれは青春映画なので「タイムリープの概念に矛盾がどうの」とゴチャゴチャ言うのは野暮ってもんだ。そもそも実際に時間移動したらどうなるか、時間移動可能な社会でどんなルールがあるかなんて誰にも分からないんだから。これは理詰めでストーリーを追って行って最後に「そう来たか!」なんて言わせようとするタイプの映画ではない。細田監督の演出力、真琴役の仲里衣紗の好演に素直に魅入られれば良いのだ。全体として素晴らしい青春映画だと思う。間違いない。
[DVD(邦画)] 9点(2008-10-28 02:44:19)
2.  マルホランド・ドライブ
この映画のレビューを書くと、どうしても個人的な解釈を長々と書き連ねる物になってしまいがちだと思うが、この映画は元々TVシリーズ用に企画された物がボツになった所から始まっているので、思わせぶりだが劇中では本当に何の意味もない人物も多いし、謎の解釈についても監督のデヴィッド・リンチが「観た人が自由に考えてくれればいい」と言っているので、絶対的な正解という物はないのかもしれないし、こういう意図的に見る側を混乱させようとして不規則に組み立ててあるパズルを理論的に理解しようと努力するのは馬鹿らしい、と何度も観た結果、思った。「注意深く何度も見れば分かる」のではなく、証拠がないという事は何を言っても推測に過ぎないという事で、誰かも言っているように抽象画を愛でるように楽しむのがこの映画の正しい楽しみ方じゃないだろうか。実際、「冒頭シーンと最後はループしている」「いや、してない。だってさあ...」などと、あれこれ言いながら少なくとも数日は楽しめるし、オペラハウスのシーンは訳も分からず感動した。それでいいのかもしれない。逆に考えると、ストーリーの整合性如何に関わらず、一流の役者は一流の演技するんだなあ、と感心する。監督って楽な商売かもしれない。
8点(2004-04-15 00:38:17)
3.  さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅
最近はアニメもあまり見ないけど、この間久々にこの映画を観て子供の頃の色んな記憶や感情が一気に吹き出してきた。初恋は幼稚園の同じ組の誰かだった事、そして初失恋はメーテルだった事も。本当に痛かったなあ...。漫画やアニメで何百光年も共に宇宙を旅してきて、数え切れない程の思い出があって、この映画の最後でメーテルとの永遠の別れを確信した時ハッキリと「あ、俺メーテルが好きだったんだ」と気付いた小学生の自分。まあ劇場映画第二弾の、この「アンドロメダ終着駅」は、銀河鉄道999の集大成的な前作と比べたら映画の完成度として見た場合どうしても見劣りするのは当然だし、スターウォーズ公開後にダースベイダーそっくりのキャラ(黒騎士)はないだろ..。というのは子供心にも思ったし、この映画自体の評価として正直10点はないかもしれないが、前作が鉄郎編なら、この映画はメーテル編としてなくてはならないので、そういう意味でも10点を付けたい。あんな切ないエンディングは他にないよ。ミステリアスで、宇宙一美しくて、厳しくて優しくて、強くて弱くて、母のようで姉のようで時には幼い少女のようで、最後には涙を見せずに黙って男の背中を押す完璧な女性の幻影、メーテルよ永遠なれ。そして...SAYONARA.
10点(2004-04-11 20:54:51)
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