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201.  スウィングガールズ 《ネタバレ》 
全編ギャグ満載で、コメディ映画として成功していると思います。ただ芝居はうまくないですね。棒読みが多いです。ハリウッドでは子役でもおどろくほど自然な演技をするのですが、日本だと高校生でもこんなレベルなんですね。演奏をほめている方が多いですが、普通の素人のへたな演奏としか聴こえませんでした。映像を一緒に見るから音楽に乗れるんでしょうね。ただへただとしても、元々素人の高校生の演奏という設定なので問題はなく、そのほうが自然です。人に聴かせるレベルには達しています。彼女達がジャズをやるきっかけとなる「お弁当事件」ですが、ちょっと強引すぎますね。お弁当がバスに遅れる→補修の生徒が届ける→一個食う→駅を乗り越す→炎天を歩く→弁当腐る→食中毒で吹奏部休む→責任を取って応援演奏。いやいや始めたジャズが、のめり込むまでに好きになる経緯をきちんと描いていれば、もっと感動できる映画になったと思います。途中で演奏に挫折したりする「根性ものの演出」にしなかったのはコメディに徹したかったからでしょう。「応募テープ出し忘れ事件」も強引ですね。ありえないです。でもありえないことが連続するとコメディになります。テープ出し忘れる→出場不可の手紙来る→皆に言えない→電車で会場まで→電車が雪でストップ→出場辞退が出て奇跡的に出場。演奏会には小澤先先(竹中直人)を参加させたほうがよかったですね(奇跡的な方法で)。全員揃ってこそのビックバンドですから。ハーゲンダーツの大箱一気食いの荒わざには驚きましたが、その子のスカートが落ちるのをみて驚いた人が自転車ごと坂を転げ落ちるシーンがあり、すぐに起き上がって何ごとも無かったかのように自転車をこいでゆくという三段構えのギャグがよかったです。スプリンクラーを誤動作させてスーパーをくびになるギャグもよかったです。
[DVD(邦画)] 6点(2009-04-05 20:12:10)
202.  ゴースト・ハウス(2007) 《ネタバレ》 
米ホラー映画には鴉が欠かせませんな。ボーイフレンド(ボビー)が役に立たずに終わるのは、予想通りでした。いろんな意味で定型的なホラー映画。最初のモノクロのシーケンスですが、これは5、6年前に一家離散したとされるローリング一家の惨殺事件。夫(ジョン)が家を出て行く妻に怒り、娘、息子共々殺し、その記憶を無くして放浪生活。が、現在ロイの所有となった家に偶然戻ってきます。(幽霊が呼んだ?)ボビーや町の人はジョンを知っていたはずなんですが、何の説明もなし。幽霊の正体は殺された3人ですが、それ以外の幽霊の姿もありましたね。まっさきにジョンに取り憑かなかったのはどうしてか?ジョンの記憶が戻らないからか、それとも幽霊も記憶喪失?怪異は引越し初日から現れますが、見るのはジェシカと幼児のベンだけ。ベンは見ても怖がらず、かえって近づく始末。観ている側も当然怖くなくなる。この子は助かるなと安心してしまいます。これは逆効果で「幼児が非常におびえるけど大人には見えない」とするのが正解。ジェシカは一度幽霊に引き込まれそうになりますが、不思議と助かります。それ以降は助かるなとわかるので怖さは半減です。実際にその後も引き込まれそうになりますが、怖くありません。また後半に入ってからも犠牲者が一人もでず、こけおどしの場面ばかり続くので退屈です。ボビーが「あの土地は農作物が育たない」と言ってましたが、立派に育っていますし。鴉がジョンを襲ったのは偶然か、幽霊のせいか?その目的は?ジョンは記憶を取り戻したのではなく、錯乱状態だった殺害当時に戻っただけ。そこそこ迫力ありましたが、あんな狭い地下室で見つけられないなんて…。で、最後ジョンはどうなったの?異次元に引き込まれたのか、遺体があったのか?また三人の遺体は見つかったのか、など疑問は残ります。遺体がなければ、警察に作り話と処理そう。サブストーリーは、娘のトラブルが原因で家族関係がぎくしゃくしていたが、事件を通じて家族の絆を取り戻すというもの。父親の傷はすぐ治り、口がきけなかったベンもしゃべれるようになり、絵に描いたハッピーエンド。でも、よくあの家に住み続けることができますね。皆さんなら住み続けますか?ジョンが死んで鎮まるような幽霊じゃなさそうでしたが…。最後に、あの不動産屋、突然に出すぎ!
[DVD(字幕)] 5点(2009-04-05 16:45:56)
203.  ジャンパー 《ネタバレ》 
ちょっとまとめてみましょう。ジャンパーの能力=1.好きな場所にテレポート。2.触っているものも移動。3.念ずれば車でも移動。部屋ごと移動も可。4.電気で脳がしびれると移動不可。パーデンツの能力=1.中世からの組織。2.電気網。3.機械でジャンプの痕跡を調べ、そのトンネルを伝って追跡移動。4.火炎放射器。5.止めを刺す特殊な剣。比較するとジャンパーの方が圧倒的に有利。ただジャンパーは人格がお粗末。デビットは、銀行強盗したお金で豪遊やナンパの日々。スフィンクスの頭の上でお気楽に食事したりします。(きっと目撃されているでしょうね)グリフィンはゲーム好きで、高級車を盗み、人前でジャンプを繰り返す。二人に友情はなく、会えば喧嘩ばかり。(喧嘩にまきこまれ、チェチェンで戦車の下敷きになったトラックの運転手はかわいそうでした)危機が迫っているというのに。トホホです。最後の闘いの場面でも、敵のわなにすぐにひっかかりますね。まるで子供です。恋人との関係ですが、8年ぶりに会ってすぐにローマに行へ旅行。閉まっているコロシアムに無理やり入ろうとしてトラブル。また銀行家などとすぐにわかるウソで信用されません。あげく空港でお別れ。両親との関係ですが、父親は何も知らないようです。母親はデビットが5歳のときに息子がジャンパーであることを知り、失踪。コロシアムのときに鍵をもって助けにきました。てっきりジャンパーと思いましたが、パーデンツでしたとさ。ジャンパーでなかったら、どうやってあの場面で出現できたのか不思議です。おおむね、ジャンパーは順法精神が希薄なので、パーデンツが正義の味方のようにもとれます。が、パーデンツはジャンパー狩りのために手段を選ばず、周囲の人間も殺します。どっちもどっちですね。それがこの作品の最大の欠点。主人公に感情移入できないのです。不幸な家庭環境に育ったせいとも考えられますが、主人公の苦悩が伝わってこないのです。苦悩を描きたいのならもっと丁寧にに過去を描く必要がありました。ジャンパーが過去を悔い、特殊能力をいい方に使えばいいと思うのですがね。物の瞬間移動ができるし、悪い奴もやっつけられるし、救助活動もできます。で、きっとそれは続編ででてくると想像してますが。
[DVD(字幕)] 5点(2009-04-05 13:12:03)
204.  スパイダーウィックの謎 《ネタバレ》 
妖精もののファンタジー冒険映画。CGは合格点です。スプライト(花の精)はかわいいですね。このキャラが全くストーリーとは関わっていないのは残念です。逆にルシンダ叔母の顔は妖精のようでしたね(特殊メイク?)。80年前にスパイダーウィックが書いた「妖精図鑑」を巡ってのお話。この本には妖精の生態が書かれており、悪い妖精オーガ・マルガラスが入手すると全世界を支配する力を得、妖精どころか人間までも絶滅させてしまうという。ここが説明不足かつ風呂敷をひろげすぎでしょう。あくまでも妖精の世界だけの事にしておけばよかったのです。妖精王国がゴブリン族に滅ぼされるのを防ぐために子供が冒険して闘うとか。子供達は本からの知識でゴブリンと闘います。が、それはトマトケチャップと酢の爆弾と塩とグリフィン(大鳥)を呼ぶくらいなもの。この部分をもっと増やせばずっと面白くなったでしょう。魔法合戦のようにすればよかったのです。あるいは妖精たちと一緒になって戦う物語にするとか。フェンシングや刃物で撫で斬り、血がほとばしるのはファンタジーにそぐいません。子供は死に物狂いでルシンダ叔母に会いにいったのですが、ほとんど役に立ちませんでした。世界が滅ぶ危機ですから、知識を駆使して一緒に戦うのが筋でしょう。また、さらに苦労してスパイダーウィックにも会いに行きますが、こちらも大して役に立ちません。それどころか、本を処分するのを拒否する体たらくです。また母親がやっと事態を理解しても何の役にも立ちません。これらが物語が「さあ盛り上がるぞ」というところで失速している原因です。流れに逆らっているんですね。ホグスクィル(ブタ?)が、鴉に変身した大ボスを食べて終るのはいいでしょう。伏線が効いています。ルシンダが少女となって父親の元に行くのもいいでしょう。彼女はもう死期を知っているのでしょう。ただ、現実の世界で離婚した家の子供の苦悩を取り入れるのはやめたほうがよかったでしょう。ファンタジーの世界にのめり込めないからです。
[DVD(吹替)] 6点(2009-04-05 09:52:31)
205.  28日後... 《ネタバレ》 
感染猿は全然凶暴じゃなかったですね。目が赤くないし。あれでは動物保護団体も警告を無視して逃がすでしょうね。でも猿に人間の暴動映像を10台のモニターで見せて、どんな意味があるの?主人公ジムがヘタレなのは、非常に怖がらせて観客の恐怖を煽るためかと思いきや、表情が少なく、怖さが伝わってこなかったです。噛まれると即感染、20秒で化身、高速で走るゾンビ(感染者)は素晴らしいアイデアです。火まみれでも走るのをやめないし。何故人間を襲うのか、昼は何をしているか、普段何を食べているのかなどは不明です。ゾンビ同士は仲がよさそうなので、感染してもそんなに不幸ではないかも。死体から血が落ちる場面がありますが、血は凝固するのであれはなしです。フランクがあえて危険なトンネルを行くのに合理的説明が欲しかった。時間がないとか。途中、銃店で銃を入手すればいいのに。時折挿入される美しいショット、花畑、燃える町、何もない高速道路、馬の親子などは生死の対比をうまく表現しています。力量のある監督ですね。ただピクニックみたいにお気楽にすごしているシーンはやめましょう。おびえてないとダメです。この映画の主題は「ゾンビからのサバイバル」ではなく「人間の本質を描く」でしょうね。助かるためには仲間でも感染者は即殺さなければなりません。それが少年であっても、フランク(少女の父親)であっても。生きるためには、愛するものを殺さなければならない過酷な運命です。そんな立場に立たされたとき人間は何を考えるか、考えさせられます。そんな辛い経験をして、やっとたどり着いた避難所でしたが、そこでの軍隊が異常でした。「殺しあいは人間の本質で生存の掟。昔から変らない」という持論をもつ少佐に支配されている軍隊。兵士たちは少佐の毒に感染してしまったようです。少佐は女性を兵士たちに与えようとします。すると、これを阻止しようとジムが軍隊と闘うという無茶な展開へ突入。いやはや恐れ入りました。そっと助け出すんじゃなくて、皆殺しにします。ここでのジムの心境は十分に描かれていません。また仲間を即殺すほどクールで強気だったセリーヌが、後半弱気キャラになっているのも不自然です。ハンナはラリっちゃうし。最後はHELLOではなくSOSでしょ。
[DVD(字幕)] 7点(2009-04-04 21:11:57)(良:1票)
206.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 
今までの007シリーズとは別のシリーズになっています。おしゃれなスパイ映画ではなく、アクションを中心としてハードボイルドです。ヴァイオレンス(残虐殺害シーンや拷問)は無いほうがいいと思いますが、”新生ボンド”の意味を込めてあえて挿入したのでしょう。(それならMの年老いた役者を変えるべきと強く思いましたが)カメラワークは、心憎いまでに、細かいところまで行き届いており飽きさせません。スパイ映画特有の裏切り、どんでん返し、恋愛も当然盛り込まれています。冒頭の超絶追跡シーンは映画史上に残るでしょうか。あそこまで高所に行った例を知りません。アイデアの勝利ですね。空港シーンもそこそこの出来です。しかしカジノの長いシーンはいただけません。勝負は一度でつけましょう。毒をもったり、ナイフで殺そうとしたりはご法度です。ここは頭で勝負するシーンです。敵の中ボス(ル・シッフル)が雇い主にボコボコにやられるシーンは不要です。あれで「あ、こいつは弱いんだな」とわかり、緊張感が失われます。そもそも中ボスがテロに失敗した損(株の損)をカジノで取り返すというのもよいアイデアとは思えませんね。もっと悪いことを企みましょうよ。またボンドの正体が最初からばれているという設定もマイナスです。正体がばれるかもしれないというサスペンス感が失われるからです。ヴェスパーですが、お化粧が濃すぎるような…。それはさておき、最後は「ボンドを助けるために命を犠牲にした」としたいようですが、そうはなっていないと思います。恋人がいましたし。でも自ら死を選らんだようにも見えましたね。ヴェスパーが裏切っていたのなら、ボンドを拷問する必要もないはずですが。銀行でお降ろしたお金の入ったカバンをもっていきますが、1億数千万ドルもの大金が1銀行で降ろせるわけがありませんし、カバン1つに入るわけもありません。また降ろす必要はなく、別口座に振り込めばいいですね。最後、ボンドがいきなりミスターホワイトを撃ちますが、相手が悪者であると確認しなくていいんでしょうか?いろいろ書きましたが、質の高い映画であることに間違いありません。新生ボンドにドライバティーで乾杯!
[DVD(吹替)] 8点(2009-04-04 15:20:35)(良:3票)
207.  サイレント・ワールド 《ネタバレ》 
彗星が地球に衝突して、北半球が氷の世界になって3年経ったあとのお話。舞台はベルリンなのに英語ばかりでドイツ語が出てきません。(そんな些細なことはおいといて)ベルリンの司令塔でしか動かせないはずの衛星兵器が動き出す。ベルリンに生存者はいないはず。調査に向かった連邦軍の飛行機が衛星兵器によって爆破される。誰が、いったい何のために?つかみはOKですね。第二次調査隊が派遣されます。派遣されるのは少人数の軍隊と衛星兵器の開発者の博士の娘アンナ、家族をベルリンに残してきた元警備員パーカー大尉と犬。パーカーは個人で8度もベルリンに生存者の調査を行ったという。ん、まてよ、それだったら生存者たちも徒歩で脱出できるし、救出隊も派遣されるのでは?そのへんもおいといて先に進むと、敵の攻撃を受けながらも何とか地下鉄に逃げ込む。そこには、生存者はたくさんいるし、博士も健在。話を聞いているうちに攻撃され、博士は死亡。司令塔に行って見ると、博士の助手が3年間の氷づけ生活で頭がおかしくなり、連邦政府を破壊しようとしていた。なんとかやっつけたと思ったら、今度は女兵士が裏切って、石油値上げを要求するアラブの国を破壊せよと命令する。お金目当てだそうである。これもやっつけると、今度は衛星兵器の出力を下げて広い面積に照射すれば天候が激変するという。(最初からやれよ)なるほどすぐに激変して氷河期とはおさらば。パーカーは家族を探し出せたが手紙を残して死亡していた。ご愁傷さま。大災害ものなのに登場人物が少なく、CGがおどろくほどしょぼい。随所で「お金がない」という言い訳が聞こえてきそうな映画でした。あの女兵士が裸になってパーカーに迫ったところからいやな予感はしてたんだよね。氷柱に串刺しの雪上車のCGで萎えました。なぜ犬を連れて行くのか、女の子はなぜついてくるのか、なぜ生存者は無線で助けを呼ばなかったのか、そんなこといいだすときりがないです。クエスチョンに串刺しされそうになる映画でした。
[DVD(字幕)] 3点(2009-04-04 10:48:22)
208.  蟲師 《ネタバレ》 
退屈でしたあ。何だか、変なのを見ちゃったなあていう感想です。蟲師は悪い虫を退治する魔術師で、そいつがばっさばっさと蟲退治をする痛快な物語と思ってました。それだとスカっとできたのですが。ところがギンコは人物に重みが無く、ふわふわ浮いた印象です。蟲師としても人間としても中途半端です。蟲退治に手間取りすぎるんですね。最初の「うん」退治はすっきりしてよかったのですが、「あ」となるともたついてますね。そのほかのエピソードはだらだらと長い。無駄なカットが多すぎです。淡幽のエピソードは唯一見ごたえがありましたが、すっきりと終わらず、ギンコは癒えないままに旅に出ます。虹郎は全部カットしてもよかったでしょう。結局虹蛇を捕まえないのですから。5年も追っていたその理由もよくわからないまま、「見れたからすっきりした、親父と同じ橋大工になるため里に戻る」で終わりじゃ、中途半端すぎますから。ぬいとの再会の場面でも、唖の夫が小屋から子供の遺体を捨て、ギンコの姿を見て大声をあげる場面がありましたが、何の意味があるのでしょうか?そのあとぬいが小屋ごと光ってギンコが腰を抜かしますが、説明なしの一切不明。まさかのところでのエンディングで、置いてけぼりのぬいはどうなるのやら。観客を置いてけぼりにしないでください。結局「蟲師というものがあまり理解されないままに終る、蟲師があまり活躍しない映画」ということになります。世界観や雰囲気、CGはよかったのに残念です。江角、りりィ(庄屋の婆)は芝居がへたですね。
[DVD(邦画)] 4点(2009-04-03 16:55:50)(良:1票)
209.  オトシモノ 《ネタバレ》 
真面目に考えてみました。まず青沼八重子について。定期券が昭和44年のものなので昭和20年ぐらいに生まれる。腕輪を拾ったことにより呪いを受け、鉄橋から鉄道に落とされ死亡。そのときのショックで子供を出産。子供は生存して、それが杉本彩。八重子は腕輪と定期券を拾った相手を電車で引き殺させるか、洞窟内に引きずり込んで死亡させる。死亡すると人間以外の生物に化身する場合もある(男の子の例)。引きずり込まれた場合はすぐには死なないらしい(女の子は駅を徘徊し、生存していた)。死体は山積みにされ腐らない。またしばしば運転手に自分の姿を見せ、列車を停止させる。洞窟内には異形の神を封印した場所があったが、トンネル工事で誤って開けてしまい、あわてて塞いだという経緯がある。呪いはその異形の神から来ているらしいが詳細は不明。また定期券は落し物として届けられることが多いが、いつのまにか消えてしまう性質がある。若槻の彼氏(腕輪を拾った)が死の直前に「八重子には気をつけろ」と叫んでいたことから、呪った人物には名乗るらしい。腕輪は八重子のものではないのだが、まあダブルで呪われていると解釈できる。八重子は「返して」と迫ってくるが、腕輪や定期券のことではなく、赤ん坊のことらしい。だが成長した赤ん坊には気づかない。杉本の息子(八重子の孫)も呪い殺してしまっている。その息子は化け物に化身して杉本を襲い、片目を奪った。「呪いは盲目」ということだろうか。犠牲者が子供の場合は、化身してその家族を襲うという性質があるらしい。八重子とその孫以外の化け物はあまり悪さはせず、せいぜい若槻に腕を切り取る幻影を見せる程度。ただ杉本彩が八重子の姿になって「ゆうきを返してよ」と迫ってくるのは謎。死ぬ直前「これで息子に会える」。結局杉本は謎のままですね。そもそもこの呪いの原因は何なのか?それを一番よく知る板尾は自殺してしまう。「見た」と壁におどろおどろした文字を書いたのは彼だろうか、八重子だろうか?八重子とすれば彼女には美術の素養がある。とここで紙面が尽きた。最後に、小栗が警察などに相談せずに洞窟を爆破させたのは呪のせいいだろか?又駅構内にいつも人がいないのは、低予算という呪いのせいだろうか?
[DVD(邦画)] 2点(2009-04-03 13:19:26)(良:1票)
210.  ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記 《ネタバレ》 
謎解きをメインにしてもっと丁寧に描いていればよい映画になったと思う。リンカーン暗殺者の日記の発見→日記の暗号コードを発見→キーワードDEATH発見→パリの自由の女神→双子の机→バッキンガム宮殿侵入→ホワイトハウス大統領執務室侵入→大統領誘拐→大統領の本の発見→ラシュモア山→黄金郷発見、と並べてみるとなかなかのものだ。だが、それらがぞんざいに扱われすぎている。バッキンガム宮殿のセキュリティをハッキングとか、大統領執務室にすぐに入れるとか、大統領を誘拐するとか、これらは不可能に近いことなので見せ場になるはず。観客はこういうところでアイデアに感嘆したり、手に汗を握ったりするのだ。簡単にいきすぎである。脚本家はこういうところに頭をひねるべきだろう。黄金の隠し場所が見つかってから、別映画のように冒険映画っぽくなるが、同じような映画がたくさんあるのですぐに飽きてしまう。ハラハラドキドキはぜんぜんしなかったですね。カーチェイスなどのアクションシーンも不要。敵役のミッチ(エド・ハリス)は、木片をベンたちから奪うために銃を乱射していた、人の命をなんとも思わない人物だったはずである。ところが、黄金の隠し場所に入った途端に人格が変わり、シーソーの場面では二人に手を貸した。最後はナイフを女に突きつけて、また悪者になったかと思いきや自己犠牲精神を発揮してベンを助けた。お金がすべてのタイプだった悪人が、急に名誉を重んじる人間になる。説明不足ですね。そういえば、アビーがバッキンガム宮殿に現れるのも唐突でしたね。一方で、ベン夫婦とベンの両親夫婦は仲が悪いのが元の鞘に戻るというサブ・ストーリーはよくできていて、十分楽しめました。キャラクターがよく描けていました。大統領は日記の47ページを気にしていたが、自分の日記なので自分で見れるはずである。あるいは、ベンに読んでただ共感してもらいたかったのか?次回作への伏線か?また、どうしてあんなところに日記があるのか不思議である。最後にあの木片は誰が作ったのかわからなかった。先住民が作ったのをリンカーン暗殺者たちが発見して二つに分割して、双子の机に隠したのだろうか?燃えてしまったページに暗号がかかれたいたということは、すでに黄金の隠し場所が分かっていたということではないだろうか?このあたりは、もう一度鑑賞してみないと分からないところです。
[DVD(字幕)] 6点(2009-04-02 19:41:55)(良:1票)
211.  おくりびと 《ネタバレ》 
抑えた演技、演出には好感が持てました。主人公小林はチェリストになるのが夢でしたが、才能に限界を感じており、オーケストラの解散を機にチェロをやめてしまいます。もともと、このチェロは音楽好きの父親から強制的に習わされたものでした。(この伏線はよく効いていますね)父親は愛人を作り、小林が幼少の頃、家を出て行ってしまいます。小林は父親の顔をはっきりとはおぼえておらず、石文(いしぶみ)としてもらった石だけが思い出として残っています。(この伏線もみごとにはまります)小林は縁があって納棺士となります。そこへ父親の死亡通知が届き、遺体を整える作業を通じて、父親と和解します。死の対照となる。新しい生命の誕生もさりげなくからめてましたね。もうひとつよくできていると思ったのが、銭湯のおばば(吉行和子)の死の場面です。小林は、おばばの息子からは職業差別を受け、妻からは猛反発を受けるのですが、おばばの死によってそれらが無理なく解消されます。そしてさほど関係ないと思っていた銭湯好きのおじさんが、葬儀場の釜士とわかり、銭湯を継ぐ決意をします。さて、最大のテーマは死体を扱う納棺士という職業に対する世間の差別意識でしょう。日本にはケガレの思想があるので、ある程度は仕方がないのですが、映画ではややおおげさに描かれているように思いました。小林がチェリストから納棺士に転職して本当によかったのかどうかはわかりませんが、父の死を通じて、誇りをもってやれる職業と確信したのはよいことと思います。このような難しいテーマに真正面から取り組んだ監督に敬意を表します。ところで不自然に思ったところがあります。それは父親はどうして石を持ったままの状態で合掌させられていたのかということです。もう一つ。妻は生きているたこを見て、きゃーと声をあげ、料理できませんでした。しかし鶏の頭は平気です。ここに矛盾を感じました。あと魚の卵やフライドチキンを食べている場面は美しくありませんでした。生命をいただいているというより、貪っている印象です。これはマイナスでしょう。
[映画館(邦画)] 7点(2009-03-30 23:13:10)
212.  ウォッチメン 《ネタバレ》 
映像センスは抜群です。ですが、ストーリーのほうは今ひとつです。ヒーロー狩りと壮大な陰謀の謎解きもので勝負すればよいものの、元ヒーローたちの苦悩や私生活、恋愛、SEXなどが描かれて散漫な印象をうけます。原作を忠実になぞり映像化するだけでは不十分です。焦点を絞り、原作の不用部分をカットしないと締りのない作品になるという典型です。ジョンというスーパーナチュラルな存在があるゆえに荒唐無稽と感じてしまいます。
[映画館(字幕)] 6点(2009-03-30 22:40:03)(良:1票)
213.  ミスト 《ネタバレ》 
倫理的な問題がある。子供を殺しちゃだめです。とくに親が愛する自分の子供を殺すのは論外。ラストを衝撃的にしたかったための後付に過ぎません。原作にはないことで、騙されてはいけません。ほかに気になった部分を書けば。1.ケータイのない時代の設定だが、ラジオやテレビはあるはず。霧の影響で電波不良と紹介すべき。2.あのカルト女のいいなりになるほど人間は馬鹿ではない。怪物の姿が見えているのだから、「キリスト教の終末」とは違うとすぐわかる。霧の原因が軍の実験だともわかるし。彼らの行動にリアリティがありません。子供や女をいけにえにせよ、なんて笑っちゃう。その女も結局暴力で殺された。3.勇気の有る若者がいない。軍人が役立たず。自殺したり、生け贄にされたり。だから闘いの場面がつまらない。ミスをしてやられっぱなしの展開にうんざり。蜘蛛を火炎噴射でやっつけた老女だけよかった。4.怖いのは怪物ではなくパニックに陥った人間心理、などというチープなことがいいたいのだろうか。それより、その前提となる怪物の怖さをしっかり描きましょうよ。CGがしょぼいのと、怪物の造形がぜんぜん怖くなかったです。最後のゴジラ並みの大きさのある巨大生物のみよかったです。5.最初に出て行った女性が生還するシーンがありますが、意地が悪いですね。6.ガソリンは途中の車からいくらでも抜けるはずですが。GSもあるでしょうし。7.最後の最後まで闘ってこそ作品に値打ちがあるのです。闘わずして無理(合意)心中する展開に無理がありません。それまでの主人公の勇気ある行動を考えると違和感が大です。怪物と闘って、追い詰められた状況での行動なら合理性がありました。8.あの子供いつもめそめそ泣いてばかりで、どうなってるんでしょうか?バッドエンドのために用意されたようなキャラですね。あざとく感じました。 尚原作では、デビットとアマンダは初日の夜に肉体関係を持ちます。(これはカットして正解)軍人は自殺する二人だけで会話はなし。したがって異次元の実験うんぬんの話はなし。ビリーは「僕を怪物に殺させないで」などとは言いません。 最初に出て行った女は再登場しません。ラストはガス欠になりません。
[DVD(字幕)] 6点(2009-03-21 23:41:18)
214.  変身(2005) 《ネタバレ》 
終わってみれば「純愛の悲劇」でした。二度ほど挿入される「ガラスが割れる赤いシーン」につられて犯罪もののミステリーと思って観てました。全体としてそこそこのレベルには達していると思いました。蒼井優の演技力が光りますね。しかし首をかしげたくなるようなことが多いのも事実です。1.移植された京極の脳が純一の脳を支配するようになっていく恐怖ですが、京極はピアニスト志望で母親思いのやさしい人物として描かれているので、どうして暴力と殺意に支配される人格に変化していくのかが疑問です。京極になっているときに鳴らすのが童謡「靴が鳴る」ですから、違和感が大です。京極=悪という図式にしないと成立しない映画でしょう。2.純一の家族がまったくでないのはどうして?犯人から少女をかばい銃で撃たれて入院している有名人です。真っ先に駆けつけるでしょう。天涯孤独であったという設定がほしかったです。マスコミも取材にくると思いますよ。3.橘女医(研究生?)を殺す必要があったでしょうか?信頼していない彼女に日記を託すのも不自然ですし、彼女が日記を教授に送っていたのがばれる場面はもっと不自然です。彼女の行方不明のニュースが流れますが、そのわりには警察が動いていないですね。教授もまったく疑っていない。真っ先に純一が調べられる筈ですが。死体をどう処理したのか?4.若生はどうやって純一の居場所を知ったのか?結局殺されちゃったんでしょうね(不明)。またなんで拳銃を持っているの。5.京極の意志で動いているのなら父親(不動産屋の社長)に復讐すればいいのに。助けた幼児を殺そうとするから視点がずれてしまうんですね。6.撃たれる場面では犯人に顔の左側を向けているのに、撃たれたのは右脳。7.京極の行動、拳銃をもち父親の不動産に押入ってお金を奪って、それを屋上からばらまいて自殺という不自然さ。母親が病死しただけでそんなに自暴自棄になるだろうか?最後に、めぐがいう「死ぬなら、わたしの前で死んでよ」は意表をついてよかったです。ここから純愛路線へ。
[DVD(邦画)] 5点(2009-03-21 19:17:26)
215.  雷神-RAIJIN- 《ネタバレ》 
ジェイコブ刑事(スティーヴン・セガール)は子供時代に双子の弟を目の前で切り殺されるというトラウマに悩まされている。現在連続殺人犯を追っているが、そこに若い女性を杭で地面に打ち付け、その胸に起爆装置を埋め込むという事件が発生。当然連続犯の仕業と思うが、実は模倣犯ビリー・ジョーの犯行で、その場であっさり捕まる。連続殺人犯は別の殺人を実行するが、案外早い段階で犯人の顔割れがある。犯人は占星術に関するあるルールに則って犯行を行っているようだ。FBIのフランキー捜査官(プロファイラー)が捜査に加わる。 と、導入部分はよくできている。脚本を書いたセガールって才能あるんだって本気で思いかけた。だがこの後の展開がまったくだめ。模倣犯のはずのビリーが証拠不十分で釈放されるや、助けてくれた弁護士など3人をあっさり殺してしまう。そしてジェイコブの恋人のセリーヌ婦警も殺して部屋に忍び込み、ジェイコブを殺そうと待ち受ける。どういう行動原理をしているのだろうか?フランキーはまったく役立たずで、事件の終わり近くになって、犯人はジェイコブだなどと言い出す始末。占星術の謎も大したことはなく、謎解きのカタルシスがない。となると見所はアクションの部分だが、この監督はアクション撮影にコマ抜け、手ぶれ、顔アップを多用するので闘いの様子がよくわからない。かつ無駄に長いので、ジェイコブの強さが感じられない。瞬時に相手を倒さないとセガールのよさがでないだろう。 さて終わってみれば、ジェイコブはロシアに家庭を持っていて、そこに妻も子供もいることがわかる。なのにどうしてセリーヌと同棲していたのか?またその妻がなぜストリップのまねをして無駄に裸を見せるのか?意味不明である。 そしてトラウマの幼少時代の殺人事件は手付かずのまま。置いてきぼりをくうのは観客である。 
[映画館(吹替)] 4点(2009-03-14 22:19:25)
216.  ダンボール・ハウスガール 《ネタバレ》 
アメリカへ渡るのに貯金を全部下ろす必要はないですね。クレジットカードがありますから。五百万円をドルに変えてもっていくつもりだったのでしょうか?それを盗まれたとしても、それとその月の給与と退職金が翌月に入るでしょう。全財産を無くしたわけではないと思います。それに空き巣に入られるというのは浅はかな設定と思います。なんらかのミスで無一文になるというようにしないと感情移入できかねます。また一緒に行くはずの恋人に女がいて妊娠していることが発覚、というのもとってつけたような展開です。脚本が練られていないですね。ホームレスとなった女性が、ホームレスの共同体との人間関係を築きながら人間性を取り戻す物語です。が、日本を捨ててアメリカに渡るという結末はどうでしょうか?結局日本を捨てるとか、という違和感がありますね。彼女が立ち直るきっかけとなるのが、かつての教え子?の家庭教師に納まったことですが、そもそも二人がどういう関係だったのかが不明確です。あの女の子も中途半端に終わった印象があります。よかったのはPJの音楽(ブルース)ですが、内容とさほど関係がありません。英語の歌とマッチしてないと思います。米倉涼子はがんばってますが、はじけきれてはいません。
[DVD(邦画)] 5点(2009-03-11 12:30:20)
217.  アイアンマン 《ネタバレ》 
荒唐無稽なヒーローものはかっこよさがすべて。そういう意味では合格点。この監督は見せるべきところを心得ていますね。天才エンジニアが敵に捕らえられて、洞窟の中で二人でトンカチやりながらアイアンマンを完成させるのはいくらなんでも不可能でしょう。設備がないのに核融合のリアクターの小型化にも成功しているわけですし。監視している敵が気づかないわけないですよね。(まあ、原作がそうなっているのでしょうね)その野暮ったいデザインに脱力、続けて鑑賞する気を失ったほどです。しかし、それも洗練されたデザインのものが完成してから一変しました。完成へのプロセスを丁寧に紹介しているのに好印象。イラクで敵兵をあっさり倒すシーンなどよかったです。最大の敵が身内にいたわけですが、これもありがちですね。(秘書による機密書類のダウンロードシーンは、他の映画で何度見たことか)あの年寄りが中に入っていると思うと萎えます。もっと精悍な人物にすべきでしょう。最後、敵を倒すために核融合施設を爆発させるのはむちゃすぎます。アイアンマンの知恵と装備で倒さなきゃだめですね。 しかし、主人公が酒、博打、女好きで、疲れた顔しているという設定はどうなんでしょうかね。秘書との恋愛も中途半端のままですし。(秘書はスタークの遊ぶ女の世話もしているので、真の恋愛に発展しずらいですね) 昔の「ロボコップ」を思い出しました。最後にブラック・サバスの「アイアン・マン」が流れたときには苦笑するしかありませんでした。確信犯ですね。
[DVD(字幕)] 7点(2009-03-10 09:45:23)(良:3票)
218.  インクレディブル・ハルク(2008) 《ネタバレ》 
ハルクというキャラに魅力がない。変身前と変身後で顔が変わりすぎているので、物語につながりが感じられないのだ。ハルクになったときの動きが早すぎて重量感が伝わらないのが最大の欠点だろう。少しも恐怖を感じないのだ。この手の映画はいかに怖くみせるかが勝負どころなのに、アニメレベルで終わっている。どだいハルクを「やさ男」のノートンが演じるのが間違っているのだ。また、ブロンスキーの悪者ハルクはグロテスクすぎるだろう。 物語はいくつかの要素でできている。ハルクの変身と暴力性、ブルースの逃亡生活、将軍の横暴、ブルースとベティの恋、ハルクを抑制する研究、ブロンスキーの暴走、ハルク同士の対決。こう並べてみるとなかなか魅力的な要素がならんでいることがわかる。前回の”おとなしい”ものに比べるとアクション重視になっており、よく練られている方だと想う。だが少しづつ何かが足りないのだ。将軍がどうしてあのような行動をとるのかがよくわからない。悪者ならもっと悪人として描くべきた。ベティの父親という設定も生かしきれていない。恋愛部分も中途半端。ベッドシーンを途中でやめてしまうところはカットすべきだ。これがあるので二人が本当に愛し合っているかどうかわからなくなるのだ。ブロンスキーの暴走ぶりも無理がある。ハルクに最愛の人を殺されたというような設定にすれば重みがでただろう。一言で言えば、登場人物をもっと濃密にからませる工夫が必要なのだ。 ところでハルクの血を傷に吸収して変身しかけていたサムソン博士はどうなったっけ?
[DVD(字幕)] 6点(2009-03-10 00:17:15)
219.   《ネタバレ》 
わかりにくい映画です。幽霊と会話ができたり、触れたりできる時点でホラーとしてはダメ。幽霊の顔も美しすぎます。役所が老けていて小西と恋人には見えず。ちょっと整理してみます。半年前、吉岡(役所)刑事は恋人の春奈(小西)を殺害。原因は、赤い服の幽霊(葉月)の呪いのせい。殺害方法は海水を張った洗面器に顔をつけての溺死。これは彼が箪笥の上に古いポリバケツ(海水を運んだ)を発見したり、遺体のある部屋に洗面器があることから予想可能。吉岡にその記憶はなく、隣室の死体も見えない。春奈(幽霊)も以前と変わらずやってきます。これは春奈の優しさのせいでしょうか。現代になり赤い服の女が湾岸で溺死させられます。このシーンでトリックが二つ。一つは赤い服の女が後にでてくる幽霊(葉月)と同一人物と思わせること。もう一つは長髪の犯人が吉岡に似ていることです。このトリックは成功しています。続いて、同じ手口の殺人が二件起り、連続殺人とも思われたのですが、犯人は別人であることは観客に示されています。赤い服の女の現場に吉岡が犯人と思わせるもの(爪の指紋、ボタン、黄色いワイヤー)があり、吉岡は自分が犯人ではないかと悩みますが、これは春奈を殺したことによる罪悪感の深層心理のなせるわざとも解釈可能。吉岡は幽霊に悩まされるのですが、幽霊との会話等により原因がわかります。彼女は療養施設で虐待を受けており、深い孤独感の中で窓から見える船の乗客と眼が合ったとき心の中で助けを求めたのでした。だがそれが通じず、海水を張った洗面器に顔をつけられる罰を受けて死亡。船の乗客を逆恨みし、乗客に取り憑き、「邪魔な人を殺して人生をリセットしたい」という願望を抱かせ、殺人を犯させるのです。それがどうして15年経ってから表面化したかについては不明。海の埋め立てや建替えなどで周囲がうるさくなったためでしょうか。疑問点1.春奈失踪の調査がされないの?2.長髪の犯人は女の身元が判明した後でも何故母親に金をせびりにきたの?3.犯人の女を逃がしたままでいいの?4.カウンセラーはどうして長髪で、幽霊話に過激に反応したの?5.別の刑事は何故あの世に連れて行かれたの?6.赤い服の幽霊の出現方法が多様であり、行動も色々であるのか?(ドア、壁、空飛ぶ、泣く)7.吉岡は最後どこへ行こうとしているのか?遺骨はどうした?8.ラストシーンが春奈の怖い泣き顔なのはどうして?
[DVD(邦画)] 6点(2009-03-01 05:01:54)(良:1票)
220.  クローバーフィールド/HAKAISHA 《ネタバレ》 
手ぶれカメラ映像を映画として観るのはつらいなあ。「クローバーフィールド」は放射能汚染マークで核を暗示しており、最終的に核兵器を使用して怪物を退治、かつてセントラルパークと呼ばれた場所は、クリーバー畑となってしまいましたという意味でしょうね。怪物映画としてはつまらない部類に入ります。怪物の姿があまり写りませんから。怪物はビルを破壊する大型怪物、弱っちい蜘蛛型小怪物、それに最後にカメラに正面顔が映った中型怪物の3種類でしょうか。プラス、ウイルスですね。どうも焦点がしぼりきれてないですね。大怪物だけではパニック度が低いので出してみましたという安易な設定と思います。 この映画は突然不条理に、恐怖のどん底に突き落とされた人間を描くことをメインに据えているのでしょう。そういう意味ではある程度成功しています。途中でテープの消し忘れ部分が写され、現代の恐怖とのコントラストがいい効果をあげていますね。ドキュメンタリー手法の勝利です。しかしそれならば、生命の危機を感じ逃げ惑いながら、どうしてカメラをまわし続けるのかという理由づけが欲しいところです。あのカメラマンはジャーナリストであるとか、プロのカメラマンであるとかの設定にすればよかったのです。それだけで説得力が増すではありませんか。 パニックシーンは、戦闘機が都市に爆弾を落すシーンで始まりますが、それまでにヘリの拡声器による非難警報が散々出ているはずで、これに気づかなかったというのは不自然な気がしました。 結論として、斬新さを追求するとこういう撮影手法が出てくるのも道理ですが、観づらいというのは欠点です。
[DVD(字幕)] 5点(2009-02-28 20:41:56)(良:2票)
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