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201.  弁天小僧 《ネタバレ》 
市川雷蔵の前に弁天なし、雷蔵なくして弁天なし!とにかく市川雷蔵の美しさとかっこ良さ、その両方が遺憾なく発揮されている。歌舞伎役者としての市川雷蔵もこれもまた良し!女方を演じても、違和感なく見せれる貴重な俳優の存在、それがこの市川雷蔵という俳優の持ち味でもあり、それでいて、勿論、男らしい活きの良さ、粋という意味でも見せてくれる。男が男に惚れる俳優の一人である。市川雷蔵演じる弁天小僧菊之助が青山京子のお半さんに対して襲おうとする場面なんてどこか同じ市川雷蔵主演による人気シリーズ、代表的シリーズの眠狂四郎みたいです。宮川一夫のカメラは相変わらず美しく、市川雷蔵が屋根を登るシーンや部屋を出入りする時の外からの風景や川の水の美しさなども印象に残る。とにかく全てにおいて美しい。ところで、最初、あの遠山の金さん、勝新だとは解らなかった。しばらくして、ようやく勝新であることが解ったけど、なんだろう?遠山の金さんと勝新ねえ!何だかイメージ的に違う気がする。あまりにも良い人過ぎて物足りない。勝新にはやはり「座頭市」の市や「悪名」の朝吉のようなアウトローな役こそ似合う気がする。
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-12-05 16:46:31)(良:1票)
202.  スリ(1959)
近所のレンタル屋さんに置いてある数少ないブレッソン監督の映画で、これまたあの手の動きの凄いこと!まるで手に何か付いてるんじゃねえのか?て感じさせる動き、手にカメラが付いているようです。映像の美しさもこの映画を一つの芸術のようなものに思わせる。感じずにはいられなくなるものがある。サスペンス映画というよりは芸術映画の雰囲気を漂わせるこの監督の映画作りの前には映画って、派手な演出なんて全く要らないということが改めて解る作品でもあり、この映画は扱っている題材がタイトル通りの「スリ」だから派手さは全くないので最近のハリウッド映画ばかり見ている人には物足りないと感じることでしょうし、地味ではある。そして、サスペンス映画としてはやや物足りない。それはあまりにも簡単にスリが実行され過ぎるという物足りなさ、しかし、そこに行き着くまでの展開にはやはりハリウッドの大作には味わえないものがある。この監督さんの映画を観るのは私自身、これがまだ二つ目であり、最初に観た「抵抗」に比べると面白さという点で劣るので取りあえず7点ではあるが、まだまだ他のこの監督の映画も観たい。頼むから全部バラでDVDとして発売して欲しい。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-11-13 21:21:50)
203.  花のれん
豊田四郎監督、森繁久彌と淡島千景のコンビによるこれまた情けない男、森繁久彌とどごまでも気が強くて、金の猛者の如く金に対する執着心を見せる女、淡島千景の演技がここでもまた素晴らしい。話的には人情ものにしてはドロドロしすぎな感じがするものの、そんな中にあって司葉子の存在が何とも良い感じで作品を支えている。話としての面白さ、素晴らしさは同じ監督、同じ主演コンビでは「夫婦善哉」に比べると劣るものの、これはこれでなかなかの作品になっている。それにしても森繁久彌のあの死に方は笑っちゃう。笑ってはいけないと思いつつもついつい笑ってしまいました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-10-24 18:41:51)
204.  雪之丞変化(1959)
これは大川橋蔵のかっこ良さと淡島千景の色っぽさ、そして、活きな感じの漂う雰囲気作りなどもあってマキノ映画に軍配!やはり雪之丞に関しては長谷川一夫より断然、大川橋蔵の方が良い。作品のテンポもなかなかですし、テンポの良さこそがマキノ映画ならではの良さという意味でもマキノ映画らしさが漂うというそんな作品になっている。欲を言えばもう少しハチャメチャな感じで陽気であれば尚更良いのだがという不満もあるので7点ではあるが、限りなく8点に近い7点です。
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-10-20 23:04:26)(良:1票)
205.  赤い風車 《ネタバレ》 
名門貴族の家に生まれ、画家としての生涯を全うしたロートレックの生涯を描いている。足の病に冒され、少年時代に足を折るという惨酷な運命の元、初めて出逢った女には嫌われ、コンプレックスの塊となってしまったそんなローレックだが、やがて自分の元に別の女性が現れ、幸せな日々を過ごすものの、最後も酒に溺れ、絵描きとしての苦悩の元に亡くなってしまうという人生の惨酷さ、あの最初の方の優雅で躍動感溢れるカンカンの踊り、それを最後ベッドの中、夢のようにして現れるというあの場面、作品全体の色彩の美しさとはまるで反比例するような人生のはかなさ、何かフェリーニの映画を見ているような錯覚に陥るのは、サーカスの場面など出てくるからかもしれない。カンカンの踊りのような楽しいだけが人生ではないと言っているような作品というのが見終わった後の感想でして、とにかくこの映画の映像美は凄い。映画としての美しさと人生における刹那さの中に何か人間本来の感情を見せ付けられた気がする。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-09-30 21:16:41)
206.  絹の靴下 《ネタバレ》 
フレッド・アステアのミュージカル最後の作品であり、ルビッチ監督の「ニノチカ」をミュージカル仕立てに変えての内容はほとんど一緒なわけですが、今作の一番の見所はフレッド・アステアよりもヒロイン、ニノチカを演じているシド・チャリシーであり、あの美しい足、それをカーテン越しに足だけ見せての着替えのシーン、足フェチである私にはたまらない場面でした。あの着替えの場面はそこだけ何度も見たくなってしまう。作品の出来としては少々長く感じるものの、シド・チャリシーの見事なダンス、そして、やはり足、足、足です。フレッド・アステアにキスされて、なんでキスするの?というその質問に対するフレッド・アステアの答えが笑える。我慢出来なかった。おいおい!まあ、フレッド・アステアだから許される行為であるだろうし、映画の中でだから許されるのであって、実際、そんなことしたら間違いなく引っ叩かれるだろう!そうそう、あの三人のロシア人役もそれぞれ面白かった。
[DVD(字幕)] 7点(2009-08-04 21:42:51)(良:1票)
207.  この神聖なお転婆娘
何なんだ?反則です。これはずるい。こんなにも可愛いブリジット・バルドーを見せ付けられたらこの際、ストーリーなんてどうでも良く思えてしまう。男なら間違いなくこの作品のブリジット・バルドーのあまりの可愛さ、タイトルに偽りなしのお転婆娘ぶりと悩ましい衣裳、水着姿から何から何まで可愛い。あの異常な可愛さは何だ?て言いたくなってしまうであろう。映画としての完成度、素晴らしさという意味では落ち着きもなく、ドタバタしすぎで後半なんてほとんどドリフのコントみたいだし、それでも許せてしまうのはとにかくブリジット・バルドーだからである。この映画に付いては文句は無用!全て許してしまおうという気持ちが大切である。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-07-26 17:03:51)
208.  あこがれ (1958) 《ネタバレ》 
「あこがれ」とは何か?少年達にとっては絶対に手の届かない存在である年上の美しい女性、彼女が最初に白のブラースにスカート姿で颯爽と自転車をこいでくるスタート、それを影から見ていた少年達、奴らが彼女が自転車から離れた間に乗っていた自転車の椅子に顔を埋める。それは男の願望であり、大人になってしまったらしたくても出来ない。子供だから許される行為であり、それは木曜日が来る度にテニスを楽しむあこがれの彼女の姿を見ている。男と付き合っている彼女に対しあこがれから、また相手の男への嫉妬心から悪戯してばかりいる。少年達にとってのあこがれである存在の年上の女性に男がいると知ればその相手に対して嫉妬するというのは何も男だけでなく、女も同じであると思う。この映画は嫉妬する相手の男の突然の死によって最後はあこがれの女性が喪服姿で歩く所で終わる。あの自転車の匂い、喪服の彼女の匂い、一体、どんな匂いなのだろうか?という妄想を描かせずにはいられなくなる。男の妄想を解り易く見せているという意味ではやっぱり大人より子供の方が良いよなあ!というそんな映画ではないでしょうか?
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-07-25 17:52:04)
209.  危険な関係(1959) 《ネタバレ》 
チェス盤の黒い上に出るタイトルの文字の何とも洒落た出し方といい、全編に流れるジャズの音楽のかっこ良さによってドロドロした話でありながらそれを感じさせない上手さ、どうしようもない話なのに、その効果によって楽しむことが出来るのはフランス映画としての上手さを感じさせられる。ムード作りにおいてはほぼ完璧である。主演のジェラール・フィリップとジャンヌ・モローが作り出す危険な男と女の夫婦像、互いが互いを意識しながら別の女と別の男との不倫の関係を作る。全く別のタイプの相手との関係によって見えてくる。壊れていく夫婦の絆、関係とでも言うべきか、男と女のそれぞれの見てはならない部分まで見せ付けられてるようで怖い。ジェラール・フィリップ(ジュリエット)が出逢った人妻、マリアンス(アネット・バディム)の足を舐めまわすシーンの何ともいやらしさこと、特に海辺のシーンのエロティックなことといったらない。まあ、ジャンヌ・モローも良いが、あんな怖い悪女の妻よりマリアンヌの方に惹かれてしまう気持ちは同じ男として解りすぎるぐらい解るだけに痛い。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-06-27 16:37:24)
210.  アンリエットの巴里祭 《ネタバレ》 
なるほどね。オープニングと終わりが何とも洒落ていて良い。共同で一つの映画を書こうとする二人の男、この二人がまるで性格が違う上に互いが相手の描く理想とするシナリオに対して文句ばかり言ってる。そんな二人のやりとり、あの床屋さんでの会話とそれを見ていた二人の女が喧嘩に発展と何から何まで滅茶苦茶である。その滅茶苦茶さが面白い。アンリエットの巴里祭というタイトル、上手いですなあ!アンリエットの怪しげな女の魅力も感じられ、そうそう、みんなで夜空に打ち上げられた花火を眺めるシーンなども良い。話そのものは特に凄い面白さを感じる作品ではないが、良きフランス映画の香りが漂う映画作りを感じることが出来るという意味でなかなかの作品!
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-06-23 20:44:24)
211.  バンド・ワゴン(1953) 《ネタバレ》 
フレッド・アステアが序盤のゲームセンターで楽しそうに遊んでいる姿に大人になっても子供みたいな感じ、子供心のある所を見せてくれているのと、あの靴磨きの黒人のおじさんとのダンスのシーン、シド・チャリシーとのダンスも見ていて楽しい。ただ後半の殺し屋が沢山出てきてからの展開に不満が残る。それにしてもあの夜の公園での二人のダンスシーンの優雅なことと、相変わらずフレッド・アステアの誰が相手だろうと相手に合わせて難なく踊る姿には毎度ながら感心させられる。二人が踊っている間、文句の一つも言わないで待っている馬車引きのおじさんを見て偉いよなあ!私だったら二人とも置いてとっととおさらばしてるのにと、いやはや、素晴らしいおじさんだ。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-05-10 13:37:13)
212.  杏っ子 《ネタバレ》 
これまた何ともドロドロした夫婦の関係だなあ!前半はかなりのほのぼのした空気に心地良さを感じるものの、香川京子が木村功演じる売れない小説家と結婚してからのあまりの冷えきった空気、ドロドロとした空気、香川京子が耐えに耐え、とこんと嫌なめにあう。何もここまで酷くしなくてもと思えてしまうぐらいのいたぶり方です。そんな中でも常に志しを高く持ち、けして、くじけることなく、それどころか前向きに生きようとする香川京子の娘を温かい眼差しで常に見守る山村聡、この父親と娘の関係は親子でありながらもどこか友達みたいな関係、それは山村聡の香川京子への言葉使いから何から感じ取れる。暴力的な言葉や自分の父の庭へ唾を吐いたり、銅像を壊したりと見ていて腹の立つ木村功に別れを告げる決心をやっとの思いで成し遂げた娘の香川京子に対して父親である山村聡の「喧嘩に勝ったのか?」の一言!それに対する香川京子の返事、雨の中、二人だけで傘を差しながらの会話、この映画は全編通して二人だけの会話のシーンが幾つも出てくる。父と娘の関係とは何か?て答えのようなものを成瀬巳喜男監督はこの作品を通して日本人全員に伝えようとしているのではないかと思いました。それにしても香川京子のあれだけ嫌なことされながらも耐える姿には女の強さ、やはり人間て男よりも女の方が強い生きものであるようにこれを見ると益々、感じてしまうと共に男のだらしなさ、それを徹底して容赦なしに見せつけるこの成瀬巳喜男という監督さんの演出の凄さ、改めて成瀬巳喜男監督は凄い監督だと思いました。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-03-15 10:17:56)
213.  恋愛準決勝戦 《ネタバレ》 
久しぶりのフレッド・アステア主演によるミュージカル映画!もう、皆さんに既に書き尽くされてしまっているのでこれ以上付け加えることなどないと思います。この作品は内容なんて気にしない。内容よりもフレッド・アステアの物凄いダンスシーンに引き込まれる。前半のあの体操の器具を使ってのダンスに始まり、部屋中を一人ぐるぐる回る。壁から天井へと凄い移動を見せてくれているだけでも見て良かったと言える作品!話としての面白さ、相手の女優やその他映画としての総合的な完成度、魅力という意味では「イースター・パレード」や「トップハント」のが上だと思うけど、アステアの凄さという意味ではけして、引けを取らない。むしろ凄さという意味では一番かもしれないと思うぐらいとにかく凄いダンスを見せてくれている。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-03-01 19:49:06)
214.  エドワールとキャロリーヌ 《ネタバレ》 
喧嘩するほど仲が良いとはよく言ったもんで、この映画の二人の主人公、若いカップル、エドワールとキャロリーヌを見ていれば解る。キャロリーヌのドレスの着方、そのドレスについても短すぎるから嫌だと愚痴ばかり言ってはキャロリーヌを怒らしてしまうエドワール、しかし、この二人、最後は元の通りの仲良しに収まるのだが、それも偏にキャロリーヌの可愛さあればこそである。ドレスの着替えのシーンで見せるキャロリーヌの表情やラストのベッドの上での場面のあの可愛さは男なら見れば誰しもこのキャロリーヌという女性に対して可愛い女だなあ!て思うに違いなく、話なんて大した話でもないし、ただ男と女が喧嘩して、また仲良くなるだけのどこにでもありそうな話だけど、作品全体に漂うフランス的なというよりはどちらかというとハリウッド映画の良かった頃の喜劇のような味わいがあり、これはフランス映画が苦手な人にも気楽に見ることが出来る作品になっていると思います。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-02-15 13:20:49)
215.  ショウほど素敵な商売はない 《ネタバレ》 
何と優雅な作りであることか!作品全体に漂う空気、どの出演者にしてもまず顔が良い。良い顔、している。ショウほど素敵な商売はないというタイトルに偽りなしと言えるぐらい観ていて、本当にショウほど楽しいものはない。こんな楽しい商売を一生の職業として生きていけたら何て素敵だと思う。マリリン・モンローの歌う場面を見ているとビリー・ワイルダー監督の「お熱いのがお好き」を思い出してしまう。ただこの作品ではそんなマリリン・モンローがちょっと前に出すぎてやしないかと思えてならないのがマイナスである。あれだけのスターだから仕方ないのかもしれないけど、私としてはもっとドナルド・オコーナーを前面に押し出して欲しかった気がする。まあ、色々と愚痴、不満もあるものの、そうは言っても面白く見られることだけは間違いなく、特に最後のステージでの大勢のダンスシーンと全編に流れる音楽の楽しさ、華やかな表舞台の上に立つ人達の笑顔の何て素晴らしいこと!世間的にやたら高評の「ウエストザイド物語」のような人が死んだり、柄の悪い連中、人種差別といったものが全くないのがこの映画の良い所です。
[ビデオ(字幕)] 7点(2009-02-11 11:35:01)
216.  女狐風呂
あれ?何だか見たことあるような?て思っていたら、やっぱりだ!これってマキノ雅弘監督の撮った「昨日、待って居た男」のリメイクなのか!どうりで似ているし、一度どこかで見ているはずです。マキノ映画のような御祭り騒ぎ的な雰囲気を壊すことなく見せる安田公義監督の演出に応える俳優陣、市川雷蔵はここでもやはりかっこ良く、それ以上にわたしゃ、嵯峨三智子ていう女優さんの美しさと可愛さに眼を奪われた。中村玉緒も昔は可愛かったんだなあ!ておっと!失礼!マキノ監督のオリジナルとの比較で言えば、こっちのがテンポがゆるいのが少し気にはなったものの、これはこれでなかなかの出来栄え!堺駿二が出ているあたりは安田公義監督のマキノ雅弘監督への尊敬のようなものを感じた。
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-01-17 20:14:50)
217.  妻の心
成瀬映画の中で三船敏郎が見られる。滅多にない光景である。そんな三船敏郎の黒澤映画では見られない別の魅力がここでも観られるだけで嬉しかったりもする。しかも、三船敏郎だけでなく千秋実の姿まで観られて、それに成瀬映画の常連加東大介とまるで「七人の侍」でも観ているような感覚にもなり、そういう意味でも貴重であり、嬉しい。話としては相変わらず成瀬映画らしくて、男の駄目ぷりと女の強さが描かれている。主演の高峰秀子に関しては文句なしです。妻の気持ち、心の病、苦しみの中で女としての葛藤をけして、大げさに演じることなく見せる上手さ、高峰秀子あればこそ成瀬監督の持ち味が発揮され、その反対のことも言えるのである。女優陣に関してもう一人、暗くなりがちな中で笑顔が魅力的杉葉子もこれまた良い。成瀬映画としてはドロドロした凄みというもの、メロドラマとしての凄さもあまり感じられないし、物凄い傑作でもないものの、相変わらず映し出される風景の美しさには眼を奪われそうになるぐらいの良き日本の姿がこの作品にも見られる。そういう美しさを見るたげでも見る価値十分である。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-13 14:29:50)
218.  第七の封印 《ネタバレ》 
人は常に「生」と「死」に向き合い、背負って生きている者だと監督が言っているような作品というのがこの映画を観ての私の感想でして、とにかく重い。そのあまりの重さの前には観ていてもけして、楽しいという感じはない。人は前向きに生きようとする人と常に何かに対して怯えながら生きている人がいるのと同じように映画においても人と同じで二種類に分けられると思う。誰が観ても理解し易い映画とそうでない映画との二つとに分けられる。ハリウッド映画が前者ならヨーロッパ映画の多くは後者であると思う。この映画は間違いなく後者である。「神」の存在だの「生」と「死」だのと宗教的なテーマが故に我々日本人には解りずらい作品である。それでも一つだけ解ることは人間はいつか必ず死ぬものである。この映画のあの死神と騎士とのチェスは死と向き合うというテーマそのものであり、人生とは何か?チェスにより一つ一つと駒を奪われるその姿は死神にとって命を奪う手段として、じわりじわりと追い詰めていき、最後に残ったキングこそ人の命そのものであると私は思う。それにしても同じ監督の「処女の泉」と同じぐらいの張り詰めた空気と美しい映像美、そして、あの死神の醸し出す不気味な雰囲気、そんな死神がチェスで負けそうになると突如として暴れだして、駒を滅茶苦茶にしようとする姿などは勝負事、特にゲームに負けるとすぐにかっぁとなって切れる今時の若者の姿とタブって見える。人間のエゴイズムと死にたくないという思いの両方を感じる何とも観終わった後にずしりとくるそんな作品でして、断っておくけど間違ってもハリウッド映画のような単純な娯楽性など求めてはならない。そういう考えでこの映画、いや、この映画に限ったことではないけど、この監督の映画はどれも観てはならないと思う。そういう考えで観ようと思ってる方は絶対に観ない方が良い。何故ならテーマがテーマだけに苦痛、退屈としか感じないからである。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-08-16 11:32:41)
219.  桃の花の咲く下で 《ネタバレ》 
笠置シヅ子演じる紙芝居屋さんと大勢の子供達が歌いながら歩いてやって来る場面を見て、思わずマキノ正博監督の大傑作「鴛鴦歌合戦」を思い浮かべてしまった。何とも軽快な感じの始まりも日守新一が出てきた途端、急に湿っぽくなってしまい、どうも日守新一が出てくるとその顔付きがいつでも暗く感じてしまう。しかし、その一方でこの映画は何と言っても笠置シヅ子の紙芝居と歌による明るさとそれを観て、または聞いて楽しそうにしている子供達の健気さが作品全体の空気をとても良い雰囲気に変えてくれている。清水宏監督の映画を観るのはこれで3本目だが、どの作品も全編に流れる空気と懐かしさ、心地の良い音楽と本当にそこにあるCGなんかじゃない、本物の大自然を生かした映像とが観ていて心癒される。それほど大した面白味のある話でもない今作にしてもやはり自分が子供の頃に楽しんだ紙芝居や桃の花の咲く下でとタイトルにもあるように木の下で大人達と歌ったり遊んだりした懐かしい思い出が甦ってきて、それでけでもこの監督の映画は観ていても嫌な気持ちにはならないし、観て良かったと言えるものがある。ラストの桃の木の下で聞えてくる歌声の響き、ここでスッパと終わらせることで残る余韻、清水宏監督は余韻の残せ方も上手いと感じる終わり方、いつまでもぐたぐたと引っ張らない所もこの映画の良いところです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-07-21 11:44:36)
220.  刑事(1959)
まず何と言ってもあの音楽、アモーレ♪アモーレ♪は一度、見ただけで絶対に頭に残るし、一生、忘れることはないであろう!サスペンス映画とてし見た場合は、ちょっと弱い気がしなくもないが、この映画は雰囲気が良い。ピエトロ・ジェルミ演じる刑事が渋い。そして、かっこ良い。更にもう一人、クラウディア・カルディナーレの美しさ、あのちょっと太いけど、足も何だか男心を刺激する。渋い男と美しい女、そこに素晴らしい音楽てだけでも観るに値する作品になっていると私は思う。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-07-12 17:13:42)
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