2421. 接吻泥棒
ラピュタ阿佐ヶ谷にて鑑賞。 宝田明のモテっぷりも凄いけど、確かにカッコいい。 草笛光子が意外と色っぽかった、、のには不覚! 熟した女の色気と甘ったるさがタップリ出ていた。 団令子は少しぽっちゃりすぎかなぁ。。頭でっかいとか、アンパンのへそとか、劇中で色々言われまくってたけど、なんかものすごく同感だった。 ラストのボクシングシーンはとても迫力を感じた。 宝田明は、若い頃、マジで喧嘩強かったんだろうなぁ。 ボクシングをする姿がほんとっぽく、様になっていた。 ボクシングシーンにかなりの演出を施したに違いない。 リアルなボクシングシーンに川島雄三監督のこだわりを見た! [映画館(邦画)] 7点(2008-10-08 22:15:26) |
2422. 時をかける少女(1983)
知世ちゃんの魅力をひたすら味わうべき作品ですね。 はっきり言って、映画そのものの完成度としては、取るに足らないレベルです。 だけど、エンディングで流れる主題歌『時をかける少女』には、何故か心揺さぶられるものがありました。 70年代から80年代にかけての、あの甘酸っぱい独特の雰囲気が、タイムカプセルのように保存されているような気がして、あの曲を聴いた瞬間に、まるで「時をかける」気分になれました。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-10-08 00:22:58)(良:2票) |
2423. 女の歴史
《ネタバレ》 池袋・新文芸坐にて鑑賞。 成瀬作品にしては比較的珍しい2時間超の大作。 高峰秀子が演ずる女性の生涯を描いた伝記作品である。 宝田明は相変わらずシャープでカッコよい。 しかしあっさり死んでしまう。 山崎努にしてもアッサリと死ぬ。 男は勝手なことばかりをして女を残し先立つ。 女は残されるが、したたかに強く生きていく。 そして女は最初はいがみあっているが、最後は女同士で手を組合い、生きていくのだ。 男は自由奔放でだらしなく、浮気をする。 女はそれに耐え、不平をいい、時には恋敵の女性同士でいがみあったりするが、最後は助け合い生きていく。 こういった流れで2時間が過ぎる。 とても見応えのある作品で、男と女のそれぞれの特徴をとてもよく捉えている作品だ。 最後の終わり方もまた良い。 [映画館(邦画)] 7点(2008-10-07 21:11:21) |
2424. 青空娘
若尾文子の肉感的でいて健康的な美しさを堪能できる作品。 話としては決して好みではないが、元気に溌剌な空気、そして青空が画面いっぱいに広がっており、すがすがしい気分になれるのが良い。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-10-06 00:07:45) |
2425. GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊
ううん、なんか理屈くさいし、意味もなく争いごとばかりしている。 こんな未来像ってあるか?? もう少し平和安泰、単純な未来像を持ってもいいのでは?? 話うんぬんではなく、原作者や、それを支持したアメリカ人たちの未来観そのものに疑問を感じる。 そんでもって、なんで街のイメージが香港チックなんだ? こういう近未来アニメって、なんで香港をイメージの基にしたがるんだろう・・・ [CS・衛星(邦画)] 3点(2008-10-05 21:39:17) |
2426. リンダ リンダ リンダ
予定調和すぎる流れと、都合よすぎる本番直前の雨アクシデントがマイナスポイント。 ただし、若々しさあふれる登場人物たちにエネルギーをもらうことはできた。 プールに綺麗な素足を浸らせるシーンが印象的(見所誤り)。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2008-10-05 18:45:36) |
2427. 風船
《ネタバレ》 『浮雲』と並び、名優、森雅之の男の魅力が存分に凝縮された名編。 ラストシーンの、娘である芦川いづみとの再会シーンは、鳥肌が立った。 表題の「風船」とは、男の生き様を表している。 同じ処に留まらず、常に新しきもの、人生の刺激を求め、自分の欲求に正直に人生を選択し、自らの意志で人生を切り拓いていく。 まさに、私自身の理想の生き様であり、私が思うところの男の生き様だ。 60に達しながらも、森雅之は惰性で生きることなく、やりたいことを貫き通す。 しかし、時にはそれは自分勝手な人生選択であり、妻や子供を振り回す。 それはそれで人間的欠点であるかもしれない。 いや、少なくとも、一般社会的観念からみれば、間違いなく無責任な男だ。 しかしながら、何かを選択する時、その背景には必ず何らかの犠牲というものが並存する。 その犠牲をあくまで認識した上で、敢えて森雅之は自分の希望する生き様を選択し、決行するのだ。 そういう男の生き様を徹底的に描いたという点では、本作はまさに男のための映画である。 だが、森雅之は誰よりも深く真剣に娘の幸せを願っている。 理屈で全てをうまく整理できるほど、人生や社会は単純ではない。 それを考えれば、結局のところ、自分が望む人生選択を行うことが一番大切なことではなかろうか。 子供は子供としてどう生きるかを自分自身で決めていけばいいし、妻も妻で自分が良いと思う生活を選択すればよい。 自分が良いと思って選択した人生ならば後悔もしないはずだ。 まさにこれらの考え方は、私の理想とする人生論であり、本作はそうした自分の人生観と見事に一致した。 妻も息子も、結局は一家の大黒柱である森雅之に依存して生きてきたにすぎない。 それを考えれば、60になった森雅之は、そろそろ自分の自由を主張しても、ばちは当たらないんではなかろうか。 そう考えたりして本作を観ていたら、とめどもなく深い味わいのある作品であることに気付かされた。 最後の最後で気付かされたのだ。 なんという味わいのある奥深い作品であろう。 というわけで、私は本作を川島雄三監督の最高傑作の一つに推したい。 (P.S.)北原三枝の衣装と、そこから伸びる脚線美、そしてクール・ビューティな雰囲気にやられました! [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-10-05 15:00:20)(良:3票) |
2428. 東京マダムと大阪夫人
神保町シアターにて鑑賞。 川島雄三監督作品、自身23本目の鑑賞。 これがなかなかの愉快作! しかも、とても良くまとまっている。 女優陣も、芦川いづみに北原三枝と、綺麗どころが出演しており、華もあってよい。 うるさいマダム連を、ガァガァとわめくアヒルにダブらせるユーモアは最高! 又、サラリーマン族の暮らしぶりを、暖かい目線で喜劇調に描いており、安心して楽しむことができた。 [映画館(邦画)] 7点(2008-10-05 00:27:40) |
2429. エロス+虐殺
アートなだけで、面白くもないし、感動もしないし、心も洗われないし、共感もできないし、なんも得られない作品。 ATG作品ってのは、得てしてこんなもん。 [CS・衛星(邦画)] 1点(2008-10-04 01:34:39) |
2430. 山の音
《ネタバレ》 これは成瀬作品としては比較的、異端の部類に入るのではないか。 最後は「離婚」という形で終わる。 これが珍しい。 なんやかんや言って、夫婦や男女というものは、おとなしく納まるっていうのが、成瀬作品の大半を占めている中で、これは珍しい。 しかも、未来に希望をつなぐ形、つまりは発展的な意味合いで離婚というものをラストに持ってきている。 本作には、それほど魅力的な登場人物が出てこない。 しかし、逆に言えば、人間臭い矛盾と弱さに充ちた登場人物たちばかりなのだ。 現実の世の中は綺麗ごとばかりじゃないし、裏と表の顔を、人間なら誰しも持っている。 そういった意味では、人間の本質を鋭く捉えた作品だといえよう。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-29 00:48:44) |
2431. アルジェの戦い
ううむ・・・ 戦争というもの、民族闘争というもの自体に、「不毛の争い」という問題が内在する以上、本作を手放しで楽しむことは、私にはできなかった。 非常に強く訴えかけてくる作品だと思うが、どこかで感動し、共感し、もしくは楽しめない限り、高い評価をつけることが私にはできない。 [DVD(字幕)] 7点(2008-09-28 21:23:02) |
2432. にっぽん泥棒物語
《ネタバレ》 これ、法廷モノの傑作じゃないでしょうか。 三國連太郎の凄みが十二分に発揮されています。 ラストの法廷シーン。 ここにおける三國連太郎のパフォーマンスは、凄いの一言です。 三國連太郎という人物の持つ存在感、俳優としての実力を目の当たりにすることができます。 「三國連太郎は凄い俳優だ」。 本作を観終えて感じたことは、まさにその一言に尽きます。 一般的に評価の高い法廷モノの洋画『情婦』とかと比べても決して劣らないどころか、本作の方が上じゃないでしょうか。 本作は、法廷における臨場感あふれるユーモアも交えた心理戦、そして法廷劇の面白さを体感することができます。 この法廷喜劇の傑作を、もっと沢山の人に観てほしい。 もっと他の人にも観てもらって、レビューを書いてほしい。 そんな気持ちがふつふつと湧いてきました。 [DVD(邦画)] 7点(2008-09-28 15:57:00) |
2433. 極北の怪異
劇場用長編ドキュメンタリー映画の出発点にして、“ドキュメンタリー映画”という言葉を生み出した、映画史に名を残す本作。 しかし、本サイトに登録がない! レビューがない! なんてこった! さて、本作はカナダの原住移民であるイヌイト(エスキモー)の生活を記録したドキュメンタリー作品である。 監督はイヌイトと生活を共にし、長い歳月をかけて撮影したらしい。 その甲斐あって、非常に生々しい映像を観ることができる。 イヌイトの生活を観られること自体が貴重であるし、しかもそれが、今から80年以上も昔の時点の映像であるということが更に貴重である。 イヌイトは現在、移住生活から定住生活へと移行し、近代的な生活へと変わったらしい。 イヌイトたちがアザラシを刀でさばき、生肉と脂を食らっている最中の、飼い犬たちの牙をむく姿がとても印象的であった。 そして、この撮影に協力したナヌーク一族が、完成した本作を観ることなく、2年後に事故死したという事実も、また衝撃的であった。 [DVD(字幕)] 7点(2008-09-27 13:07:38) |
2434. セックスと嘘とビデオテープ
80年代の日本映画とアメリカ映画は、どうも若い男女がカッコ悪くて仕方ないが、本作もその例にもれない。 どうしてこんなにカッコ悪いのか。 主要人物である男2人と女2人。 この4人のいずれに対しても、私は魅力を感じなかった。 ヨーロッパ映画なんて、50年代でさえも女優がもっとオシャレでかっこいいというのに・・・ セックスを題材にしているが、セックスに対するアメリカ文化の認識が理解できて、その辺は良かった。 しかし、最後がどうも消化不良気味。 そして全編に横たわるソダーバーグ風味の効いたダイアローグの数々がどうもかったるい。 だけど、良い意味で言えば、ソダーバーグのオリジナリティが発揮された作品なのではないか。 ダイアローグに独特のスパイスが効いていて、俳優陣の表情なんかも細かく表現されている。 好みな作品ではないが、それなりに楽しむことはできた。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-09-27 08:36:58) |
2435. サイドカーに犬
《ネタバレ》 最近の邦画としては、最も気に入った作品の一つ。 全体が優しい柔らかな空気に包まれた作品。 竹内結子がとってもカッコよく、ボーイッシュでタフな女性を演じている。 カラっとしていて、それでいて人情味のある、魅力あふれる女性だ。 ただし、ソバージュヘアーは似合っていない。 竹内結子は元々好きな女優だが、本作のソバージュ竹内はイマイチ。 、、なんだけど、内面が魅力的なんだなぁ~、とっても。 語り部である主人公の女性をミムラが演じていて、ラストシーンで散々お世話になった竹内結子を無視してしまう。 これは私の感情からすれば全くあり得ないことだが、主人公の人物像的には至極当然な行為。 これがまた面白い。 自分ならばこうするだろうけど、こういう性格の人なら、無視するんだろうなぁ、としみじみ見入ってしまった。 なかなか有りそうで、あまりない、なかなかの余韻を残す個性的なラストシーンだった。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-09-25 22:51:46) |
2436. 夫婦
《ネタバレ》 これはこれは、意外や意外、成瀬作品としては知名度が高い作品ではないが、かなり楽しめた。 まず何といっても主演二人の演技が素晴らしい。 上原謙と杉葉子。 上原謙のうまさは前から分かっていたが、本作ではかつてないほどの「3枚目役」を演じ切り、ますますもってその懐の広さと深さを発揮。 杉葉子は、他の作品では脇役にまわることが多く、有名女優たちの影にいつも隠れている印象があったが、本作では主役をはり、その魅力を遺憾なく発揮。 この二人の息のあった演技こそ、まさに「夫婦」そのもののようであった。 本作では題名からも想起されるように、夫婦の倦怠が描かれる。 しかし、最後は成瀬の真骨頂である、「男と女の切っても切れない縁」により、見事、夫婦の形を取り戻す。 倦怠を通し、それを乗り越えることによって、更に夫婦は互いを理解し、絆も深まる。 ラストシーンは、それまでのいさかいがまるで嘘のように、肩を寄せ合い木枯らしの中を二人で歩いていく・・・ なんという素晴らしいラストだろうか。 久しぶりに成瀬映画の魅力を満喫できた気がした。 本作は、成瀬作品の中でも隠れた傑作であるといえよう。 [映画館(邦画)] 8点(2008-09-25 00:13:13) |
2437. 血煙高田の馬場(1937)
なんという疾走感! バンツマの眼の動き、立ち回り、言葉の発し方、全てがカッコいい! ラストシーンの音楽も素晴らしい。 [ビデオ(邦画)] 7点(2008-09-23 22:17:10) |
2438. 私は二歳
当時の一般家庭の雰囲気、家庭的な雰囲気が出ていて、とてもよい。 最後まで飽きずに楽しむことができた。 しかしながら、子供は苦手だし、山本富士子のようなやかましいタイプの女性が苦手なので、観ている時、多少イライラもしたが。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-23 20:17:34) |
2439. 鶴八鶴次郎(1938)
池袋・新文芸坐にて鑑賞。 成瀬巳喜男作品の鑑賞は、自身29作品目。 話としては、なかなか濃密なのだが、どうも楽しめない。 芸道ものが苦手というのもあるし、何といっても、長谷川一夫と山田五十鈴が苦手ってのがある。 だけど、二人の演技はうまい!と認めざるを得ない。 二人はまだ駆け出しの頃だと思うが、それを全く感じさせない職人芸の域に達していた。 二人の演技は、観ていて安心感さえ感じた。 [映画館(邦画)] 6点(2008-09-23 08:14:53) |
2440. 午後の遺言状
これは評価をするのが難しい作品かなぁ。 なんといっても、見所は往年の名女優、杉村春子が主演をはり、しかも遺作であるところ。 そういう凄いキャリアをもった女優さんなんだ、という認識がないと、ただ単にダラダラと老女同士がしゃべくる映画に感じてしまうことだろう。 でも、本作における杉村春子と乙羽信子の会話って、どうも大したことがない。 何だか、本当にその辺のおばあちゃん女優がしゃべっているかのようだ。 ピークを越した往年の名俳優って、歳をとったらこんなもんなのかな・・・と思ったら、杉村春子、なんと本作の時には90近かったのか!と驚いた。 その歳で主役をはること、それ自体が既に凄いし、伝説の女優の姿を21世紀近くに拝めるわけだから、本作の功績と監督である新藤兼人のチャレンジ精神は特筆すべきだ。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2008-09-21 22:54:23) |