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プロフィール
コメント数 574
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )


よろしくお願いいたします。

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221.  さびしんぼう 《ネタバレ》 
JACの俳優さん、いったい何回まわっただろうか、宙返り。でも尾道でよかったね、坂も階段もそこらじゅうにあるから。たんたんたぬきのキン○○にスカートめくりは、笑うべきなのだろうか。 こうして前半は、根が真面目な大林監督らしいお笑いコント、しかしハッキリ言ってしまえば、笑えない寒いギャグが延々と続きます。(スミマセン!) でも昭和のあの頃、よく自作のお好みカセットテープを作ったでしょう? 本作も同じで、たぶんA面とB面の二部構成なんです。前半 (A面) はノリのよい曲を並べて、後半 (B面) は泣きのバラード集。前半は失笑でもいい、笑っていてください。その代わり、後半は存分に (独りで) 泣いてください。 ショパンの「別れの曲」を聴きながら、懐かしい尾道の風景とともに、大林監督の世界を堪能してください。 「さびしんぼう」たる素晴らしさ、それはスクリーンの二人は完全にヒロキと百合子 (とさびしんぼう) であり、尾美としのりと富田靖子を感じさせないこと。 そのヒロキが自転車を押して百合子さんを送る場面、二人を照らす夕陽の何という美しさ。私にとって、ここが大林監督映画のベストショットです。ここに大林監督という作家と、ヒロキと百合子さんと、尾道という場所と、昭和という時代と、まるで時間が止まったまま、収まってる。もちろん、この瞬間がヒロキにとって幸福の絶頂ということもあるのだけれど (笑) 実は数年前、尾道を訪れて本作のロケ地を巡りました。舞台である西願寺は、忘れ去られたように映画の面影はもうなくて、何だかさびしそうでした。  最後に、大切なことを一つ。「さびしんぼう」は、男が感傷的であることを、それは大丈夫だからとやさしく肯定してくれました。だから本作を初めて観てから、私は変わりました。自分はこれでいいんだ、と安心できるようになりました。 だから言わせてください。 大林宣彦という偉大な "映画作家" であり、私のこころを救ってくれた恩人に感謝をこめて、ありがとう。
[ビデオ(邦画)] 10点(2020-04-12 23:04:12)(良:2票)
222.  ギャング・オブ・ニューヨーク
できれば、"ネイティブ・アメリカンズ" と "デッド・ラビッツ" のグループ抗争にもっと焦点を当てて、クライマックスでダニエル・デイ=ルイスとリーアム・ニーソンの名優二人による決闘がいい。  これを合わせて160分ほどにのばして、デカプリオとキャメロン・ディアスの出演シーンを6分程度に圧縮したディレクターズカット版がぜひ観たい。
[DVD(字幕)] 5点(2020-04-05 21:46:05)
223.  ラスト・オブ・モヒカン 《ネタバレ》 
観始めてみて、少し後悔。 国同士の関係、国と部族の関係、そしてモヒカン族やらヒューロン族やら、何とか砦とか、、これは歴史の背景をある程度勉強して臨めばよかった。 ( 端折りまくっていて、かなり説明不足です ) ただ、2時間で壮大な物語をまとめている分、登場人物たちのキャラと人間模様はわかりやすくてよかった。雰囲気からその人の運命が読めるというか・・。マグアなんて登場した時から「俺は裏切ります」と顔に書いてあるし、イギリス人将校の親子なんて、我々はインディアンに悲惨な殺され方をします、ってオーラが漂ってる。そして主人公の親子たち三人。ダニエル・デイ=ルイスのホークアイはルックスで、父のチンガチェックは強さで、弟のウンカスは優しさで、それぞれ魅せてくれる。 血で血を洗う侵略の歴史劇でもありますが、僕は恋愛ドラマと思っています。その人種や身分など関係ない、という普遍的な愛の物語。特にウンカスとアリスの悲恋は涙なしにみれない。 滝の決闘のドラマを前にして、フランスが勝ったとかイギリスが負けたとか、そういうの全て霞んでしまった。 そしてこれは鎮魂の物語なんだろう。遠い遠い昔、はるか彼方の戦争で。争いの果てに消えた多くの命と愛、その魂よどうか安らかに。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-04-05 19:54:06)
224.  ミシシッピー・バーニング 《ネタバレ》 
1964年、ミシシッピの自由の夏、KKKに消された3人の公民権運動家の事件をベースにはしています。 そして映画としては、FBI役の荒くれハックマンと若きデフォー先生が、悪徳ハートマン軍曹が牛耳る街にしてKKKの巣窟に勇ましく乗り込んでいくという、たいへん高い娯楽性も併せ持っています。人相の悪い俳優たち全員集合! ですかね。キャスト全員、悪役にしか見えんぞ (笑) 実際のFBIはここまで黒人に協力的ではなかったようですが、映画はこれでいいと思う。「真実」 だけを知りたければ、当時の新聞でも文献でも探して読むことをオススメしたい。他にも映画的な脚色はあるでしょうが、「こういう事件」が確かにあって、歴史が大きく変わったこと。そして、この映画によって黒人差別という負の歴史を後世まで伝えようとしていること。そこが最も大切。 冒頭のカーチェイスから始まり、自動車が登場すると物語が動くという、映画的なこだわりもあります。やはり最後も、焼け跡で黒人と白人の公民権運動家? たちがゴスペルを歌う姿を見届けて、二人は車でミシシッピーを後にします。
[DVD(字幕)] 7点(2020-04-05 12:00:06)
225.  ジュディ 虹の彼方に 《ネタバレ》 
ジュディ・ガーランドという歌姫の半生は、離婚や酒と薬にまみれた孤独な生涯だった・・。それは波乱万丈の人生のはずなのに、どうしても「エディット・ピアフ ~愛の讃歌~ 」とか「ストックホルムでワルツを」あたりを彷彿させます。要するに、"女性歌手の伝記映画" という定形的なフォーマット通りというか、、映画の構成としては目新しさがない気がしました。 そして、彼女は「オズの魔法使」のドロシーでしょう? それなのに子役時代の彼女が歌うシーンが皆無という、トンデモナイ脚本だし・・。 まぁ、色々と思うところはありましたが、レネー・ゼルウィガーの歌唱力と演技、そして何より歌そのものの素晴らしさには感動しました。 ありがちな展開の中でも、ゲイのカップルとの交流が印象的で、彼女のキャラに深みを与えています。その彼ら二人が最後に大きな仕事をしてくれて・・。 幼いころから、映画やショービズの世界で勝つことを義務付けられて、奪いとられた普通の等身大の子供時代。その当てつけのようにいつまでも自由奔放で、まるで大人になることを拒んでいるような彼女の人生でした。家族たちとはうまくいかなかった。でも最後までファンたちには愛されて、拍手喝采に涙する彼女。 いつしか夢見た虹の彼方、その向う側にはいったい何が見えたのだろうか。
[映画館(字幕)] 7点(2020-03-14 13:11:52)
226.  ミッドサマー 《ネタバレ》 
行きつけの立川シネマシティ、公開初日の平日レイトショーがほぼ満席という・・。ホラー映画とは思えない大盛況ぶり。先ずはお礼を言わせてください。アリ・アスター監督、ありあしたー!! ・・しかし、私のように悪趣味なお方がこんなにいるとは (笑) 前作「ヘレディタリー」が黒い悪夢ならば、「ミッドサマー」はまさに白い悪夢。画面一面を覆う白色は、ホラー映画の常識を覆す前衛的な試みだと思います。そして今回はオカルトでもカルト映画でもない、カルトの映画。とても性的で、禍々しくて、とても狂信的。始めから終わりまで、ぞわぞわとイヤ~~な感じが途切れずに、ショッキング映像もてんこ盛り。さすがホラー映画の巨匠、としか言いようがありません。( ← もうかい! ) ただ、今回感じたのは、「集団・広大なロケーション・お日様の下」といった、このあたりの条件がホラー映画としてはやや相性が悪いような気がしました。やはり、ホラー映画の三原則「少人数・家・暗闇」の恐怖には勝てません。でも今回怖いのは人間そのものだし、あえて常套を外すことに挑戦した監督をほめるべきなんでしょうけど。 なお、本作で最高にショッキングなのは、老人二人の飛び降りの場面と思います。これほど凄惨な場面は、あまり記憶にありません。ただ、引っかかるのはその後。常識的に考えて、主人公たちはこれほどの光景を目の当たりにして、なぜここから逃げ出さないのかな? もうこの時点で、こいつらは完全に狂ったヤバい集団と気がつくだろうに。その後も村に居座って、聖木に小便したり、忍び込んで経典を隠し撮りしたり、自ら死亡フラグ立てまくり。さっさと逃げ出せよ、と。このジャンルなら超常現象はアリとしても、主人公たちの行動に違和感があれば、そこはツッコミどころですから。 とは言え、この監督の美術センスはどうしても惹かれるものがあって、衣装、祭壇、壁画や絵、儀式などは本能的にぞくぞくして見入ってしまうのは確か。いったい次はどんな "儀式" が待っているのか。そして、次は "何色" の恐怖で来るのか。早くも次作への期待は尽きない。アリ・アスターの信者として、また数年後にある降臨祭をひっそりと身を潜めて待つことにしよう。 余談ですが、「ベニスに死す」の美少年、ビョルン・アンドレセンが出演しています。探してみてください。ヒントとしては、そうですね、、インパクトのある役どころ、と言っておきましょう。
[映画館(字幕)] 7点(2020-02-22 02:37:12)
227.  愛しのタチアナ 《ネタバレ》 
音楽の趣味は明らかに違いますが、これはまるでジム・ジャームッシュの映画のよう。アキ・カウリスマキ監督、こういうスタイリッシュなのも撮るんだ、と感心します。 男二人はいなかもんですが、センスある監督の撮り方によってそれなりにカッコイイ二人組に見えます (笑) そして女二人は面白いお顔ですが、センスある監督の撮り方によってなかなかキレイな二人組に見えます (笑) ホテルの部屋を共にしながら寝ないという選択、レストランでダンスを踊らないという選択、そして結局は共に暮らすという結末。 まあ、でたらめな選択を続けても、生きていれば人生何とかなるさ、ということか。
[DVD(字幕)] 6点(2020-02-18 15:53:02)
228.  浮き雲(1996) 《ネタバレ》 
このレストランの名前、「どぶろく」でしょう? (笑) 私はアキ・カウリスマキ監督の、日本をネタにした茶目っ気が好きなんだ。 ストーリーはお馴染みです。平凡な暮らしの中に見つける、ささやかな幸せと人間賛歌。確かに、無職同然の夫婦二人の生活は慎ましい。でも部屋はお花や絵や写真を飾っていてキレイだし、二人とも服装にもこだわっています。そして、タバコも酒も映画も決して止めない。たとえ生活が苦しくとも、人生を楽しむ気概とゆとりは忘れるな。監督の映画からは、いつもこのメッセージを感じます。 最後、レストランの席がうまっていく光景は、まるで見ているこちらの心まで満たされていくようです。この展開、荻上直子監督の「かもめ食堂」を思い出しますね。そう、どちらも舞台はフィンランドのヘルシンキ。どうやら、小津監督と日本文化を敬愛するアキ・カウリスマキ監督のこころに、荻上監督はよいかたちで応えてくれました。 嬉しいかな、フィンランドと日本の関係は、映画を通じてすこぶる良好なようです。
[DVD(字幕)] 8点(2020-02-16 22:12:42)
229.  サイドウェイズ 《ネタバレ》 
かなり前にオリジナルの「サイドウェイ」も鑑賞済ですが、こんなお話でしたっけ? 小日向文世さんも生瀬さんも、愛すべきオッサンなので、その掛け合いは素直に楽しかった。私もわかるよ、正反対なキャラの親友同士って、意外と相性がよいもんだ。 恋をするのに場所は関係ない、ということで頑なに日本の場面がないのは好ましいと思う。 そしてできれば、「ワインのように、熟成すればするほど人間も味わいが増していく、、」といった気の効いたコメントをしたいけど、映画がそれを狙いすぎているので言うまでもないか (笑) 牧歌的な風景のワイナリーで、ワインを飲みながら仲間と語らう。結局のところ、こんな幸せなことってないよね。 でもさ、、長い。なげーよ。SM女のエピソードとか、全く必要なし。恋心の男女数名とワインのお話ならば、ウディアレン監督なら90分でまとめるよ、きっと。
[DVD(字幕)] 5点(2020-02-11 21:14:15)
230.  トランス・ワールド 《ネタバレ》 
退廃的な映像美はいい感じだし、森の奥にたたずむ廃屋のような山小屋の姿もとても雰囲気があります。まるでホラー映画みたい。もしかしてそっち系? と疑ってしまったほど。で、そこに迷い込んだサマンサの服装がまたよろしい。山歩きの服装とはほど遠い、きれいめカジュアルというのが、どうにも場違いな感じで不安感をあおります。いや、不安感というよりは、違和感、といいましょうか。この何かがおかしいという違和感、そして三人の関係という謎。私にとっては、これが本作の全てでしたね。謎が解き明かされてからは、もうすでに映画への興味が薄れたと言うか、、。誰かさんが犠牲になって誰かさんの未来を変える (救う) 、これも何かありがちだし。 個人的には、この監督にはホラー映画を撮ってもらいたい、と思いますが?
[DVD(字幕)] 6点(2020-02-11 15:43:59)
231.  岬の兄妹 《ネタバレ》 
かのポン・ジュノ監督に師事していたという監督の経歴に興味を持ち鑑賞。しかし、兄の生き方から私が感じたのは、「復讐するは我にあり」や「楢山節考」の今村昌平監督。道徳や倫理観など関係なく、何が何でも生きていこうとする人間の業の深さ、そこは近いように思えたので。とにかく、おぞましくて、目を背けたくなる。でも、どうしても最後まで目が離せない。監督の "人間を描く力" はホンモノだと思う。しかし、やはり兄がしたことには共感し難いし、社会的弱者をここまでコテンパンに描く必要はあるのだろうか? 最後、海べりで鳴り出した携帯電話がとても思わせぶりで、何となくだが、求婚の返事を予感させる。しかし例え妹があの彼と結ばれても、それは果たして本当の幸せなのか? と思うところはある。この場面が示唆するのは、目の前に広がる荒れた大海原のような人生をこれからも二人で生きていくしかない、ということなのか。 悲しいかな、岬の兄妹。 二人はこんな生き方しか、他に生きていく術を知らない。 こういう人生も日本のどこかにある、とわかっていて同情はしつつも、この映画を高評価することで何かが変わるわけではないので、点数については嫌悪感をそのまま正直につけさせていただく。
[DVD(邦画)] 4点(2020-02-09 18:47:35)(良:2票)
232.  ウルフ・オブ・ウォールストリート
すまん。 ディカプリオ渾身の180分より、M・マコノヒーのたった数分の方がはるかに強烈だったわ。彼 (マーク・ハンナ) のスピンオフ映画、やらないかな? (^w^)
[DVD(字幕)] 6点(2020-01-31 18:12:50)
233.  プリズナーズ 《ネタバレ》 
なんせ、ウルヴァリンとナイトクローラーだからね。相手が悪かったね。 犯人たちはご愁傷様。
[DVD(字幕)] 7点(2020-01-31 18:09:48)(笑:1票)
234.  曲がれ!スプーン
つまらないのはストーリーのせいじゃなくて、エスパーたちのキャラだろうね。どうしてこんなにさえない役者ばかり揃えたんだろう? むしろニセモノたちの方が個性があってよかった。まあ、彼らも「身の程知らず」という超能力の使い手ではあったが。
[DVD(邦画)] 3点(2020-01-31 18:07:48)
235.  his 《ネタバレ》 
観て思い出したのは、「チョコレートドーナツ」と「クレイマー、クレイマー」。ついでにもう一つ、「ジョゼと虎と魚たち」(笑) とてもよい映画とは思います。ゲイ同士の愛と言うよりは、LGBTという生き方とその覚悟。そしてそこから波及する様々な問題について。それぞれぼやけることなく、少なくとも映画内では問題を全て起承転結しています。 ・・と褒めながらも、やはり今泉監督向きの脚本ではなかった気がします。監督らしさ (個性) が見当たらないし、内容が優等生すぎて笑えないんです。 (子役や犬のおかげで雰囲気は柔らかいですが) そして、イケメン同士というキャスティングは、私が知ってる監督のポリシーからすれば外れている感じ。本作限定で観るなら、これは迅と渚という二人についての物語、そして二人は顔もよい、だからそれはそれで理解できます。しかし、このテーマと容姿は関係ないのは承知した上で、毎回モデルさんのような好男子が主演なのはどうなんでしょう? と感じるところもあります。 「LGBTという生き方」 マイノリティとは言え、それが "フツーの生き方" なら、容姿がフツーの人、さえない人、ブサ〇クな人、誰にとっても。 総評。宮沢氷魚という逸材の発見。松本若菜の好演。そして、今泉力哉監督の新境地とその可能性。多才ぶりを見せつけてくれたので、これから映画各社による今泉監督の争奪戦が始まることでしょう。でも監督よ、サッドティー、パンとバス、mellowのユルさも、どうか忘れないでね。
[映画館(邦画)] 7点(2020-01-26 13:38:27)
236.  mellow メロウ 《ネタバレ》 
まず喜ばしいのは、最近は作風も変わりつつあった今泉監督が、原点回帰の (ユルくて愉快な) 映画を撮ってくれたこと。待っていました、こういうの。恋心な男女数名が、お花屋とラーメン屋と学校の屋上で、そしてたまに青木家で、好きだ、キライだ、愛がなんだと語り尽くします。ロケーションが限定されているという、さながら舞台劇でありながら、次の展開が待ちきれないという素敵な脚本。冒頭のラーメン屋の別れる別れないの押し問答、ここからすでにらしさ全開で。シチュエーションはシリアス、でも会話の内容はどこかピントが外れていて、そしてムダにだらだら長いのが確信犯的で笑えます。そしてそして、、今泉監督の信者にとっては、青木家の場面こそが真のクライマックスといえるでしょう (笑) ともさかりえたちの変態夫婦っぷりには、大いに笑わせていただきましたよ。ホントは笑っちゃいけないところだからなおさら。 (三人も笑いこらえて演技するの大変だったろ、これ) 女子高生三人の微笑ましい関係なども好きでした。・・にしても、三人という状況にやたら執着しますね、昔から。そしてお花と花束の使い方、初めから最後まで素敵でしたね。みんなギリギリでハラハラしましたが、その滑稽さは相手を想う自分の気持ちに正直すぎるゆえ、だからその気持ちを今泉監督は全て肯定します。そして、このフワフワっとした爽やかな気持ちたちにまだ名前がないなら、僕は "mellow" と呼びたい。 今泉監督よ、ありがとう。どうかこれからもたくさんの迷える気持ちたちを救いたまえ。
[映画館(邦画)] 8点(2020-01-20 17:43:16)(良:4票)
237.  ラストレター(2020) 《ネタバレ》 
ラストレター、それは25年という時間を越えて、「Love Letter」に認めた (最初で) 最後の恋文。 現代劇でありながら、頑なにインターネットやメールが登場しません。想いを込めて、手紙を書くこと。期待と愛を込めて、手紙を投函すること。首を長くして、手紙を待つこと。こんな気持ちが懐かしいけれど、廃れつつある今となっては逆に新鮮に感じるから不思議なものだ。岩井俊二監督は、直筆 (という行為) にいつまでもこだわり続ける・・。 そして、、あのトヨエツと中山美穂さんが、何ともやさぐれた役でご登場します。「Love Letter」の二人とは縁もゆかりもない役ですが、私はどうしてもあの茂と博子のその後の姿にも思えてなりません。 (でなければ、こんな役にあえてこの二人をペアで使う必要は全くない) 「お元気ですか? 私は元気です」 忘れられないあの感動から25年、振り返れば時間とはただただ残酷だった。 ・・いや違う、その逆かもしれない。きっと時間のおかげ、なんだろう。過ぎゆく時間とともに、その一瞬がいつまでも輝きを増すのだ、きっと・・。
[映画館(邦画)] 8点(2020-01-19 01:00:10)(良:1票)
238.  パラサイト 半地下の家族 《ネタバレ》 
もともと、犯罪を生業とするような家族だったのね。半地下の家族が苦しい貧乏生活のなかで、悩み悩んだあげくに、こういった犯罪行為に染まっていく物語、と勝手に思っていたので、楽しそうに金持ち一家に "寄生" していく様子を、半ば呆気に取られて観ておりました。前半の展開は (不謹慎な) 笑いを交えたコメディタッチ、でも後半は展開が激変して、期待通りのポン・ジュノ節が楽しめます。秘密の地下室に住む男とか、白昼の惨劇などはとにかく正気の沙汰じゃなくて、いかにもポン・ジュノらしい。そして、「殺人の追憶」や「母なる証明」あたりの重苦しい雰囲気はなくて、作りとしては血みどろのブラックコメディ。何となくですが、初期の園子温監督を思い出しました。映画全体としては、とにかく階段や坂が登場します。古今東西に映画においては、富裕層は高台で貧困層ほど低地という描写はセオリーであって、それを意図しただけの高低差かしら? と思っていましたが、もう一つとても重要な役割を担っておりました。それは雨です。アタリマエですが、降りしきる雨が下へ下へと流れていくんです。高台に住む金持ちや半地下の家族だろうが関係なく、彼らが流した血と汗と "臭い" も全て一緒くたに混ざり合って、汚物と一緒に側溝に洗い流していきます。それはまるで、都会 (という格差社会) にこびりついた垢を浄化するように。
[映画館(字幕)] 8点(2020-01-11 17:41:48)
239.  冬の華
音楽がクロード・チアリやチャイコフスキーという、とても芸術志向が強い異色の任侠映画でした。やっぱり、有名画家の絵画とかも出てきて。「シャーガルあるか!?」「シャガールだ、シャガール」 このやり取りには笑いましたねぇ。藤田進さん演じる親分が言った、「切った張っただけのヤクザはもう古いよ」という台詞がとても印象的。私の記憶では、どの時代のヤクザ映画を観ても、俺たちのようなヤクザはもう古い、と言ってる。一体、いつから古くてどこから新しいのか、新旧ヤクザの定義づけはできないものか。でもそういう時代遅れのヤクザ、健さんはとてもよく似合います。そしてやはり出てきた、"北海道" というキーワード。どうして監督たちはみんな、健さんを北へ北へと導こうとするのか? (笑) 私にとって高倉健さんは、強くて優しい昭和時代の俳優の代名詞です。その時代もとうとう平成が過ぎ去り令和になりました。今や映像技術の進歩はめざましい。何しろ歌謡界や映画界では故人がAIやCGによって現代に蘇る時代です。海外ではCGによるジェームズ・ディーンで新作映画を撮る計画が進んでいるとか。私はと言えば、ストーリー半ばにしてメインキャストの急逝など特例的な場合を除いては、CGによる故人の再現は反対です。それがジェームズ・ディーンで新作映画ですよ? 映画ファンは本当に喜びますか? 道義的にも大丈夫ですか? 日本の映画界は、このへんで歯止めをかけましょう。だって、健さんのCG映画とか僕は絶対に観たくないっす! ・・・私は本気で心配している今日この頃です。
[DVD(邦画)] 7点(2020-01-05 13:55:02)
240.  猫なんかよんでもこない。
ヒーリングミュージックならぬ、猫の癒しによるヒーリングムービー。猫好きにはたまりません。(ちなみに私は犬派) まるでうちの近所のような何の変哲もない公園やザリガニ釣りスポットなど、ロケーションはわりと好き。ついでに、そのスポットが何度か繰り返し登場するのも好き。残念な点としては、杉田ミツオくんがボクサーを目指していた、という折角の設定なのに、展開の中でそれが活きてこないのがもどかしい。言ってしまえば、相撲でもプロレスラーでもテコンドーでも成立しませんか? なお出演者をほとんどチェックせずにレンタルしたため、メガネっ娘のウメちゃん、しばらく誰だか気がつきませんでした。そしたら、ニャンと!! 松岡茉優さんでしたか。でもこの映画って、猫フェチ映画と思っていたら実はメガネ女子フェチ映画だよね。
[DVD(邦画)] 5点(2019-12-16 19:05:12)
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