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プロフィール
コメント数 2133
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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181.  殺人魚フライングキラー
「ジョーズ」以降、数多く製作されたジョーズ系作品の1つ。 監督デビュー作とはいえ、これがかのジェームズ・キャメロン監督作であるというのが泣ける。 イベントを強行しようとする有力者が出てくるのもジョーズ系のお約束か。 見るからに低予算なのでクリーチャーやパニックの演出のショボさは致し方ないですが、 本家に無い要素としては魚が地上で人間を襲い、 空中を飛んできて人間のノドに食らいついてくるというのは アイデアとしてはなかなか面白かった。 全編を集中して見る程のストーリーも無いし、 忙しい年末に何かをしながら見るのにちょうどいいと思います。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-12-21 20:32:41)
182.  熱帯魚 《ネタバレ》 
高校入試まであと1か月を切った主人公の中学生がひょんなことから誘拐されてしまう。 誘拐犯家族との奇妙な交流を描いたゆる~い空気が漂う犯罪コメディ。 こういう映画は、犯罪者側も間が抜けていて登場する誰もが憎めないというのがお約束なのですが、 少年が受験生だと分かると、「受験生とは知らなかった。悪かったな。勉強して立派な人間になれ。」と、 妹が使っていた参考書を引っ張り出してきたり、分からない問題があれば村の先生に質問に行ってやったり、 誘拐犯家族と一緒に海水浴や漁に行ったりと、とても誘拐モノとは思えないほのぼのとした笑いがあります。 その一方で、誘拐される前にはテストの点が悪かったり、授業中に当てられて問題が解けないと、 容赦なく木の棒のようなものでぶっ叩く教師や、家でも成績が上がらないことを両親に詰められたり。 受験を控えた少年の日々には閉塞感が漂い、誘拐されるまではコメディ要素もほぼ無く、誘拐後の空気とは対照的で、 勉強したくても兄に退学させられ工場で働かされた誘拐犯一家の娘の最後の手紙が印象的。 誘拐事件もまた緩すぎるほどの解決でしたが、登場する人物それぞれの境遇や立ち位置を通して 緩さの中にも受験というものの在り方や家族や人生について考えさせられるものがある犯罪コメディの佳作です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-12-13 15:11:12)
183.  モブスターズ/青春の群像 《ネタバレ》 
アメリカ犯罪界を牛耳った暗黒街の帝王ラッキー・ルチアーノと盟友マイヤー・ランスキー。 そして常に行動を共にし、暗黒街の超大物にのし上がったバグジー・シーゲルとフランク・コステロ。 血で血を洗う抗争に勝ち抜き、彼らが犯罪界でのし上がっていく若かりし頃を描いたドラマ。 他にももっと、彼らと行動を共にし、その後大物にのし上がっていった者もいるのですが、 4人にまで登場人物を絞ったのは映画としては良かったと思う。 それでもフランク・コステロはかなり影が薄かったですが。 当時のNYで対立していた2つのファミリーの抗争の隙をついて、 ファミリーも持たない彼らが抗争を勝ち上がっていく様は痛快。彼らの醸し出すギラギラ感も良かった。 その反面、マフィアの実話モノとしての重厚感はありませんが、邦題にもあるように その後のアメリカ犯罪界を牛耳った超大物の若かりし頃の青春群像として見れば面白い映画になっています。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-12-12 20:45:50)
184.  さあ帰ろう、ペダルをこいで
車で旅行中の事故で両親を亡くし自身は記憶を失った青年と、 家族の祖国ブルガリアから彼を迎えに来た祖父との記憶を取り戻す2人旅を描くロードムービー。 事故が起こったあの旅行にどんな意味があったのか。それは作品に挿入される過去が少しずつ明らかにしていく。 青年が幼い頃からの過去の出来事、家族の歴史が頻繁に挿入される。 この家族の歴史は、ソビエトの影響下に置かれた東欧諸国の多くの市民が経験してきた歴史そのものであり、 自由を求めて西側に亡命しても、即自由を謳歌できる暮らしが待っているわけではない。 こうした頻繁な過去の挿入が作品のテンポを悪くし、失敗するケースもあるのですが、本作はそれが本当にうまく機能しています。 そして本作で最も欠かせないのがバックギャモン。正直、ゲームのルールは見ていてもよく分からなかった。 しかし、「人生はサイコロと同じ。どんな目が出るかそれは運と自分の才覚しだいだ。」この祖父の教えが全てを表しており、 2人で力を合わせて故郷を目指しペダルをこぐタンデム自転車の旅そのものが祖父の教えでもある。 その祖父を演じた、巨匠クストリッツァ作品に欠かせない旧ユーゴスラビア出身のマノイロヴィッチの味わい深い演技が素晴らしい。 原題の意味もすごくよく分かるし、この邦題もまた素晴らしい。ロードムービーの佳作です。
[DVD(字幕)] 8点(2020-12-06 16:36:05)
185.  チャプター27 《ネタバレ》 
この作品がどういう意図で製作されたのかは分かりませんが、 久しぶりに不快感や嫌悪感しか残らない作品を見た気がします。 ジョン・レノン殺害犯のチャップマンがNYにやって来て、彼を殺害するまでの数日間に何をしていたか。 それが知りたい方はどうぞご覧くださいという程度の内容ですが、 この役のためにかなり体重を増やした挑んだようで、チャップマンになり切ったかのような、 見る者にこうした感情を与えるジャレッド・レトの役作り、演技は見事でした。 そんな嫌な空気に包まれた作品ですが、ファンの女の子役のリンジー・ローハンも含めて、 ジョンに一目会いたいファンが訪れるダコタ・ハウス前の歩道の雰囲気だけは良かったです。 そんな雰囲気もチャップマンの行動がことごとく潰していく訳ですが・・・。
[DVD(字幕)] 3点(2020-12-06 16:32:01)
186.  殺し屋チャーリーと6人の悪党 《ネタバレ》 
ある1人の殺人事件に関わる人々それぞれの思惑が交錯する犯罪コメディ。 この手の映画は個人的にはサスペンスはほどほどにコメディに軸足を置いて、 もうちょっと登場人物をドタバタさせた方が圧倒的に面白くなると思うのですが、 サイモン・ペッグを主演に据えた割には徹底しきれなかった感じです。 ペッグももうちょっと弾けたかったんじゃないかな。 そしてこの手の映画はさて、最後に利するのは誰と誰だ?というのが見どころの1つになるのですが、 そこに関しては最後はうまくまとめてくれましたね。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-12-01 20:37:42)
187.  ランボー/最後の戦場
「怒りのアフガン」から実に20年ぶりの続編です。 当時のミャンマーの状況を伝える映像から始まり、これまでに無いほどに残忍な描写が多く、 ランボーが単独でジャングルを縦横無尽に駆け回り、ジャングル無双ぶりを見せる時間帯も少ない。 それよりもミャンマーで起こっていることに対するスタローンの怒りが爆発しているようです。 20年ぶりにジョン・ランボーを復活させた理由もそこにあったのかもしれません。 作品に込めたスタローンの思いを強く感じる内容でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-11-25 18:13:54)
188.  夕陽のギャングたち 《ネタバレ》 
時は文化大革命の真っ只中。毛沢東の言葉の引用から始まる本作、 そのストーリーのベースにあるのはやはり「革命」。 元IRAの活動家で、その首に賞金を懸けられアイルランドからメキシコに流れ着いてきた男と、メキシコの山賊のお頭。 確信的に行動をとる革命家と、彼にそそのかされるまま革命に身を投じることになる山賊。 レオーネの西部劇としては異色のテーマを持った作品ですが、 レオーネが好んだむさ苦しく脂ぎった男たちの顔のクローズアップ、頻繁に挿入されるフラッシュバック、 大きな出来事が起こる前にこれでもかとゆったりとした間を取る時間の使い方など 本作も2時間半越えの作品でレオーネらしい作品の質感、距離感、時間がある作品です。 やはりレオーネの西部劇特有のこうした間の取り方やこってり感はいい。 ”ション、ション、ション♪”のテーマ曲が耳に残るモリコーネの音楽も相変わらずいい。 やがて訪れる悲劇的な結末。革命家の死と、「俺はどうすりゃいい?」と茫然とする残された男のラストの姿が印象的。 時代に向けたレオーネのメッセージも感じられる結末です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-21 21:42:31)
189.  マネートレイン
白人と黒人の公安官。凸凹コンビによるバディムービーですが、 その公安官を演じるウェズリー・スナイプスとウディ・ハレルソンのW主演による、 陽気なノリの典型的アメリカン・アクションコメディ・・・を思わせる冒頭。 しかし、前半は中途半端にコメディ、後半はかなり真面目にサスペンス、 この顔触れにしてはアクションも物足りずで色々欲しがって結局どれも中途半端に終わってしまった作品。 いくらでもそうできるテーマなのでもっとアクションを前面に押し出すべき作品でしたね。 この内容で2時間近い上映時間、特に中盤はかなり長く感じられました。 それでも何とか終盤の地下鉄アクションで盛り返して、 ツッコミどころはありますが、おめでたいクリスマスから年末年始だし結末はまあ、これで良かった。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2020-11-17 20:22:26)
190.  家族ゲーム
何度もTVで見ている作品ですがBSプレミアムでやっていたのでもの凄く久しぶりの再見となりました。 爆笑するシーンは無い。しかし終始全く変わらない作品の空気とシュールな世界観。 学校や思春期、受験そして家族の問題を音楽も使われず、独特の抑えたトーンで巧く描き出していく。 笑いドコロの少ないコメディとして、秀作だと思います。 ほとんど喜怒哀楽を出さない中に醸し出す危ない雰囲気。それでいてコミカル。 松田優作の存在感がやはり圧倒的なのですが、由紀さおりという人も凄いなと思わされます。 ラストシーンが松田優作や宮川一朗太ではなく、由紀さおりであることも印象的。 それにしてもその前の合格祝いがやはり強烈。優作先生からこの家族への最後のメッセージか。 優作先生が帰った後、家族みんなでめちゃくちゃになった食卓の後片付けをしている。 冒頭、4人がバラバラで1人で朝食をとっていたこの家族が、みんなで協力して何かをしている姿もまた印象的です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-17 20:18:52)
191.  恐怖のメロディ
今やハリウッドの生ける伝説、巨匠イーストウッドの初監督作です。 この時代に既にアメリカではストーカーが世間に広く知られるものになっていたのかは分かりませんが、 「危険な情事」といった、その後の作品に影響を与えたと思われる内容になっていることに驚きます。 中盤あたりはテンポが悪くなりますが、イーストウッドの音楽の趣味が垣間見えてそれもまた良しです。 まだまだ西部劇でも強い男を演じていた頃でもあり「ダーティハリー」の記念すべき第1作と同年の初監督で演じた男が 女に対してちょっと脇が甘く、ここまで女に追いつめられる男であったというのが今に見直すと少々意外な感じがします。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-11-13 20:56:35)
192.  華氏119
今日は2020年11月8日。 大統領選挙が混沌とする中、アメリカ主要メディアがバイデンの当選確実を報じ、バイデンが勝利宣言を行った。 このタイミングでCSで放送されていたので久しぶりにマイケル・ムーアの作品を見ることにした。 これまでの作品と比べると角が取れている感じですが、彼のことですから当然主張の根底にあるのは反トランプです。 しかし殊更そこだけを強調するのではなく、 アメリカの政治や民主主義の現状、対抗馬の民主党についても冷静に物申す作品となっています。 あまり馴染みのない出来事も取り上げられていますが、相変わらず巧みな構成で分かりやすくまとめられています。 そんな中にも「ブッシュが骨抜きにされるのは快感だったな。」と所々でムーア節が顔をのぞかせてはいますけどね。  「トランプのおかげで僕は目を覚ますことが出来た。今動き出さなければ。その時間はもう無い。」 本作は2018年の作品。トランプが大統領になって2年。そして次の大統領選挙まであと2年。 「119」とは、前回選挙でトランプが勝利宣言を行った11月9日を指すのだという。 これまでの経緯を振り返り、アメリカの現状を見つめなおし、我々は今、何をせねばならないのか。 マイケル・ムーアが本作でメッセージを出すのはまさにこのタイミングだったのだろう。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-11-08 16:19:49)
193.  スターリンの葬送狂騒曲
スターリンの死後巻き起こったフルシチョフとベリヤの権力抗争とソビエトの権力中枢の混乱を茶化して見せるブラックコメディ。 スターリンの死の直前。コンサートとその録音を巡る冒頭からよく出来ています。 その恐怖政治がいかに市民生活の隅々にまで踏み込んでいたかがよく分かります。 当然、その話自体にコメディ的要素は無いのですが、当時の権力中枢にいた人物を演じる主要キャストの演技が素晴らしく、 全編を通して浮足立ったような軽さと、こういう政治ドラマに必須の重みや凄味を全員が見事に両立させてみせる。 終盤、ベリヤが失脚し処刑されるくだりでは、それまでの軽い空気は一変していきますが、 失脚から処刑までを一気に見せる、非常に嫌な空気が漂うその時間帯もまた見応えがある。 本作はロシアでは上映禁止になったという。 製作サイドの意図がどこにあったのかは分かりませんが、それも織り込み済みだったのでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-11-03 20:12:44)
194.  怒りのガンマン/銀山の大虐殺 《ネタバレ》 
1972年製作ということで、マカロニウエスタンのブームの火が消えようとしていた頃の作品。 リー・ヴァン・クリーフもなかなか銃を抜かず、マカロニにしては展開も地味。 クリーフも全盛期と比べるとちょっと年齢を感じさせ、そんな時代背景を感じさせる空気が漂う作品です。 何者かに駅馬車が襲われる冒頭のアクションがなかなかいい。 しかしのどが渇いたと駅馬車を降り、酒場に向かってゆっくりと歩を進める、眼光鋭くスマートな装いのクリーフ。 まあ、いつも通りのクリーフです。シブいです。 そこら中から銃を構え狙われているのに、クリーフは銃も構えず物陰に隠れるわけでもなく悠然と歩を進める。 敵は撃とうと思えばいつでも撃てる状況ですが誰も撃たない。 そりゃそうだ、あのリー・ヴァン・クリーフを撃てるわけがないよな、と妙な説得力がある冒頭。 過去の事件で濡れ衣を着せられた若者が、真犯人の悪徳兄弟に復讐を果たすというストーリーが軸になっており、 クリーフはその若者に手を貸すという立ち位置にいるので終盤の決闘までこんな感じの空気が流れますが、 あくまでも作品の中心にいるのはクリーフ。その存在感の大きさを見せつける作品です。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-10-31 10:38:15)
195.  アルゴ探険隊の大冒険
巨匠ハリーハウゼンの素晴らしい技術をたっぷりと堪能できる1963年作、イギリスのアドベンチャー大作。 作品によって恐竜だったり、本作のように巨大な神の像やモンスターが出てきたり。 ハリーハウゼンのこういう映画はやはり楽しい。 昔の特撮映画を見ると、改めて今の映画の映像技術の凄さも感じますが、 こういう手作り感にも今のCGとはまた違った楽しさがあるし、この頃のこうした特撮もまた映画の進歩の歴史の一部。 ギリシャ神話が基になっていますが、人間界を見つめる神々がほのぼのとしていたりして、難しさは全くありません。 子どもの頃にTVのロードショーで見た記憶がありますが、楽しかった記憶しか残ってないですからね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-10-31 10:32:51)(良:1票)
196.  ポリス/インサイド・アウト
時期的には2007年のポリス再結成に合わせるように発表された、スチュワート・コープランドによるポリス回顧録。 作中でコープランドが話していますが、少し売れてきて余裕が出てきた頃に買ったという 自前のスーパー8で撮影された映像を軸に構成されています。 それだけにお世辞にも画質がいいとは言えず、撮影技術云々も度返しして見る作品です。 ポリスを結成した頃から全米、そして世界中で人気が不動のものになる頃まで。 粗削りだった小規模のステージからビッグなステージに変わり、移動手段も小さなバンから専用機に変わり 衣装やステージでのお行儀も良くなっていく。そしてメンバーそれぞれの心境にも変化が芽生えてくる。 ポリス結成時から、1982年頃までの映像、エピソードで構成されています。 よって代表作である83年発表のアルバム〝Synchronicity″と代表曲である〝Every Breath You Take″は収められていません。 そして、その全盛期の真っ只中にポリスは解散してしまうのですが、 解散が現実のものとなっていた83年のことについては触れたくなかったのかもしれません。 しかし、82年の時点で別れの時が近づいていることを匂わせる最後のコープランドの言葉は印象深い。 映像は正直、見づらい時間帯もあるし、そもそもポリスが好きな人しか見ない作品であり、 同じポリスのドキュメンタリーでもアンディ・サマーズによる「サヴァイヴィング・ザ・ポリス」の方が ドキュメンタリー作品としてはまとまっています。 しかしその粗削りな映像とエネルギッシュな特に初期のポリスの活動の軌跡がうまく相まった作品になっています。
[DVD(字幕)] 6点(2020-10-22 15:35:01)
197.  フレンチ・コネクション
無骨なタフガイ、ハックマン。本作で演じたポパイでアカデミー賞を手にし、 そんなハックマンのイメージを決定づけた作品です。 そして本作に「ポセイドン・アドベンチャー」に「スケアクロウ」といった 名作に立て続けに出演した70年代前半が彼の最もいい時期だったと思います。 全体的には実話モノということもあり地味に撮られた作品ですが、 中盤のNYの雑踏の中の尾行や、地下鉄の駅での黒幕との攻防、 そして本作で最も有名であろう、上を走る電車とその高架下を走る車。 この高低差のあるアクションなど、NYの街並みを活かした見せ場がビシビシと決まっている。 地味ということでは、ほとんど女が登場しない。ハックマンをずっと現場に放り込んだままで、 ポパイやルソーがタフな1日を終えて自宅に帰り、 女房か恋人かと飯を食い、子どもと戯れるような束の間の安らぎのひと時も全く無い。 この時代の犯罪映画でよく感じられる、どこか空気の悪さを感じさせるような街の描写や 常に日没間際のような澱んだ作品の色合いや世界観もまたたまらない作品です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-10-14 17:50:31)
198.  ハリケーンアワー 《ネタバレ》 
今は亡きポール・ウォーカーのほとんど1人芝居の作品。 ハリケーン・カトリーナにより街は壊滅的被害を受け、 出産で妻を亡くし、産まれてきた子どもは48時間は人工呼吸器が外せない。 電気も止まり、オンボロの自家発電機を回すしかない。 その自家発電機を回しても3分しか持たない。しかし、その3分も徐々に短くなってく。 みんな避難してしまい誰もいない病院で、人工呼吸器の中の産まれてきたばかりの我が子に、 君のママはこんな人だったんだと語りかけ、 最愛の妻を亡くした現実を受け入れる暇もない状況で、父として人間的な強さを見せる。 カトリーナが街を襲う直接的描写はほとんど無く、低予算で撮られた作品だと思いますが、 そんなウォーカーの静かなる熱演が胸を打つ作品になっています。 2~3分ごとに発電機を回さなければならないという時間的制約が効いていて、 中盤に遭遇した、置き去りにされた犬も効果的に使っています。 我が子を守るために、略奪目的で病院に侵入してきたクズどもとの戦いや、 仮眠をとることも少しの休息を取ることも許されない状況が 1人芝居で単調になりがちな作品にあって、巧くサスペンス的空気を作っています。 48時間。我が子を守り抜いたラストの父の姿がいい。 鑑賞前はよくあるパニックものかと思っていたのですが、意外な掘り出し物でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-10-05 19:52:18)(良:1票)
199.  ザ・シークレット・サービス
相手からは自分のことが見られていて、素性も何もかも知られている。 一方でこちらから相手のことは後半に入るまで何も分からない。 サスペンスとしてオーソドックスな筋書ですが、 イーストウッドのこの手の映画にしては珍しく時に弱さを見せ、老いを感じさせます。 しかし、ケネディが暗殺されたダラスのあの日のトラウマを抱えながらも、もう同じ轍は踏まない。 命を懸けた最後の仕事に挑む歳を感じさせるイーストウッドがやっぱりカッコよく、マルコヴィッチの悪役ぶりも見事。 その一方で挿入されるロマンスがうまくいっていない典型的な作品でもあります。 レネ・ルッソとの歳の差ロマンスよりも男同士の友情とかの方が良かったんじゃないかな。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2020-09-30 18:08:17)
200.  僕のワンダフル・ライフ
スウェーデン時代に発表した出世作に、リチャード・ギア主演の作品に、やっぱりこの人は犬が好きなんだなあ。 人間は脇役。徹底的に犬目線の映画。それだけに作品の目線も地面に近い。 犬の輪廻転生の中で、様々な飼い主が登場しましたが、犬の「犬生」は飼い主によって大きく変わる。 しかし、家族の一員として大切に飼っていれば、時には飼い主の人生も犬によって大きく変わる、ということか。 本作も変わることのないハルストレムらしい優しさのある作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-09-30 18:06:27)
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