181. レイクサイド マーダーケース
《ネタバレ》 好きですね、この映画。サスペンスとしてもミステリーとしてもよくできているし、一番いいところは、最後のほうで「一応」真相があかされるところ。「真相」とは言っても犯人が自白するわけではないし、決定的な証拠が出てくるわけでもない。要はひとつの「推測」、ひとつの「可能性」が示唆されたにすぎないんですよね。この「釈然としない感じ」がとてもよい。いわゆる「オープンエンディング」ともまったく違う。だって別の「真相」は一切示唆されないわけだし。犯人が推測通り「彼ら」だったとしても、彼らと被害者の間にほんとうは何があったのか、それが全く謎のまま終わってしまう。この「無気味な感じ」がすごくいい。 ただ、一番最後のCGはいらないでしょう。何あれ? [地上波(邦画)] 8点(2007-08-09 16:53:08)(良:1票) |
182. ELEVATED(エレヴェイテッド)
《ネタバレ》 メインの「CUBE」のほうは、いまひとつで消化不良だったのですが、最後に入っていたこの作品は傑作! 「CUBE」よりも人物の反応がリアルで、ハラハラします。これが見れたので、「CUBE」借りてよかった、と思えました。 おおがかりな仕掛けのCUBEより、どこにでもあるエレベータのほうがずっと怖いし、この世の不条理が詰まっている。続けてみると、ちょうど比較できて面白い。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-08-09 16:34:53) |
183. DEATH NOTE デスノート the Last name
《ネタバレ》 現代の社会問題によくシンクロしていて、ビックリさせられました。犯罪者や失言大臣を抹殺しようとする無責任な大衆のおそろしさは、まさにデスノートそのもの。しかもそういうキラのやり方を一方的な悪だとはしない多面性のある描き方もよい。ラストのほうで父親の言う、「ライトは最後までキラと戦ったんだ」というセリフは、最初に観たときはライトの妹へのやさしさと捉えていましたが、そうじゃないですね。そう、ライトはまさに「キラと戦った」のです。あと、今作では「記憶と人格の関係」についても考察できます。これも、二度目の鑑賞以降で気づかされた、重要なファクターだと思いました。ストーリー展開、どんでん返しも、よく練られていて、面白いです。観賞にあたっての注意としては、この映画は完全に前作の続きなので、いきなりこれから見ても、よくわかりません。ぜひ、前作に続けて観ましょう。 [DVD(邦画)] 8点(2007-08-09 16:00:42) |
184. マトリックス
《ネタバレ》 っていうか、今さら地球を取り戻しても、人間が生活できるようにするのは大変でしょ。それより、今までどおり生きた方がずっといいと思うんだけど。というわけで、主人公たちの基本的な動機に共感できなかった点と、映画としてつまらない点が悪いところ。よいところは、僕らが実際に暮らしている世界の「構造」を、「コンピュータ支配」というアイテムを使うことで、わかりやすく説明したところ。こういうテーマの作品って古今東西いっぱいあるんだけど、わかりやすさではピカイチ! この映画の世界観だけで終わっちゃあ、あんまり意味ないけど、ここからいろんなことが考えられますよね。ある人が、園子温監督の「紀子の食卓」を日本版「マトリックス」だと書いていましたが、「なるほどね」とほくそ笑んでしまいました。「紀子の食卓」はわかりにくいし、複雑で多面的な映画だけど、「マトリックス」を20歩くらい進めた、というか掘り下げた作品と言えるかも知れませんね。 [地上波(吹替)] 5点(2007-08-09 15:50:11) |
185. 時をかける少女(2006)
《ネタバレ》 面白かったです! いろんなテーマがうまく盛り込まれた、青春ストーリー。考えさせられるようなところも多かったです。最後のほうの「未来で待ってる」「走っていく」の解釈は、みなさんのレビューを読んで「なるほど!」と思うものがいくつかありました。いろんな解釈ができるオープンエンディングですね。矛盾点に関してですが「千昭が未来に戻れば、クルミを手に入れて、また会いに来れるじゃん」は、僕も思いましたが、千昭は未来のルールをおかしたから、もう会えないということなんでしょう。そういうセリフがありましたよね。「千昭がタイムリープを使った時、何故真琴の記憶が消えなかったのか」に関しては、実は真琴の記憶は消えています。千昭が戻した時間が短いためにわかりづらいですが、「あの2人、一回死んでるんだぜ」と、千昭が真琴に説明していることで、それがわかります。 [地上波(邦画)] 8点(2007-07-27 14:49:21) |
186. ザ・リング
《ネタバレ》 僕はオリジナル版の「リング」の大ファンですが…………、「ザ・リング」も面白いじゃないですか! 「リング」のような怖さはまったくありませんが、ストーリーはよくできているし、伏線の張り方も、うまい。ストーリー自体はこっちのほうがいいですよ。日本版「リング」の不合理なところも、きちんと作りなおしてあって、感心しました。でも、一番最後の少年のセリフは蛇足ですね。あそこまで説明されると、しらけます。ラストは断然日本版のほうがセンスよかったなあ。 [地上波(吹替)] 8点(2007-07-27 10:57:51) |
187. ソナチネ(1993)
平均点高いんですねー。びっくりです。僕にはさっぱりわかりません。これを見るより「3-4X10月」を100回見た方がずっといい。 [DVD(邦画)] 2点(2007-07-15 12:06:54)(良:1票) |
188. スクリーム(1996)
《ネタバレ》 評判がいいので、見てみました。しかし…。出だしの電話のシーンはなかなかよかったけど、それで終わり。偏見めいた言い方をあえてすると「アメリカ人って単純だなあ」という感じ。犯人が意外だったという感想があるみたいですが、意外も何も、誰が犯人でもかまわないようなストーリーなので、確かに僕も犯人はあてられなかったけど、意外性があるからではないです。犯人がわかったところで「ああ、この人なの」と思うだけですよね。動機にも深いものは何もなく、残念でした。ドキドキ度も、かなり低い。 [DVD(字幕)] 4点(2007-07-14 00:29:24) |
189. 紀子の食卓
姉妹作「自殺サークル」を見た後に鑑賞しました。こちらは「自殺サークル」のような怖さはなく、どちらかというと青春映画。ただ、「すごい映画」という点は共通しています。かなり深遠で画期的なテーマを扱いながらも、制作者の意見を押し付けない作り方も共通。だから「で、結局何が言いたいの?」と思う人も多いとは思います。しかし切り口は斬新で、しかもリアルなものです。僕らが想像もしなかった世界を見せつけてくれます。それを見た人が何を思い、何を考えるかは自由、といった感じでしょう。鑑賞直後には8点をつけましたが9点に変更しました(「自殺サークル」もです)。「自殺サークル」同様、あとから、いろんなことを考えさせられる映画です。 [DVD(邦画)] 9点(2007-07-11 23:58:32)(良:1票) |
190. 感染
《ネタバレ》 おもしろい! こういう映画としてはめずらしく、オチがしっかりとしていて、バランスが良い。よく練られたストーリーに納得です。 意味がよくわからなかったという人は、何度も見てください。ちゃんと作られてますよ、これ。 展開もドキドキワクワクで、飽きさせません。 あ、でも、時々挿入されるブランコのシーンだけは意味不明。 ちなみに同時上映の「予言」も面白いです。が、同じJホラーシリーズの「輪廻」はくだらないです。 [DVD(邦画)] 8点(2007-07-11 01:02:08) |
191. 自殺サークル
《ネタバレ》 すごい映画です。「呪怨」だの「輪廻」だの見ても、まったく怖いと思わない僕が、怖くて眠れなくなりました。外部からの恐怖じゃなくて、自分自身が怖くなる。こういう怖さって初めてかも。 あり得ないほど血が飛び散りますが、それはこの映画のテーマと密接に結びついていて、だから、あの血のりの量は必要不可欠なのです。 かるーい気持ちで自殺するという「行為」との対比が重要だからです。 そしてこの作品はサスペンス映画としての完成度も恐ろしく高い。ずっと心拍数あがりっぱなしでしたよ。 見終わったあとも、いろんなことを考えさせられる映画です。考えれば考えるほど、この映画の事が見えてくる。そんなわけで、鑑賞直後に書いたレビューを書き直しました。点数も8点から9点に。更にその後、10点に変更! どんどん自分の中での評価が高くなります。 [DVD(邦画)] 10点(2007-07-09 12:37:46)(良:1票) |
192. おいしい殺し方 -A Delicious Way to Kill-
《ネタバレ》 面白い! 傑作! 全部よかったです。涙を流して笑いました。奥菜恵、こういうのうまいですね! 彼女、最近ダメな事が多かったので、驚きました。役者さんって、もらう役によって本当に違いますねえ。犬山、池谷がすばらしいのはもとより、真木よう子もよかったです。 [DVD(邦画)] 9点(2007-07-08 08:30:35) |
193. 輪廻(2005)
《ネタバレ》 自分は、この監督とは合わないみたいです。まあ、「呪怨」よりはちょっとマシかな、くらいの出来。何にも怖くないし、ストーリーもばかばかしい。オチも最初のほうで読めたし。優香がきちんと芝居をしていたところだけはよかったです。 [DVD(邦画)] 2点(2007-07-08 08:23:08) |
194. アフター・アワーズ
《ネタバレ》 これは「一本の明確なストーリーがあって、それに沿って登場人物が動いていく」という映画ではありません。 様々なプロットが仕掛けられた街に放り込まれた「生きた人間」が、その中でもがくことでストーリーが生まれてくる、そんな映画です。 だから、すべての出来事、すべてのコミュニケーションに、恐ろしいほどのリアリティがある。 まったく先が読めない「混沌」と「理不尽」。それはまさに、私たちが暮らしている「現実」そのものです。 [DVD(字幕)] 8点(2007-07-01 23:33:28) |
195. 頭頭 <ОV>
《ネタバレ》 とても好きです。僕はこれを、コメディとは思いませんでした。シリアスなテーマを、正面から撮っていった作品だと感じます。 松本をはじめ、すべての出演者たちの演技もすごくいい。 たんたんとした、ほの暗いトーンの中に「めちゃくちゃリアルなもの」が浮かび上がってくる。そんな作品です。 「頭頭」という非現実的なアイテムをぶち込むことで、世界観がぐっとリアルになる。 老人問題(と一言で片付けてしまうことには抵抗があるが)を取り扱ったものとしては、山田太一のいくつかの作品と並ぶ、名作であると思います。 ラストのオチも、「頭頭」がそれまで象徴してきたものが何であるかを思い出しながら見ると、まったく違う意味を持って、私たちの胸につきささってきます。 [ビデオ(邦画)] 8点(2007-06-06 12:43:04) |
196. 39 刑法第三十九条
《ネタバレ》 絵の撮リ方、ストーリー、テーマと、どれをとっても質が高い。心神喪失者が減刑もしくは免刑されることについては、私も前々から異義をとなえていました。この問題に真正面から取り組んだ意欲作です。ただ、こういった良作が、テレビのゴールデンで放送されないところに、少し恐怖を感じますね。 この映画に出てくる裁判長の最後の方の態度と、なにかリンクするものがあります。監督がそこまで考えてああいうシーンを入れたとしたら、脱帽です。 ただ、わざとなんでしょうけど、セリフが聞き取りにくいのは、ちょっと疲れます。 [ビデオ(邦画)] 8点(2007-05-27 15:17:45) |
197. 博士の愛した数式
《ネタバレ》 面白かった! 穏やかなトーンの映画なのに、息もつけないほど、ひきこまれました。テンポとか色彩とかが完璧で、丁寧につくられた作品だなあ、と。 各登場人物もとっても魅力的。僕が今まで評価していなかった吉岡も、ここではバッチリ! あんな先生の授業、受けたいなあ。 作品中に登場する数学が、また面白い!! 理数系の人はみんな知ってることなのかも知れませんが、文系の僕には、完全数も友愛数もネピア数も、とても衝撃的で、今から数学を勉強しようかな、と思わせてくれました。 映画として7点。数学の面白さに1点上乗せで、8点!! [地上波(邦画)] 8点(2007-05-24 15:23:45)(良:1票) |
198. パッチギ!
《ネタバレ》 評価高いのが、まったく理解できません。 みなさんのレビューを読んだところ、批判的な意見は「思想的な部分」に関するものが多いようですが、僕に言わせれば、そもそも人間ドラマとして成立していません。人物にもストーリーにも、微塵もリアリティを感じませんでした。泣けもしないし。 とってつけたように仲間が死んで、とってつけたように妊娠して赤ちゃん産んで、それがどうしたの?って感じでしたね。 [地上波(邦画)] 0点(2007-05-20 16:38:53)(良:1票) |
199. エンゼル・ハート
《ネタバレ》 なかなか面白かったです。日本人であり、無宗教、無神論者の僕から見ると、「悪魔に魂を売る」いうのがどういうことなのか、さっぱりわかりません。西洋人にとっては当たり前の感覚なのかなあ? と考えさせられるきっかけにもなって、想い出深い映画です。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-05-02 14:50:42) |
200. セブン
《ネタバレ》 「それで?」「だから、何?」 としか思わなかった。 [地上波(吹替)] 0点(2007-04-30 17:38:43) |