2081. サウンド・オブ・ミュージック
《ネタバレ》 親父がこの映画が好きで、子供の頃に見せられて以来、何度見たことだろう。まずはオープニング、空からこれから始まる物語の舞台となる美しい世界をゆっくりと見せてくれる。そしてジュリー・アンドリュース演じる、あの天真爛漫なマリアが現れ、歌い始める。このオープニングの楽しい事!雷が鳴る嵐の夜のシーンや、マリアがカーテンで作った服で出掛けるピクニックから始まるドレミの歌のシーンや、人形劇のシーンや、お客様へのお休みの歌のシーンの楽しさ!語り出せばキリが無い程沢山の素晴らしいシーンや歌の数々があります。そして子供達がお客様のために歌の練習をしているシーン、大佐がこの家にかつてあった歌の素晴らしさを思い出し、子供達と一緒に歌い出し、子供達を抱きしめるシーンはお気に入りの一つです。物語は佳境に入り、音楽祭で家族と聴衆が一体となって歌うエーデルワイス。祖国と、そこに暮らす人々と、自由への素晴らしい賛歌である。何度見ても感動する。公開から既に40年以上の年月が流れたが、この作品の持つ楽しさ、美しさは全く色あせる事がない。私の中では10点以外に考えられない名作である。 [地上波(吹替)] 10点(2008-11-26 20:22:24)(良:4票) |
2082. フィールド・オブ・ドリームス
《ネタバレ》 僕の中では特別な、宝物のような作品です。何でだろう?何回見ても泣いてしまいます。ラスト近く、Jアール・ジョーンズが野球とアメリカについて語るあたりからダメなんですよね。ラストは欲を言えば父と息子のキャッチボールで終わってほしかったかな。最後の車のヘッドライトの列はちょっとやりすぎたかな?という感じもします。でも、このトウモロコシ畑の球場はそのまま残されて年間に数万人の観光客が訪れる人気の観光名所となり、家族がキャッチボールをしたり、皆が思い思いの休日を過ごすという。野球が、そしてこの映画がアメリカ人にいかに愛されているかがよく分かります。Jアール・ジョーンズや娘が言っていた、「みんなやってくるよ」がアメリカでは現実の物となっていたのが嬉しかった。 [映画館(字幕)] 9点(2008-11-25 19:49:01) |
2083. 男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け
《ネタバレ》 これをシリーズ最高傑作に推す方、多いですね。私もそれに賛成です。本作もシリーズの面白さがこれでもか、というほど一杯詰まっています。おなじみの柴又の人々に加えて宇野重吉演じる青観先生。とらやを宿屋と勘違いするおとぼけぶりが最高です。「まずは茶を貰いたい。梅干を添えてな。」「風呂は沸いとるか?」で日本画壇の最高峰という大物の片鱗を見せつけ、なんとあの優しいおばちゃんを怒らせてしまいます。また、大滝秀治演じる大雅堂の主人もお気に入りです。一枚の絵をめぐる寅さんとの息詰まる心理戦?が面白いなあ。やってることはどちらかと言うとコントの世界で、作品の中では小ネタ的なものですが芸達者なあの二人がやると実に味のある場面になります。作品に花を添えるマドンナは大人しいタイプが多いですが、本作のぼたんの元気一杯の明るさは際立って印象に残ります。(寅がマドンナの誰かと結婚するとすれば私はぼたんか、第10作「夢枕」の千代のどちらかを薦めたい)ラストの「お前と所帯持つために来たんだよ」とぼたんを訪ねるラストは異色ですが、青観の絵のエピソードを絡めて何ともすがすがしく、いい余韻を残して終わってくれます。迷わず10点を差し上げたいと思います。 [地上波(邦画)] 10点(2008-11-25 11:32:04)(良:5票) |
2084. ラストエンペラー
《ネタバレ》 仕方が無いのかもしれませんが、紫禁城でも戦犯収容所でも全員英語を喋っている事にどうしても違和感を感じてしまいます。何回か見ていますが、いつもそれが気になってしまいます。坂本龍一氏の音楽は映画の雰囲気にすごくよく合っていて素晴らしかったです。 [DVD(字幕)] 5点(2008-11-25 09:35:48) |
2085. 男はつらいよ 寅次郎相合い傘
《ネタバレ》 男はつらいよシリーズで一番好きな作品は何か?と聞かれれば私と全く同じレビュワーの方もおられますが、本作と夕焼け小焼けの2本でいつも迷ってしまいます。相合い傘を見た後に聞かれれば「相合い傘」と答えるかもしれないし、夕焼け小焼けを見た後に聞かれれば「夕焼け小焼け」と答えるかもしれない。「男はつらいよ」には色んな面白さがありますよね。勿論言うまでもなく寅さんと毎回魅力的なマドンナとの恋、寅さんが帰ってきた後に起こるとらやの騒動。(特に本作のメロン騒動は本当に面白いですよね!)そして寅さんと旅先などで出会う、不器用だが愛すべき男たち。本作の船越英二演じる兵頭はその代表格ではないでしょうか。また、寅さんとリリーという、旅暮らしの渡り鳥同士のやりとりには他のマドンナとの間には無い、実にいい味わいがあります。では、相合い傘の中で好きな場面を。やはり寅が雨の中リリーを柴又駅まで迎えに行くところですね。寅を見つけて嬉しそうに駆け寄るリリーがとてもかわいいです。「迎えに来てくれたの?」「馬鹿野郎、散歩だよ」「雨の中を散歩?」「悪いかよ」「濡れるじゃない?」「濡れて悪いかよ」「風邪ひくじゃない?」「風邪ひいて悪いかよ」私の中でシリーズ全作を通して屈指の大好きな場面です。それと、おなじみの寅さんが名調子で夢を語る場面がありますが、本作での「俺にふんだんに銭があればなァ・・・」で始まる、リリーをもっと大きな劇場で歌わせてやりたいと語るあの場面もいいですねえ~。それと・・・もうキリが無いですね。長くなりました。以上、寅さんについて語りだすと止まらなくなるとらやでした。 [地上波(邦画)] 10点(2008-11-24 18:09:52)(良:3票) |
2086. 訣別の街
おなじみのパチーノの演説を堪能。パチーノには演説がよく似合う。本当に大統領選挙に立候補してアメリカ国民に喝を入れるアツい演説をしてほしいくらいである。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-11-24 15:36:22) |
2087. ピクニックatハンギング・ロック
《ネタバレ》 実際にあったという今でも謎のままの少女たちの失踪ミステリー。幻想的で神秘的な映像美に引き込まれます。寄宿学校の少女たちが楽しいはずのピクニックに出かける天気のいい午後。しかし、今にも何かが起こりそうな言い知れぬ不安げな空気が漂う。少女たちを呑み込まんとするかの如くそびえ立つ岩山、少女たちの抽象的な会話、そして効果的に盛り上がり、時折荘厳さを漂わせる音楽。それら全てが神秘的で、不安げで、はかなげである。作品全体に漂うこの雰囲気こそがこの作品の大きな魅力となっている。そして少女たちに何かが起こった。何かに導かれるように岩山の奥に消えていく少女たち。本当に神隠しにあったのか、それとも事件だったのか。一人生還した少女の口から何があったのか語られることは無く、作品は真相を探ろうとも推理しようともしない。真相は闇の中だが、それがまた、この作品をより神秘的なものにしていていいのだと思う。 [DVD(字幕)] 9点(2008-11-24 14:57:04) |
2088. 恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ
《ネタバレ》 映画のタイトル通りボーとジェフの実の兄弟が演じるジャズ・ピアニスト兄弟が主役のはずですが、これはもう、ミシェル・ファイファーの存在感がすごいです。ミシェルがとにかく素敵!セクシー!歌もこんなにうまかったんですね。間違いなく彼女が最も輝いている作品でしょう。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-11-22 22:37:34) |
2089. 大脱走
今までに何度見ただろう。そしてこれからも何度も見るだろう。もうセリフまで覚えているほど見ている。それなのに何度見てもやっぱり楽しい。オープニングでエルマー・バーンスタインのテーマ曲が始まる瞬間からわくわくする。これぞ不朽の名作! [地上波(吹替)] 10点(2008-11-22 21:30:51)(良:1票) |
2090. あの日の指輪を待つきみへ
《ネタバレ》 アッテンボロー監督、シャーリー・マクレーン主演ということでかなり期待して見に行きました。期待が大きかった分物足りなかったという感じです。アメリカでの戦争中のエピソードはなかなか良かったのですが、現代のアイルランドの政治的な背景や事情に関する知識が無かったので分かりにくかったです。第2次大戦中のエピソードでシャーリー・マクレーン演じるエセル・アンの若き日を演じたミーシャ・バートンがきれいでした。 [映画館(字幕)] 5点(2008-11-22 21:19:00) |
2091. やかまし村の子どもたち
《ネタバレ》 美しい北欧の風景と夏休みを満喫する子供たちの笑顔が実に魅力的に描かれています。特にこれといったストーリーは無く、子供の夏休みの絵日記が映画になった感じでしょうか。今でも実家の前の道が舗装されてないような田舎育ちの自分にとっては日が暮れるまで遊びまわった子供の頃の夏休みの思い出が蘇ってきてとても懐かしい気持ちになりました。 [DVD(字幕)] 7点(2008-11-22 16:02:54) |
2092. ライフ・イズ・ビューティフル
《ネタバレ》 描き方に賛否両論がある作品ですが、家族を一途に愛し、夫として、父として家族を守り通そうとする男の生き様が良かったです。間もなく自分が殺されるであろう直前に息子の前でおどけてみせる父の姿が忘れられません。 [映画館(字幕)] 6点(2008-11-22 15:53:23) |
2093. 素晴らしき哉、人生!(1946)
《ネタバレ》 人間がこの世に生を受けたからには必ずその意味や価値がある。どんなに辛くて悲しい事があっても頑張ろう、そんな勇気をくれる映画です。中盤はちょっと退屈する時間帯があるものの、やはり分かりやすくて素晴らしい映画です。こんな時代だからこそ、こういう映画を誰もが、家族が揃ってテレビを見る時間帯にもっともっと放送すべきだと思います。 [ビデオ(字幕)] 9点(2008-11-22 15:29:33)(良:1票) |
2094. デーヴ
《ネタバレ》 ストーリーも分かりやすく、気軽に見れる良質のハートウォーミングなコメディでした。閣議で福祉のために予算を捻出するシーンがいいですね。実際にはあんなに簡単にはいかないんだろうけど、本気でやろうと思えば解決できる税金の無駄遣いなんていくつもあるんじゃないかな。日本の国会議員の先生方にもお勧めしたい作品です。最後の「君のためなら死ねる。」という一言にジ~ンと感動! [DVD(字幕)] 8点(2008-11-22 10:42:53)(良:1票) |
2095. バグダッド・カフェ
砂埃が舞う砂漠の真ん中にたたずむ一軒のカフェ。独特の、でも味わいのある色調で描かれている。都会で暮らす人間には想像もつかないほどゆ~ったりと時が流れる気だるい午後。まるで時が止まっているかのようだ。静寂を打ち消すのは時折目の前を通過していくトレーラーだけ。(と、カフェの女主人の怒鳴り声)そしてそこに流れるCalling Youがたまらない。こんなスローな映画が好きなんですよ。見ているほんの僅かな間ですが、気忙しい日常を忘れさせてくれます。 [映画館(字幕)] 8点(2008-11-22 02:46:19) |
2096. マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ
公開当時劇場で見ました。当時、ハルストレム監督の名前も知りませんでした。でも、この作品でハルストレム監督のファンになりました。特にこの作品の彼の人間を見つめるあたたかい眼差しとユーモアのセンスが大好きです。いつかスウェーデンに里帰りして、またこんなあたたかくて美しい映画を撮ってほしいなあと思います。 [映画館(字幕)] 9点(2008-11-22 02:00:48)(良:2票) |
2097. JFK
《ネタバレ》 アメリカでは真相を追究することに非常に勇気がいるテーマだと思いますが、オリバー・ストーン監督の「絶対妥協しない」という強い意思と心意気が感じられる。気合の入った真相追究ものを見たという感じです。勿論今も真相は明らかになっていないし、真相は暗殺実行者や、その黒幕にしか分からない訳ですが。時間が長い映画は苦手ですが、ケネディ暗殺には以前から興味があったので長さを感じることなく最後まで興味深く見ることができました。事件から何年も経っていない当時に真相を究明しようとしたジム・ギャリソンに敬意を表したい。 [DVD(字幕)] 8点(2008-11-22 01:17:50) |
2098. ビューティフル・マインド
《ネタバレ》 ラッセル・クロウは勿論ですが、彼を支えるジェニファー・コネリーのおさえた演技も素晴らしかったです。途中までは学生時代からの親友とその娘、それにエド・ハリスがまさか、幻覚だとは想像もつかなかったので衝撃でした。幻覚を演じるエド・ハリスの見事な存在感も良かったです。映画のラスト近く、ラッセル・クロウに敬意を表し、研究者たちがペンを置いていくシーンが印象に残ります。 [映画館(字幕)] 7点(2008-11-22 00:44:23) |
2099. スティング
《ネタバレ》 かなり久しぶりに観直しましたが何度観ても満点の評価が揺らぐことの無い傑作です。ウキウキするような音楽と構成。初めて見た時の楽しさは今でも忘れられない。そして何度観てもやっぱり楽しい。冒頭でセコい詐欺師3人組に騙され、最後は大掛かりな詐欺師オールスターの鮮やかな仕事に騙され鑑賞後は実に気分爽快。悪徳刑事に殺し屋サリーノに(この殺し屋のまさかの正体にも騙された!)FBI捜査官に(こいつにも騙された!)にロネガンに魅力いっぱいの詐欺師達。登場人物も各章ごとのストーリーも全く無駄が無い。ジョージ・ロイ・ヒルの軽妙で巧みな語り口も構成も脚本も登場人物の配置もテンポの良さも音楽も主役二人をはじめキャスト全ての好演も全てが完璧な映画です! [地上波(吹替)] 10点(2008-11-21 23:55:41) |
2100. BARに灯ともる頃
《ネタバレ》 普段は離れて暮らす父と息子の久々の再会の一日を描いた作品。いつまでも子離れできない父親。いつの間にか父が思っている以上に大人になってしまった息子。次第に父の知らない息子の姿が垣間見える・・・。子離れできない父の空気の読めない親バカぶりが観ていて切なく、そして可笑しい。そんな父をコミカルに演じるマルチェロ・マストロヤンニが絶品の素晴らしい演技を見せてくれます。そんな名優が演じる父と見事な掛け合いを見せてくれる、若くしてこの世を去ったのがあまりにも惜しい息子役のマッシモ・トロイージも実にいい演技を見せてくれます。作中何度か登場する懐中時計がいいですね。祖父から父に受け継がれ、今息子がそれをプレゼントされる。いずれ息子も結婚して子供ができるだろう。さらにこの懐中時計は引き継がれていくのでしょう。この邦題も悪くは無いのですがやっぱり原題(「今、何時?」)の方が良かったかな。そんな親子の絆、家族のつながりを監督・脚本のエットーレ・スコラが心温まる語り口で見せてくれるちょっぴりほろ苦くもいいお話。その懐中時計を使ったラストシーンも素晴らしい。 [DVD(字幕)] 8点(2008-11-21 23:29:03) |