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221.  アルコール先生 公園の巻
『夕立』からキーストン社の要素をごっそりカットし、『恋の二十分』を足した感じの作品。新しいスタイルを模索しているのがよくわかります。フォード・スターリングのクドい演技がなくなったおかげで見やすいけど、ギャグはあんまり笑えないのが残念。
[DVD(字幕)] 3点(2015-06-17 13:11:04)
222.  アルコール夜通し転宅
チャップリンの酔っぱらい演技は素晴らしい。無表情で重そうなキックを見舞うのが痛快です。本作はキーストン社時代のいくつかの作品を彷彿とさせますね。セットや構造が同じ作品がいくつか思い浮かびます。それらの作品よりもドタバタ喜劇としてはいくらか優秀で面白いけど、マスターピースには程遠いかな。
[DVD(字幕)] 5点(2015-06-17 13:08:13)
223.  チャップリンの役者
2作目の撮影所モノ。本作では権力に歯向かう姿勢が現れていて、エッサネイ社移籍1作目にして後の方向性が示されています。キーストン社時代の稚拙なストーリーテリングは2巻フィルム作品に取り組むことで解消され、登場人物がただの置物ではなくなったことに大きな意味があります。前編にわたってドタバタ喜劇が展開されるのは『パン屋』みたいな感じで楽しいけど、『パン屋』の方がコメディとしては楽しい作品だったかな。
[DVD(字幕)] 5点(2015-06-17 13:04:13)
224.  用心棒 《ネタバレ》 
時代劇だってのにピストルが登場するあたり、細かいことはどうでもいいからとにかく観客を楽しませる娯楽作をつくろうとして制作されたんだろうなあと思います。実際、とても楽しい。 桑畑三十郎は良いキャラクターですね!人間味がある。喧嘩を楽しそうに見物したり、酷い目にあった家族を逃したり。作り物なんかじゃなく、実在したのではないかと思えるほどのリアリティがあります。狂言回しで終わるはずもなく、しっかり痛めつけられるのが面白い。 また、観客と同視線で物語を見つめるという特異な役どころでもあります。半助が役人の世話をする滑稽なシーンを観客と共に観て笑い、丑寅の煙攻めを「面白そうだから」と観客とともに観て楽しむ。さらに亥之吉に見つかるかどうかというサスペンスまで、観客と共に味わうことになるわけです。実に面白い設定です。物語とともに味わった相手だからこそ、ラストの後ろ姿に威厳を感じるのかもしれません。 それにしても、物語の一番最後にサイコで滑稽なシーンを持ってくるなんて、何考えてんだろう?頭ぶっ壊れたオッサンが太鼓を叩いてると思ったら半助を…。飯屋も桶屋も三十郎も、誰も彼について触れることなく卯之助の捨て台詞に流れるなんて、何なんだ?崩壊した宿場のメタファーなのか何なのか。笑えたからいいんだけど、不思議だなあ。
[DVD(邦画)] 8点(2015-06-16 04:25:35)
225.  チャップリンの衝突
辟易するほどつまらない。チャップリンを使っておいて全然おもしろくないってどういうことなんだろう。以前からマック・セネットの手腕を疑問視してきましたけど、これでついに分かった。マック・セネットにはキーストン社名物のドタバタ劇を面白く見せる才能がない!!創立者なのに!!!!暴力→転倒、暴力→転倒が繰り返されるだけで、チャップリンが魅力的に演出されているわけでもないし、メーベルが物語をかき混ぜるわけでもない。チャップリンの監督デビュー作「恋の二十分」と同じ公園劇ですが、「恋の二十分」のほうがはるかに良かった。ジャック・タチはマック・セネットのどこが好きだったんだろう?
[インターネット(字幕)] 1点(2015-06-14 21:30:37)
226.  モンティ・パイソン/人生狂騒曲 《ネタバレ》 
モンティ・パイソンの第1シーズンを全部見て、ハリウッド・ボウルでのライブもチラッと見た程度のパイソンズファンの私。まさか齢40を超えたインテリブラックコメディ集団が下ネタに振り切ったスケッチを書きなぐっていたとは思いもしなかった。凄く笑えるスケッチもあるんです。「すべての精子は大切」からプロテスタント夫婦のやりとりへの流れはかなり好きだし、性教育のバカバカしさを皮肉ったスケッチも大好き。パートの後ろについていた生徒対教師のラグビー大会も良かったですねー。でもハズレはとことんハズレで全然面白くねえ!パート1とパート4はクスリともしなかった。 本作の何が悪かったのか?自分なりに考えた結果、やはりテリー・ギリアムのアニメーションの不在が大きいのではないかと思うんです。テレビシリーズに匹敵するまとまりのないスケッチの羅列。これはテリー・ギリアムのアニメーションが潤滑油になることで放送として成立し、爆笑させられていたのです。パイソンズの映画はテーマに基づいたスケッチが基本で、ギリアムのアニメーションは特に必要なかったのではないでしょうか? しかし、本作は違う。誰一人納得のいくスケッチを作ることができなかったという絶望的な状況の中でテリー・ギリアムは何をしていたかというと、冒頭の短編映画を作っていた!しかも実写!しかも膨大な予算を組んで!なにやってんだギリアム!ユニバーサルと契約して多額の予算を組んでもらっていなかったらクレオソートの大爆発もなかったし、貧困すぎてヤバい映画になっていたところだったぞ!下品さだけが後に残る珍品になるところだった。 過去作では制作費不足に悩まされていたパイソンズ。苦労に苦労を重ねて名作を作っていたのに、予算を貰ったら内部分裂しちゃうなんて勿体ないなあ。全然ダメというわけではないし、多分何度か見直すことになるんだろうけど、もったいねー。
[DVD(字幕)] 6点(2015-06-13 00:33:01)
227.  ノッティングヒルの恋人
話運びはラブロマンスの典型的なもので、リアリティのなさは『ローマの休日』ゆずり。ローマの休日は脚本や細かな設定でリアリティを持たせていたんだけど、本作ではその辺が「愛」の一言で片付けられてしまっているような気がします。特に序盤は「なぜ?」の連続。ギャグは面白いし、話そのものの展開は良いので勿体ないなぁ。
[DVD(吹替)] 6点(2015-06-11 20:33:21)
228.  家族ゲーム 《ネタバレ》 
怪作ですね。伊丹十三と松田優作の距離感のキワドさに笑い、家庭教師吉本と茂之の会話の間に笑い…。ここ笑いどころですよ!というこれみよがしなギャグはほとんどなくて、むしろギャグでもなんでもないシーンでずーっとニヤけさせられるような、不思議なコメディです。家族が向き合うことのない食卓の歪な存在感が象徴するように、本作はとにかく歪んでいます。弟が勉強を頑張るように慣れば兄が怠けだし、子供部屋に行くのにエレベーターを使ったり、その場所では音楽が流れているシーンでも映画上では音楽を流さなかったり、ニヤけた息子が母親に生理のことを質問しだしたり、伊丹十三の玉子焼きチューチュー…気持ち悪い!すべてをぶち壊すラストの7分間長回しは圧巻の一言。いつ松田優作が壊れ始めるのか、兄弟が便乗し始めるのかは繰り返し見なおさないとわからない。両親が3人の壊れた行動を無視しているからそういう「テイ」なのかと思ったら「さっきからなにしてるんだお前!」って、そりゃないよ!この家族壊れすぎ!母親は茂之の将来を案じる一方で若いうちに子供を産んでしまったことを後悔しているし、父親は「金属バット殺人が起こるから」という理由で子どもの教育に介入しないし、吉本は金を貰うためだけに茂之に勉強を教えていて、茂之はいじめてくる幼馴染への嫌がらせ目的で勉強している。まさに偽りの家族。家族ゲームに興じているだけだったんですねえ。これを見破って歪な食卓返しをした吉本は流石。…そういえば、レーザーディスクに付属されていた解説文では松田優作の無表情とバスター・キートンの無表情を重ねあわせる一文があったけど、それはいくらなんでも考え過ぎでは?
[レーザーディスク(邦画)] 10点(2015-06-10 19:56:23)(良:1票)
229.  マッドマックス 《ネタバレ》 
復讐劇としてはあっさりしていて消化不良だけど、妻と息子、そして同僚の敵討にしては冷めた心持ちのマックスというキャラクターの怖さを引き立たせているように感じました。悪どさが強調された暴走族と比べるとえらい違いです。ストーリーとして語りたかったのはおそらくここで、クールな善がホットな悪を倒すと興奮するだろ!ってことなのでしょう。 本作のキモはカーチェイスや残酷描写にあるわけです。死体をつつく鳥や引き裂かれた犬の死体など、動物の生き死には無秩序な世界を見事に表現していると思いましたし、「これ、死んでるんじゃないの?」と思ってしまうほど迫力があるクラッシュシーンはお見事。ただ、いまいち近未来さを感じないところが残念だし、ダレた展開が続く中盤は好きになれないので、この点数です。世界中で本作に熱狂した人がいたのはよくわかるし、のちの娯楽作に大きな影響を与えていることも事実なんだけど、『狂い咲きサンダーロード』には到底敵わないと思っています。本作だけをみれば。マッド・マックスは3部作をひっくるめて評価するべきだし、もうすぐ公開される4作目も合わせて『マッド・マックス』だ、と言ったほうがいいんじゃないかと。
[インターネット(字幕)] 6点(2015-06-08 14:37:28)
230.  タクシードライバー(1976) 《ネタバレ》 
私はこれまでずっとラストは妄想だと提唱し続けてきたんですけど、見返してみるとそうでも無いかもしれないと思うようになりました。物語はトラヴィスの日記を映像化したもので、その日記は当然ながらトラヴィスの主観で書かれているわけです。だから、売春窟を襲撃してヒーロー扱いされるのも、首を打たれても平然としているのも納得できる。病院に入院しているというのは、精神病院だと。ベッツィもまずは声から、続いてバックミラーに顔が映るので、幻想かもしれない。 でも、トラヴィスほど女に餓えているなら、ベッツィやアイリスを抱え込む終わり方になるのではないか?と思い、これやっぱり現実のシーンかもしれないと考えを改めました。もし現実なら、トラヴィスはまたやるでしょうね。無教養で身勝手で自意識過剰で、女から嫌われる要素が揃っている。孤独な男はいつまでも孤独なのかもしれないです。
[インターネット(字幕)] 6点(2015-06-07 03:44:55)
231.  JIMI:栄光への軌跡 《ネタバレ》 
偉大なミュージシャンの伝記映画で本人の楽曲を使用できないというのは大きなハンデになり、それだけで制作を断念してもおかしくないはず。それでも作品が完成し、それなりに評価されているのは、本作の焦点は「ジミヘンはどのように楽曲を作っていたのか」ではなく「ジミヘンはどのようにスターダムにのし上がり、どのような人物だったのか」という点にあるというのが大きいでしょう。ロック界に今もなお強烈な影響力を持っている男は彼一人だけではどうしようもなかった。運命的な出会いが彼をスターダムにのし上げ、もし一人でも彼と出会わなかった人がいれば、ジミヘンはスターになっていなかったかもしれない、そういう物語です。だから彼自身の楽曲を使わなくても、当時のエピソードに沿った選曲で物語を進めていくことができ、無事に作品が完成したと。 物語は一部に創作が見られるものの、基本的にはジミヘンの生涯の1ページを再現できていて、それなりに面白いと思います。リンダ・キースと親密な関係になるのかとおもいきや渡英後に関係が希薄になり、音楽にちっとも詳しくないセクシーなだけの女性と付き合うあたりに人間味を感じ、予想を裏切られたことも相まって印象に残りました。残念なのはヘンにカッコつけた演出で、正直言って邪魔。スタイリッシュな人間を描くのにスタイリッシュさを足そうとして失敗している感じです。あーあ、そんなことをしなくても…とガッカリしてしまいまいました。
[映画館(字幕)] 6点(2015-06-06 19:30:55)
232.  少林寺三十六房 《ネタバレ》 
メインは修行シーンなので、敵に個性なんていらんのですよ!ちょい役の師範はみんなキャラ立ってたからいいの! ご都合主義的展開が続き、話も大して面白くないけど、修行シーンは本当にワクワクした。総長との格闘も、三節棍を開発するシーンも、魅力的で全く飽きない。最後の方で出てきた弟子は何だったのか?知るか!小麦粉の無駄遣い?そうかもな!将軍との格闘あっさりしすぎ?うるせえよ!総長との格闘がピークなの!下山してからは「修行の成果は必ず活かされる」ってことを言いたいだけなんだから、つべこべ言わず修行シーン見ろ!
[DVD(吹替)] 7点(2015-06-06 09:53:33)
233.  サンドラの週末
サンドラはうつ病を克服し、復職のめどが立ったと思い込んでいるからこそ理不尽な解雇に反対してくれる支持者を集めるわけだけど、安定剤は手放せないしすぐ泣くし情緒不安定だし、明らかにうつ病は治ってない。このお話はサンドラがうつ病を完全に克服するまでを描いた闘病映画です。同僚の家を一軒一軒訪ね歩き、いろんなことを言われるわけですよね。嫁が失業して金がいるとか、新しい彼氏と生活するために金がいるとか。同僚たちの大半は経済的に苦しい状況に置かれている。中にはサンドラを批判したり、精神病で休職していた女性に対して言うには度が行き過ぎた冷静な意見を述べる人もいて、サンドラの感情は常に激しく揺れ動いている。でも、サンドラは感情を表情で表現しない。もしくは表情を押しつぶすために必死で、顔で戦争が起きているような状態。安定剤を1箱飲むときも無表情という徹底した鉄仮面ぶり。この差がスリリングで非常に面白かった。何度も支持者集めを諦めようとするんだけど、夫に励まされたりちょうどいいタイミングで支持を表明する人が現れたりして、サンドラは支持者集めを続ける。ここでの感情の動きは、精神が弱っている人とどう向き合うべきか、当事者はどうするべきかを観客に問いかけているんじゃないかと。社長や上司に批判を声を上げるわけではなく、弱者に寄り添った視線(手垢ベッタベタの表現だけど、これが一番適した表現だと思う)で静かに物語を描き出す監督には恐れ入りました。
[映画館(字幕)] 7点(2015-06-05 19:50:08)
234.  靖国 YASUKUNI 《ネタバレ》 
メディアが報じない靖国神社参拝者の姿を観ることができたのは良い体験になったんだけど、ドキュメンタリーとしてはしょうもない。刀匠と監督の会話が成立してない時点で土台から崩壊してるんですよね。そこがキモなわけでしょ?本来なら靖国神社で撮影したビデオ映像だけで組み立てられるのに、わざわざ刀匠にインタビューしに行ったわけだから。そこが失敗してる時点で終わり! 某ラジオパーソナリティが指摘していたように、空虚な会話が連続することのほうがよっぽど靖国=日本人を象徴してる。面白い会話シーンが多かっただけに、やっぱり刀匠が邪魔なんだな。終盤の近代日本史と靖国の関係を意図のわからん音楽をバックに示す部分もいらん。会話に重点を置いていれば…。 本作中でハッとしたシーンは、謎のアメリカ人、台湾原住民の抗議、左翼活動家の若者がチョークスリーパーをかけられているシーン3つ。特に台湾原住民の抗議はキてました。通訳の男性の口がどんどん汚くなっていって、終いには自分の意見を語るだけになってしまうという。コメディとも受け取れる素晴らしいシーンだったんだけど、この素晴らしさを監督が意図していたかどうかわからん。ドキュメンタリーなのに監督を信頼できないのは痛すぎるでしょ。
[DVD(邦画)] 5点(2015-06-04 01:26:38)
235.  アルコール先生 ピアノの巻 《ネタバレ》 
オチが無いの勿体無いよー。ロバがピアノの重みで宙ぶらりんになっちゃうところは笑ったので、もう一度ロバギャグが見られるのかと思ったのに。チャップリンがピアノを担ぐところも面白かった。残念なのは、ここ以外に大した見どころがないこと。階段を使ったギャグなんて本当に最初の頃からやってるし、いい加減見飽きてしまった。
[DVD(字幕)] 4点(2015-06-04 01:19:27)
236.  新米雑役夫
警察と上司に強盗だと間違われる場面がもっと広がるのかとおもいきや、すんなり終わってしまった。うーん、消化不良ですね。
[DVD(字幕)] 3点(2015-06-04 01:17:22)
237.  チャップリンとパン屋
キーストン社にありがちな「ドタバタしてりゃいいんだろ?」って感じのドタバタではなく、チャップリンのキャリア中期に見られるような練られたシナリオの元で展開するドタバタ喜劇なのでとても良い。キーストン社時代の作品ではナンバーワンかもしれません。上司相手にパンチやキックを繰り出すあたり、既に上流階級を笑い飛ばす素養が身についているように見えます。
[DVD(字幕)] 7点(2015-06-04 01:15:47)
238.  博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか 《ネタバレ》 
オープニングのフォントからして普通じゃない。読みにくいよ!!登場人物のほとんどは正気を失っていて、歴史上の人物や事象のメタファーになっているのが味わい深いですね。歴史は狂人たちが作っていく!そして撃ち抜かれるコカ・コーラの自販機!反撃する自販機!
[DVD(字幕)] 8点(2015-06-01 16:08:22)
239.  七人の侍 《ネタバレ》 
非の打ち所が全くない脚本には敬服します。シーンの流れや登場人物の言動に全く違和感がない。一つ一つのセリフが重いですよ!観客に「なんだこれ?なんでだろ?」と一切思わせることなく話が進むので、3時間超えの作品とは思えないほど疲れない。どんな映画を観ても鑑賞後には疲労感が残ってしまう軟弱野郎なんですが、本作ではまったく…。すげえな。ヒーリング効果か! 話は侍探し、戦の準備、戦の三幕構成になっていて、それぞれに見せ場がしっかりとある。脇役だと思っていた人物がしっかり仕事をするなど、無駄の無さが目立ちます。なんというか、歴史ゲームの楽しさが詰まっているというか。人材集めに苦労しながらなんとか人数を集めて、百姓の統率を取るのに苦労しながら準備をして、そして大迫力の戦へと繋がる流れは、丁寧にプレーを進める信長の野望そのもの。弱小大名プレーの楽しさを映画で見せられた感じです。それでいて登場人物は全員がキャラ立ちしているからね!ゲームの何倍も面白いんだ。映画と区別がつかないゲームが話題になる昨今、ゲームが「面白さ」の点でどうしても映画を超えられないことを54年の映画が証明していたのです。 俳優の演技もまた素晴らしい!俳優と百姓たちの演技は置いておくとして、虜になったのが津島恵子と島村雪子の顔!島村雪子の出演シーンは1分も無かったと思いますが、3人の侍が覗き見する(観客が映画を通して人の顔を見るのと同じ行為である)時のドキドキの高まり方がケタ違いでした。火事に一瞬驚きを見せるも不敵に笑ってみせる。利吉が目の前に現れて驚き、燃え盛る小屋に戻る時の表情。後に明かされる事実も相まって、非情に印象に残る素晴らしいシーンを作り上げています。津島恵子のセクシーさも…あんな後ろ姿を見せられたら、そりゃ父親も普通じゃいられないよね。男にしてでも奪われたくないと思っても仕方がない。リアリティのある行動ですよ。 もう本当にすごい映画でした。本作より凄い映画に出会うことが果たしてあるかどうか?
[映画館(邦画)] 10点(2015-06-01 00:00:58)
240.  にわか雨
チャップリン監督の2作目。『恋の二十分』もそこそこ面白かったけど、本作はより面白みを増した感じ。序盤からギャグが冴えてて見応えがあるし、階段でのギャグはテンドンってやつでしょうかね、回を重ねるごとに面白くなる。脚を骨折した人への態度の悪さもデタラメで良かった。
[インターネット(字幕)] 6点(2015-05-31 09:43:26)
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