2021. 激突!<TVM>
《ネタバレ》 スピルバーグの映画監督としての第一歩となった記念すべき作品にしてとてもよく出来た不条理サスペンスだと思います。少しずつ精神的に追い詰められていく主人公が普通乗用車で大型タンクローリーと対決する様子や、顔を見せないタンクローリーのドライバーとの心理戦は何度見ても面白いです。かなり限られた撮影期間だったそうで、勿論お金もかけられない。それでもこんなに面白い映画が作れるんですね。 [地上波(吹替)] 8点(2009-01-07 23:59:04) |
2022. プリティ・リーグ
《ネタバレ》 第2次大戦中、若い男性の多くが戦場に赴き、その男達に代わって女性が立ち上がり発足した女子プロ野球を描いた作品ですが、元気一杯、一生懸命プレーする女性たちが実に爽やかで魅力的です。ペニー・マーシャル監督の女性の視点で描いた事も良かったんだと思います。鑑賞後は彼女たちに元気を一杯もらったような気がしました。とてもいい映画だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-01-07 23:35:28) |
2023. ギルバート・グレイプ
《ネタバレ》 ラッセ・ハルストレム監督は重い事情を抱えた若者や家族の日常とそれを乗り越えて成長していく様子を描くのが本当に上手い監督さんですね。彼の人間を見つめる優しい目線がとても好きです。本作も愛すべき主人公、主人公を取り巻く人々、美しい風景、舞台となる町、音楽、全てが素晴らしいと思います。重いテーマに向き合いながらもこれらの要素が穏やかに温かく絡み合い、鑑賞後は実に爽やかな余韻と感動がありました。 [映画館(字幕)] 8点(2009-01-06 22:10:46) |
2024. エル・スール
《ネタバレ》 驚くほど美しくて静かな映画。音楽もほとんど使われず、自然光を巧みに利用した静かで美しい映像はまるで美しい絵画を見ているようでもある。この作品は多くを語らない。でも、その映像には言葉では伝えられないエリセ監督の思いが確かに宿っているように思え、観ている僕はこの美しい世界にすっかり魅了されてしまった。過去に大きな忘れ物をしてきた様でもあり、南を去り、苦悩を抱え北の地で生きてきた様でもある父。子供の頃から分からなかった父の抱えている物を知りたい娘。父は最後に娘に何かを語ろうとしたのだろうか。果たして南にどんな答が待っていて、娘は南の地で何を見つけるのだろうか。ラストは娘の幸せを願わずにいられなかった。エル・スールというタイトルでありながら作品は南には辿り着かない。かつて南に何があったのかも描かれず、観ている僕は作品が辿り着かなかった南への想像をめぐらせる。でも、鑑賞後はこれで良かったんだと思えた。でも、いつの日か娘の南への旅の終着点をエリセ監督に見せて欲しいなとも思うのです。 [DVD(字幕)] 9点(2009-01-04 22:27:23) |
2025. HERO(2007)
ストーリー展開はとても分かりやすく、ラストは仕事も恋もうまくいって想像通り。テレビで見る分にはドラマの拡大スペシャル版の感覚で普通に楽しめると思います。 [地上波(邦画)] 4点(2009-01-04 00:14:10) |
2026. あの子を探して
《ネタバレ》 お金が行動の基準になる13歳の代理教師の女の子。学校にも通えず出稼ぎに町に出ざるを得ない子供。決して恵まれているとはいえない中国の地方の子供たちの教育事情。この作品に出ている子供たちはほとんどが素人の子供たちなんですよね。それだけに、テレビで華やかに映し出される北京や上海とは違う、巨大な中国の持つもう一つの表情がこの子供達を通してリアルに伝わってきました。それと同時に、チャン・イーモウ監督の描く子供たちや代理教師の女の子の持つ飾り気の無い等身大の素朴さや、純粋さ、たくましさがとても深く印象に残ります。素直に見てよかったなあ、と思えるとてもあたたかい作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2009-01-03 02:16:36) |
2027. イヤー・オブ・ザ・ドラゴン
《ネタバレ》 白いスーツをカッコよく着こなすチャイニーズマフィアのドンを演じるジョン・ローンと彼と対決する刑事にミッキー・ローク。ストーリー的にはマフィアと刑事の対決を描いたバイオレンス・アクションもので特に目新しさは無いのですが、ジョン・ローン、ミッキー・ロークの2人が一番カッコ良かった頃の作品じゃないでしょうか。この2人の魅力がとても良く出ていたと思います。 [映画館(字幕)] 5点(2009-01-03 00:51:31) |
2028. あずみ
《ネタバレ》 ツッコミ所満載の作品でしたが、一番気になった点を。時代劇でなんであんなに血を強調する必要があるんでしょうか?正直見ていて決して気持ちの良いものでは無かったです。作品のテンポも悪く、この内容でこの時間はあまりにも長すぎるとも思いました。あまり時代劇の主人公という感じはしなかったですが上戸彩ちゃんは頑張っていたとは思います。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2008-12-31 00:49:05) |
2029. ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア
《ネタバレ》 「天国では雲に腰かけて海の話をするのが流行りなんだぜ」と、余命あとわずかの2人が死ぬまでに海が見たいと病院を抜け出し、海を見に行くまでのお話です。途中銀行強盗をするなどやりたい放題、しかも海に行く為に盗んだ車がヤクザの車でトランクには大金が。そのカネでお互いの最後の夢を叶えようとするくだりはしんみりとさせられます。警察と組織の両方から追われる事になるのですが、何ともドジでマヌケな警察とヤクザでピンチは何度もあるのですがその都度切り抜けていくという、いささか都合が良すぎるストーリーですが、観ている僕達が「あの二人に海を見せてやりたい」と思った時点でこの映画の勝ちですよね。テンポ良し、90分という尺もちょうど良し、音楽も良し、笑い所満載、かつホロリとさせられる場面もあり、これはなかなかの傑作だと思いますよ! [DVD(字幕)] 8点(2008-12-30 02:23:28)(良:1票) |
2030. ニュー・シネマ・パラダイス
《ネタバレ》 エンニオ・モリコーネの音楽と共に思い出すだけで思わず微笑んでしまう、ホロリとさせられてしまう素晴らしいシーンの宝庫のような、まさに珠玉の名作ですね。映画が村人の共通の娯楽で、満員の観客が映画館で素晴らしいシーンには一同に拍手を贈り、悪役がのさばる場面では皆が一斉に悪役に罵声を浴びせる。全ての場面を目に焼き付けて目一杯楽しんでやろうという古き良き時代のパラダイス座の雰囲気が本当に良かったですね。ラストシーンの素晴らしさは皆さん書かれている通りです。大人になったトトがキスシーンを見つめる表情は童心に帰って、神父さんやアルフレードの目を盗んでこっそり観ていたトト少年の表情のようでした。自分の大好きな、思い出深い映画を再び見ると初めてその映画に出会った当時の頃の事を思い出す。そんな思い出と共にゆっくりとその映画を心から楽しむ。そんな映画の素晴らしさと、映画ファンの思いが詰まった本当に感動的なラストシーンだったと思います。 [映画館(字幕)] 10点(2008-12-30 02:17:36) |
2031. シンデレラマン
《ネタバレ》 実話、苦労人のボクサーのサクセスストーリー、そして魅力的な彼の支えとなっている家族・・・気持ち良く感動できる要素が揃っているとてもいい映画だと思います。主人公が活躍した当時の時代もよく描かれていたと思います。ロン・ハワード監督は実話や実在する人物の描き方がとても上手な監督さんだと思います。最後の試合終了後、判定に時間がかかっている間、実話モノだけにひょっとしたら疑惑の判定で夢までもう一歩の所まで行ったのに・・・!というオチもあるのかなと不安になりましたが最後はほっとしたし、やはり感動しましたね。 [DVD(字幕)] 7点(2008-12-29 12:56:35)(良:1票) |
2032. オールド・ルーキー
《ネタバレ》 シーズンオフのこの時期MLBの話題の中心はスター選手が年俸15億円とか20億円とか僕たちには考えられない巨額の契約をモノにするスター選手の動向です。彼らは間違いなく富と成功を手にしたメジャーリーガー。そんなスター選手がいる一方でジム・モリスもこんなカネは手に出来なかったけど彼もまた間違いなく金には変えられない夢を実現し、成功を手にしたメジャーリーガーだと思います。教師という安定した人生よりも忘れかけていた夢に再トライする姿にはやはり感動しました。彼を支える家族の描写も良かったですね。 [DVD(字幕)] 6点(2008-12-29 12:46:43) |
2033. 歌え!ロレッタ 愛のために
《ネタバレ》 洋楽は好きですが、カントリーは全く聞かないのでロレッタ・リンという名前も知りませんでしたが、この作品はなかなか良かったです。10台半ば位からの年齢を一人で演じ、観ている者にそれ程の違和感を感じさせないシシー・スペイセクの演技が見事でした。歌もシシー本人が歌っていて、この歌もまた良かったです。トミー・リー演じる夫と時には喧嘩する事もありましたが、この夫婦の描写も微笑ましく、鑑賞後の後味もとてもいい作品でした。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-12-28 23:49:30) |
2034. 白いドレスの女(1981)
《ネタバレ》 フロリダ南部の熱帯夜の夜。そのじっとりとした暑さが画面から伝わってくるようでした。そこに現れるキャスリーン・ターナー。悪女の香りをプンプン漂わせる妖しさには参りました。それにしてもこの邦題はいかがなものか。この雰囲気にはやはり原題のBody Heatがバッチリはまっていると思いませんか? [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-12-28 23:11:08) |
2035. ジンジャーとフレッド
《ネタバレ》 意外な事に、マルチェロ・マストロヤンニとジュリエッタ・マシーナの2人、お互いに60歳を過ぎてこれが初競演なんですね。相変わらずのちょっぴりダメ男ぶりが見事なマストロヤンニと若かりし頃の面影をこんなに残して久しぶりにスクリーンに帰ってきてくれたマシーナ。これはもう夢のような競演です。TVの特番の為一夜限りの再結成をした芸人コンビを描きながら、そこには失礼極まる態度を見せ付け、あるいは烏合の衆のような業界人やホテルの従業員、コマーシャルの洪水に汚染されたテレビや大都会・ローマがこれでもかと批判的に描かれています。そこにはフェリーニのTV界や大都会に対する思いが垣間見えます。そんな中で老いた芸人コンビが見せる誇りや素朴な人間らしさが実に美しいです。この2人の競演のどのシーンも素敵で、初競演なのに懐かしい。そんな不思議な感覚で観ていました。作品としてはちょっと中だるみする部分もありましたが、そんな事よりも役者人生も晩年にさしかかった2人の名優の本当に貴重な競演を心から楽しませてもらいました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-12-28 01:57:22)(良:1票) |
2036. 鳥(1963)
初めて見てからずいぶんと経つ。その間何度か見ていますが、今でもゴミを突付いている何羽かのカラスを見ると、そばを通る時なんかにフッとこの作品のことを思い出してしまいます。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-12-27 20:59:53) |
2037. 疑惑の影(1943)
《ネタバレ》 いい人だと思っていた伯父だが、ひょっとしたらこの伯父にはとんでもない秘密が有るのではないか・・・?その疑惑が同居する姪の中で日に日に大きくなる。そして徐々に本性をあらわし始める伯父。その2人の心理戦を描いた良質の心理サスペンスだと思います。清純で可憐なイメージのテレサ・ライトが誰にも打ち明けられず、少しずつ精神的に追い詰められていき、ジョセフ・コットン演じる伯父が少しずつ精神的に追い詰めていく様の描写がさすがヒッチコックと思わせる怖さがあります。本当はもう少し高得点を付けたい作品ですが、走る列車内でのラストがあまりにもあっけなかったのが残念でした。 [DVD(字幕)] 7点(2008-12-27 20:52:22) |
2038. コーラス
《ネタバレ》 問題児ばかりで監獄のような寄宿学校に音楽を愛するマチュー先生が赴任してくる。そして心が荒んだ子供達に歌を教えます。子供達に歌を教え始めると、いきなり子供たちは目を輝かせ熱心に練習に取り組みます。でも、こんな簡単にはいかないはずで、もう少し先生と子供達が少しずつ心を通わせ、先生との間に信頼関係が生まれ、歌の素晴らしさを知っていく過程が描かれていれば良かったかな、と思いました。ただ、子供たちの歌声は本当に美しく、それだけでも観てよかったと思いました。 [DVD(字幕)] 5点(2008-12-27 01:59:15) |
2039. ダンサー・イン・ザ・ダーク
見ていて本当に辛かった。ラストの後味が悪く、鑑賞後も嫌な余韻がずっと残りました。この監督の作品は他にも見ましたが私には合わないようです。ビョークの歌は良かったと思います。 [映画館(字幕)] 1点(2008-12-26 21:16:28) |
2040. ディア・ハンター
《ネタバレ》 戦争映画に分類される作品だと思いますが、むしろベトナム戦争という暗い時代を生きた若者達の青春群像劇と僕はとらえています。 前半の長~い結婚式は賛否ありますが、アメリカではマイノリティーであるスラヴ系の人々が集まって暮らす小さな町の新しいカップルの誕生を町中皆で祝える喜びが画面を通してその息遣いまでも伝わってくるようでした。映画の中で結婚式が描かれることは少なくないですが、本作で描かれる結婚式は本当に素晴しかったと思います。 その後の鹿狩りの雄大な自然とその荘厳さ、ベトナムのことを少しでも忘れていたいかのような出征前夜の男たちの酔っ払った馬鹿騒ぎの宴。この前半の全てが後半に見事に生きています。 ラストで仲間たちが集まって歌うgod bless americaとエンドクレジットで流れるその仲間たちの出征前の表情、特にデ・ニーロのおどけた表情とウォーケンの笑顔が忘れられません。 [DVD(字幕)] 8点(2008-12-26 11:52:39) |