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 > 目隠シスト さん
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プロフィール
コメント数 2260
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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201.  真・鮫島事件
劇中の時代設定がコロナ禍の映画を初めて見ました。2年もマスク生活が続けばこれがニューノーマル。登場人物がマスクをしていない新作映画の方に違和感を覚えるようになるのでしょうか。いやな世の中ですな。マスク着用が当たり前になると俳優さんも大変です。例えば本作のヒロイン武田玲奈さんのように大きな瞳で鼻筋の通った女優さんならマスク着用でも画面に映えますが、そうでないと厳しそう。微妙な感情の起伏をマスク越しに伝えるのも大変でしょうし。全体的にオーバーアクトが流行するのかもしれませんね。 タイトルに『真』が付くのは、『真・ゲッターロボ』か『シン・ゴジラ』にあやかっての事でしょうか。どちらにしても無印の『鮫島事件』映画が無いとおかしいワケで、このあたりの事情はかっぱ堰さんが補足していただいています(いつも丁寧な背景考察ありがとうございます)。物語について言及したい点は特にありません。所詮は与太話。コロナ禍でさぞ撮影大変でしたでしょうねと思うくらいです。
[CS・衛星(邦画)] 4点(2022-01-24 18:48:40)(良:2票)
202.  ゴーン・ガール 《ネタバレ》 
ネタバレしています。ご注意ください。  幼少期から成人に至る今日まで“アメージングエイミー”としてキャラクター化され続けてきた女性。おそらくビジネスとプライベートの区別はなく、彼女はずっと何かを演じ欲しいものを手にしてきたのだと思います。歪な成長過程で、大人になっても心は幼い子供のまま。社会性や倫理観が備わっていない彼女は、今なお少女でした。だからタイトルは『ウーマン』ではなく『ガール』。子どもは非力だから我儘が許される訳で、力を持った大きな子どもの利己主義は恐怖でしかありません。これが本作で描かれる一つ目の恐怖、個人に由来する『ミクロな恐怖』です。 二つ目の恐怖、それは『マクロな恐怖』、世論であります。恣意的に世論を形成するのが容易となった現代。その世論に司法が左右されるのが常識となった国。何なら司法の手を借りずとも、気に食わぬ者への制裁が可能なシステムが構築されています。力のある人、頭の良い人が得をするのは世の道理ですが、その勝ち幅がえげつない。マスメディア、SNS。私たちは、社会は、確かに恩恵を受けていますが、その一方些細な過ちも許されない厳しい社会にもなりました。下手なオカルトよりも遥かにホラーな社会派サスペンスでありました。出来の良い映画だと思いますが、観終えてどっと疲れるタイプの映画ですので、元気ハツラツなタイミングでの鑑賞をお勧めします。
[インターネット(吹替)] 8点(2022-01-22 12:35:13)(良:3票)
203.  哀愁しんでれら 《ネタバレ》 
ネタバレしています。ご注意ください。  「母親になることと母親であることは違う」子育て失敗を自認する義母らしい、子連れ再婚の難しさと覚悟を再婚新妻に問い質す厳しい言葉です。始めは嫁いびりの一環かと思いましたが、どうやら本気で心配していたよう。それほど母親、とくに「良い母親」になるのは難しいこと。「無理なら逃げてもいいのよ」の意味だった気がします。しかし主人公にその選択肢はありませんでした。母親に捨てられた彼女は自分自身に呪いをかけていたから。「親は子どもを守らなければならない」。この強迫観念は彼女を狂わし「証拠隠滅」という究極の手段で子を守ることを選びました。証拠が消えれば事実も消える。既に筆箱や弁当事件で学習済みの解決法です。勿論そんな都合の良い魔法あるはずないのに。しかし、両親にとってあの結末はハッピーエンドに違いありません。 さて、娘は殺人を犯していたのでしょうか。全体印象や状況証拠はクロ。映画の方程式上は、最後に提供される情報が優位のためシロと判断しても良さそうですが、真相は藪の中です。おそらく父の方は盲目的にシロ、主人公は経験則からクロと認識していたのではないかと思われます。いずれにしても子はサイコパスの可能性大なので、主人公の立場であれば逃げるのが正解でしたが判断を誤りました。真実から目を背け、見たいものだけを観る。黒目のない肖像画は、あの家族の有様そのものを表しています。 多分「誰かを幸せにする」「誰かに幸せにしてもらいない」という考えが傲慢なのだと思います。ちっぽけな私たちにできるのは、自分が幸せになるために全力を尽くす事のみ。たとえ親子でもその法則は変わりません。人生は甘くない。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2022-01-17 20:28:46)(良:1票)
204.  笛を吹く男 《ネタバレ》 
『ハーメルンの笛吹き男』の韓国アレンジ版。原作の笛吹き男は犯罪者(人さらい)でしたが、本作の笛吹き男は息子を殺された被害者であり、その復讐劇の体裁となっています。そこで『復讐もの』について考えてみました。 本復讐劇の発端は、原作と同じ『契約不履行』です。笛吹き男(主人公)は鼠駆除の委託業務を履行したのに、依頼主(村長)から約束の報酬が貰えませんでした。理不尽ですが、そう珍しい話でもありません。現実的には泣き寝入りするパターンが多いでしょうか。だからこそ『ハーメルンの笛吹き男』の報復は常軌を逸しており『恐ろしい寓話』なのです。このホラーを『復讐劇』に転換するために、金銭被害以上の実害が必要だったと考えます。復讐の基本は『目には目を、歯には歯を』。被害と報復には均衡が求められます。笛吹き男の凶行(殺人及び子ども誘拐)に妥当性を与えるには、それ相当の痛みが必要でした。そこで一工夫。『戦時下』や『時代劇』という特殊カードを用いて、理不尽・蛮行がまかり通る『閉鎖された村社会』を作り上げました。これは上手いやり方です。社会秩序が保たれていない世界なら「何でもアリ」ですから。ただ個人的な好みを言えば、それでも希望なり救いなりを残して欲しかったと思います。昨今、限度を超えた激辛やデカ盛が流行っていますが、過ぎたるは及ばざるが如しとも言います。刺激過多で観客の心が麻痺していたら、ドラマの旨味(心の機微)が感じ取れず大味な印象になってしまう気がするからです。もっともこれが韓国映画の流儀であり、また魅力であることも否定しません。また同様の苦情(?)は、日本の某有名監督(〇子〇様)に常々抱いていることも申し添えます。 それにしても村長があの有名ミュージシャンに見えて仕方がなく。「青田、お前が旦那を止めろ」と何度も叫んだことは恥ずかしいので秘密にしておいてください。
[インターネット(字幕)] 6点(2022-01-17 20:25:44)
205.  クワイエット・プレイス 破られた沈黙 《ネタバレ》 
前作終了直後から始まる続編。しれっと数年後から始めることも出来たでしょうが、それだと前作で提示された難題「どうやって赤ちゃんを育てるの?」を誤魔化すことになるので、このアプローチには説明責任が感じられます。もっとも、そのアンサーは「赤ちゃんを育てる画期的なアイデア」ではなく「怪物のいない土地を探そう」でありました。うーん、やっぱりはぐらかされていますかね。果たして怪物不在の楽園は存在しましたが、とても安住の地とは言えない場所でした。来る者拒まずの姿勢は人道的ですが、社会秩序が失われた状況下では通用しない甘い考えです。怪物に見つかるより先に悪人に見つかってしまえば、今いる地獄より更に酷い地獄に変わるのは火を見るより明らかですから。真に恐れるべきは怪物よりも人間。この事実は数々のゾンビ映画(終末世界映画)で語られ尽くされてきた大原則であり、いくら本シリーズがリアリティ軽視の作風だとしても無視出来ない重要課題と考えます。したがって、もしさらなる続編があったとしても局地的なvs怪物より、大局的にはvs人間に比重を置かざるを得ず『ウォーキングデッド』と代わり映えしないホラーになってしまうことでしょう。それが駄目とは言いませんが、モチーフにはゾンビという絶対王者がいる以上、相当優秀な仕掛けがないとシリーズ化は厳しそうです。本作の微妙な出来がその事実を物語っている気がします。
[DVD(吹替)] 6点(2022-01-03 10:57:50)
206.  魔女見習いをさがして 《ネタバレ》 
『おジャ魔女どれみ』は一般教養(?)としてタイトルは知っていた程度。そんな50目前のおっさんが何故本作を観たかといえば、声優を努めた百田夏菜子さん目当て以外の何者でもありません。ももクロファンとして夏菜子さんのスイートボイスが拝聴できればそれで満足でしたが、何というか、思いの外、心の芯にヒットしてしまい、弱りました。 聞けば本作は『おジャ魔女どれみ』20周年記念作品とのこと。子どものころTVアニメ『おジャ魔女どれみ』に心奪われた若者たちが主人公のお話。彼女らは『聖地巡礼』から『ファンの絆』をきっかけに人生を切り開いていきます。この展開は、オタク全開の私にとって胸アツでした。そう、オタクが興味の対象に費やしてきた時間やお金、心の熱量は膨大なもの。然るに、そのほとんどはただの自己満足に過ぎません。生産性などありゃしない。でもそんな無駄な時間こそが、現在の自分を形づくってきた、かけがえの無いピースに違いないのです。本作のエピソードは、過去の自分を肯定してもらえたようで嬉しくて。私が今まで(そして今なお)のめり込んできた趣味たち(囲碁、深夜ラジオ、プロレス、映画鑑賞、ももクロちゃん)。何ひとつ人に誇れるような勲章や技能を身に付けたワケではないけれど、その時折に、自分の心を豊かにしてくれたのは間違いありません。それに本作の主人公たちのように、普通なら関わるはずのない方たちとの交流もありました。回り道や寄り道、道草の中にこそ『人生の宝』があるのでは。本作は『おジャ魔女』ファンだけでなく、全てのオタクに向けられた応援歌であります。
[地上波(邦画)] 8点(2022-01-02 00:56:23)
207.  すばらしき世界 《ネタバレ》 
ネタバレあります。未見の方はご注意ください。  自然災害、不慮の事故など、本人に責任が及ばぬ原因で終わる人生もあれば、己が生き様の帰結として迎える必然の最期もあります。後者を選択できた者は、その結果が好ましかどうかに関わらず「幸運」に違いありません。三上の最期は唐突かつ遣り切れぬものでしたが、明らかに後者と考えます。それに見方を変えれば、これほど幸せな結末もありません。生活苦もなく、辛い闘病生活も経験せず、悲しんでくれる人がいる、泣いてくれる人がいる。これ以上何を望みましょう。彼は周りの人々に恵まれました。もしかしたら人生の前半で使わなかった運を、ここで一気に使ったのかと思うほど。もちろん、身寄りのない三上が短期間で濃密な人間関係を築けたのは、彼の人間性に魅力があったからに外なりません。広い空の下で死ねたこと。彼が迎えた人生の結末は、最善でなくとも、最良のものだった気がします。 生い立ち、セーフティネット、犯罪者の社会復帰。シリアスな周辺要素を孕みながらも、物語は一人の男の日常生活を淡々と描くスタイルです。どこで終わっても成立したでしょう。それこそ後味よく希望を抱かせるエンディングを用意することも容易でした。しかし西川監督は「けじめ」に拘った気がします。それが「人生」を描く責任。西川監督の過去作を見てもわかるように、その真摯な姿勢は一貫しています。良いところも悪いところも、好都合も不都合も、全て描く。でもその視線には人間に対する絶対的な肯定感が見てとれます。それを「愛」と呼ぶのかもしれません。だから私たちは西川監督に魅了されるのだと思います。タイトル『すばらしき世界』は幾ばくかの苦みを含みつつも、皮肉ではありません。
[DVD(邦画)] 9点(2022-01-01 07:30:26)(良:1票)
208.  えんとつ町のプペル 《ネタバレ》 
賛否両論とは聞いていましたが、観て納得しました。 スタジオ4℃制作ですからアニメーションは一級品。映像面で文句を言う人はいないでしょう。問題は中身の方です。主人公は孤独な少年。彼を取り巻く環境は、決して好ましいものではありません。そこで提示されたのは「希望」という名の体制批判でした。異端を認めぬ社会が悪い。これは「世間」や「常識」と同義であり、多数派を架空の敵に見立てて戦いを挑みます。そもそも日本人は判官びいき。少数派=弱者の味方をしたくなるのが人情ですが、これは宗教勧誘映画の典型例でもあります。このような作品ですから、アンチには格好の餌食となるでしょうし、新派にしてみれば叩かれれば叩かれるほど、より結束を強める効果を生むはずです。商売は人々の耳目を集めてナンボ。映像面の「賛」は確定ですから、むしろ内容は「否」が多いくらいの方が話題となりオイシイのかもしれません。 物語の基本構造は『スモールフット』(2018)と酷似するもので、着想自体は珍しくありませんが、ブレイクスルーしたその先を示した『スモールフット』に対して、批判のみで帰結している本作は一段劣ると感じます。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-12-30 00:07:35)(良:2票)
209.  地獄の警備員 《ネタバレ》 
いわゆる『不条理ホラー』。とはいえ、殺人鬼の思考など普通は理解できなくて当たり前。そういう意味では不条理である事が道理であるとも言えます。富士丸の狂気は不条理そのものでしたが、彼の最期は道理に適っており、不条理行動に一貫性がありません。逆に言えばそれがむしろ不条理とも言えなくもなく。何を言っているか分かりますか?自分でも何が何だか分からなくなりました。そう、この難解ぶりこそ、まさに黒澤清映画の証。ただし、私が愛する黒澤ホラーの奥行は本作からは感じ取れず、凡作との評価になります。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-12-20 23:10:51)
210.  仮面病棟 《ネタバレ》 
(ネタバレしています。未見の方はご注意願います)  コンビニ強盗犯による病院立てこもり事件発生。病院は5階建て、病床数は(たしか)64。夜勤スタッフは院長、当番勤務医、看護師長、看護師の4名のみ。満床ですが、療養型ゆえ満足に動ける患者は少ないそう。一方、犯人は拳銃所持の単独犯で、負傷した女性人質を連れていました。さて問題。この状況で立てこもりは成立するでしょうか。勿論否です。広大な建物と大人数の人質を、たった一人で制御下に置くなど不可能です。しかもスタッフを誰一人拘束しないというユルユルぶり。この時点で、ははーんこの事件には何か裏があるなと誰でも勘づくでしょう。こんな先入観を持たれた段階でミステリーとしてはアウトです。さらに事件の真相。いわゆる『復讐』が動機でしたが、いくらなんでもそんな目に遭いますか?という話。病院の裏稼業(仮面病棟なる所以)が、あまりにお粗末過ぎて呆れました。物言わぬ人々を獲物にするからこそ成立するビジネスではないのですか。様々な設定上、ストーリー上の欠点を要約するなら『リアリティが無い』に尽きると言えましょう。もう少し上手に嘘を付いて欲しいと思いました。ただ、役者の皆さんはお上手だったと思います。高島弟さんの「悪い医者」ぶりはすっかり板に付いていますし(そもそも医者役多いですよね)、最近では連ドラ主役を張る江口のりこさんもこの手の脇悪役で本領を発揮するタイプ。そして何より永野芽郁さん。彼女は可愛いルックス以上に幼いイメージがありましたが、本作の難しい役柄をちゃんと自分のものにしていたと思います。当初違和感ありありだった茶髪や赤い口紅も、真相を知れば府に落ちます。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-12-10 18:57:33)
211.  Mr.ノーバディ 《ネタバレ》 
邦題は『Mr.ノーバディ』原題は『Nobody』。私は勝手に「誰でもない男」=「どこにでもいる普通の男」と意訳してしまい、DVDパッケージのキャプションも相まって、マイケル・ダグラス主演の『フォーリング・ダウン』みたいに一般人がブチ切れるお話だとばかり思っておりました。しかしこれが全く的外れ。タイトルは『存在しない人』が正しく、主人公は何処にでもいる普通のオジサンではなく、国家レベルの力で存在を隠蔽してしまうトンデモない素性の男でありました。劇中の台詞を借りるなら、羊の皮を被った『狼』どころではなく『オルトロス』『キマイラ』あるいは『ケルベロス』クラスの化け物だったワケであります(注:当方現在『真・女神転生Ⅴ』にドハマり中です)。まあ、とにかく強いこと。でも決してスーパーマンではありません。普通に反撃をうけて傷だらけ。彼の凄さは技術面ではなく、精神面の方。修羅場を潜った経験値がべらぼうなんでしょう。そんな主人公のキャラクターが実に魅力的で、「やりすぎ」「無茶しすぎ」「ちょっとオフザケ」な超絶バイオレンスアクションを存分に堪能することができました。音楽もサイコー!大別すると『キック・アス』とか『ザ・ハント』と同じバイオレンスアクションで、コンプライアンス無縁の代物でありますが、体に良くないものほどオイシイのが世の常であります。
[ブルーレイ(吹替)] 9点(2021-12-06 22:19:58)
212.  スモールフット 《ネタバレ》 
言及したいポイントは2点です。1点目は『CGアニメ技術』について。映像技術の進歩は目覚ましく、実写・アニメを問わず新作映画が公開される度に驚かされます。私は『ターミネーター2』の時点で「もうこれ以上はない」と思ったものですが、いまだCG技術は進化の歩みを止めません。実社会では本物と見分けがつかない『ディープフェイク』なる問題まで出る有様。そこで本作。実写と見紛うとは言いませんが、ところどころまるで『本物』なのです。例えばイエティの毛の質感は、ぬいぐるみのそれ。リアリティ度合は必要量を明らかに上回っており、謎の迫力を湛えています。『不気味の谷』の崖っぷちと言っても差し支えなく、これ以上リアリティを追求してしまうと、崖から落ちてしまう気がしました。これは称賛や批判というより単純な「驚き」です。 2点目は『タブーに触れた物語』のこと。こちらも心底驚きました。タブーとは絶対的な決まりごと。その是非を問うてはいけません。何かおかしいな。変だな。そんな風に思っても飲み込むのが常。圧倒的多数の支持を得ている概念に異を唱えることは、害こそあれ得は全くないからです。こんな事例、あちこちに転がっていますよね。損得勘定に敏感な大人はタブーを嫌います。それが生きる術です。しかし大人になる前の自分を振り返ってみると、もちろんそんな技術は身に付けていませんでした。だからこそ痛い目をみたワケで。大人イエティの正義に賛同すると同時に、子どもイエティの素直な欲求にも共感してしまい、どうにも胸がざわつきました。頭と心が連動しない感じ。しかも、子どもイエティの思いを大人イエティが受け止めるという驚愕の結末が待っていました。マジかと。タブーに触れただけでなく、取っ払っちゃうとは。これ、現実でも通用したりしないかな。今まで封じ込めてきた考えが頭をもたげてきて、大人の私は正直困るのです。だって、もう冒険する年齢は過ぎたはずだから。安全安心が一番に違いないのだから。恥ずかしながら、少し泣いてしまいました。これは称賛や批判というより純粋な「感動」です。
[インターネット(吹替)] 10点(2021-11-17 18:24:04)(良:1票)
213.  嘘八百 京町ロワイヤル 《ネタバレ》 
『コンフィデンスマンJP』のジャンルを骨董陶芸作品に絞り、人情噺に特化した感じ。小池と佐輔の掛け合いが面白く(贋作提供金額の値切り交渉に爆笑)、サブキャラクターの皆さんもレギュラー固定でファンには嬉しい限り。ゲストで毎回マドンナを配せば『男はつらいよ』的なシリーズ化も望める優良なフォーマットだと思います。ただし懸念材料もいくつか。まずは佐輔の処遇。前回贋作づくりから足を洗う事を誓っており、今回その約束を反故にした点をどう評価しましょうか。『人助け』『悪徳業者の成敗』が理由であれば良しとしますか。あるいは『本物を超える贋作』に価値を見出しますか。また、骨董の業界自体が狭そうなので、そう何度も似たような詐欺が通用するとも思えません。これは『コンフィデンスマンJP』の江口洋介、あるいは『一休さん』の桔梗屋さんのように敵役をレギュラー化する事で解決できるかもしれません。いずれにしても気軽に観られる貴重な『大人向け喜劇』であり、更なる続編を希望であります。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-11-09 19:58:30)
214.  すくってごらん 《ネタバレ》 
元エリート銀行員が田舎に左遷された事に端を発する物語を、カルチャーギャップやイデオロギー相違、そして淡いラブストーリーを軸にハーフミュージカル(歌うけど踊らない)&ハーフファンタジー(まるで『千と千尋』のような異世界感)で綴ります。タイトル『すくってごらん』=『救ってごらん』は、傷心の主人公に掛かる言葉だと予想しておりましたが、むしろ彼は救う側でした。主人公は『黒船』であり、鎖国中だった女性の心をこじ開け、再び本国に戻っていったという結末です。もちろん異文化交流は双方に刺激を与えるものですから、少なからず主人公の内面にも変化があった訳で、「数字は裏切らない」が口癖の彼から「数字にこだわっていたら誰も救われない」という言葉が引き出されています。矛盾する概念ではありませんし、多角的な視点を持つ事は有益に違いなく、今後銀行員として一皮剥けることが期待されます。人間的にも成長したことでしょう。多分。 ミュージカルとファンタジーの親和性の良さは『オズの魔法使い』で証明されているとおりであり、唐突な歌唱パートに違和感は無いものの、主人公の内面語りがセットとなっている部分が少々鬱陶しいかもしれません。というより、主人公のキャラクターが『都会から来たいけ好かない奴』から終始変化が無いため『感動』や『感慨』に繋がりません。素材となるドラマの薄さを、ミュージカル調で濃く味付けしたという印象を受けます。 (ここから先は赤寄りのモノノフとしての感想です)最後に百田夏菜子さんについて。週末ヒロインから映画単独ヒロインへ。黒髪の乙女の着物姿を拝見できただけでファンとしては得しかなく、さらに映画を通じてピアノスキル習得の機会をいただき、生駒吉乃としてソロ曲まで頂戴し、大変実りの多いお仕事でありました。心より感謝申し上げます。アイドルとは、歌って踊ってバラエティも演技もできるトータルファイター。本隊にはあと3人逸材がおりますので、どうぞ引き続きご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
[DVD(邦画)] 7点(2021-11-04 00:50:51)
215.  新感染 ファイナル・エクスプレス 《ネタバレ》 
低予算から大作まで、猫も杓子も『ゾンビ映画』だらけ。それだけ魅力的かつ作り易い題材なのでしょう。『噛まれたらアウト』のシンプルなルール、荒廃した世界、サバイバル、アクション、ゴア描写、そしてヒューマンドラマ。この組み合わせは『奇跡のレシピ』と言ってよく、まさに映画界の『カレー』であります。上手い監督が作れば極上品が拝めますし、素人監督でもそれなりに形になる魔法のジャンル。そんな数多あるゾンビ映画の中にあって本作が特別なのは、ゴア描写を完全に排除したことです。お約束ともいえる『捥がれた手足』や『飛び出す内臓』なんてグロテスクな表現は一切ありませんし、血飛沫を浴びたシャツはオレンジに染まり、まるで『ナポリタンをこぼした人』のよう。お子様でも安心なファミリー映画仕様でありました。事実、私は家族揃って(最年少は小3女児)お茶の間で鑑賞しています。そう、本作はゾンビ映画界の『カレーの〇子様』でした。しかも本家『カレーの王〇様』は大人の口には合いませんが、本作は辛味こそ無いものの旨味やコクは一級品なので大人が楽しめる優れもの。ただし、『流れ的にこのあたりで主要キャストが退場するな』とか『ここはこうやって切り抜けるんだろうな』みたいな予想はことごとく的中します。あの人なんて、ドラマチックにする為だけに“噛まれにいってる”ものなあ。『期待を裏切らない』とも言えますが『驚きがない』とも言えます。まさに既製品クオリティです。普段使いのお家カレーとしては満点で十分コレで満足ですが、心を鷲掴むサムシングは独創性の中にこそ存在するため9点や10点にはなり得ません。よって8点満点で8点映画との評価です。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2021-10-30 17:00:21)(良:2票)
216.  約束のネバーランド 《ネタバレ》 
原作未読。TVアニメシリーズ鑑賞済み。浜辺美波さんがエマ役とお聞きした時点で『駄作決定』感がありました。キャスティングの都合で要となる子どもたちの年齢を変えるなんて(11歳→15歳)、原作を尊重していない証拠ですから。更にメインキャスト3人の見た目にも違和感あり。エマやノーマンに対してレイが明らかに幼いのです。せめて配役のバランスくらいとりましょうよ。鑑賞前の期待値はかなり低いものでした。それが功を奏した(?)のか、思ったよりも悪くなくて。いや、クライマックスに至ってはアニメ以上の感動がありました。 本作で描かれるアニメ第1シリーズは、所謂『脱獄もの』です。監視の目を盗み、如何にして孤児院から脱出するか。年端もいかぬ子どもたちが、勇気と知恵を振り絞り決死の脱出を試みます。ところが子どもたちの年齢を4歳も上げたことで、相対的にミッションの難易度が下がりました。サスペンスとして年齢変更は百害あって一利なしです。しかし主役を『少年少女』から『青年』に替えた事で、物語に別の視点が生まれました。『脱獄』から『巣立ち』へ。クライマックスでイザベラとエマの間で交わされた会話。崖を飛ぶというシチュエーション。これら全てが『親元からの旅立ち』を意味しました。親の願い、子の気持ち。両者の想いが相容れぬのは、2人が人間だからです。この時、イザベラとエマは『飼育監と食幼児』ではなく『母と娘』であったと考えます。 『巣立ち』要素は、原作(アニメ)でも存在したのかもしれませんが、年齢変更によりクローズアップされたのは間違いないでしょう。だから年齢変更を良しとする気はありませんが、サスペンス上の失点を逆手にとって、青春ドラマに活かした手腕はお見事だったと思います。冒頭に述べたキャスティングバランスの不具合についても、3人の中でレイが一番精神的に幼かった事を示すためとすれば納得です(これは好意的解釈が過ぎるかもしれません)。いずれにしても、漫画アニメの実写化で求められるのは『原作の再現度』ではありません。コスプレ大会など御免ですし、そもそも漫画やアニメのファンで実写化を望む人なんて居ないのですから。それでも実写化するのであれば、実写にする『価値』や『意味』が欲しいところ。そこで重要なのは原作に対する『理解力』であります。その観点から『脱獄』を『巣立ち』と解釈した判断はアリだと思います。「本当はここ(崖)を超えていける子を育てたかったんじゃないの?」「違うわよ」「ママも世界を変えたいんでしょう」「違う」「本当はママも大人になった私たちを見たいんでしょう」「違う!」イザベラとエマの心情は生身の人間が演じるからこそ伝わってくるものでした。本作は実写化の『成功例』ではないまでも『正解例』の一つとして良い気がします。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-10-27 20:36:13)
217.  ファーストラヴ(2021) 《ネタバレ》 
星空を見上げ、なんて自分はちっぽけな存在なんだろうと感じる事があります。今抱えている悩みが小さなものに思えてきます。本作で多数挿入される『都市の遠景』からも、これと同じ効果を感じました。コトの大小は相対的なもの。たとえば、象は大きいの?小さいの? 環菜や由紀の抱えるトラウマの正体が明かされても、私はさほど大きな傷とは思えませんでした。性虐待の中では軽微なほう。世の中にはもっと辛い思いを抱えて生きている人がいる。おそらく2人もそう考えたのだと思います。これは心理的負担を軽減する知恵ですが、使用法が簡便なゆえに、致命傷をかすり傷と誤認する事があります。彼女らが心に負った傷は、自身が思うよりずっとずっと深いものでした。ここに相対的判断の落とし穴があります。心臓を一突きされた人に比べれば、お腹を刺されたくらい大丈夫、とはなりません。もし傷の深さを正確に把握していれば、もっと早く適切な治療を受けていれば、悲劇は防げたかもしれないのに。幼い子が最初に助けを求めるのは親です。親子関係が機能していないのは、子の成長にとって不幸以外の何物でもありません。 日本における臨床心理学の社会的位置づけは、カウンセラーである由紀自身が何ら治療を受けていない事からも、絶望的に軽視されている事が伺い知れます。2人のトラウマに共通するキーワード『性虐待』についても社会的認識度は低く、世界基準だとアウトな事例も日本では容認されていたりします。文化的な側面もありますし、何でも世界(結局は欧米のこと)が正しいはずありませんが、私も娘を持つ父として素行には気を付けたいと思いました(タイムリーにも、某ロックバンドのアルバムジャケットの赤ちゃんモデルが、性的搾取を理由に訴えを起こしたそうです。超有名な裸の赤ちゃんがプールで泳いでいるもの。何でもありだな!)。 事件の顛末について。殺意を認定するも情状酌量により懲役8年の実刑。妥当な判決に思えます。救護を放棄した責任は重く問われるでしょう。もっとも、彼女にしてみれば、親からされた事をそのまま返したかたち。ピンチに何もしなかっただけ。『因果応報』ですから、個人的にはノーカウント(痛み分け)としたいところではあります。環菜には、罪と向き合い、きちんとカウンセリングを受けて、社会復帰する事を望みます。父親もきっとそれを望んでいるでしょうから。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-10-24 00:27:57)
218.  新解釈・三國志 《ネタバレ》 
NHK人形劇から始まり、横山光輝の漫画全60冊を誕生日プレゼントでねだり、吉川英治の小説も読みふけり、スーパーファミコン版光栄の『Ⅱ』は50回以上中国全土を統一した『三国志』大好きな私。さらに福田雄一コメディも大好物で『新解釈』なるアプローチも面白そう。期待値はかなり高かったのですが、見事に空振りました。何がまずかったかと考えたのですが、純粋に『物語』が面白くなかったのだと思います。『三国志』の高い認知度に胡坐をかいた粗い脚本が諸悪の根源と考えます。メインとなる物語で魅せてこそ、福田コメディの生命線、アドリブや悪ふざけが活きる訳で。もっとも本作については、悪ふざけもセンスを欠くものが多く、特に渡辺直美の容姿体形を揶揄するネタは、東京五輪開会式案『オリンピッグ』より数倍タチが悪いものでした。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2021-10-22 23:18:01)(良:3票)
219.  樹海村 《ネタバレ》 
『犬鳴村』に続く恐怖の村シリーズ第2弾。今回は青木ヶ原樹海(富士の樹海)の奥にある自殺志願者が作った架空の村がタイトルだそう。自殺しようと樹海に入ってはみたものの、死に切れない、でも帰れない。だからここで暮らそうと村が出来たとか。まあ、流石に無理筋です。生きたいと願う気力が無い者がサバイバルなんて出来ませんから。結局のところ、樹海の樹木と同化した“半人半木”みたいな謎の集合体がわらわら出てきますが、正直何のことやらよく分かりません。あの中にシャキーンのジュモクさんが混じっていても気づかない自信があります。さらに『コトリバコ』なるネット由来の与太話を物語の核に据え、ひたすら気持ち悪い展開が延々と続くと。最終的に“ちょっと切ない系”に落とし込むあたりはシリーズ共通項でありますが、あくまで“気持ち悪い”がメインであって“怖い”の芯を全く食わないため、フラストレーションが溜まりました。これはホラーなのかな?個人的には、まだ『犬鳴村』の方がホラーとしての体裁を保っていた気がします。 それにしても、ただでさえ自殺名所のイメージが根付いてしまった富士の樹海が、こんな形でさらなるネガティブキャンペーンをされるなんて本当に迷惑な話だと思います。青木ヶ原樹海って世界文化遺産であり国立公園でしょ。みんな楽しく素晴らしい自然景観を満喫しましょうよ。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2021-10-16 01:05:26)(良:1票)
220.  台風家族 《ネタバレ》 
ブラック&シュールコメディ+ヒューマンドラマ。あまり馴染みのない組み合わせで、少々戸惑いました。終盤はファンタジーと言っていい無茶な展開が付加され、さらに困惑度が増します。それでも全体を通じてみれば、映画技法として許容可能なレベルに収まっており不満はありません(ダニエル・ラドクリフ君の『スイスアーミーマン』あたりが大丈夫な人なら全然イケるでしょう)。大変エネルギッシュな映画でありました。役者の皆さんも熱演でした。「ま、ま、満足、一本満足」みたいなシーン強烈でしたね(実際の台詞は全然思い出せないのに!)。草なぎ剛さんは一皮剥けました。いや、もともとあのくらいはやれる方でしたか。 「隠された真実」が露わになり「胸を熱くする」のが、人情ドラマの醍醐味です。本作の場合『銀行強盗』や『釣銭泥棒』『賽銭泥棒』『醜い遺産相続争い』といったネガティブな出来事が、そこに至った経緯が明かされることでポジティブに裏返ります。「何だ、そういう理由があるなら仕方ないと」。勿論これはマヤカシです。正当性が認められるのは、それ以外の解決方法が無い場合のみ。こんな屁理屈、現実には通りません。しかし映画は虚構の世界。それを強くアピールするために、終盤の「超展開」があったと考えます。情に訴えられ、多少なりとも共感できるのであれば、それを受け入れるのが映画の楽しみ方。「裁判ではなく、感情の話」ですから。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-10-10 21:48:59)
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