2561. アース
《ネタバレ》 確かに、これは「プラネット・アース」の再編集、ダイジェスト版ですね。あのシリーズの良いとこ取りを寄せ集めた様な感じなので、それぞれ印象深くて飽きないんですけど、ただ欲を言えば「プラネット~」にあった南極のペンギンたち及び深海の生物の映像をぜひとも組み込んでほしかったですねぇ。それと温暖化の話で終わらせるのも、なんかもううんざりしてきちゃいますよね。でも動物たちの生の映像は本当に素晴らしいですよ。形容すれば「命のドラマ」ですね。動物たちの表情や仕草とかが生々しくて、観ている人間の私も、種を超えた共感みたいなものを覚えざるをえないですね。命をかけてついにたどり着いた水辺で元気よく泳ぎ回る象たちだとか、闘いに破れ足を引きずりながらセイウチの群れの中で一人死んでいくホッキョクグマとか。あれだけの映像を撮影するスタッフたちは本当に凄い。ダーウィンを生み出したイギリスの力量と底力の様なものを感じます。 [DVD(吹替)] 7点(2008-07-08 17:44:21) |
2562. ゲゲゲの鬼太郎(2007)
大泉洋はこの役をやる為に芸能人になったのではと思うぐらいのハマり役。 [地上波(邦画)] 6点(2008-07-07 12:36:32) |
2563. アナコンダ2
《ネタバレ》 いやいやいや、これ、前作よりも面白いんじゃないですか?まったく期待せずに観たからかもしれませんが、これは実に優良なB級ムービーだと思いますよ。世の中には実に多くのB級映画がありますけど、そのほとんどは自分がB級であることに後ろめたさを感じるのか、なよっとして下を向く人間のような姿勢の作品ばかりです。しかしこの作品のように「オレ~はB級だぞ~!」と、前を向き風を切りかっぽして歩くような作品は見ていて実に清々しい。こういう作品にあれこれ突っ込みを入れるのはナンセンスです。私はゲラゲラ笑いながら楽しく観る事が出来ました。アナコンダVS人間というより、人間VS人間時々アナコンダ、といった感じです。不満と言うと、どの方々もそれぞれ死に方が豪快で素晴らしいんですけど、それに比べると悪役の兄ちゃんの死に様がちょっと物足りないと感じた点。 [地上波(吹替)] 6点(2008-06-30 21:19:05) |
2564. L change the WorLd
《ネタバレ》 な、なんと、夜神月とあれだけの闘いを繰り広げたL君は、また一方でこんな死闘を繰り広げてたんですね!なんと忙しい最期だこと(笑)。このスピンオフ作品、鑑賞した印象としては、開始早々デスノートを燃やしL君がやたらいい人になり飛んだりはねたり走ったり、前2作とは違う笑いの要素及び死ぬ様のブラックジョークっぷりなんかを見る限り、デスノートファンへの一種のおまけ、余興、アンコール後のお遊び、そんな感じに受け取れましたね。アクションシーンがどうにもショボくてあか抜けない感じなのと、シナリオに粗が目立つなどいけ好かない点が多いんですが、それでも一応娯楽作品としてはギリギリ及第点かなぁ。あ、それとナンチャンは完全に笑うとこですよ。 [DVD(邦画)] 6点(2008-06-29 02:22:20)(良:1票) |
2565. アイガー・サンクション
《ネタバレ》 これ、高所恐怖症の方にはお薦めできません・・・。見た感じ、クリント・イーストウッド本人が山登りしてますよね?す、すす、、す、、すごいです!終盤の北壁シーン、今ならCGを簡単に使っちゃいそうですけど、はめ込みとかもなく、全部本物!ぶっちゃけ前半のアクションシーンとか、裏の顔の話とかそんなのどうでもいいです。ベンとの絶壁のぼりのシーンと終盤の北壁のシーンだけに7点つけちゃいます。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-06-27 14:05:25) |
2566. ミュンヘン
《ネタバレ》 カミンスキーと組んでからというもの、必ず露出過多のぼんやりシーンを入れるようになったスピルバーグですけど、この作品ではそれが頂点に達していて、様々な場面が光の宴のような感じになってます。銃弾が顔を貫通して血が吹き出るとか、全裸の女性に矢を吹きかけ息の根を止めるなどリアルな残酷趣味描写も秀逸です。この作品は社会派であってエンターテイメントではないという方もいますけど、まぎれもなくこれは007タイプのエンターテイメント作品です。本作はある意味では、伝えるメッセージというのに乏しいかもしれません。単にありのままの姿を描いた。それをどう見るかは観客次第だ、という作風です。ですから、その点に関してはいろいろと批判もあるんでしょう。ただ、映画一本で答えが出せる様な問題なら、とっくの昔に中東に平和が訪れてるでしょうけどね、、、。 [映画館(字幕)] 7点(2008-06-20 21:15:53) |
2567. 県庁の星
まぁ確かにステレオタイプにすぎる面はあるかもしれませんが、でもただのエンターテイメント作品とは違ってちゃんとメッセージ性があるのが素晴らしい。「俺はこの窓から何を見ていたんだろうな・・」「お前、なんか変わったな」「今度は県庁が変わるばんかもな」そうです。その通りです!今や日本全国全ての自治体がガラガラポンしなきゃいけない時代。こういう作品が出てくるのは喜ばしい。ということでちょっとおまけの7点。 [地上波(邦画)] 7点(2008-06-20 19:32:10) |
2568. 蘇える金狼(1979)
《ネタバレ》 濡れ場シーンもいいし、アクションはどれもそれなりの緊迫感があってよろしい。ストーリーはかなり強引で、特に敵側の判断や動きにご都合主義を否めない。言ってみれば、全ての敵、脇役、女、登場人物が、松田優作の為にあるような、全てが彼に集約されるているような、そんな作品。優作氏の演技というのは、例えば腹を刺されてからフラフラと歩き回ったり、空港でのコケ方も芸人顔負けだったりと、オーバーで非現実的であるが、それ故に印象的で、独特な存在感がある。彼の独自の一匹狼性を鑑みていると、「松田優作はハードボイルドがうまい」というよりも、むしろハードボイルドでしか、彼のよさは発揮されないのではないか、という気がする。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-06-18 19:07:25) |
2569. 時をかける少女(1983)
《ネタバレ》 この作品は今の時代に見ると、別の意味で「時をかける少女」だな、とつくづく思う。ただただ初々しいばかりのアイドル映画なわけだが、こういう清楚で純真なアイドル映画、というのがもはや今の時代には存在しない。「まぁ、とっても素敵な歌だわ」といって一緒に唄ったり、「カズオ君のハンカチ、お醤油の匂いがするわぁ」だなんて言ってハンカチーフを手渡したりするような女の子は少なくとも今の時代には(昔はどうかしらんが)絶滅している。こういう女の子像、そしてこういうのが「アイドル」であったあの頃、そう、まさに時をかけて時間の流れをタイムワープさせる懐古性を今にもたらすのである。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-06-18 18:38:34)(良:1票) |
2570. スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師
《ネタバレ》 どことなくティム・バートンらしくないなと思って観ていたのですが、たぶんそれは音楽がダニー・エルフマンじゃないからでしょうね。個人的には、バートン×エルフマンというのは、宮崎駿×久石譲みたいなもんだと思ってるんで、その片割れがいつもと違うと雰囲気も変わってくる。さて、ティム・バートンという人は、スピルバーグも顔負け、いやそれ以上の残酷趣味をお持ちの方ですけど、今回もまたそれがいかんなく発揮されていて、モノトーンの背景に真っ赤な血が画面めがけてばしゃばしゃ降り掛かってくる嫌らしさはなかなか笑えるものがあります。それに死体を地下に投げ落とすシーンなんか、見るからにその死体がお人形さんなんですけど、ああいうキッチュさがこれまたティム・バートンらしくていい。ただ、彼の作品群の中ではこれは凡作の類に入ると思う。突き抜けたものを感じないし、心揺さぶる様な情感にも乏しいと感じた。バートンファン、デップファンは当然見るだろうが、それ以外の新たな客層をつかみ取れるほどの革新性を前作「~チョコレート工場」同様持ち合わせていない様に思える。 [DVD(字幕)] 6点(2008-06-16 21:59:41) |
2571. 地下鉄(メトロ)に乗って
《ネタバレ》 最初、地下鉄にホームから降りるとそこは昭和30年代にタイムスリップ、という展開なので、地下鉄がタイムマシンにでもなってるのかと思いきや、どういうわけか眠ったらタイムスリップしているというよくわからない展開になり、なんでもありかよ!と思わず突っ込みを入れてしまった。メトロのシーンになるとテクノっぽい音楽が入るのも作品とマッチしてるようには思えん。それと、主役の真次がその当時15歳だったのなら、今はもうかなりの年齢になっているはずで、顔と年齢が合ってないだろ、と思ったんだけど、たぶん原作が1994年刊行のものだからなんでしょう。そんなこんなで違和感ばかりがはなについてとても感動出来る代物ではなかった。 [地上波(邦画)] 4点(2008-06-16 21:07:35) |
2572. インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
《ネタバレ》 先ほど映画館から帰ってきて、家に到着しました。そして今、パソコンの前に座りこのページを開いています。率直に言って、私はとても混乱しています。頭が痛いです。前もって言いますと、私は自称・日本一のインディファンなんです。幼少の頃は毎日、学校から帰ったら真っ先にビデオのインディシリーズ3部作を見返し、それも何百回と繰り返し見て、私の映画好きのDNAは完全にインディアナ・ジョーンズによって形成されているわけです。ですから今回の新作を鑑賞するというのは、私にして見れば自分の存在や人格や感性というものを、自分で確認するようなものなのです。その鑑賞という「儀式」をついに行いにいってきたわけですが、、、どうしましょう。私にはスクリーンに映っている映像が、いまだに本物だと信じられないのです。長い夢を見ているんじゃないか、という半信半疑の気持ちなのです。13体のスカルが一つのグレイになり、スパルコが燃えて灰となる時、私の肉体も同様に燃え尽き、灰となったのです。遺跡が宙に浮き、ぐるぐる周り、アダムスキー型の乗り物が出てきて消えていったラストを見たとき、私は自分の魂が宙に浮き、ぐるぐる周り、混乱の闇へと消えていくのをはっきりと感じとりました。今、私は自分のDNA、遺伝子を組み換えてこの作品を許容することにするのか、それとも過去3作の輝かしい思い出をずっと固めて保守に回るのかで、とても混乱しているのです。「何かを得る為には、何かを失わなければならない」という言葉があります。私は今、前に行くべきか、後ろにとどまるべきかの瀬戸際に立たされているのです。 [映画館(字幕)] 7点(2008-06-15 01:00:48)(笑:5票) (良:6票) |
2573. アサルト13 要塞警察
《ネタバレ》 敵とのドンパチや、どうやって逃げ出すかといったサスペンス性よりも、警察署の中で仲間割れしたり協力し合ったりする人間ドラマが割と面白い。監獄に入っていたワル二人はちゃんと戦って死ぬのかと思いきやまんまと脱出して狙撃されるし、一応恋人のような雰囲気を漂わせていかにも生き残りそうなカウンセラーは銃で殺されてしまう。ジャスパーが実は裏切り者だったというのも意外だった。氷で目を突き刺すのはダイハード2のオマージュかな? [地上波(吹替)] 6点(2008-06-08 21:44:39) |
2574. ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記
《ネタバレ》 このシリーズは割と好きですねぇ。地下深くにある黄金の都市。エル・ドラドみたいで、夢があっていいですよね。最初はリンカーン殺人犯の濡れ衣をはらすという話だったのが、いつのまにか黄金郷探しになっちゃってましたけど、まぁ、細かいことは気にしない!前作は独立宣言書を盗みだすという荒技をやってのけましたが、今回はなんと大統領を誘拐!簡単にホワイトハウスに入れちゃうし、天下のアメリカなのに警備ずさん過ぎだろ、、、んまぁ、細かい事は気にしない!ワクワクドキドキに粗捜しは禁物だね!今回の悪役はエド・ハリス(しばらく見ない間におじいちゃんになっちゃった・・・)なんですけど、結果から先に言うと彼のおかげで皆助かった。あぁ、エドちゃんに感謝!彼は歴史に名を残すことを切に希望していたけど、こういうところはアメリカらしくていい。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-08 18:34:12)(良:1票) |
2575. ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
《ネタバレ》 四部作の最初の一作だということですけど、単に画面がちょっと奇麗になっただけで、テレビのやつとほとんど一緒じゃないですか、、、。焼き増しそのものの作品に高得点をつける気にはちょっとなれないなぁ。次からは内容大幅に変わるんですか?また一緒だったら怒っちゃいますよまったく・・。でもまったく同じというわけでもなく、微妙~に違ってたりするんですよね。それをまたオタが見つけてはああだこうだやるわけでしょ。新たなファンを作りながら今までのファンを満足させる。だから再構築なんでしょう。あ、宇多田ヒカルのエンディングはなかなか作品とあっててよかったですね。 [DVD(邦画)] 5点(2008-06-01 22:04:14) |
2576. モーテル
《ネタバレ》 ゾクゾクする面白さがあって、個人的には楽しめました。冒頭からヒッチコックテイストで始まり、はっとさせられる様なカメラアングルもちらほら。この監督さんの初めてのデビュー作だそうですけど、それにしては秀逸だなと感心致しました。85分という短い全編。テンポよく、アイデア一つで疾走したような作品。暇つぶしに観るのに最適です。ただ、下の方も書いてる様に、あれで旦那が生きているというのはちょっと無理があるような気がする。終わり方にあまりカタルシスを感じないので、結末の展開をもう少し考えてほしかった。 [DVD(字幕)] 7点(2008-06-01 21:31:14) |
2577. みなさん、さようなら(2003)
《ネタバレ》 一見するとほのぼのとした、温かい、親と子のヒューマン・ドラマ。といいたいところなんですが、よくよく考えてみるとこの作品、裏に実は皮肉っぽい意味合いがあるように思える。アメリカに行きたくない。この小部屋がいいという社会主義者の父。でも資本主義の申し子みたいな息子の成金パワーによって結局はきれいな病室に移り、ヘロインを手に入れ痛みを和らげ、教え子が見舞いに訪れ(本人は知らない)、本当は車を買って旅に出たいんだという夢を語り、人類の歴史は殺し合いの連続だと言いながらも自らがヘロイン投与の安楽死を望む。このお父さんの死は明らかに、資本主義や情報が押し寄せ、やがて崩壊へと至る社会主義国そのもののメタファーであることがわかります。なぜわざわざ娘が船上に居て父に会えずビデオメッセージを送るという設定であるのか。それは、社会主義を崩壊させた一番の要因が「情報」であるからでしょう。本作の原題はTHE BARBARIAN INVASIONS(蛮族の侵入)。二つの仮面を持ったなんとも巧妙な作品です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-05-26 00:54:36)(良:2票) |
2578. Z
《ネタバレ》 優れた映画作品には、3つのE、すなわち「3E」が備わっていると言います。その3Eというのは、「Educational(教育的で)」、「Enlightening(啓蒙的で)」、「Entertainment(面白い)」の3つです。その観点から言うと本作は、まさにこの3つの要素が備わった傑作中の傑作であると言えます。演説場での暴動と、議員が暗殺される一連のシーンの緊張感とダイナミズムは本当に素晴らしい!そして真実を追い求める予審判事と事件を収束させようとする国家権力の息をもつかせぬ闘い!国名こそ上げていないものの、当時のギリシャの軍事政権を批判した内容となっており、事実に即した悲惨な結末が待っていても、やはりこの作品には大いなる希望を見いだす事が出来ます。それは、真実はどれほど覆い隠そうとしてもいつか必ず暴かれるものであり、自由はいくら抑圧しようともいつか必ず人々の身に宿るという、この世の真理を雄弁に語っているからです。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2008-05-25 23:55:57) |
2579. 白いカラス
《ネタバレ》 若きコールマンが自分の母親を裏切り、そして家族に裏切られるシーンはとても切ないものがあります・・・。この作品に登場してくるコールマン、フォーニア、レスターは3人とも過去を抱えている。彼らはいずれも完全な善人でも完全な悪人でもなく、被害者でもあり加害者でもあり、裏切り者でもあり裏切られた者でもある。でもそれこそがまさに人間というもの、そのものなんですよね。にもかかわらずその人間自身が、世界のあらゆるものを善と悪に振り分け、白黒をつけようとする。人間を含め現実というのは、白でも黒でもないものなのに。彼らの人生を書き記すその小説のタイトルは「人間の汚れ」だとネイサンは言う。結局のところ、汚れというのは、人間の内的な問題というより、その内的な概念と現実との乖離から生じるものなのではないかと、この映画を鑑賞してふと思った。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-05-25 01:12:37) |
2580. ハッピー フィート
《ネタバレ》 勿論、ペンギンは歌を唄わないし、ダンスもしないし、ペンギン語もペンギン学校も無い。だけど、完全に擬人化というわけでもなく、例えばお父さんが卵を抱え込んで吹雪の中を身を寄せ合って耐えるとか、シャチは補食の前に獲物を投げ飛ばすだとか、アザラシが氷の上では動きがのろくなるだとか、そういう実際の行動を取り込んで作ってるからより一層コミカルで笑えてくる。映像にしても、氷のジェットコースターの様なアクションシーンは自分も一緒に滑っているかの様なリアリズムがあったし、ペンギンの子供たちはとてつもなく可愛らしい。ラストの思い切った展開には、賛否両論あると思う。ノリノリでとっても楽しい作品ではあったが、個人的にアカデミー賞は「カーズ」が獲るべきであったと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2008-05-24 23:58:50) |