2481. 犯人に告ぐ
《ネタバレ》 なかなか手堅い作りで、面白かったと思いますよ。終盤にかけて悪い奴が3人出てきますけど、この犯人は6年前の事件の奴だった、この犯人は実は息子を殺されたお父ちゃんだった、てな感じできれいな裏切りが展開されてて、脚本もなかなか緻密だったと思います。ただ、地味な作品ですし、2時間もののTVドラマだと言われるのも否めない感はあります。特に音楽がまさに「昼ドラ」そのものだったんで、もうちょっと映画としての格調感があればよかったかもしれないですね。それにしても植草という若僧は、なぜあんなにも巻島を悪者にしようとしていたんだろう。本当にあんなのが警察の中にいたら捜査どころじゃないね・・・。 [地上波(邦画)] 6点(2008-11-27 22:06:18)(良:1票) |
2482. フールズ・ゴールド/カリブ海に沈んだ恋の宝石
《ネタバレ》 見終わってすぐに忘れちゃいそうな作品ですけど、見ている最中はまぁまぁそれなりに楽しめましたよ。離婚したお二方の夫婦漫才をメインに、お馬鹿キャラの大富豪の娘さん。おまぬけでどうにも憎めない悪キャラの人たち。始まって瞬時に、この二人はまた結ばれ、お宝もきちんと発見されハッピーエンドになるんだろうという事が見え見えの、まさに教科書通りの王道ストーリーなわけですが、まあとにかく気楽に見れる小ぶりなエンターテイメントムービーです。 [DVD(吹替)] 6点(2008-11-24 23:17:38) |
2483. スピード・レーサー
《ネタバレ》 う~ん、興行的に惨敗だったのもうなずけますねぇ。ファンの方には申し訳ないんですが、私にはこの映画のカーアクションが「凄い」とは全く思えなかった。いやまぁ、映画館で見たらまた多少印象は違ったかもしれませんが、背景とかわざとキッチュでベタ塗り2Dな画にしてるでしょ。それでもう完全に漫画だから、こういう映像を見て「うわ~!すっげぇや!」と思える年頃ではもうなくなってしまったのかもしれませんねぇ。だからマニアにはウケるけど、世間一般的にはどうなのかしら、て思うのよね。とにかく原作アニメへの強い愛情の念はとてもとても伝わってくるんですけどね。ストーリーも全然面白くないし、アジア客を取り込もうとした為か、登場人物も無駄に多すぎる。唯一よかったのは忍者シーンぐらいですかねぇ(笑)。「マトリックス」シリーズで見事にアメリカン・ドリームを手にしたウォシャウスキー兄弟ですけど、それで次の作品は莫大な金をかけて自己満足映画を作って自滅するというパターンがハリウッド映画界にはあまりに多い。これもまた、アメリカン・ドリームの一つの現実かもしれませんな。 [DVD(字幕)] 6点(2008-11-23 20:49:48) |
2484. 西の魔女が死んだ
《ネタバレ》 多少おまけで8点を献上しようと思います。私はこのおばあちゃんの様に、森の中で素敵な庭園を気づいて木の家でひっそりと牧歌的な暮らしをするという生活スタイルに強い憧れを持ってますので、たとえ児童文学が原作であってもすんなりと心地よく見る事が出来ましたね。ああいう風に野いちごでジャムを作ったり、菜園で自給自足をするという、ターシャ・テューダー みたいなおばあちゃん、ああいう素朴な人になりたい。だからたとえ映画的に物足りない展開であっても、配役(特に木村のアニキ)に難があったとしても、おばあちゃんの教えのごとく、いちいち非難することなく、邪念無しに大らかでいたい(笑)。この少女の様に、どうしても学校のスタイルやら世俗の生活やらになじない子というのは、必ず一定の割合でマイノリティに存在するわけで、画一的な社会であれば確実に彼らはその器からこぼれてしまう。しかしその世俗の器よりはるかに大きな「自然」という名の器が、彼らを受け止めてくれる。私は前々からそう思っておりましたので、このお話は私自身の考えにとてもフィットしました。よくぞ作ってくれた、と言いたい。 [DVD(邦画)] 8点(2008-11-23 20:31:37)(良:2票) |
2485. DIVE!! ダイブ
《ネタバレ》 凄く丁寧な作りで、カメラの動きと繋ぎがシームレスで感心しました。冒頭の夕陽をバックにした高飛び込みのシーンから「おっ」と思わせる見事な画作りで、実際の飛び込みのシーンのいろいろなアングルでのショットなど、ハード面では及第点だったと思います。お話の方はよくある青春ムービーものでして、3人がそれぞれ葛藤する背景を抱えながらもそれを乗り越え成長していくという展開。しかしながら、よくあるチームプレイものの青春物語とは違い、高飛び込みは個人競技ですから、物語の筋も「なにかを犠牲にして自分を鍛えていかなきゃならない」大変さみたいなのが描かれていて、その点は一線を画すと共にこの作品の一つの持ち味となっています。教育性の観点から見て親子共々にお薦め出来る一本ですし、イケメンたちの鍛え上げられた肉体美が存分に映し出されていて、女子のファンの方々にも納得の出来となってます。 [DVD(邦画)] 6点(2008-11-23 02:54:22) |
2486. 旅情(1955)
《ネタバレ》 デヴィッド・リーンといえば三大歴史大作ばかり取り上げられて、この作品みたいな芸術性に乏しい小作品はあまり語られることはないですけど、しなしながらシンプルでいて見事に男女の愛を浮かび上がらす本作のスタイルは特筆に値します。ベニスへと一人旅でやってきたジェーンの視点で見通される、その街の美しさ。ジェーンは確かに一人で旅をしていますが、すでにそこにはこの作品を見る観客という名の同行者がいるわけです。見ているこちらも、一緒に旅をしている様な気分になる。独身中年女性の、あのなんともいえないわがままな感じが凄くリアルだし、レナートの方も、いかにもイタリア人らしい性格でこれまたリアリティがある。そういうリアルさがあるからこそ共感が出来るし、共感が出来るからこそラストの列車でのシーンは感動する。これ以上に、こんなにも切なく、それでいて爽やかなゆきずりの愛を描く作品を私は知らない。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-11-23 00:54:29)(良:1票) |
2487. 地下鉄のザジ
《ネタバレ》 主人公の少女は快活で自由奔放な性格でありますが、この作品自体も彼女の性格に負けず劣らずの自由奔放な作りとなっています。その作風たるや真に奇想天外予想外。1秒先の展開も予測不能で、シュールでオシャレでポップでキッチュ。アートでありながら、内容はからっぽという、他に類を見ない作品です。一番好きなシーンは、昔のサイレント映画風に早回しで繰り広げられる「おいかけっこ」のシーン。本当に楽しく愉快で、正直、90分まるまるザジのおっさんのおいかけっこでもよかったと思うくらい、ずっと見ていたいシーンでした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-11-14 17:45:14) |
2488. 崖
《ネタバレ》 パーティの席で窃盗をしてしまい、それがバレて冗談で済ませようとする展開や、娘の目の前で警察に連行されるパパの姿など、「詐欺師の哀れみ」が前面に出ていてなかなかぐっとくるものがあります。そして終盤の歩けない少女との出会い。シンプルでありながら、ツボはちゃんと押さえてる。「詐欺師は家庭を持ってはならない。孤独でなければならない」と主人公のおっちゃんは鉄則を語ってましたけど、彼自身、娘がいたが為に、不自由な身を持つ少女に共感を得ずにはいられなかった。完全にワルになりきれなかった男の話。詐欺師とは、金と引き換えに、人間性を失う職業。彼は金を捨て去る代わりに、もう一度人間性を回復しようとしたものの、時既に遅し。ああ、日本全国の詐欺師たちに一度は見てほしい作品。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-11-14 17:25:20) |
2489. ドラゴンハート
《ネタバレ》 あ~、ドラゴンの声はショーン・コネリーだったんですかぁ。どおりでダンディで風格のある声色だなと思ったんですよ~。いやほんと、ハマり役といいますか、ああいう色っぽい声だからこそ、ドラゴンに人間臭さを付加し、愛着を持つ事が出来るんですよねぇ。ラストなんか、ドラゴンの魂が天に昇って星座が一同に集まり花火の様に散るシーンで、ベタだな~と思いながらもファンタジー映画やらではの魅力と醍醐味を堪能した次第でありました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-10-30 01:12:11) |
2490. 地底探険
《ネタバレ》 ジュール・ベルヌはSFの古典中の古典ですけど、今読んでも全然古さを感じないですよ。私も原作を読みましたけど、そこに描かれている地底の世界が、この作品では見事なまでに映像化されています。このお話が未だに相当な魅力を伴って生き続けている所以は、男子が持っているロマンチシズム的要素をふんだんに盛り込んでるからじゃないでしょうかね。まず地底というものが、男の子だったら絶対一度はロマンを持つ対象でしょう。誰も見た事の無い、誰も言った事の無い世界。そこに足を踏み入れると、そこには一面に広がる大海原。そして馬鹿でかい植物達。巨大なイグアナ、、、、じゃなかった、恐竜に伝説の都アトランティスの遺跡。これら一つ一つが、まさに我々男子のわくわく心をくすぐる重要なファクターとなっているではありませんか。だから男の子がロマンの心を持ち続ける限り、この作品は不滅なわけです。半世紀も前にこれだけのビジュアルを作り上げた製作陣に拍手。そして人間の想像力の素晴らしさに乾杯! [ビデオ(字幕)] 8点(2008-10-26 00:38:36) |
2491. 全身小説家
《ネタバレ》 原さんの映画っていうのは本当に印象が強い、、、。彼の作品はどれも、見てから結構経つのに、いつまでも頭の断片にこびりついている。この「全身小説家」だと例の手術シーンが忘れられない。本人はOKしたんだろうけど、病院の方もよくまぁ許可したもんだなと感心する。井上光晴という作家を私は知りませんでしたが、彼を知らなくてもそれなりに興味深く見れる一本になってます。 [ビデオ(邦画)] 6点(2008-10-26 00:07:39) |
2492. バグ・ミー・テンダー ~恋と友情の物語~
《ネタバレ》 イザベラ・リョン目当てで借りて見たんですが、彼女のチャーミングさに負けないぐらいCGの虫達が可愛らしくてよかったですね。ストーリーはよくあるほのぼの系ラブストーリーで、特に特筆するところはないと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2008-10-25 23:41:29) |
2493. トンデモホラーシリーズ あっ!生命線が切れている!
《ネタバレ》 ふぅ、、、、、どうして僕はこんなものを借りてしまったんだろう、、、。アイドルが二人出てるから、つい出来心だったのかもしれない。今となっては、深く反省している。 [DVD(邦画)] 1点(2008-10-25 22:56:18) |
2494. スコルピオンの恋まじない
《ネタバレ》 かなりの高齢であるはずなのだが、ウッディ氏のキャラ、やることなすことまるで少年の様であります。「抜け毛のひどい」年頃になっても、これだけチャーミングな人というのはなかなかいない。物事のおかしみを見事に言語化するウッディ流のアメリカンジョークも衰えを感じさせない。まぁ作品自体の勢いみたいなものは劣えはしましたけれど、老成してまた別の魅力といいますか、ワイルダー風の格がついたようでいいんじゃないかしら。それにしても、素晴らしい催眠術ですね。私もああいうのを習得して女の子に片っ端からかけてみたいものです。マダガスカル! [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-10-24 20:25:22) |
2495. つぐない
《ネタバレ》 ちょっとブライオニーおばちゃん!あんた自分の小説の中で二人をハッピーエンドにしたからって、罪をつぐなったことにはならへんやろ!と思わず叫んでしまいそうになったが、しかしまぁ、よくよく考えてみりゃ、子供というのは純粋無垢であると同時に残酷な面もありますからな。ここまで大事ではなくても、大半の人が子供時代に誤解やら悪戯やらで、無実の人を貶めちゃった経験というのがあるんじゃないでしょうか。しかもそういう経験というのは、いくつになってもずっと記憶に残ってるものなんですよねぇ。私にもいくつか思い当たるフシが、、、、。いやそれにしても、この作品の映像表現には本当に並々ならぬセンスと気概を感じますな。イギリスのお屋敷における庭園の残酷なまでの美しさ。それはセシーリアとロビーにとってはまさに桃源郷の様でもあり、降り注ぐ木漏れ日は二人を祝福すると同時にそれが長くは続かないのだということを予期しているようでもあります。そしてまたブライオニーにとっては少女の無垢さと残酷さとを表している様。また、ブライオニーが個室の暗闇に浮かぶ妖しいライトの光に向かって歩んでいくと、そこからぼぅっと浮かび上がる二人の行いを目撃するシーンなど、もの凄く如何わしい感じが伝わってきてとてもいいですね。戦争時代になると一転して画面は暗く冷たい色調となり、例の長回しのシーンなんかはロビーの出口の見えない絶望的な心情を表現しているようで、これまたため息もの。そんなわけで、映像表現のよさをいちいち取り上げていたらキリがないよと言うほど、どれもこれも凝った作りになってます。 [DVD(字幕)] 7点(2008-10-20 18:34:52)(良:1票) |
2496. ワン・ツー・スリー/ラブハント作戦
《ネタバレ》 本来、笑いとはその時代を風刺し、人々を治癒する役割を持っている。それはキナ臭いこの世の中において一種の清涼剤の効果を果たす。その笑いの本質から逃げる事無く、徹底して描き切ったことに賛辞を送りたい。これはまぎれも無い、ドタバタ喜劇の最高峰である。見よ!テーブルの上でのダンスシーンを。見よ!ポンコツ車で追いかけるソビエト三人衆の様を。バックにハチャトゥリアンの剣の舞が流れるこれらのシーンは、絶妙なまでの滑稽さを醸し出しているではあるまいか。映像という具材に、音楽というソースが掛け合わされた、最高の珍味の誕生である! [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-10-19 00:43:50)(良:1票) |
2497. アパートメント(2006年/米国映画)
《ネタバレ》 この作品の監督が「モーテル」の脚本家だって言うんで、多少は期待してみたんだけど、こりゃもう全然駄目でしたね。女の子の幽霊にしろ男の幽霊にしろ、見た目が全く幽霊らしくないんですよ。生きてる人間と一緒。例えば女の子が無表情で大きく口を開けて猫の鳴き声を被せるあたり、ジャパニーズホラーの真似をしてるんだと思うけど、だからといって顔が白塗りなわけでもなく、ただ単に普通の女の子なのね。だから全然怖くもないし、とにかく安っぽいという印象だけ。手作り感満載の学芸会ホラーです。それにしても、肉体の無い幽霊のくせに感電はするんだね(苦笑)。 [DVD(字幕)] 4点(2008-10-16 22:59:10) |
2498. 夜を楽しく
《ネタバレ》 心地よい上品さと適度なお下品さが見事に一体となって、「幸福な笑い」を観る者に提供してくれます。この作品の楽天的なスタイル、昔のハリウッド映画にはこういう見ていていい気持ちにされてくれる様な、幸せなノリがありましたよね。100kmも泣き続けるドリス・デイやら、機会仕掛けの悪趣味ベッドやら、誤って産婦人科に駆け込むロック・ハドソンやら、思わずニヤリとさせる展開がまたよろしい。画面二分割&三分割、ベッドに始まりベッドで終わる、など、当時としては先鋭的なセンスの良さも光ります。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-10-15 23:42:31) |
2499. フェリーニのローマ
《ネタバレ》 2000年前の遺跡壁画が外気に触れ瞬時に消えるその様は実に切なく、それでいて皮肉たっぷりの教会ファッションショーは大いに笑える。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-10-11 00:24:44) |
2500. 涙そうそう
《ネタバレ》 私も皆さんと同じ感想でして、にーにーが死んでしまうという展開がどうにも腑に落ちない。これじゃあ「がんばった人がむくわれない」話になっちゃう。その突然の別れにすぐに涙そうそうになるほど私の心は純粋ではない(笑)。そもそも、「にーにーと別れて1年半もの間、毎日にーにーに会いたいと思っていた」とまさみは語っていたが、ならばなぜ会いにいかないのか。いやあるいは電話でもよろしい。二人が会いたくても会えない、というシチュエーション設定がどうにも弱いし成り立ってないでしょ。主題歌にインスパイアされて作ったストーリーだそうなんで、とにあえず名曲「涙そうそう」に5点を献上。 [地上波(邦画)] 5点(2008-10-10 00:39:51) |