181. 告白(2010)
教師の知り合いが何人かいるが、彼らに見せてあげたい! [映画館(邦画)] 9点(2010-06-22 21:06:10) |
182. 空気人形
《ネタバレ》 モンタージュで描かれる“からっぽの”一般人。でも、いわゆる成功者の中にも“からっぽの”人はいるだろう。であるから、引きこもりの女とかそういう病んだ人間と空気人形を対比させるだけでなく、もっと充実している人とも対比させたい。 ペデュナはセクシーなんだけども、人形のほうはそんなにエロくない。人形を人間よりエロく描けたらよかった。 [DVD(邦画)] 7点(2010-06-22 21:03:57) |
183. カールじいさんの空飛ぶ家
《ネタバレ》 DVDの映像特典で、マンツの最期をどうするかをいろいろ案を出して苦労したんだよっていうインタヴューがあったので、見たんだけども・・・ いろんな案の中に、「マンツがカールの家に鳥を追い込んで、家に入ったが、その鳥は作り物で、気付いたときにはもう遅く、犬が駆け込んできたためバランスを崩し、家もろとも飛空挺から墜落していく」っていうのがあった。 監督とかは、本当にこんな案を出していたのだ。そんな連中が作ったのだからこうなってしまうんだろう。ラセターの監督不行き届きの責任は重い。 そんな監督でも「家=エリー」ということは分かっていた。にもかかわらず、あの家の描き方は納得いかない。 たとえばピンチが訪れたときに、家が盾になったり、家にあおられて間一髪くぐりぬけられるとか、そういうエリーの意思というのが感じられない。だから後半エリーの存在が0になってしまうんだ。 ミスターインクレディボーの時にも思ったが、ピクサーは悪役を描くのに向いていないんだろうか。今回のマンツに関してもそうなんだけど、シャイニングのキチガイお父さんみたいになっちゃってるから、もっと愛情注いで描かないとさ。 とはいえ、積乱雲までの流れは本当に素晴らしかった。なので7点。 [DVD(字幕)] 7点(2010-06-11 21:57:09) |
184. エンター・ザ・ボイド
《ネタバレ》 なんだよノエ、長いこと待たせておいて、何やってたかと思ったら、こんなもん撮ってやがって。 まず映像がPOV、死んだ後もPOVなものだから視界が当然限られてくるわけで、しかも視線が真下に固定、こんな撮影でノエのやりたかったことが本当に撮れているのだろうか。 たぶんだけど、ノエがラブホテルに(当然男と)いった時に、隣はどうなってるんだろうって思いをはせたのがこの映画の志だと思う。 ちょっと昔のノエならば、あの中絶のシーンも天井から見下ろすんじゃなくて、モザイクなしにめっちゃ目の前で凝視する撮り方してたろうに。甘い! とはいえ、オープニングとエンディングの強烈な文字の明滅はノエっぽくてよい。 [映画館(字幕)] 2点(2010-05-31 21:04:58) |
185. 息もできない
《ネタバレ》 夜の外のシーン、っていうのは、明かりがないと真っ黒のまま。そこに映像を浮かび上がらせるためには、光るもの、照らされるものが必要。だから夜の外のシーンに収まる光には意図が含まれていないはずがないのだ。 海辺の白い波が泣ける理由は、「月の光」であった。では漢江の2つの街灯は何だ!? その場の奥行きを作り出すためだけではないはずだ。事実、あの街灯二本がいつまでも脳裏に焼き付いているのだ。手前のめそめそ泣くDQNと女子高生なんかよりも、何も言わず微動だにしない、ただたまたま写りこんでいる街灯2本が泣けるのだ。なんでですか? [映画館(字幕)] 9点(2010-05-25 00:16:50) |
186. クロッシング(2008)
《ネタバレ》 脱北者の体験談をもとに作られているんだそうで、細かい演出にはリアリティがある。脱北を失敗して捕えられる収容所の描写は製作者の怨念がこもっている。 悲しい出来事だらけなんだけど、それを感動的な音楽で扇情するのが気持ち悪い。同情を誘うかのような。不当に逮捕されたり飢え死にしていく北朝鮮の一般人の泣き顔を見たってさ、国民が拉致されている限り彼らに人道的支援はナンセンスとされてしまう。拉致被害者を返してもらうのが一番先なのは論理の問題であり、人間の感覚としてはまず、この映画で苦しんでるようなひとたちに当面のご飯を与えることではないか。 なにせ、彼らは飢えをしのぐために飼い犬に手をかける。もしかしたら死んだ人間も食ってるかもしれない。それって政治云々以前の問題じゃないの。 脱北からの逃亡劇は、まるでジムジャームッシュなみのロードムービー。 [映画館(字幕)] 8点(2010-05-18 21:14:07) |
187. 劇場版TRICK トリック 霊能力者バトルロイヤル
《ネタバレ》 このシリーズはそもそも、うさんくさい超能力者の化けの皮をひっぺがすカタルシスが面白かったんだけど、それも第2シリーズですでに忘れ去られ、『オモシロ書道』しか面白みがなくなってしまった。といっても初期の『何度目だナウシカ』を越えるオモシロ書道には出会っていない。 せっかく劇場版なのだから、ディープでコアな堤ワールド、トリックワールドを構築してほしい。中途半端なヒューマンドラマなんかやってる暇あったら夏帆をもっと見せてほしい。 生瀬の扱いも超手抜き。観客の20%くらいはこいつを見に来ていると思うのだが、そんな人たちにとっては失望そのもの。 最低なのはラストのラスト。「ずっときみのことが、す・・・」「すきやきを食べたい」これは堤監督の歴史に残る名セリフとなるであろう。ああ、トリックってこうなっちゃうんだ。仲間もちょっと期待してたよね、あーあ。 [映画館(邦画)] 3点(2010-05-09 17:36:35) |
188. 時をかける少女(2010)
《ネタバレ》 過去を変えることはできない!っていうルールを作るのはいいんだけどさあ、これは映画なんだからさあ、そのへん破戒しちゃってさあ、バスを助けてあげたら?脚本の人。 [映画館(邦画)] 6点(2010-04-07 19:35:00) |
189. エイリアン2/完全版
《ネタバレ》 これは前作の良さ、怖さを非常に発展させた、エンターテインメントだね。すばらしい。 耳に残るテーマ曲とかテーマソングがあればよかった。 [DVD(吹替)] 8点(2010-03-28 01:09:22) |
190. エイリアン
宇宙船っていう時点であまり実感がわかないけど、孤独な空間での恐怖ってのがワクワクした。 [DVD(吹替)] 8点(2010-03-28 01:05:33) |
191. スイートリトルライズ
《ネタバレ》 原作未読。ぜひ読みたい。 テディベア製作工程の、バラバラの腕や頭部、目に突き刺さる長い縫い針が、これから起こる冷たい運命を予感させる。部屋の「窓」を内側、外側から捉える。ガラスは透明だから、部屋をそこに反射させたり、手をあてたり。一方中谷美紀の不倫部屋はスリガラス、その窓を開ける中谷美紀。 あれですね、安藤サクラは化け物ですね。 [映画館(邦画)] 9点(2010-03-16 21:07:11) |
192. ダウト ~あるカトリック学校で~
《ネタバレ》 これはおもしろい!俺は最後の最後まで、メリルストリープ校長に対して敵対心を抱いていた。「死ねクソババア」と眉をひそめ続けていた。けれどあの雪が積もったラストシーンにて、校長を一瞬で赦すことができた。映画が終わるのと同時に、校長も許そうと思った。要はまじめな人なんだ。最後の神々しい聖歌が、疑い深い人間の心理のささくれをやさしく撫でる。 この余韻を得るために、神父の真相は迷宮入りでなければいけない。 [DVD(吹替)] 9点(2010-03-16 02:27:24) |
193. ララピポ
《ネタバレ》 10代のうちにしっかり勉強して、それなりのお仕事に就いて、安定した生活を送らないと、こうなるよー!っていう映画。 AV女優とは転落しきった人生の末路であると思われるのは誤解だ!という啓発なのだろうか。それって道徳的にいかがなものか。まったくもお。 [映画館(邦画)] 6点(2010-03-15 21:55:34) |
194. 追悼のざわめき
《ネタバレ》 前半と後半で、だいぶ映画のコンテクストが変わる。別の監督が撮ったのか。それによって前半の猥雑さが、後半神々しく昇華する。 あいりん地区のことはよく知らないけど、あいりん地区のイメージとして「カラス」があると思う。だからガアガア騒ぐカラスのカットを適宜挿入してはいかがだろうか。冒頭虐待するのもハトではなくカラス、コビトが飼ってるのもカラス。 白黒の映像に、血の色だけ赤とか、そういう演出も面白そうだ。 [DVD(邦画)] 7点(2010-03-15 21:51:30) |
195. ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ
《ネタバレ》 漫画、テレビドラマは未見、ていうか存在知らなかった。前田有一氏に勧められて鑑賞。 テレビテレビしたチープな演技や演出が、この理不尽な環境に現実味を与えていたように思える。あんだけテンションが高くないと、あのように赤りんごが揃わないのだろう。でも本当に赤りんごをそろえることはできないのであろうか。それがけっこう気がかりだった。 1000円のエピソードがいい。戸田エリカの親切と、1000円をちゃんと返したあのおっさん、ああいう親切の恩返しが、この国を豊かにする。 [映画館(邦画)] 9点(2010-03-08 16:32:15) |
196. レイクサイド マーダーケース
《ネタバレ》 なんせ贅沢なキャスティングだから、もったいないという印象が残る。 贅沢なキャストたちに囲まれて、地味な子供たち。あのこたちの存在感がキーだったはずだ。トヨエツと役所が話しているときに『光る眼』みたいに並んでいたが、あんな雰囲気を子供たちにもっと乗せられなかっただろうか。オープニングにちょうちょを踏みつぶす。それだけではやっぱり足りない。バーベキューのシーンで演出できたのではないか。 ラストシーンもお姉さんの腐乱死体ではなく、子供たちの美しいノートとかのほうが恐怖と狂気を感じる。それがこの映画の主題たりえるのではないか。 それと、被害者の女性が存在感が強すぎた。あくまで彼女はこの映画では「記号」としていてくれればいいと思う。だからおっぱいとか笑顔とかは極力排除すべきだった。無個性の被害者でよい。 [DVD(邦画)] 7点(2010-02-28 03:26:59) |
197. ヴェルクマイスター・ハーモニー
《ネタバレ》 シアターイメージフォーラムにて鑑賞。 145分もあるけど、冗長で退屈な長回しばかりなのでストーリーはのっしのっしと進んでいく。代わりに長回しを贅沢につかったダイナミックなシーンがとても見ごたえある。まず驚いたのは、クジラが入った巨大なトレーラーが、トラックによって運ばれてくるシーン。最初、遠ーくに小さくいるトレーラーが、大きなエンジン音でゆっくり手前に運ばれていく、奥から手前にむけて大きな照明がトレーラーを照らし、大きな影が壁に広がる。5分くらいかけて運ばれる。こんなに退屈で迫力満点な映画はない。実際こんな感じのシーンが繋がれていく。 ガスバンサント監督やジムジャームッシュ監督が影響うけてるんだそうだが、すごくうなずける。とくにガスバンサントに関しては撮り方とかパクリと言っても過言ではないくらい似てる。『エレファント』のときのようなステディカムによる死神のような人物の追跡や、『ジェリー』のときのような歩き続ける無言の男二人の無表情の横顔、おんなじことをこの映画はやってるし。 ただ、ガスバンサントが面白いかというと笑顔で首を縦に振りたいと思えない。 長回しのなかでとにかく印象に残るのが、音である。特に足音がガサガサうるさい。部屋に反響する食器のぶつかる音、子供がかき鳴らす太鼓の音、広場で焚かれる炎の音、ヘリコプターの爆音。そんなかんじでなんらかしら音がガガガガ止まない。きっと監督なりの意図があるんだろうけど、よくわからない。白黒の映像に環境音が栄える。 以上をまとめる限り決して面白い映画っぽく読めない。でもこの映画を見てよかったなーと思えるのが、ポイントのシーンで使われる音楽である。情感たっぷりに哀切に満ちたストリングス全力の音楽。もしかしたら特異な音律で演奏されているのかもしれない。青年がクジラを見つめるとき、暴動を起こす民衆が手を止めたとき、そしてエンディング、そういった要所要所で流れる。あれだけでもいいから聴くといい。 [映画館(字幕)] 8点(2010-02-28 03:12:11) |
198. ウルトラミラクルラブストーリー
《ネタバレ》 首なし男と松山の会話のシーンが良い。カメラ固定でくねくねした道を歩くのだが、その道の異様な曲がり具合がファンタスティックであった。 麻生久美子の内面が後半見られない。松山に死なれて良かったと思ったのだろうか。最後の脳の扱いからして、さてどうでしょう。 赤塚不二夫の世界観に似ているかもしれない。 [DVD(邦画)] 8点(2010-02-21 23:00:48)(良:1票) |
199. 感染列島
《ネタバレ》 たんなるパニック映画にとどめたくないという意志が感じられるけども、「ウイルスやがん細胞の存在意義は?」とか「自然破壊の罪」とか「明日地球が滅びようとも、今日僕はリンゴの木を植える」とかの大々的な命題を持ちこんでしまうと少々説教くさくなってしまった。 だけども、パニック映画にすることなく、死にゆく意味、生き残る意味を煩悶する姿勢は感じられた。 <2020年追記> 10年前に観たときに感じたことと同じこと感じた。これは「パンデミックパニックムービー」という衣をまとった、「死生観の叙述」。すなわち、命とは何か、我々はなぜ生きるのか、どこから来てどこへ行くのか。 例えばこんなセリフ「ウイルスは宿主を殺すと自分も死んでしまう。矛盾してる。ウイルスと仲良く生きていくことはできないだろうか。」実はウイルスの原因が、人間の乱開発による未知の病原菌との接触なわけで、人間がやってることもウイルスと同じ。 そしてラストに現れるセリフ「例え明日地球が滅びようとも、今日君はリンゴの木を植える。」 こうした倫理の授業のようなセリフを味わうためにも、 血まみれの病棟や、人がいなくなった東京の街並みよりも、(パニックなのに東南アジアに行っちゃう妻夫木隊よりも)、いっそ密室劇のように、病院の中だけでほぼ撮ってしまったほうが、瀬々監督の持ち味(説教くささ)を発揮できたと思う。 あと妻夫木くん、田中裕二の奥さん看護師が絶命したときに、彼女のガラケーで幼い娘さんに、代わりにああやって返信しちゃうのは、絶対やっちゃまずい。気持ちはわかるけど、それはやっちゃだめ。そもそもヒトのケータイいじっちゃアウト。 「トリアージ」という言葉も使われていた。当時の僕には分からなかったけど、今なら分かる。 トリアージの葛藤は、映画として描くには充分なテーマだろう。人工呼吸器のやりとりのシーンで、助かる見込みの無い患者から取り外し、助かる見込みのある患者に取り付ける。結果みんな死亡という最悪の結果に、医師や看護師が一人また一人と「もう嫌だ!」と去っていく。 こういうのを瀬々監督はもっと撮りたかったに違いない。 そのために、田中裕二の奥さんも助かる見込みが無くなって、妻夫木くん自らが彼女から人工呼吸器を外し、その結果彼女が心肺停止っていうシーンを設けても良かった。命の選別。ところどころに登場するキリスト教モチーフも活きてくるだろう。 [DVD(邦画)] 8点(2010-02-21 02:30:58) |
200. 羅生門(1950)
これこそリメイクしてほしい。そうですねえ、キャスティングは・・・ 女=松たか子 きこり=温水洋一 タジョウマル=あえて香取慎吾 巫女=ベッキークルーエル [DVD(邦画)] 8点(2010-02-21 02:20:18) |