2061. インソムニア
作品で「目的は手段を正当化する」という台詞があるが、自分の気持ちを正当化するのは中々難しい。主人公は正義(目的)の為の嘘(手段)なら正当化できる(しようとする)が、保身(目的)の為の嘘(手段)により、真犯人を逃がすという正義(目的)に反する結果を招く事は自己を正当化できずに苦悩する。結局は「目的」ってのは生き方・信念であり、「手段」というのは日々の意思決定だと思う。ただし人は誠実でありたいという気持ち(目的)もあり、その実現の為の嘘(手段)は永遠に正当化されない。(誠実であるために嘘をつくのは不可能だから。)よって正義の為の嘘(証拠捏造)もいつまでも頭から離れない。そういう目的と手段が複雑に絡み合い、自己同一性の維持に苦悩し不眠になる刑事をアルパチーノは好演していたと思う。 7点(2004-03-10 02:48:40)(良:1票) |
2062. わが谷は緑なりき
炭鉱町のありがちな日常を淡々と描いているだけでちょっと退屈だった。 4点(2004-03-09 03:28:02) |
2063. 華麗なるギャツビー(1974)
なんか切ないというか、不愉快な作品だった。愛憎劇って程でもないし、全体的に盛り上がりに欠ける。登場人物も皆薄っぺらい感じ。<追記>12年ぶりに再見。数年前に原作も読んだし、自分も年を取ったので印象も変わるかと思ったがそうでもなかった。原作の方がまだマシというレベルで、話としてはバカな女に惚れてしまった男の悲劇というだけで後味も悪い。これが人間のイヤラシサと言ってしまえば、それまでなんですけどね。当時はエアコンがないので、皆汗だらけというのだけは妙にリアルでした。この表現は文字では不可能ですし。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2004-03-08 15:31:34) |
2064. ロボコップ(1987)
なんかとっても切ないんだけど、でも最後は溜飲が下がる。規律を守り、勧善懲悪で、ちょっと任侠ロマンもあるし。こういう哀愁漂う映画は日本人受けしやすい映画だと思います。 <追記>19年ぶりに再見。ややグロさはあるが、ロボットならではの他方で滑稽さもあって、子供から大人まで楽しめるエンタテイメント作品になっている。AIブームで色々騒がれている昨今だからこそ、再見の価値もあるように思える。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2004-03-08 11:24:02) |
2065. スモール・ソルジャーズ
グレムリンしてるなあ。作品に合わせて女優のランクも落としてる? 5点(2004-03-08 01:30:51) |
2066. インドへの道
東洋人としてはこういう作品をみるとツライですね。体感した方は少ないかと思いますが、欧米の東洋蔑視は皆さんが思っている以上のモノがあります。それは昔も今も変わりません。 3点(2004-03-07 23:43:58) |
2067. マスター・アンド・コマンダー
どうも観てる最中「バウンティ/愛と反乱の航海」と比較しながら見てしまったので、物語性に欠ける感じがした。かといって戦闘シーンが盛りだくさんな訳でもないので、作品が全体的に中途半端で消化不良している。脇役陣も片腕の少年がちょっといいぐらいで、全体的に皆影が薄い。ラッセルクロウに噛み付く輩が一人や二人いてもよさそうだが、最後まで絶対権力者のままだし。映画館で見れば音響効果で船内気分が多少味わえるかな?という程度。 5点(2004-03-07 22:32:39)(良:1票) |
2068. PNDC-エル・パトレイロ
主人公ペドロは人間味溢れていてよいと思うのだが、逆に言うとつかみ所の無い人間とも感じられ、映画としての娯楽性に欠けるように感じる。 5点(2004-03-07 02:00:24) |
2069. 男はつらいよ 拝啓車寅次郎様
《ネタバレ》 惚れた女の笑顔を見て、気持ちがすっきりし、挨拶もせずに黙って立ち去る寅さん。ちょっと切ないが男の中の男だと思う。で、「恋するってくたびれる」っていう満男に「燃えるような恋をしろ」と激怒する。ここまで感情をあらわにし、本気で怒るのは珍しい。別れのシーンが柴又駅ではなく、江ノ電の鎌倉高校前になっているのが異色。 <追記>17年ぶりの再見。舞台はてっきり琵琶湖だと思っていたが、実は隣の余呉湖だっとは。よく考えれば琵琶湖周辺はリゾート化されているのであの風情はないんだが。満男は社会人になるのだが、旅に出てしまうので仕事生活はあまり描かれず、そんなに苦労しているようにも思えない。寅さんは無論、おいちゃんもおばちゃんも体調がよくないのか元気がない。社長はなんとか頑張ってたが。本作のマドンナは既婚で夫婦関係はあまり上手くはいっていない。が、結局は別れることはない。そこで寅さんは「夫婦になって長い間一緒に暮らしてらあそらいろんなことあるだろうけどさ、お互い相手を好きになろうと一生懸命思っていれば必ずなんとかなるもんなんだよ」と満男に対して「努力の愛」について語る。これまで「惚れる恋」が中心に描かれてきたが、これもシリーズ終盤の変化なのだろうか。でも、その直後に「燃えるような恋をしろ」と言ってしまうのはちょっとチグハグな印象も受ける。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2004-03-07 00:09:54) |
2070. たそがれ清兵衛
結構期待したが、山田らしさである「優しさ」や「温かさ」が感じられない。「男はつらいよ(江戸時代版)」的な、さぞかし「粋な世界」が展開されるのかと思えば、藩命による人殺し???やはり封建時代の厳しさや刀が山田ワールドにはマッチしないんだと思う。殺陣シーンがあるとは思わなかったので、興ざめ。山田作品でそんなものは見たくない。出演者にもあまり魅力を感じなかった。特に真田広之には存在感を感じない。宮沢りえのクサイ演技もどこがいいのかわからない。よかったのは子役と丹波哲郎ぐらい。次回作ではキャストが多少改善されているが、もうこの手の作品ははっきり言ってやめて欲しい。 もっと人情味タップリの夢物語で感動を押し付けてくれ!!! 4点(2004-03-06 15:18:02)(良:1票) |
2071. 昔みたい
G・ホーンが弁護士(とても弁護士には見えないのだが)で、元夫が無実の被告人、現夫が検事という設定でG・ホーンが元夫と現夫の間で気持ちが揺れ動き、最後に3人で夫婦喧嘩まがいの裁判を行うという、とってもノーテンキなコメディー。Gホーンにしてはパンチ不足で手堅くまとまっているので、ちょっとインパクトに欠けるが、まあそれなりに面白く、楽しめます。 6点(2004-03-05 16:40:59) |
2072. サイダーハウス・ルール
《ネタバレ》 感動作を期待したが、どうもすっきりしないものが残る。主人公は焼却炉よりは生まれれた方がマシと思い、堕胎に反対の立場。ただし、自身の不倫や近親相姦で「望まれない子供」という現実を目の当たりにし、堕胎に手を貸す。「人間、必要とされる・役に立つ事が大事」じゃあ子供の未来を優先し、「必要とされない・役に立たない」腹の中の子供は殺していいのか?という割り切れなさ。不倫相手のダンナが帰ってきて自分の役割は終わり、今度はダンナのために生きるよう相手を説得。先生が死に孤児院での自分の必要性を感じ、孤児のために生きようと決心し、戻る。所詮人間誰かを必要としながら、誰かの為にしか生きられないのかもしれない。最後の子供の笑顔が救いかな。 [映画館(字幕)] 6点(2004-03-05 10:49:11) |
2073. 許されざる者(1992)
《ネタバレ》 やられたらやりかえす。人を傷つける事の愚かさを伝えたいのだとは思うが、救いが無いなあ。賞金稼ぎってとこが東映任侠とは違うと思うし、ロマンも感じられない。いい作品だとは思いますが、好きな作品ではない。最後ハックマンを殺すシーンの「人を殺せばいずれはこうなるんだ」を米国人は本当にわかってるのか? <追記>16年ぶりに再見。「正義」のための殺人は国政政治では「許される」。「戦争」という名の外交手段によって。という視点で見ると、ハックマンがアメリカ的正義で、イーストウッドがアルカイダ的正義と言えなくもないかな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2004-03-05 00:00:01) |
2074. カリフォルニア・スイート
4組のストーリーがパラレルに進行するのだが、どれも中途半端な印象。アカデミー賞が嫌いな人は結構楽しめるかもしれない。 5点(2004-03-04 04:49:39) |
2075. サンシャイン・ボーイズ
もうちょっと「笑い」を期待していたのですが、そうでもなかった。 4点(2004-03-04 04:45:26) |
2076. 恋におちたシェイクスピア
予備知識全く無しでみたせいか、「こういう映画なの!?」という印象。シェイクスピアについては殆ど知らないので、知っていればもう少し楽しめるんだろうなあとは思います。 5点(2004-03-04 03:48:22) |
2077. 白い刻印
《ネタバレ》 人間の「業」というものを感じました。人格形成には家庭と学校が大きく影響すると思っていますが、良くも悪くも両親の影響って何らか必ず受けていると思います。最後の「生まれながら愛と信頼をゆがめられ、他人と関わらぬ生活と願うようになる、人生を放棄するのだ」は心に響きますが、各々が人生を放棄することなく、悪循環を断ち切り、好循環のみを後世に伝えていければと思うのは夢想でしょうか? 6点(2004-03-03 05:13:20) |
2078. アイガー・サンクション
《ネタバレ》 全体的には楽しめるんだけど結論がちょっとすっきりしないなあ。ドラゴンは人違い殺人で目的果たせてないのに満足しちゃうし、ジョージ・ケネディはお咎めなしだし、イーストウッドには金が入るし、これってハッピーエンド??? 5点(2004-03-03 03:36:24) |
2079. フィラデルフィア
《ネタバレ》 トムの事務所の上司はホモが嫌い。デンゼルもホモが嫌い。多くの人が遠ざけたくなる気持ちになるはずで、そういう人間の感情はどうしようもない。じゃあそれを理由にその人を解雇できるのか?これが裁判の争点。要は「人の好き嫌いによる解雇は無効か?」という労働争議の裁判。そう考えるとどこにでも転がっている話で、別に性的嗜好性だけでなく、宗教・人種・国籍・性別等々どれでも同じ事。採用の段階で排除してるところはいくらでもあるし、会社なんて能力に関係なくいろんな理由で解雇を迫ってきます。所詮好き嫌いの集まりなんだから。その時あなたは「同性愛者でエイズ患者の優秀な弁護士トムハンクス」に仕事を依頼しますか?仕事の依頼に好き嫌いの感情は入らないか?能力だけで仕事を依頼するのか?あなたがトムに仕事の依頼をしなければ結果的にトムハンクスは仕事の取れない無能弁護士として解雇されるでしょう。奇麗事ではすまされない、とても複雑な問題だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2004-03-03 01:52:23)(良:1票) |
2080. ボーマルシェ フィガロの誕生
ボーマルシェの足跡をなぞるだけで、あまり人物像にまで踏み込めていない印象。また、私は歴史モノは基本的に好きなのですが、大学受験は日本史で、世界史は全くと言っていいほど判らないので、仏革命の背景・経緯への知識不足なせいか、イマイチ映画に入り込めない。ただし、このサイトの住人の中では「フィガロの結婚」の認知度はかなり高いであろうと思われるので、一応参考までに観ておいてもよいのでは?という感じです。 4点(2004-03-02 20:39:19) |