181. ライフ(2017)
《ネタバレ》 かなり立派なSF作品だとは思うんですけども。重量級の役者陣はきちんと個性のある演技をしているし、映像技術は一級レベル。無重力のステーションの中を空を切って移動する画など、ほんとに宇宙空間でロケしたかのようで心躍る映像体験であります。 クリオネ型の火星由来エイリアンの気色悪さも出色の出来。壁に沿って移動する時なんかピタピタと音がして、その質感のリアルたるや。(もっとも大きくなってからは、かのギーガーエイリアンほどのインパクトはないけれど) SFスリラーとして評価するなら及第点だと思うのですが、致命的なことにこの映画至る所が「観たことある」なのです。限定空間に入り込んだ凶悪異生物、防疫にこだわる検疫官、望みを託した船外作業の失敗、救命艇での脱出・・。このプロットで思い当たる作品て、複数挙げられますよね。 例えば「宇宙服の冷却材ってヘルメット内に漏れ出すんだ?」といった細かい演出の工夫はあるけれど、お話そのものが過去作の焼き直しなので新たな楽しさをもたらしてくれるものではないのでした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-06-12 18:45:44) |
182. 暴走特急
《ネタバレ》 わたしはコレが初セガール。大体彼の出てる作品はどういう展開を見せるのか想像つくのでパスしてたのだけど、ここの点数が高いので初めてセガールワールドにお邪魔しました。 顔が大きいのは見てわかるけど、けっこう声も高いんだね。そして噂に違わぬ無双ぶり。何の心配もせずに観られますね。撃たれても貫通すれば問題ない、ってもう任せたよ。 何もできずにライバックに丸投げの軍上層部の体たらくぶりも、彼の名にビビる敵側もセガールの太鼓持ちみたい。そういう映画だけども。 そうだ冒頭の同僚カップル、列車の個室では全裸にならないほうがいいと思うよ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-06-10 23:41:22) |
183. エール!
《ネタバレ》 終盤近く、校内発表での無音。ここがこの映画の白眉と言っていいでしょう。観る者は度肝を抜かれると同時に、初めて理解できるのです。ポーラの両親と弟の世界を。彼らとポーラの間にある大きな溝を。 娘の喉元に手を当てて「歌」を感じようとする父親。試技の際に手話で歌を家族に伝えようとするポーラ。互いに歩み寄ろうとする彼らの姿は感動的でした。 正直、中盤くらいまでは互いの自己主張が強すぎなうえ、家族間でのあけすけな性関連の描写がどうにも受け付けなかったのです。ややげんなりしながらも最後まで観て良かったな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-06-07 23:06:49) |
184. プルートで朝食を
《ネタバレ》 いやもう、キリアン・マーフィー渾身のおネエぶりにただただ脱帽。終盤へ向かうにつれだんだんメイクの腕が上がって?、ゴージャス美人に仕上がってんの。この完成度の高さよ。 キリアン扮するキトゥンはナイーブでとても優しい。このタイプの人にありがちな迫害にも遭いますが、いつも健気に明るい。痛々しいほどに。ただ、全体の筆致は軽くさくさくと展開し、キトゥンにしても幼なじみの友人たちとはずっと良い関係だし実父とも和解できたりするのですよね。ラストの妙な明るさは不思議なくらい。 喜劇と言うにはつらく、でも悲劇という言葉もキトゥン自身が否定しそうな、ちょっとどこに観方を置いたらいいのかわかんなくなるような不思議な感触のお話でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-06-03 23:26:06) |
185. ディープ・ブルー(1999)
《ネタバレ》 レニー・ハーリンてわたしのイメージでは”火薬量は多いけど緊迫しない爆破パニックもの”の監督でして、簡単に言うとB級娯楽作の定番請負人なのですが、でもわりと大物を使うんだよな。 今作もきっちりセオリー踏襲、どかどか火薬大爆発に加えて大量の水ときたもんだ。海水がなだれ込んできて人物らが逃げ惑っても緊張感が今一つ湧かないのがレニー・ハーリン印。海水流入の扉を3,4人で閉められるとも思えないし、女博士は必然もなしに下着姿になるしで。基地の構造もさっぱり分かんないので逃げた先のシャフトがどこにどう繋がってんのやら。そっちで合ってるの?まあいいけど。 ところでこの映画「誰が生き残るか」視点でいくと相当の意外性があります。そんな意外性で驚きを稼ぐのはやめてほしい気もするけどな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2023-05-31 23:30:42) |
186. 1秒先の彼女
《ネタバレ》 これは、素敵な映画です。優しくてユーモアでくるまれていて観ていて心地よい。時間をいじるアイデアですが難解ではなく、ゆるーいファンタジー感覚。登場人物らもその空気にぴたりとハマりました。シャオチーが年齢相応の鬱屈を抱えている姿は「アラサー女子あるある」で微笑ましく、国の違いを忘れます。話の核となる変人グアタイ君、詐欺男、職場の面々とドラマに必須な群像を上手に配置し、さらにヒロインの過去と失踪した父親のエピソードを伏線とする脚本はお見事でした。 それに台湾の風景の美しいことにも目を見張りました。街並みはノスタルジックだし郊外の自然はのどか。海を両側に分けた道を往くバスの画などはアニメでしか見たことない、と思うほど。 生き急ぎ気味の彼女と、テンポが遅くて見てて歯がゆい彼。タイミングずれずれの二人のすれ違いを外野から見守る楽しさ。ようやく再会して二人してビービー泣いてるシーン、可愛らしくてほんと好き。仲良くしてってね! 韓国ドラマのようにキリキリ尖っていなくて、日本の量産型恋愛モノのようなやっつけでもなくて、丁寧でふんわりしている。素敵な映画一本でその国へ抱く印象が決まったりします。台湾がもっと好きになりました。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2023-05-29 22:54:26) |
187. 私は確信する
《ネタバレ》 実際に起きた「ヴィギエ事件」を下敷きにしているんだそうな。監督の言いたいことや観客の抱く思いって、ラストの弁護士の熱弁にすべて込められてます。推定無罪が適用されないってどういうこと。フランスの司法や捜査機関に対する監督の憤懣やるかたない気持ちがこの映画を作らせたということがひしひしと伝わります。 もっとも、後付けでドラマをこしらえたため人物像がわりと適当です。ノラは監督の写し鏡なだけなので「なぜ赤の他人のために自身の生活まで犠牲にするのだろう」というあたりの描きこみはほぼされません。冤罪を生み出すシステムに怒りを覚える人物が一人必要だったというだけですね。だから映画としての出来は高いとは言えないです。「警察も裁判所もいいかげんにせえよ」で終わっちゃう。意外な展開やサスペンスフルな要素はありません。 ところでフランスに呆れる資格が我が国にあるかと問われれば、最近でも「袴田事件」がようやく再審開始が決定したばかりなのでした・・。警察による証拠捏造が疑われるなど、こっちの方がよっぽどたちが悪いかも。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-23 22:01:12) |
188. すてきな片想い
「りぼん」とか「別マ」に載ってたマンガみたい。片思いの甘酸っぱさ、賑やかな周囲と自信が無くて不器用なヒロイン像とか。もう王道すぎて話は至って平凡。 こういうのって読者が主人公にいかに共感できるか、が大事だったのです。モリー・リングウォルドという逸材を見出したジョン・ヒューズの慧眼には唸りますね。 一般の女子が共感するには美人すぎてはいけないし。ブロンド以外が望ましく、でも小顔でスタイルは均整がとれていて、ふくれっ面をキュートに演じられる。 「わたしでもモリーにならなれそう」このあたりの支持を獲得したモリー。大ブレイクしても、凄く洗練されもしなかったのがなんともいえず貴重で尊いのでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2023-05-22 20:34:23) |
189. エンド・オブ・ウォッチ
《ネタバレ》 数ある「ロス警察もの」の中でも屈指のドキュメンタリー感です。演技巧者J・ギレンホールとM・ペーニャが普通の公務員たる警官にしか見えないので、彼らの日常そのものに付き合ってるみたい。まさしくLA警察24時です。 奥さん役のアナ・ケンドリックもほどほどの中流美人なので‶一般感”がより強まった効果があり、キャスティングの妙味と思います。 ひと月の間に一体いくつ映画になるネタが転がってるんだろうというレベルの、極めてハードな勤務内容でにわかに信じ難いほど。しかし監督自身がこの犯罪多発地区で育ったというのだから、普通に「ある」のでしょう。薬物絡みの酷い犯罪も人種差別に起因する銃犯罪も警官への暴行も。それも毎日毎日。 ドキュメンタリーの題材レベルの事件が次々に起きて、でも一つ一つに丁寧に関わってる時間なんかなく流れてゆく日常と化している犯罪と隣り合わせのエリア。これってつまり地獄なんじゃないの。何とかすべきじゃないの、との制作の叫びそのものの映画。わたしが子どものころ、アメリカはもっと伸びやかな自由の国のイメージだったのに。心して観ないとふらふらになりそうだ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-21 23:27:35) |
190. エンパイア・レコード
《ネタバレ》 うわあー若いなあ、体力あるねえ、エネルギー有り余ってるねえ。曲をひとつかけるごとに身体が動くし(というか踊りだすし)、もちろん恋愛ごとには事欠かないし。バンドを組んでいつか俺も売れるんだとの夢を追う子も配置して、ベタすぎるほどの青春謳歌映画ですな。 店主も信じ難いレベルで鷹揚だし。売上金丸ごと使われたら、こうはならんでしょ。や、店の金勝手にカジノで溶かした件以外にも細部も全体も話としてはファンタジーレベルに甘くてゆるい。ストーリーを追うというより若い時の熱っぽさを思い出して!と言いたいのかな制作側は。 リヴもレニーもそういう役割では満点の存在感。若くて可愛くてお馬鹿で未熟。女子二人はここからブレイクですけど、男子はそれほどでもなかった。やはり脚本が全員を押し上げるほどの力が無かったからでは。 自殺未遂の子を除けば、皆が今で言う「陽キャ」なキャラクターで明るすぎて青春群像としてのバランスがやや悪い。もちろんこのお店の空気感が合う人もいるでしょうけれど。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-19 23:20:17) |
191. ハンナとその姉妹
《ネタバレ》 大きな起伏も事件もないのにどうしてか見入ってしまうアレン作品。人間てこんなもんだよね大悪人ではないけど日常にちょこちょこ魔が差す時があるし、気持ちの揺れは自分でもどうにもならない。 次々やってみる仕事は上手く行かないし、良かれと思って一生懸命日常をこなしても嫌味だと言われる。人物らの経験する事柄がわかるわかる、となるには観る者もそれなりの人生経験が必要だったりするのだなアレン映画は。わたし自身二十代にこの映画を観たときはおじさんおばさんばかりのつまんない映画という感想を抱いたものでした。 アレン監督、本作では肝の小さい病気恐怖症の男を演って笑いを取ってますが、いやあまるで自分を見ているようでした・・。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-16 23:14:59) |
192. 狂っちゃいないぜ!
《ネタバレ》 ‶自分は仕事がデキる奴”とのプライド高い男がほんのはずみで生活を狂わせてしまう。新たに赴任してきたソリの合わない男のせいでもあり、その肉感的な女房のせいでもあり。や、本当は誰のせいでもなくて自己の心の問題でこうなったんだけどね。 役者らがリアルな人間造形に巧いので、よくある一人の男のちょっとした人生のつまづき物語が肌感覚が近く観られます。 キューザックがビリー・ボブに向ける複雑な対抗心。なんとなく畏れも抱いている心の内が表情にも滲みます。夫に浮気をバラしてドヤっているバカ女が若きアンジェリーナ・ジョリー、コミカルな演技もちゃんとできます的な今や大御所ケイト・ブランシェットもしっかりと脇を固めます。 航空管制官という特殊な職業事情も興味深かった。メンタルをやられて一旦退いた同僚が「どの段階まで復帰できるか」を賭けるという、一見身も蓋もない明るさがストレスフルな環境に対抗する術なのだろうなと思いました。凄い仕事だなあ尊敬します。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-13 22:58:08) |
193. さらば友よ
《ネタバレ》 いやあーもう何、グッとくるこの二人。神経質そうなピリピリ感を纏ったドロンと、人を食ったようなニヤニヤ顔のブロンソン。こりゃ絶対ソリ合わなさそうだもんね。実際やたらと殴り合ってるし初めのうちは。 あんま聡明な印象じゃないんだよね二人とも。ドロンは賭けゲームも下手だし女には良いように使われるし。大体数字も揃ってないのに金庫開錠に臨もうだなんて。(しかも女はちゃんと知っていたわけで) ブロンソンはブロンソンで怪しげな手段で小銭稼ぎしてるし。女の子に妙な辱めを与えての、あの妙なパーティは一体。 ああそれにブロンソンたら得意なはずの「表面張力寸止めコイン投入技」に肝心な時に失敗してんの。パリ警察にしつこく苛められるブロンソンてのもまた見どころではあります。 互いが互いを売らないと決めた漢気あふれる終盤は、静かなれど胸アツ。ドロンが立ち去るブロンソンにタバコの火を差し出すラストはハードボイルド映画界でも屈指の名場面と言えるでしょう。 ‶yeah"が渋く耳に残るオッサンたちの物語。そして二人ともやっぱり脱ぐんだな、これが。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-09 22:44:23) |
194. マッキー
《ネタバレ》 人間がハエになるって聞くと、わたしはグロくて切ない「The Fly」の発想をする世代です。そんな固定観念はインドからちゃぶ台返しを食らいました。なぜ明るい?なぜ踊る?文字通り人がハエになっているというのに。 彼女まであっさり「元カレ→今ハエ」状態を受け入れて、一切の葛藤無し。さすがインド、混沌の国。死してハエになる輪廻くらい死生観に織り込み済みなのでしょう。おそらく。 設定はぶっ飛んでますけど、ハエになっての仕返しの諸々は耳元でブンブン言ってイライラさせるとか、こちらの想像の範囲内でなかなかにユルかったな。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-07 23:14:31) |
195. タイム・トゥ・ラン
《ネタバレ》 そんなに悪くない脚本だと思うんですけどね。短めの尺の中に起承転結をきちんと収めてますし、伏線回収も意外な驚きがありましたし。なのになんでこんなにB級臭が漂うのか。画だって安っぽくはありません。 本国での興行成績もサッパリだったというその理由はやっぱ「なんか似たようなの観たことある」っていうマタコレカ感を皆抱いちゃったからでしょうね。 乗っ取られたバス暴走設定なんかまんま「スピード」だし、マフィアの金強奪のくだりなんかはおなじみ金満パーティの画ヅラから銃撃から、もう何度となく目撃してきましたし。 役者陣もスクリーンにはめるには存在が軽く、テレビドラマが合うようなレベル。なまじデ・ニーロなんか放り込むもんだから、1人だけ「デ・ニーロじゃん」的重力が発生してバランスも悪いです。でもまあ、そんなに嫌いじゃないですこの映画。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-02 22:58:34) |
196. パトリオット(2000)
《ネタバレ》 堂々たる歴史(多分に創作)大作の風格まである。エメリッヒだけど。大きくて広がりのある画はのびやかで爽快。十八番のディザスターもので発揮される監督の‶大げさ感性”がうまいことハマっていると思います。 なにぶん、画がキレイ過ぎるんですよね。建物の柱は真っ白だし女性のドレスや髪、軍服までパリッとキラキラしくて「お芝居用」感が半端ないけれどこれまた娯楽映画の文法と心得て楽しみました。 けれんみ溢れるエメリッヒのタクト、M・ギブソンのヒーロー像、J・アイザックスの悪者っぷり、濃い目の演出に皆うまく共鳴しています。 クライマックスのメル隊長が旗を振って士気を鼓舞し、崩れかけた陣容を立て直すシーンなんかもう米国民ならずとも血が沸く思いがしますしね。(単純)。フラッグというのは団結の象徴なのだな、と思い知るこの場面。旗手がメルギブなら画的にももう完璧です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-04-30 23:38:50) |
197. セリーヌとジュリーは舟でゆく
《ネタバレ》 まさに映像で見る「不思議の国のアリス」。アリスの世界観を実写にするときっとこんな感じ。 もっとも、鑑賞の仕方にはコツが必要です。コマや人物らに整合性を求めるととてもツライことになります。わたしも中盤までは訳わからなくて泣きそうになりましたもん。 もう、監督の手に委ねちゃうことです。目にしたもの全部受け入れる。そうしたらお話が頭からキレイに虚実ない交ぜに入れ替わりながら、繋がっていることが分かります。 「入れ替わる」、これ現実でもアチラ側でも発生してて幻惑状態です。なぜ顔が違うのに久々に会う恋人とすんなり受け入れてしまうのか。そもそもジュリーあての電話を取るなよ。セリーヌの仕事をつぶすなよ・・。や、いかん。こんなことを考えてはいけないのだった。ラストを見てごらんなさいよ。もうそれどころじゃないから。 よく笑って元気いっぱいの女の子二人に引っ張られながら、迷宮の探索に行きませんか。なかなかびっくりしますよ。 ともかくも斬新な経験。有無を言わせぬ感性で一本撮りきっていて、こんな映画は初めて観ました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2023-04-29 22:21:18) |
198. クロール -凶暴領域-
《ネタバレ》 サメがついに月に行くに至って、もう出尽くした感のある凶暴生物映画。や、ネクストはワニでしたか。しかも制作にサム・ライミが名を連ねている。これは期待の一本。 で、サメは無理でもワニならなんとか闘えるのでは?と思ってしまったけれど。人間に有利な地上戦を封じられてしまうとは。しかも「屋内」が舞台のため柱や鉄筋といった家の出っ張りが邪魔になったり武器になったり、‶vsワニ映画”の脚本にこんなに情熱を捧げるとは実にあっぱれです。 B級映画ならではの「ワニに咬まれても主人公無双」状態はのどかで良いけれど、モブの人たちはかなり惨い目に遭っていて、その辺のスプラッタ描写も抜かりないです。 ワニの造型やリアルな洪水などCG技術のレベルの高さも一見に値します。なかなかにハイクオリティなB級ワニ映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2023-04-27 23:15:16) |
199. 北の橋
うん、分からん。現実と想像の入り乱れるドン・キホーテ型作品と聞いておいて良かったな。まともに取り組んですべての謎解きをラストに求めたら大怪我するところだった。 ジャック・リヴェットですから、‶分からない”ままでも良いんです。持ち味といいますかね。でも、かの「セリーヌとジュリー」のような「分からないなりの納得感」というのが乏しい。おいてけぼり感が半端ないです。 もっとも、パリの街は中心も郊外も雰囲気があって素敵でした。演じる二人の母娘女優もなんだかクセになるような魅力があります。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2023-04-21 23:15:24) |
200. ワイルド・アット・ハート
感性の合わない人はオール引くであろう本作。リンチが苦手なわたしもなんと感想にしたら良いのかわからない。リンチって内容はともかく画はもっとキレイじゃなかったかしら、などと戸惑いながらの120分。 一つ一つのメタファーに意味を求めるからダメなんだろうなワタシの場合。場面転換に流れていく唐突なバーサンの顔とか太った半裸の女たちとか、考えたって分かるわけない。 意味不明瞭でもパルムドールなんだねえ。ヨーロッパの感性もわからん。 極めて個人的なこと言うと、キレてる男と女の逃避行なら‶トゥルーロマンス”タイプのが断然好み。娼婦みたいな恰好のローラ・ダーンよりパトリシア・アークウェットの方が可愛いし。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2023-04-20 23:26:12) |