2001. 悪いことしましョ!(2000)
《ネタバレ》 なーんにも考えずに単純に楽しめる映画を撮らせたら、やはりハロルド・ライミスの右に出る者はいないですね~。ブレンダンくん、悪魔にいろいろお願いをするけど彼女のハートをつかむことができず、最後に「願わくばアリソンを幸せにしてください」と言わせるオチは、『バタフライエフェクト』を彷彿させてくれました。ブレンダン・フレイザーって二枚目俳優だとばっかり思っていましたが、こんなに気持ち悪い男だったとはと言いたくなるほどコメディ演技が上手いですね。エリザベス・ハーレィとの掛け合いは実に傑作、と言うよりもハーレィの凄まじいフェロモンに頭がくらくらでした。 本作はダドリー・ムーアとピーター・クックが主演した1967年版のリメイクですが、そちらでは悪魔は男でピーター・クックだったそうです。チラッと出てきたハーレィが連れてきた犬の名前がダドリーとピーターで、楽屋オチしてました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-10-24 21:43:33) |
2002. キッスで殺せ!
《ネタバレ》 もうこの映画は狂ってますね。ほとんどトンデモ映画と言って良いほど。探偵マイク・ハマーものという形式にはなっていますが、そんなこと全然関係なしで突っ走る暴走振りです。ハリウッド産のハードボイルド探偵ものにはやたら登場人物が複雑な関係でセリフでストーリー進行させる傾向がありますが、アルドリッチはそこを逆手にとって極端な省略と暴力描写に驚かされます。そして時代を感じさせないB級ならではの扇情的な描写のエグさで、拷問される女のもがく膝から下だけを映したり、バレエを練習するハマーの女助手の汗にまみれた肢体を強調したり(そもそもバレエをする必然性がないのですが)、ある意味シュールなショットが満載されています。そしてグチャグチャでさっぱりわけの判らないストーリーを吹っ飛ばす、あの驚愕のラスト! はっきり言って公開時に酷評されたのも当然かもしれませんが、ゴダールやリンチに多大な影響を与えたパワーは本作の非凡さを証明しているでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-10-24 09:57:09) |
2003. ロング・グッドバイ
《ネタバレ》 フィリップ・マーロウに思い入れも蘊蓄もない自分にとって、昔からグールド=マーロウというぐらいマーロウのイメージになっている作品です。ハンフリー・ボガード、ジェームズ・ガーナー、ロバート・ミッチャム、それにしてもがこれだけ個性の異なる俳優が演じているキャラクターって珍しいですね。 まあ本作は完全にアルトマンがドロドロになるまで料理してますので、オリジナルのストーリーと思った方が良いでしょう。70年代らしくカウンター・カルチャー風俗をとりいれていますが、自分としてはそこら辺はあまり好みじゃないです。それにしてもあのシュワちゃんがムキムキボディを見せてくれるシーンですが、どうしてみんな脱がされるのかさっぱり理解できません。マーク・ライデルの演じるキャラが本作でもっともシュールで意味不明でした。 [DVD(字幕)] 7点(2010-10-22 00:52:00) |
2004. 宇宙人東京に現わる
《ネタバレ》 東宝では『地球防衛軍』、ハリウッドでは『禁断の惑星』が製作されてた同時期の映画とは到底思えないぞ、『宇宙人東京に現る』! パイラ星人の会話には、本当に腹を抱えて笑いました。監督の島耕二のフィルモグラフィはSFやアクションものは他に撮っていないみたいで、たしかに全編になんかホームドラマっぽい雰囲気が漂っています。大映初のカラー特撮映画ですが、色彩は思ったより鮮やかでしたね。そう言えば新天体R星の脅威が去ってめでたしめでたしのラストシーンですが、啓蟄を迎えたみたいに小動物がぞろぞろ穴や地面から出てきて、そのあと「わーい」と歓声を上げる幼稚園児が映って終わり、こんなラストシーンの特撮映画もちょっと珍しいのでは。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2010-10-20 22:46:21) |
2005. 虹男
《ネタバレ》 『虹男』と言えばDVDのパッケージにも使われているゴムのように身体が伸びる不気味な男がフューチャーされたスチール写真が有名ですが、はっきり申しましてこの映画にはこの不気味な男はもちろん「虹男」すら登場しません。ほとんど詐欺です(笑)。パートカラーながら邦画で初めてカラー映像を使ったとして映画史上に名を残している作品です。原作は推理小説の大家だった角田喜久雄の新聞連載小説だそうです。人口の虹(なんじゃ、そりゃ?)を研究している科学者がいまして、その博士の周辺でおきる謎の連続殺人事件というのが基本的なストーリーです。お話しはほとんどがその博士の自宅で起こる事件なのですが、その自宅がいかにも本格推理小説らしくおどろおどろしい洋館なので笑っちゃいます。被害者たちはなぜだか殺害される直前に虹の幻覚を見るのですが、その幻覚だけがカラーなのです。オリジナルのカラー映像は失われていて、いま観れるのは関係者の記憶をもとに復元したものだそうですが、単なるスペクトル分光の映像みたいなものが1カット5秒ほど映されるだけで、あまりにもチャチなのであっけにとられてしまいました。殺される役者たちの「虹男だー」と絶叫する芝居がまた臭くて時代を感じさせます。メスカリンが混入した飲み物が幻覚をおこさせるという説明ですが、そもそも犯人が何でそんな手の込んだことをするのかは謎です(笑)。いちいち説明するのが難儀なのですが、簡単に言うと江戸川乱歩の『少年探偵団』シリーズみたいなムリやりなプロットとトリックだと思います。唯一の取り柄はあの伊福部昭が音楽を担当していることで、けっこういい雰囲気でした。 いくら終戦直後の製作とはいえ、これでは怪作と言うほかないですねえ。なお一部の資料では円谷英二が特撮を担当となっていますが、本作には関わっていないみたいです。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2010-10-18 23:03:59) |
2006. スキャンダル(1989)
《ネタバレ》 「プロヒューモ事件」と言えば英国政界最大のセックス・スキャンダルとして歴史に残っていますが、この映画を観て知ったのですがどうもスパイ事件自体は冤罪だったということです。本作はそこら辺の経緯を忠実に映画化しているみたいですが、はっきり言って全然面白くない。監督が、下手くそなくせに不思議と良い題材を手掛ける運を持っているが、それらをことごとく駄作にしてしまうマイケル・ケイトン=ジョーンズだからしょうがないかな(あの『氷の微笑2』の監督です)。高級娼婦キーラー役のジョアンナ・ウォーリーは妖艶な色気が漂っていて観て得した気分になれるのですが、プロヒューモを演じるイアン・マッケランのキューピーみたいな髪型がどうしても気になってしょうがなかったです(実物もそういう髪型なのでしょうけど)。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-10-18 00:48:43) |
2007. さよなら、さよならハリウッド
《ネタバレ》 プロットとしては『ブロードウェイと銃弾』の映画製作版という展開ですが、『ブロードウェイ』とは逆に製作されている映画がどんどん悲惨な出来に陥ってゆくのがミソ。アレンの映画は自身の身の上が反映されることが多いのですが、本作で気づいたのは撮影監督が言っちゃ悪いが聞いたことない無名な人であること。それもそのはず、本来は名手ハスケル・ウェクスラーが撮影監督だったのにアレンと揉めて撮影開始後に降板しちゃったそうです。その辺の恨みつらみが映画の中の撮影監督(なんと中国系と言う設定!)のキャラに反映されて劇中アレンと揉めまくり、撮影監督との通訳がアレンの眼の代わりになるエピソードが笑えます。さすがにアレンもそのまま通訳くんを活躍させると『ブロードウェイ』のチャズ・バルミンテリと同じだと気が付いたみたいですが、通訳くんがクビにされた後の展開は急速に失速してしまう印象なのが残念です。 ラストの「フランスがあってよかった」と言うのは名セリフかもしれませんが、ちょっとフランス人のファンに失礼かも。欧州での高評価とは裏腹にハリウッドでは無視されている北野武をついつい思い出してしまう一編でした。 [DVD(字幕)] 5点(2010-10-17 18:03:26)(笑:1票) |
2008. ライフ・イズ・コメディ ! ピーター・セラーズの愛し方
《ネタバレ》 ピーター・セラーズのことを知らない人はそもそもこの映画を見ようとは思わないだろうし、彼のファンや人物に興味感心がある人には虚像と実像の差異に戸惑いを感じるに違いない。スターの人間性やゴシップなんかは別にどうでも良く芸さえしっかりしていれば十分、と言うのは自分の考えですがこの映画は「特殊な能力を持ったひとりの男の生涯」を描いたバイオグラフィーとしてはとても良く出来ていると思います。ただ注意しなければならないのは、古今の名優と呼ばれる人たちは「どんな人間にも化けられる」能力を大なり小なり持っているわけで、セラーズが「カラッポの容器」だったこととマザコンの性癖は関係がないということでは。「名優」イコール「マザコン」では無いことは言うまでもありません。 そういう部分を除けば、本作の脚本と演出はとてもTVムービーとは思えない水準の高さではないでしょうか。セラーズの元妻たち(リン・フレデリックは亡くなってますが)やブレイク・エドワーズがまだ存命なのに、ここまで赤裸々に映像化出来たことには脱帽させられます。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-10-17 01:33:08) |
2009. 天国の門
《ネタバレ》 ユナイテッドアーティストをぶっ潰したほど製作費をかけた駄作と言う評もあり覚悟して鑑賞しましたが、あにはからんや想像したより遥かに骨太で見応えはありました。確かに凝った映像ですが、どこにそんなカネを使ったのだと首をかしげたくなるのも確かです。同じようにフォックスを潰しかけた『クレオパトラ』ならなるほどカネがかかってるなと納得しましたが、チミノは超大作の経験がなかっただけにカネをかける映画の見せ方が下手だったのが致命傷でした。その美しい映像もそろそろデジタル・リマスターして欲しい状態なのが痛々しい(まあ呪われた作品だけにそれは難しいかも)。 冒頭の延々と見せられるハーバート卒業式のダンスやひとりの女性を巡る男たちの確執など『ディアハンター』を意識した様な構成で、チミノも芸がないと言えなくもない。ジェフ・ブリッジスなんか同じような髭面でクリス・クリストファーソンと見分けがつかないし、キャラとしてもストーリーに必要なのか疑問です。イザベル・ユペールを起用したのは正解で、ハリウッド女優ではとうてい望めない脱ぎっぷりの良さには感激です。全体にあまり西部劇っぽくなくて、東欧が舞台のユダヤ人迫害物語を見せられたような雰囲気の映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-10-14 23:49:08) |
2010. シャフト(2000)
名曲『シャフトのテーマ』をそのまんま使ってスタイリッシュな映像と編集でリメイクすれば、普通は面白くて客が呼べる映画になるはずだったのに… サミュエル・L・ジャクソンをここまでカッコ良く映した映画はなかったと思うんだけど、シャフトのキャラ自体がうすーいし悪役二人もアホみたいで穴だらけの脚本には参りました。指摘するまでもないのですが、あのラストは映画館で観たら間違いなく「カネ返せ!」と暴れたくなったでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-10-12 23:23:28) |
2011. 冒険者たち(1967)
《ネタバレ》 本作には熱烈なファンが多く評価も高いことは知っていますが、昔から私にはどうも合わなくこの作品の良さがわからないんです。60年代後半以降のアラン・ドロン主演の映画はどうも雑な作品が多いのですが、自分には本作もその中に入る一本です。男二人に女が絡むというプロットの映画は沢山ありますが、成功している作品はみな三人の心情や恋愛感情が細やかに表現されているという共通点があります。本作の最大の欠点はまさにその点で、なんか作りごとじみたお話しとしか感じられないんですよね。前半のパリでの生活は、飛行機だスロットカーだとやたら機械的な小道具を強調することでコンゴでの冒険生活と対比させようとしていますが、監督ロベール・アンリコの演出力では手に負えないところがあったようです。特にギャングが絡んでくるあたりからは薄っぺらい演出だなとつくづく思います。ラストの要塞島をとらえた空撮ショットは確かに素晴らしいので、プラス一点。 [DVD(字幕)] 6点(2010-10-11 23:05:59) |
2012. 大魔神怒る
《ネタバレ》 大魔神も二作目とあって設定も当然パワーアップされています。本編自体は単純な勧善懲悪ストーリーなので悪役の非道ぶりが重要なのですが、今回の悪役である御子柴弾正は隣国を攻め入って平らげようとしたわけです。他国を征服するのは戦国武将の習性ですのでそれを現代の価値観で批判しても無意味で、その分攻められた千草と名越の領主をどれだけ善玉に仕立てるかがカタルシスに繋がってゆくわけです。その為の設定としてひたすら信心深い領主さまということになり、戦国領主と言うより神主一族みたいな平和主義の奇妙な武将になっちゃったのは笑っちゃいます。弾正に攻め込まれてむざむざ斬り殺される名越の殿様(なんと内田朝雄が善人役!)の情けない姿には、戦後日本に蔓延していた無抵抗平和主義思想を垣間見るようで情けないところです。魔神も本作では木端微塵に爆破されちゃうし、そりゃ「怒る」のも無理ないですよね。相変わらず魔神が暴れるシーンのミニチュアワークは芸が細かくほれぼれしまうが、さすがに十戒みたいなあのシーンはちょっとやり過ぎでは(笑)。 たかが特撮映画と侮るなかれ、良く観れば製作当時の風潮がわかるというものです。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2010-10-11 10:36:36) |
2013. ブルーサンダー
《ネタバレ》 久しぶりに観たけど、やっぱブルーサンダーはかっちょいいねえ、燃えます。ストーリーはB級テイストなんですが、この作品決してローバジェットじゃないので今観直しても決して古臭くないところが凄い。「どうやって撮影したんだろう」と言うような眼を見張らせるショットが連発で、いまだ本作を超えるチョッパー・アクションはないと断言できます。CG全盛時代ですから、こういう実機を飛ばす贅沢はもうあり得ないでしょうね。そして気が付いたのは、挿入されるTVニュースのキャスターが『ロボコップ』でも狂言回しとして出演しているマリオ・マチャドであること。主人公の名前は同じ“マーフィー”だし、本作からヴァーホーヴェンはインスパイアを与えられたのかな。そう言えばロイ・シャイダーと『ロボコップ』のピーター・ウェラーは何となく雰囲気が似てませんか? [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-10-10 23:13:04)(良:2票) |
2014. ポルノグラフィックな関係
いかにも大人っぽくフランスらしくていいですね~。ナタリー・バイは若いころトリュフォー作品に良く顔出してた女優ですけど、すっかり熟女になっています。『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のレオナルド・ディカプリオの母親役ぐらいしかないのですが、もっとハリウッド映画にも出て欲しい女優です。 そして「彼」セルジ・ロペス、どっかで見た顔だなと思ったら、『パンズラビリンス』のあの極悪非道なヴィダル大尉じゃないですか。本作と比べてみてもこの人の演技力はけっこうレベルが高いなあと感心しました。題名のせいもありレンタルショップではエロドラマのコーナーに置かれていることが多いのですが、観て損はない佳作です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-10-10 11:04:28) |
2015. オリエント急行殺人事件(1974)
推理小説史上もっとも有名なトリックだから結末が判っていて鑑賞する人が圧倒的に多いわけで、そこを逆手にとってちょっと陽気で華やかに映像化した監督ルメットの着想は正解でしょう。この映画は彼にとっては雇われ仕事ですが、「脚本を読んで奇抜なトリックにびっくりした」と真顔でインタビューに答えているのには正直こっちが驚きました。シドニー・ルメットとあろうお方が、あんな有名なお話を知らなかったなんて! 正直言って筋を追ってゆくだけで終わっちゃった印象ですが、自分のごひいきの俳優たちがあれだけ登場するのを眺めるだけでもう満足です。リチャード・ロドニー・ベネットの優雅なワルツ風のテーマは最高です。 [DVD(字幕)] 6点(2010-10-07 23:15:20)(良:1票) |
2016. カリートの道
抑えた演技のパチーノと、キャラが立ちまくっているペン。この二人の名優のコンビネーションが絶妙なので、とても良い余韻が残る名作だと思います。特にペンは今まで観た中で最高の演技ではないでしょうか。なんか最近えらそうな役柄が多いのですが、彼は本来変なチンピラみたいなキャラでもとても大きく膨らませることができる役者です。 こうやって観ると、デ・パルマという監督は単に映像フェチなだけでなく、けっこう役者の演技を引き出すのも上手いのかもしれませんね。そしてあの切ないエンディングはデ・パルマ映画の中で最高の出来で、思わずホロりとさせられます。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-10-06 23:23:06) |
2017. レリック
《ネタバレ》 タイトル・ロールの脚本に四人も名前が並んでいるのを見て、映画の出来はだいたい想像出来ました(笑)。まあ四人ででっち上げたに脚本にしては、ストーリーの破綻は少ない方だと思いますけど。それでもせっかくリンダ・ハントやコンスタンス・タワーズを起用しているのに、どちらも中途半端にストーリーからフェードアウトしちゃうのがホントもったいない。そもそも、怪物が登場するバックボーンが良く描けていないので盛り上がりませんよね。画面が暗いのは、出来に自信がないB級ホラー系映画に共通する特徴です。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-10-06 00:58:31) |
2018. ドクトル・ジバゴ(1965)
《ネタバレ》 デヴィッド・リーンの超大作大河文芸ロマンですが、どうかな、リーン作品の中では失敗作の方に入るのではと感じます。脇にアレック・ギネスやラルフ・リチャードソンそしてロッド・スタイガーと言う重量級名優をそろえているのに、なんか人物造形が薄っぺらなんですよね。三時間以上も上映時間がある割には原作を映像化するのに必死と言う余裕のなさが感じられ、ストレルニコフの逮捕処刑をスタイガーの説明セリフだけですませちゃうなぞその一例。なので、壮大な映像紙芝居を見せられている様な感じがぬぐえないのですよ。『ラーラのテーマ』は数あるモーリス・ジャール映画音楽の中でも最高傑作だと思うんですが、その使われ方も「さあ、盛り上がれ!」というあざとさが感じられませんか。 最近読んだトリュフォーの映画批評をまとめた本の中で本作を徹底的にこきおろしていたのが興味深かったです。どうもトリュフォーはリーンが大嫌いだったみたいですね。 [映画館(字幕)] 5点(2010-10-04 19:48:02)(笑:1票) |
2019. カラー・オブ・ハート
《ネタバレ》 「TV番組の世界に入り込んだ姉妹の冒険」と言うアイデアはともかくとして、ベタな展開の学園物コメディ・ファンタジーに落ち着かせない脚本のパワーが秀逸。プレザントヴィルの世界もけっこう凝った設定なので、前半のコメディラインも生き生きしてます。「カラード」と「モノクロ」に町の住民が二分してゆき、それがアメリカらしい人種問題のメタファーになっていくのには、眼からウロコで上手さに感心させられました。でもやっぱりこの作品の成功は、デジタルテクノロジーを駆使したパートカラー映像の美しさに負うところが大きいでしょう。 [ビデオ(字幕)] 9点(2010-10-03 23:31:57)(良:1票) |
2020. 私がクマにキレた理由
《ネタバレ》 金髪じゃない、黒っぽい色の髪してるスカーレット・ヨハンソンも悪くないなあ。と個人的な好みはどうでも良いとして、切り口がシャレっぽいところは気に入りました。高層ビルに赤い傘のシンボル・マークが付いているので「ん、アーノルド・パーマーの本社ビル?」と思いきや、なんと『メリーポピンズ』へのオマージュシーンに繋がるとは、思わず「うまい!」と感心してしまいました。それにしても「アニー」と「ナニー」とは日本人にもわかりやすいダジャレですねえ。 しかしストーリー自体はけっこうご都合主義なところが目立ち、そもそもヨハンソンがナニーになる動機が良く理解できませんでした。 まあ相変わらずポール・ジアマッティがいい味出してたので、プラス一点と言うことで。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-10-02 23:28:31)(良:1票) |