181. レミーのおいしいレストラン
ピクサーの作品は全て観てきたんですが、着実に「CG技術は進歩」し「ストーリー性は劣化」していますね。 今回の映画もリングイニという人キャラクターの描き方が非常に弱い、というより単に嫌でどうしようもない。深みも何もない。 作品もリングイニが出てくる後半になると、一気にグダグダになり キャラクター同士の心のつながりも見出せず 誰にも感情移入もできず「結局、こいつら、己の利益の為に利用しあってるんだ・・」という冷めた感情で美しいCGを鑑賞するだけで終わった。 「モンスターズインク」や「トイ・ストーリー」が奇跡だったのか? ピクサーが現在のように大ブランド・大プロダクションに成長したのは「CG技術」だけではなく 実写でも出来ない「人間性」を描けていたからだったはず。 ピクサーの今後に期待をこめて、あえて「2点」を献上します。 [DVD(字幕)] 2点(2007-11-14 20:10:07) |
182. ドレスデン、運命の日
《ネタバレ》 大作ですね。 最近はドイツを含めヨーロッパの映画が元気ですね。 長いかな~と思って見始めたのですが、見切ってしまいました。 ドラマ部分の骨格はまさに「ドイツ版タイタニック」ですが、こういうのは飽きないですね(女性は)。 後半の空襲部分は東京や広島・長崎にも想いが向く、殺戮の現実と悲劇がドイツらしい正確さで描かれていました。 これを言葉で表現するのは非常に難しいので、「興味を持ったら観て見てください・心に何かが突き刺さるから」としか言えないです。 「それが何か」はその人によって様々だと思います。 製作した人たちは「観て下さい、あの日、地上ではこういだったんですよ」ということを訴えたかったんだと思います。 その点では、成功していると思います。 [DVD(吹替)] 7点(2007-11-13 01:55:18) |
183. 敬愛なるベートーヴェン
あまり期待せずに観ると面白いんでしょうね。 正直、ベートーヴェンと写譜や家族・関係者との人間としての関係がきちんとえがかれていないので、音楽シーン目当てに観る程度になっており 劇映画としての出来はよろしくないです。 時間的制約や経済的制約があったのでしょうが、見所は「第九」初演の場面に集約され あとはつけたし程度。 だったらあの初演の場面と「ふしぎ発見!」的な分かりやすいドキュメンタリーとのセットの方がいいじゃん・・ってぐらい。 ダイヤン・クルーガーはきれいでした。 余談ですがキーマ・ナイトレイとダイヤン・クルーガーはほんと、似てますね。 [DVD(字幕)] 4点(2007-11-09 08:11:09) |
184. あるスキャンダルの覚え書き
国宝級の女優さんの演技対決を 息をのんで堪能した1時間半でした。 ジュディ・デンチの演じるベテラン女性教師のジワジワとした怖さ、あとを引きます。 これからこの人、、、どうなるんだろうと想像をかき立てられます。 ケイト・ブランシェッドは15歳の少年にこがれられるにふさわしく、美しくかわいらしい役作りでございました。 脇の役者さんたちも、子どもたちもみな実力者揃いで濃密な作品になっています。 でも、これは女性が観る映画かな・・とも思えますね。 [DVD(吹替)] 6点(2007-11-08 08:38:10) |
185. ぼくを葬る(おくる)
《ネタバレ》 オダギリジョーの「東京タワー」あたりや私たちの日常と比べても、日本とフランスの「死のむかえ方」の違いが鮮明に見える作品。 化学療法を一切、拒否して自分の最期の日々を「独りで」重ねていく強さは、日本人にはなかなか、真似できない。 日本だと、その後、家族も友人たちも責められるだろうしね。 できる人でも出来ない、「自分の葬りかた」を教えてもらったような作品。 日本も最近は子どものいない夫婦とかも増えてきたし、独身率も上がっているので 20年後ぐらいには、こういう死に方をする人が出てくるかもしれないですね。 [DVD(字幕)] 6点(2007-11-07 16:45:38) |
186. ヘアスプレー(2007)
単純に楽しいハリウッド・ミュージカルでした。 潔いですね。 ファッションもインテリアも全てとてもかわいらしくて夢いっぱい。 トレイシーちゃんは ほんと、笑顔がカワイイ♪ ひとりだけダサダサなファッションなのも素朴でいいなぁ。 放課後のお楽しみ・夕方の素人参加番組というと・・ この番組は日本で言うと「銀座NOW」?「夕焼けにゃんにゃん」? [映画館(字幕)] 7点(2007-11-06 20:49:45) |
187. バベル
《ネタバレ》 やはり元になる旧約聖書の「バベルの塔」が頭に入っていないと、理解できない映画。 元はひとつの言語を話し、一緒に暮らしていた人類が神に挑戦した末に、言語を分けられバラバラの文化・生活を地上でおくる様になる。 しかし人々の持つ「共通の部分」がよく描かれていると思います。神が分けた文化・言語の壁によって「伝えたいが、伝わらない」が「元の部分は同じであるはずなのに・・」というもどかしさが全般を通じて伝わる作品。 盲学校の女子高生は同じ国の中で、自分が属する聾唖文化と大多数を占める健常文化との壁の前でもがき、 家族同然のメキシコ人シッターは、国境・国籍・就労・主従・貧富の差の前に苦しむ。 しかし同文化のはずの観光バスの同乗者たちに見捨てられるアメリカ人夫妻が見つける別文化の中の「同じ部分」。 「現代社会に汚染されていない」とファンタジーを持って観光される砂漠の家族の中にもある「家族の秘密」。 ワクワクして観る娯楽映画ではないけれど、観る価値のある映画。 [DVD(字幕)] 8点(2007-11-06 08:14:59)(良:2票) |
188. 迷い婚 -全ての迷える女性たちへ-
豪華な出演陣に完全に 騙された! 非常につまらないもの観てしまった。 主人公がただ単に自己中心でいやな女だからだろうな。 こういう女に気をつけろ映画ですね。 [DVD(字幕)] 2点(2007-11-04 13:58:56)(良:1票) |
189. こま撮りえいが こまねこ
かわいいです・こまねこ。 どのお話も心温まるけど、最後の「雪男」のお話が一番、好きだな。 設定も秋から冬という設定なので、温かいココアとおいしいクッキーを用意してほっこりと楽しむには最適です。 何度、観ても見飽きないよ。 [DVD(吹替)] 7点(2007-11-02 20:30:40) |
190. 自虐の詩
《ネタバレ》 原作未読で観ました。 中学生の時のエピソードと「熊本さん」との友情には泣かされました。 再会する時も名前を呼び合うだけで、時間も空間も超えてしまえる強さを、二人の女性がつちかいながら成長したいったことに感動しました。 中学校の教室の隅にひっそりといる「こういう女子たち」を描いた作品は、これまで観たことがなかった。 必ずクラスにふたりぐらい、こういう子っているんですよね。 どうしても「松子」と比較したくなる作品ですが、 「森田・熊本」部分だけでも、この映画の価値はあると思います。 どんな時も、どんな環境でも、誰かが支えてくれていることに気づくことができれば 人は生きていけると思える。 「松子」と「ちょっと似ていて、ちょっと違う」女性映画です。 *~DVD化されて再度、鑑賞~ この映画のメッセージが最後の幸惠の「幸も不幸もない。人生は素晴らしい。」というセリフに凝縮されていることを痛感しました。 気仙沼時代にイジメられ、女子グループに駒として利用され、互いに傷つけあう中で、生涯続く「熊本さんとの友情」という「宝」を得る。 ダメ男のイサオを支え、ダメ父まで抱え、喜ばれない妊娠、更に事故にあう・・という中で知る「支えられている幸せ」。 キリスト教の「貧しきものは幸せである。天国は彼らのものである。」に通じる「足らぬ中で、足るを知る。」という心象。 まさに松竹らしい人情劇だと納得です。 [映画館(邦画)] 8点(2007-11-01 16:35:53)(良:3票) |
191. 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2007)
《ネタバレ》 友人にオススメされるままに映画を観て「ほほ・・ぅ・・」と上滑りに鑑賞終了。 その後、同じ友人に「それは原作を読まないお前の浅はかさ!」と原作を渡されても「フツーの闘病記では・・?」と一辺倒の感想しかもてなかったのですが、、、。 再々チャレンジでDVDをレンタルして観てみました。 家でジワァと観るにはいいですね。 本当に普通の家族に必ず起こる「出来事」を淡々と映像化しているので「家」で、自分の家族のこと・友達や同僚の家族のことなどを想いおこしながら「家族」を観るというのに合ってる一品。 何度も同じことを言うけど、この映画は六本木の映画館より夕食の豚汁の匂いの残る「家」で観る方がいい。 炭鉱の町でも港区のアパートに住んでいても想いに残るのは「豚汁」で、この「豚汁」を食べさせてくれた人・時間を失う空虚感がジンワリひびいて、家のテレビの前でボロボロと泣きました。 最後に「家」で負けました。 [映画館(邦画)] 7点(2007-11-01 01:38:18) |
192. ロッキー・ザ・ファイナル
《ネタバレ》 なんか、やっぱりいいですね。ロッキーは。理屈ではなくいい。「俺、○○(社名等いれてください)のロッキー・バルモアだ・・きっと・・。」とつぶやきながら月曜日の通勤電車に乗る人が結構、いるんじゃないかなぁ?解り易い「勝利」が手に届かなくても、がんばっている自分を誰かが見ていてくれて、大切に思ってくれていれば幸せだよね。本編の後のテロップで子どもたちがロッキーのまねをしているシーンにもちょっとジーンときた。 [DVD(吹替)] 8点(2007-10-28 00:50:13) |
193. オール・ザ・キングスメン(2006)
《ネタバレ》 知人が「面白かった♪」と薦めるので観てみたのだが・・キャストが派手な割りに全体的なトーンが暗くてアメリカの地方政治(特に貧しい田舎)の状況をつかむまでは、ちと退屈な感もありました、正直。しかし、アメリカの貧富・地方の貧困などがつかめてくるとドンドンと面白くなってきました。ちょっとマドンナの「エビータ」に似た状況なんですね。貧しい層から出た政治家が実権を握り、それまでの支配層との軋轢が起こり、本人も腐敗していく・・(あ、ショーン・ペンと言えばマドンナの元旦那ではないか・・と思ってみたり)。ラスト30分は緊迫してきて面白いですよ。まずは状況把握して観てください! [DVD(吹替)] 6点(2007-10-27 20:25:19) |
194. アーサーとミニモイの不思議な国
《ネタバレ》 リュック・ベッソンがティム・バートンに憧れて作ってしまった「ベッソン版・ジャイアント・ピ-チ」でございました。 はっきり言ってバチもんです。 小人さんたちの国のキャラも立たず、存在意義も理解できず・・ 突然、アメリカにアフリカの部族が現れる理由も,どこにいたのかもわからず・・ 主人公の少年の親の行動も理解不可能・・ ただ、「子どもを 小さくさせて 小生物と冒険 させてみたかった」ということか? そうとしか思えない。 上手くこれがヒットしたらシリーズ化しようとしている魂胆も見え見えのラストに嫌悪感ブルブルです。 悪者は逃げ、誰も追いかけず、主人公は「また来るね♪」 もういい。もう作らなくていい。TVシリーズであっても辞めたほうがいいね。 一方、ミア・ファローとフレディ君の演技には敬意を持ちました。こんな救いようのない子どももだませない程の「子供だまし映画」で、映画を最後まで観れたのはお二人のお力です。 しかし、だからこそ、こんな酷い映画にしてしまった巨匠監督に対して「評価:1」を献上させていただきます。 [映画館(吹替)] 1点(2007-10-22 16:00:08) |
195. スパイダーマン3
《ネタバレ》 派手なアクション映画と思って観た日本人の度肝をぬく「キリスト教映画」です。これが理解できる知性があるか、踏み絵のような映画ですね。考えさせられる映画でした。アメリカでは受難節・イースターあたりに公開したのかな・・?でも、ノン・クリスチャンの日本人でも考えさせられる内容の濃い映画でした。お子様向きではないですね。 [映画館(吹替)] 7点(2007-10-18 16:19:14)(良:1票) |
196. 美しき運命の傷痕
《ネタバレ》 本編に入る前の「鳥の巣」の映像だけで、十分に怖いです。追い出す者がいて追い出される者がいる、追い出されて傷つく者がいて、追い出される不安から追い出す者がいる、追いかけても追い出される者もいる・・。「鳥の巣」が重要な理解の鍵になるんでしょうね。でも観る人の考え・過去・現在なども絡めて出される結論はそれぞれ違っていそうです。この映画を観て感想を語り合うのは、「自分の内面」を覗かれそうで怖いですね。 [DVD(字幕)] 5点(2007-10-12 00:56:25) |
197. 俺は、君のためにこそ死ににいく
《ネタバレ》 なんか・・説明がくどくないですか?石原閣下。能天気なパラソル飾りの付いたパイナップルジュースを前に「国体とは何か?!」をグダグダと語る中将にいたっては、中将を愚弄してるようにも見えます。映画なんですから映像で伝えることも考慮して脚本を書かないと。 しかしこの監督・・映像がテレビのフレームみたいで狭苦しい。石原閣下とやり合って映画を作るには篠田級の主張のある監督じゃないとダメなんでしょう。完全に「閣下のお気に召すように」が目標の映像作り・映画製作がバレバレ。「請負監督」を脱するためには監督自身が「映画監督」として自分の映画をつくらなきゃ。結局、素材も観客もスタッフも全てを裏切ってると思います。渾身・献身して製作したはずの石原慎太郎が一番、見事に裏切られたのかもしれませんね。この監督には「人間魚雷回天」のように真摯に特攻の方たちに向合った作品を観ていただきたいです。 [DVD(邦画)] 2点(2007-10-12 00:36:38) |
198. 恋人はゴースト
《ネタバレ》 この映画、日本では劇場公開してないんでしょうか?あまり期待せずにのんびりと観だしたら、どんどんひき込まれてしまいました。本当のラブコメの名作って評判の高い豪華スター競演ってより、こういう脚本重視の作品なんだなーと実感しました。このジャンルは宝探しが楽しいですね。しかしサンフランシスコの夜景は宝石箱のように美しく、まさに天国のような庭園は最高にロマンチックでした。 [DVD(吹替)] 9点(2007-10-08 20:51:23) |
199. 炎上
《ネタバレ》 レンタルリリースになったので早速、観ました。主人公の「家庭問題」「どもり」など内面的な面をシッカリと映像化されているのは上手い。監督もカメラも雷蔵もすごい。仲代は原作のイメージより顔が二枚目すぎるだろうぉ・・と思ったが演技は上手いわ。「春の雪」を観て原作を再読する気にはさらさらなれなかったが(ふざけんなよ~プンプン)、これはまた三島の世界を確認したくなる映画だ。それだけ三島の世界に近づくことに成功しているということなんだろうか? [DVD(邦画)] 7点(2007-09-22 14:28:05) |
200. ブラッド・ダイヤモンド
《ネタバレ》 まぁ、なんというか「誰が為に鐘は鳴る・アフリカ版」みたいな。戦争映画は結構、観慣れている方なんだけど、一般市民が対象になる内戦モノは精神的にきつい。勉強にはなったけど。 [DVD(字幕)] 5点(2007-09-20 23:28:24) |