181. イン・ディス・ワールド
某深夜番組で井筒監督が満点をつけていたので見に行きました。涙は出てこなかったけど、アフガニスタン難民キャンプの子供たち、あれ本物なんだと思いますけど、人なつっこくてかわいかったなあ。手製のボールでサッカーをして遊んでいるところとか見ていると、「アメリカ軍はこんな子供らを誤爆で殺したのか」と真剣に腹が立ってきました。ストーリーは地味なんだけど、主人公が本物の難民なので、逆に淡々としていてリアリティがあった。人間、ホントに生きるか死ぬかの場面になったら、怒るとか泣くとかしてる余裕なんかないんでしょうね。難民キャンプの小さな子供らが幸せに暮らせるような世の中が早く来ることを願ってしまいました。 8点(2003-12-18 17:19:26) |
182. 真実のマレーネ・ディートリッヒ
《ネタバレ》 久々に「心に染みた」映画でした。ナチに反発し、故郷を捨てたディートリッヒがベルリンに落とす爆弾を作るために戦時国債を宣伝する姿、終戦後のベルリンで母親と再会する声、戦地へ恋人のジャン・ギャバンを追いかけていくくだり、すぐれた反戦映画でもあり、恋愛映画でもあり、音楽映画でもあると思いました。美しく、強かったディートリッヒの鮮烈な生き様に感動しました。戦後、ドイツ公演で唾を吐きかけられるエピソードは映画を見ている者ですら胸をえぐられるように悲しい。また、盛大ではなかった葬式にハリウッド関係者の姿がなかったことも。しかし、死後、やっとディートリッヒは故郷に迎えられる。そのエピソードがナレーションで語られる時、小さな映画館は泣いている観客の鼻をすする音だらけでした。ドキュメンタリー仕立てなので、普通の映画ではありませんが、ディートリッヒの人生がまるで映画のようにドラマチックなので、どんどん引き込まれます。帰りに思わず「モロッコ」を借りました。白黒の画面の中のディートリッヒはやはりとてもきれいな人でした。 10点(2003-12-18 17:08:10)(良:1票) |
183. ザ・ペーパー
《ネタバレ》 新聞記者をやっている知人が、「記者の動きをかなりリアルに描いている」と言ってました。実際の記者は殺人事件を自分で解決してしまったりはしないけど、それなりの理想を抱いていろんなものを犠牲にして頑張ってるんですな。「これで本当の嫌われ者になったな」字幕は「おめでとう。これで君の理想は地に落ちた」だっけかな。これで改心するグレン・クローズとか、娘にこっそり会いに行くロバート・デュバルの後ろ姿、またその娘が父の会社の新聞を取っていたり…と人間ドラマとしてもホロリとする細かい描写が効いてます。 8点(2003-12-18 00:40:08) |
184. レッド・アフガン
これ、戦争映画としては佳作だと思います。ベトナム戦争の無意味さを描いた「プラトーン」のアフガン戦争版というか。また、映画の構成としてはT62という古い旧ソ連製の戦車にこだわり、狭い車内での人間ドラマなどちょっと「Uボート」にも似てるかな。荒野をひとり突き進んでいくT62を捉えたカメラがかっこいい。また、ソ連兵を責めるわけでもなく、アフガン兵を正義の味方にも描いていない。ざらっとした後味の西部劇風の無常観が残るのみ。低予算風だけど、安っぽくはないと思います。 8点(2003-12-16 09:57:12) |
185. マッドマックス
《ネタバレ》 この映画を見て、Gジャンの両袖を切ったやつに革ジャンでバイクに乗り、ファミレスの駐車場にバイクを止める時、アクセルを吹かしながらバックで車輪止めに付けたものです。ババ・ザネティが渋いという意見にも賛成! もちろんグースがMFPと書いたバイクにまたがり、ホイルスピンさせながら発進するシーンもしびれた。トーカッターの「夜空の星を見るたび、あいつのことを思い出せ」の台詞は何十回も真似した。逃げるトーカッターの肩越しに見えるカワサキZ1の160キロ近辺を指してるスピードメーター、スーパーチャージャーの「クゥオーン」といううなり声、あっと言う間に迫ってくるインターセプターの鬼神の速さ、迫力、怖さ。他に例えられるような暴力的な映画というと、「時計仕掛けのオレンジ」ぐらいしか思い当たりません。友達の家でよくビデオ上映会をやったものです。みんなが好きなのはラスト近く、トーカッターがアクセル全開で逃げるゆるい右カーブのシーン。見てるみんなの体もぐぐ~っと右にリーンしてました。青春の思い出の映画の一本です。今も僕の車は真っ黒のカラーリングです。 10点(2003-12-14 19:35:35) |