1. 隣人は静かに笑う
《ネタバレ》 驚きの展開の末、まさかのエンディング。しばらく立ち直れない程に。 始め、隣人を疑い始めるきっかけが少し弱く不自然さを感じましたが、実はこれは観客に錯覚をおこさすための仕掛けなのかなと思いました。錯覚というのは主人公の隣人への誇大妄想、被害妄想では無いのか。それが原因で主人公が事件を起こすのでは無いかと。と言うのも、見ていて私はその様にストーリーが展開するものと思ってしまったからです。隣人役のティム・ロビンスも終盤まで善人としての表情しか見せなかったので私も良い意味で騙されました。深く読みすぎてしまったと言うのが正解かもしれませんが。主人公の講義の内容にあった爆弾事件のたった1人の犯行と言うのもラストの付箋になっていたとは。これは新しいどんでん返しなのかな。立ち直るのに少し時間がかかりましたが、「セブン」の様な後味の悪さは感じず、見終わってみればまさに邦題の通りの作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2022-02-17 00:18:20) |
2. 恋するトマト
《ネタバレ》 日本とフィリピンの現状を、飾らず時に冷徹な目線で人々の生き様をうまく描いた作品だと思いました。環境はそれぞれ違えどもみんな必死で生きている。それが良い事と悪い事、綺麗な事と汚い事と言った明と暗がコントラストとなって視聴者に訴えかけてきました。その中で主人公がどん底から這い上がり、ロマンスをきっかけに自分自身を見つめ直し、そして故郷に帰るまでを飽きる事なく見られました。ラストは2人が再開を果たしますが、如何なのでしょう。単なるハッピーエンドというより何処となくまだまだ順風満帆とはいかないぞと暗示されている様に私は感じました。 [インターネット(邦画)] 8点(2021-02-06 01:07:18) |
3. 007/カジノ・ロワイヤル(1967)
《ネタバレ》 ジョンヒューストン監督でオールスターキャストのデタラメ映画でした。 これでもかと言うくらい贅沢な豪華キャストには正直驚いた。本来なら主演を張るほどの俳優、女優がちょこちょこ出ては消える、出ては消える。 ある意味すごい映画だと思うけど、う〜ん、ひとつも笑うところはなくストーリーも支離滅裂だし、本来なら1点なんだけど、豪華キャストに1点と、はちゃめちゃなラストに1点かな。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2020-08-30 00:11:24) |
4. 穴(1960)
《ネタバレ》 ひりつく程に緊張感のある映画は数あるけど、この一編はリアリティーを追求したが為の重さが違う作品になっていると思う。 脱出するための穴をひたすら掘る、掘る、掘る。太い鉄柵をヤスリで削り切る、切る、切る。又、一つ一つの作業内容を克明に見せる所等、無駄にさえ思えるシーンも、見終わってみると全てに意味がある事がわかる。そこには一切の音楽を廃し、代わりにコンクリートを打つ音、鉄柵を削る音だけが延々と続き、これ以上の効果音は無いだろう。この映画で唯一の街のシーンは終盤のマンホールから顔を出すシーンだけど、あれは本当にシャバの空気を感じた。 表情も無く淡々と職務を遂行する看守に対し、寡黙ながら人間らしい表情の5人の囚人たちが生き生きと描かれている所も感情移入させられた。 しかし、ガスパールという主人公は一見育ちが良い若者の様だが、それまでやってきた事はかなりの下衆野朗だと言う事が所々で見て取れる。それだけにあのドンデン返しのシーン直前のガスパールの表情にも騙され、そしてなる程と思わされた。いや、あの時点ではまだ仲間に対して複雑な思いがあったのだろう。更に所長との2時間の話は一切省かれているのであれこれ想像するだけなのもフランス映画らしい。 それにしてもラストの覗き鏡に突然映し出された大勢の看守には度肝を抜いた。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2020-08-21 01:27:13)(良:1票) |
5. ミネソタ大強盗団
《ネタバレ》 ジェシージェームズを描いたものの中では一番好きかな。当時、周辺の庶民には人気があったと言われる義賊としての一面もある盗賊団。でもこの作品ではその一面を見せながらも悪党として描いている点、それが南北戦争の敗者側にいたからと言う部分も描いているところに映画全体の説得力につながっていると思う。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-08-08 20:36:07) |
6. 戦国自衛隊1549
《ネタバレ》 まあ、全編鑑賞できましたと言うだけの内容かな。 全てにおいて丸で説得力に欠けると言うのは見ていて辛い。 出演者全員自衛隊員らしく無さすぎ。コレも説得力のない部分に入るけど。 ストーリー展開にもたつき感がなかったのは唯一の救い。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2020-08-08 20:21:58) |
7. トランス・ワールド
《ネタバレ》 何の予備知識もなくたまたまタイトルに引かれて録画したのを見ました。いや、予備知識を持たなかったからこの映画を最大限楽しめました。 出演者は十人にも満たなく、コンビニのシーン以外は全て森の中という設定。かなりの低予算で作られた映画のようだけど、導入部分からグイグイと引き付けられ、想像していた展開も全て裏切られると言う予想を遥かに凌ぐ面白さ。これは掘り出し物だったなと思える一編で久し振りに映画を楽しむことができました。なのでネタは伏せてのレビューとさせていただきます。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-05-23 00:42:15) |
8. 若き勇者たち
《ネタバレ》 観ていて楽しめたのでこの点数としました。主演のパトリックスウェイジを始め、個々のの役者の表情、演技力も上々です。ただ、設定が第三次世界大戦との事ですが、全体像が全く見えて来ません。局地的な紛争にしか見えず、アメリカ側の反撃がほとんどないのも不自然。あのアメリカがまさかのやられっぱなし状態とは。 ともあれ、若者の青春サバイバル作品としてみる事で結構面白かった。ラストの兄弟の散り方とか、その兄弟を見つけた将校が撃たず武士の情けの様なシーンに日本的なものも感じた。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2020-02-29 00:02:43) |
9. ノスタルジア
《ネタバレ》 映像は絵画のように美しく会話は総じて詩的だ。死が近いと悟っているアンドレイと永遠の命を欲しいと思っている狂人のドメニコの対比。監督のタルコフスキー自身を投影させた作品ということだが、本人もこの数年後に亡くなっていることを考えると感慨深いものがある。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-02-21 00:25:13) |
10. モナリザ
《ネタバレ》 う〜ん、久々に見終わった後の余韻に浸れる映画でした。大都会の隅っこで底辺の連中が、それでもなんとか生きている。そんな中知り合った高級娼婦とチンピラ運転手。その不器用にしか生きられないチンピラの純愛感情がこの映画の軸となって物語が進む。ボブホスキンスはその感情の移り変わりを見事に演じており、ずっと応援しながら見ていた。それだけにシモーヌの本心がわかった時は切なかった。ラストは娘を挟み三人で歩く後ろ姿に新たな人生を予見させるものを感じられた。サッチモの「モナ・リザ」が後味の良いものにしていると思う。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2018-02-16 00:35:53) |
11. パッセンジャー(2016)
《ネタバレ》 故障により突然目覚めさせられ、絶望と孤独の中気が狂ってもおかしくないと思う。そんな精神状態だったからオーロラを起こしてしまったんだろう。絶対ダメなことはわかっていても分かる気がする。あとは特に珍しくもない展開が始まるけどラストで分かる二人のその後の暮らしぶりを想像すると清々しい気持ちになれたのでこの評価。 宇宙船や内部のデザインも素晴らしかった。特にプール。宇宙に飛び出てしまいそうなあんなプールで泳いで見たい。 Jin [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-02-13 00:08:46) |
12. 手紙は憶えている
《ネタバレ》 老人が主人公の映画はいくつか見ているけど、この作品も例に漏れずほのぼのとした雰囲気で始まった。中盤を過ぎた頃の最初の殺人からサスペンス色が強くなっていきラストは大どんでん返しでやられてしまいました。 成る程、銃の扱いがとても初心者とは思えなかったのが理解できた。ほのぼのロードムービーで油断させての大復讐劇もベテラン俳優たちの渾身の演技があってこそ。久々に見応えのある映画を見させてもらった。 Jin [CS・衛星(字幕)] 9点(2018-02-12 01:24:32) |
13. 抵抗の詩
《ネタバレ》 私が中学生の頃、文部省推薦作品ということで体育館で上映されました。なので数十年前に一度だけ見た作品です。 突然思い出したので今更ながらのレビューを書きます。 序盤はユダヤ人の子供達が懸命に生きている様子をコミカルに描いており、場内からも時折笑い声が響いていました。 しかし、戦局が進むにつれナチスの気配が濃厚になり、子供達もただならぬ雰囲気に怯え出します。そして全員が捕まりラストは衝撃的な銃殺で幕を閉じました。 主人公はこの子供達。そのうちの一人が銃弾を浴びた後「おじさんは撃たれても痛くないって言ったけど嘘じゃないか」と言いながら絶命します。 序盤はコミカルな演出だっただけに終盤からラストシーンの衝撃が大きく、未だに忘れられません。 [試写会(字幕)] 8点(2018-02-12 01:13:23) |
14. グラン・トリノ
《ネタバレ》 クリントイーストウッド最後の出演作として最高のラストでした。ハリーキャラハンなら問答無用で撃ち殺したろうけど、ある意味どんでん返しでした。こんな決着のつけ方があったのか。これなら復讐の連鎖も無いだろう。お見事としか言いようがない。 気だるそうなラストの音楽も最高です。 [CS・衛星(字幕)] 10点(2018-02-04 01:10:23) |
15. ヴィレッジ(2004)
《ネタバレ》 自然と先入観にとらわれてしまう演出の仕方がシャラン流ですな。またしてもどんでん返し。お見事です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-02-04 01:05:09) |
16. ラストサマー
つまらなくはなかったけど、怖がらせ方がわざとらしい。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2018-02-04 01:01:04) |
17. ヴィジット
《ネタバレ》 衛星放送の吹き替え版で視聴しましたが、字幕で見た方がさらに怖かったかもしれませんな。 基本的にホラー映画は苦手ですがシャラマン監督に引かれて見た次第。しかしホラー映画と言うよりサスペンススリラーでした。 まず、すっかり騙されましたが、そこがこの監督のうまいところでしょう。 子供達がヴィデオカメラで写すまでも自然な流れを作り不自然さはありません。そのヴィデオカメラ視線が臨場感を出しており本当に怖かった。 ヒッチコック作品を思い出した。満足な一編でした。 [CS・衛星(吹替)] 9点(2018-02-03 23:59:56) |
18. 我等の仲間
《ネタバレ》 五人の友情と宝くじで十万フラン当てたところから始まる夢の様な物語。五人は固い友情と結束で川辺の土地を購入しレストランを共同で経営することになる。しかしこの幸福は長くは続かず一人、また一人と去って行くことに。白黒ならではの光り輝く美しい映像と楽しげな音楽が悲し過ぎるラストをさらに劇的な物にしている。 美しい女が一旦プライドをズタズタにされると悪魔の様な力を発揮する事がよく分かった。 今見終わったばかりだけどこのラストシーンはトラウマになりそうな程強烈なパンチがあり、しばらく頭から離れそうにない。 ハッピーエンドのバージョンもあるらしいのでそちらも是非見て見たいと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2018-01-22 00:13:00) |
19. チャンス(1979)
《ネタバレ》 ファンタジー映画という印象でした。そしてこの作品が遺作となることを知ってるかのようなピーターセラーズ渾身の演技に脱帽。 知的障害に加え敷地内から一歩も外へ立たことが無く育った主人公の、ある意味冒険物と言える作品。 些細な交通事故をきっかけに大富豪の屋敷に行ったことで驚きの人生をスタートさせてしまう。 まあ、本来ならすぐ障害のあることはバレるはずですが、そこはコメディーなので問題なし。 本来ドタバタコメディーが得意なセラーズさん。しかし今回はシリアスな演技に終始しており、皮肉な展開を笑いにしているこの作品の方向性にピッタシ。 大富豪の主人が亡くなった時、主人公のチャンスが涙を溢れさせるところが特に印象的。元の主人が亡くなった時はその意味を理解してなかった様なのでチャンスも人と関わることで成長したのでしょう。このあとチャンスはどこへ行ってしまうのかな。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-01-21 10:48:01) |
20. 新・ガンヒルの決斗
《ネタバレ》 まず一言申し上げるとタイトルが悪い。邦題ワースト1位と言ってもいいですな。もっと別のタイトルならもっとヒットもしただろうし、知名度が上がったと言える作品でした。 見終わっての印象はデッキーという女の子が非常に可愛かった。しかし主人公のグレゴリーペックは少し歳をとったのかな。全体としては中途半端な出来栄えに終わってしまって少し残念。ただこの映画、決闘物としてではなくペックと女の子のロードムービーとしてみるとまた違った印象になる。 二人の掛け合いが微笑ましく、本当の親子なのかどうかわからないけど段々それらしくお互いを認め合って行く過程が楽しい。多分親子なんだろう。デッキーが現れた時点で血生臭い復讐や三人の悪党とのやり取りはこの程度で押さえておいて良かったと思う。しかし、そこが中途半端になった原因とも言えるけど。出来れば二人の道中でもう一つエピソードを加えてロードムービーを強調してほしかった。 期待してなかっただけに結構楽しめました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-01-21 01:13:34) |