241. ブラッド・スローン
《ネタバレ》 監督×脚本×プロット=全く同じ(リック・ローマン・ウォーの投獄ネタ)なので、プリズン・サバイブ(原題: Felon)のブラッシュアップ版だと勝手に想像していましたが、全く違う切り口になっていました。(そりゃそうだろな) あらすじは前作同様、真面目な一般市民が意図せず犯罪加害者となり、重犯罪房へ投獄されてしまうというお話。前作は主人公の命と家族の人生を賭けたリアルな生き残りゲームがどのように行われたのかという部分に重点が置かれていましたが、今作はその辺は割と割愛されていて結構淡々と成り上がっていきます。むしろ仮出所後から何らかのサスペンスへの関与→目的がハッキリするまでが本作のメイン、そしてまさかの怒涛のラストへ。といった脚本になっています。 前作(プリズン・サバイブ)は極限までぜい肉をそぎ落とした脚本と見事なキャスティングで極めて骨太な作品に仕上がっていましたが、本作は趣向を180度変えて、かなり広がりと捻りがある今風で洗練された脚本になっています。 個人的にはプリズン・サバイブの粗削り感と得体の知れない感、骨太な感じが好きでしたので、今作の普通のクライムサスペンス風味&ちょっと小慣れた作風には少々ガッカリしました。まあ悪くはないのですが巷に多数転がっている普通の映画になってしまったような気がします。ゲースロのジェイミーはなかなか貫禄があってよかったので惜しいですね。(息子とのやり取りに関しては同年代の親御さんでしたらグッとくるでしょうね。私=独身なもんで。。 あと、 ジョン・バーンサルはいつになっても”二番手の男”っていう役が似合いますね。) [インターネット(字幕)] 6点(2020-04-05 10:36:49) |
242. フォードvsフェラーリ
《ネタバレ》 同年代のヨーロッパライトウエイトスポーツが好きな人間です。アメリカンマッスルはあまり詳しくありませんが、評判通り素人にも分かり易くて迫力満点の映画でした! シェルビーとマイルズの友情に重きを置いたような流れでしたが、そう考えるとチョット二人の関係が浅すぎるような気がしました。フォード勢がル・マンで優勝するまでに複数年かかっていますが、彼らが長きに渡って苦労を共にしてきた親友には見えないのが残念なところです。(嫁との中途半端なシーン、フォード上層部の冗長なシーンなど脚本の甘さが目立っており、せっかくの映画を中途半端に長くそして散漫にしてしまっているような気がします) そもそもですが、映画一本で複数年の時を表現すること自体が難しいでしょうから、やはりできればもっとメインレース付近に的を絞るとか、あるいはマイルズを引き抜いた直後のGT40開発にフォーカスするとか、もう少しやりようがあったのかもしれません。 映像的には迫力満点なシーンが沢山ありましたが(自宅シアター鑑賞)、「ここで引いてくれ!」というようなシーンでもカメラが引かず、終始個人戦の抜き合いを見せられます。ル・マン24時間耐久レースは長丁場なので、抜き合いというよりは孤独な旅を意識した壮大な映像が見たかったところです。そういった意味では若干残念な気持ちも残りました。 レース終盤のマイルズの心境と映像表現は素晴らしく、マクラーレンとの同時フィニッシュの裏側は素晴らしかった。総合的にはよくまとめられていますが、若干長さも感じてしまったのでもう一度見るか?と聞かれたら少し悩ましい作品です。(車好きなので少し甘めの点数です) [インターネット(字幕)] 7点(2020-04-04 11:25:03) |
243. ザ・メキシカン
《ネタバレ》 約20年ぶりの鑑賞。記憶の中では結構面白かったほうに分類していましたが改めて見てみるとそんなでもなく。。そもそも論になってしまいますが、どうでもいいカップルのどうでもいい話、どうでもいい事件だった訳ですが、序盤のジュリア・ロバーツのヒステリーですでに観客のイライラ度はMAX(コレ狙ってんの?それともハズしてんのか?)。そのまま面白くもない話が15~30分ほど続きますが、面白いのはメキシコの古い拳銃の伝説話が出てから、それとリロイ(だと思ってたウィンストンさん)のゲイの告白がなされて以降は彼が魅力的で結構引き込まれます。(でもやはり、”だからなんなの?”的な顛末ではありますが) アラン・シルベストリの音楽も控えめで変な主張もなく割と落ち着いており、全体的な絵作り、ブラピの雰囲気なども今見てもなかなかオシャレです。しかし、ブラピ、ジュリア・ロバーツ、ジーン・ハックマン等々、超ビッグネームが多数集っている割りに大したことない内容で、見ている側としてはこのカップルがくっつこうが離れようが、、正直どーでもイイ訳で。。 まさにデート映画の典型、流し見に最適な作品だったと思います。(伝説の拳銃を作った鍛冶屋の娘さんは満場一致で可愛いいと思ひました) [地上波(字幕)] 5点(2020-03-26 10:50:53) |
244. プリズン・サバイブ
この映画が日本未公開&ビデオスルー(ビデオスルー=公開もレンタルもされずにひっそりDVD発売のみされること)であるのは驚きです。 過剰にカメラが揺れること以外はおおむね文句のない仕上りで、コンパクトで完成度の高い脚本でした。おそらく画質の粗さとカメラの揺れはドキュメンタリータッチな作風を狙ったものと思われますが、その狙い通り非常にリアルな作品に仕上がっています。キャステングに関しても出演者全員文句のない配役で、副看守長のハロルド・ペリノーなど二面性が凄まじく非常にねちっこく描写されています。対するゴードン役のサム・シェパードはとても温和で柔らかい雰囲気を醸し出していて、緩急のつけ方が絶妙です。ジョン役のヴァル・キルマーの貫禄はすさまじく、AB(アーリアン・ブラザーフッド)の最高幹部と並んでも遜色ない風貌だったのもお見事でした。 感情を表現することに重きを置いたせいなのか(もしくは低予算ゆえなのか)、全体的にキャストのアップ映像が多くて若干情緒に欠ける作りになってしまっています。しかしその分主人公の心情に訴える感覚はすさまじく、徹底的に無駄をそぎ落とした脚本と相まってまさに弱肉強食の世界なんだということがまざまざと映し出されています。アメリカの刑務所は無法地帯、暴力に自信がない、人を見抜く力がない、このような人間は1日でも生き残れない本物の地獄であることが理解できる映画になっています。 しいて文句を書けばラストのカラクリが若干わかり難かった点と、主演二人が長い間一緒にいたという具体的な描写が無いせいで深い友情を育んだようには見えず、ラストの手紙の文面には若干の?マークが付きました。序盤の過剰防衛も割と雑な感じなのでそれらの点が少し残念だったといえます。しかしリアルな脚本&シンプルな構成がお好みな方には強くお勧めできる映画です。凄く良かったと思います! [インターネット(字幕)] 8点(2020-03-24 10:40:22) |
245. インデペンデンス・デイ: リサージェンス
元々25年前の映画(インデペンデンス・デイ)もそんなに良いとは思っていませんでしたが、本作を見て前作のほうが大分マシだったことが判明しました。今回はさすがに酷い、いや・・ そもそもエメリッヒ監督に真面目な作品を期待するほうが間違いというものです。 ご都合主義を通り越してあまりにも稚拙なストーリー展開、バッティングしまくっており共食い状態のキャスティング陣、描き方が浅すぎる人物描写、イミフで軽すぎる言動の数々など、指摘するのも疲れるほどの映画でした。唯一良い所といえば同窓会ができたところくらいで、ほとんどのキャストが20年ぶりに大集結していることを考えると、もしかしたらエメリッヒ監督はとても人望が厚い素晴らしい人物なのかもしれません。 唯一、厨二病向け(小中学生向けの)おバカ映画的視点で見た場合、決して方向性は間違っておらず、そういった意味では3作目に大いに期待が持てるラストだったのではないかと思います。合唱。 [地上波(吹替)] 3点(2020-03-23 11:08:48) |
246. ザ・マミー/呪われた砂漠の王女
予想と大分違っていて色々困惑しました。エジプト系といえばハムナプトラですが、アレもあまり好きではありませんでしたが、それでもコレよりは大分マシだったと思います。 そもそもアレックス・カーツマンという人がイマイチ私には合わないらしい。色々調べてみると彼が脚本を書いた映画はどれもこれも派手なだけで大して中身のない、もっといえば何が言いたいのかすら理解できない作品が多いようです。今作も例に漏れず、彼の作品らしい派手でイミフな映画の典型例だったように感じます。(でもドラマ、フリンジ/FRINGEは大好き) キャスティングが豪華でユニバーサルがこの作品に力を入れていたことが伺えます。しかしラッセル・クロウなんて出オチ感満載で、どのシーンも何がしたいのか全く意味が判りません。そもそもジキルとハイドなんて絡ませる意味があったのかすら疑問です。トム・クルーズに関しては安定の演技でしたが、彼はどの役でも彼(トム・クルーズ)でしかなく、年齢と共に三枚目の役しか出来なくなってきているのがチョット気になりました。(今となってはトムはMIシリーズを延々と回してるほうがイイ) アマネット役のソフィア・ブテラは満場一致で可愛い。出来ればもう少し脱ぎ脱ぎしていただきたかったところです。ジェニー役のアナベル・ウォーリスも頑張っていましたが、若手の割に妙に落ち着いていてイマイチ印象が薄い感じでした。 続編ありきという流れも打算的で非常に残念、色んな意味で退屈な映画でした。女性陣にオマケして4点。(オマケなかったら3点) [地上波(吹替)] 4点(2020-03-21 10:29:20) |
247. ゴースト/ニューヨークの幻
ほとんど30年ぶりになる二度目の鑑賞でしたが、デミが超絶可愛いかったこと、男が不細工だったこと、そしてとても面白かったこと以外はほとんど忘れていました。オールディーズの古典名曲「アンチェインド・メロディ」がこれほどハマっている映画も無いです。カリートの道の「ユー・アー・ソー・ビューティフル」並のハマり具合です。 やっぱり面白かった。ファッションや演出に若干時代を感じましたが脚本もキャスティングも申し分なかったです。ラブストーリーからファンタジー、コメディからミステリー、そしてラブスト―リーへ戻ってきてデミの涙で締めくくる演出は完璧といえる流れです。1セントコインの伏線も泣かせ処としては申し分ない演出でした。 ウーピー・ゴールドバーグ(オダ・メイ)の役どころも素晴らしく、コメディしすぎていないのが絶妙の塩梅で効いています。反面、男性陣(パトリック・スウェイジとトニー・ゴールドウィン)はやはりチョット線が細いというか印象に残りませんでした。 ゴーストの設定に無理がありますがストーリー上、仕方がないかなとは思いました。でも扉をすり抜け、物には触れられないのに階段は普通に上がれて床もすり落ちないのはおかしかったですよね。あと、オダ・メイは詐欺罪で銀行から訴えられないのかがとても気になりました。。 最後に思うことは、、いくら大切な人を守らなくてはいけないからといっても、やはり「死んだらあかんで」ってことです。負けようが逃げようが、生きているほうが絶対イイです。名作ですが時代を感じてしまったので少し点数抑えめ。 [インターネット(字幕)] 7点(2020-03-16 11:23:55) |
248. ゾンビ・リミット
この映画はゾンビウイルスパンデミック終焉後の世界が描かれており、「リターンド」と呼ばれる感染しているがまだ発症せずにウィルスキャリア(コントロールできている人)と、一切ウイルスに感染していない完全なる普通の人が一緒に生活している世界が描かれています。 リターンド(ウィルスのキャリア)を発症させないためには毎日薬を投与しなくてはなりませんが、この薬はゾンビからでないと精製できず、ゾンビが減れば薬も減るという大きなジレンマを抱えているのが面白いです。また、反リターンドと呼ばれる危険思想の人たちと穏健派との衝突もありがちとはいえよく出来ていて、この大きなジレンマと反発が後々様々な事件とドラマを生みます。終盤、カオスに陥った後のまさかのラストにがっくり脱力する作りは心底素晴らしいの一言でした。 アイデアも秀逸ですが全体的にリアルな雰囲気がとても素敵です。ゾンビはほとんど出てきませんがひんやりしていて薄ら恐ろしい雰囲気がそこかしこじゅうに漂っていて、この世界観を上手く形成しています。脚本の流れも分かり易くラストへの繋がりもスムーズです。映画の知名度とは反比例してかなり出来の良い作品だったと思います。サスペンスや人間ドラマが好きでゾンビなどの終末観が受け入れられる人にはかなりお勧めできる映画に仕上がっています! [ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-03-14 18:12:33) |
249. ザ・イースト
ブリット・マーリンさんはアナザープラネットの時に知りましたが、若くて綺麗、脚本と主演までやるなんて凄いと思ったものです。 しかし彼女、才色兼備ですが何だかとても重要な何かが抜け落ちているような印象も受けます。脚本家としても女優としても、実のところ才能なんかなくて、全てにおいて頭の良さだけで押し切っているのかもしれません。(随分と上から目線でごめんなさい) 本作は話のペースと内容のバランスが良く、最初からとても見やすいです。適度に丁寧で適度に端折ってあるストリーテリングは絶妙で、”ある程度の所までは”緻密にストーリーが練られているんだろうなと感じます。 しかしミステリアスで緻密な雰囲気を醸し出す一方で、「さあこれからだ!」という時に映画が終わってしまうという、見ている側を全く無視した驚きの展開を見せるのもこの映画の特徴です。思い起こせばアナプラも似たような流れでしたね。 もしかしたらエンドロールで畳みかけるのが彼女の脚本の流儀で、観客の皆も自分と同じくらい脚本の本質を理解してくれていると勘違いしているのかもしれません。序盤から結構面白かっただけに、、なんだか非常に惜しい作品です。 [インターネット(字幕)] 5点(2020-03-14 12:41:07) |
250. パーティで女の子に話しかけるには
昨日「ムーンライト」を鑑賞してからの「パー話(ぱーはな)」の、凄まじいまでの温度差たるや!この映画が伝えたいことはなんなのか?多分愛だと思いますが、正直なところ全くイミフでした。でもなんだか凄く良かった明るくてとても楽しい映画だった。 異邦人のパーティは完全にイミフですがカラフルでとても素敵。エル・ファニングは何やっても最高に可愛い(朝の秘密基地での一件が最高だった)。そこへまさかのニコール・キッドマンが現れて化学反応を引き起こしてくれる。パンクライブからはパーフェクトカオスですが、それでもきちんと落としどころをわきまえていてラスト15分の描き方がとても素晴らしいです。この監督さん、よく判ってらっしゃる。更にしつこくエピローグ、こちらも本当に素晴らしい余韻が残りました。 鉄腕麗人さんもおっしゃっていますが、まだ人生を模索している10代~20代“ボーイ・ミーツ・ガール”が見たら、たぶんビビビとくる映画だと思います。おっさんが見ても「なんかイイかも?」で終わってしまうでしょうね。カルト作品としてハマる人はドハマりだと思います!ちょっとオマケして7点で! [インターネット(字幕)] 7点(2020-03-13 10:48:16) |
251. ムーンライト
《ネタバレ》 当時はそれなりに話題になりましたが触手が反応せず、今になってやっと鑑賞しました。やはり自分の勘って意外と当てになるものですね。 まず事実として、イイ映画だったとは思います。でもちょっと地味で退屈な脚本で、流れ自体もスローで安易に読める展開が待っています。この映画が作品賞・脚色賞を取ったなんてにわかにには信じられませんし、マハーシャラ・アリも魅力的な男を演じていますが、だからといってこれで助演男優賞はちょっと疑問でした。(ディカプリオ氏とかどんだけ苦労してるんだよって思いますし、明らかに忖度が働いていませんかねコレ) 100歩譲っても親がヤク中だった人の気持ちは理解できないし、知り合いに売人も居ない、自分にゲイの気も無い、有色人種として差別を受けたこともない、恋愛も人並みだった私にはなかなか理解が難しい映画でした。ただただ「可哀そうな子、耐えろ、ガンガレ!」という感情は芽生えました。シャロンの成長物語として見ても、何となくズレちゃってるような気がしたのは私だけでしょうか?個人的には椅子でぶっ叩く判断をする前に告訴する判断をして欲しかったです。(ケヴィンのほうは割と正しく成長してるように見えます) エンタメ的には椅子で殴り倒してから金歯を装着するまでを詳しく描いて頂きたかったところですが、まあそういう映画ではないですね(汗) あそうそう、今回と同じ感想を20年くらい前の「トラフィック」という映画でも味わったような気がします。(アメリカ限定で評価される映画でしょうね) [インターネット(字幕)] 4点(2020-03-12 11:41:06) |
252. 猿の惑星:新世紀(ライジング)
文明が崩壊する部分が見たかったのにバッサリ端折られていました。序盤から確立された世界観で、なんだか巷にある数多のCG映画のようで退屈してしまいました。 おそらく内容的には人間の愚かさと獣の怖さ、そして人間の愛情を知るシーザーと虐待され続けたコバの対立、更にいうと人間の頭脳と猿の頭脳(実は猿のほうが頭が良かったり)などなど盛りだくさんで、結構深い内容のハズですが、CGが出来過ぎているせいか流れが悪いせいか、大切な哲学的側面がほとんど頭に入ってきませんでした。ラストの猿同士の対決も巷にあふれるCG映画よろしく、かなりライトな感じで普通です。 三部作のラストが控えていますが、ちょっとお金払ってまで見るべきか悩んでいます。個人的にはもっと哲学的側面を強調してほしかったですね。。 [インターネット(吹替)] 4点(2020-03-05 12:45:39) |
253. 猿の惑星:創世記(ジェネシス)
キッカケになる部分を丁寧に描いてある点は高評価でした。またCGIの発達でまるで違和感がない描写も凄いです。でもなんだか他の普通のアクション映画(見たら忘れる系)の一派であったのもまた事実です。 シーザーママが暴れるくだり、女性との出会い、オヤジさんを助けるくだりなんかはご都合主義感出ちゃっています(その割に不要なシーンだったりもします)。中盤シーザーが地位を確立してゆく流れは素晴らしいのですが、その後人間と戦う部分は結構安っぽい感じになっちゃってて残念感が漂います。そもそも論ですが、主人公が一番の悪(キッカケ)ですが、何となく看守や警察などにすり替えられていて、人類=悪という構図はいただけません。この映画はあくまで主人公のワガママや倫理観の欠如から起きた事件であることを強調すべきでした。 個人的にはリメイク=あくまでオリジナル脚本をそのまま最新映像で蘇られていただきたかったなという気持ちが強いです。 [インターネット(吹替)] 5点(2020-03-05 12:36:11) |
254. 22年目の告白 -私が殺人犯です-
これが日本オリジナルの脚本でしたら素直に凄いと思いますが、原作韓国と聞いてなんかガッカリしました。内容に関しては途中までかなり楽しめる流れですが、TV出演で真犯人が判ってしまう作りはなんか安易で残念でした。ただ、曽根崎配役を藤原氏にしたのは正解だと思います。仙堂役で藤原氏が出てきたら一発で出オチしてしまいますので(笑) 前半の流れに免じてこの点数ですが、オチまで含めると評価は半減しそう。邦画にしてはまあまあ楽しめました。 [インターネット(邦画)] 6点(2020-03-05 12:34:35) |
255. サンシャイン 2057
一般的には好き嫌いが判れそうな展開です。残念なことにダニーボイル&アレックスガーランドら特有の”驚く展開にしたい”という妙な癖が多数の観客の反感を買ってしまったような気がします。 皆さんご指摘の通り後半部分があまりにも突飛ですが、そもそもこの映画は序盤からピンバッカー(マーク・ストロング)的思考で話が進んでおり、実はほとんどのクルーが太陽に魅せられています。ある者は破滅し、ある者は命を投げ出し、そしてある者は使命を達成する、そんな映画です。ピンバッカーがああなった経緯が端折られているので、そういった意味では非常に不親切といえますが、序盤からサール(クリフ・カーティス)やカネダ船長(真田広之)など太陽と関わるシーンが多く、ピンバッカーがどうなっていったのかはおのずと理解できる作りにはなっています。 仮にピンバッカーが出ていない脚本を想像してみましたが、それはそれでやたらと退屈で地味な映画が出来上がりそうな気もします。結局のところ、ダニーボイル&アレックスガーランドの選択は間違っていなかったということでしょうが、ピンバッカーの扱いがもう少しソフトでしたら万人受けしただろうにと、その点は本当に惜しいと思いました。 ラストも綺麗にまとまっていてなかなか完成度の高いハードSFといえます。若干の説明不足感や各シーンのぶつ切り感はありますが、冗長になりがちな説明シーンを省いてくれたおかげでスピード感と緊張感を保った素晴らしい編集になっています。宇宙が大好き、SFにもロマンを求める、哲学的な映画が好き、ハードSFが好きという方には強くお勧めできる映画です。ノーラン監督のインターステラーとは対極にあるようなハードSFの名作といって良いでしょう、個人的には最高のSF映画でした!! [インターネット(字幕)] 9点(2020-02-27 12:55:01) |
256. ロスト・マネー 偽りの報酬
やたら豪華な出演陣の割にいまいちパッとしない脚本、ただし無関係だった嫁たちが結託して強盗を行うという発想自体は悪くありません、むしろ発想が良かっただけに超豪華な俳優陣がほとんど生かせていないのは残念過ぎました。ミッシェル・ロドリゲス、ルーカス・ハース、ジョン・バーンサルなんかほとんど死んでる状態、コリン・ファレル&ロバート・デュバルもいい演技をしていますがイマイチ勿体無い扱いです。結局最終的にはデビッキの裸体とヴィオラ・デイヴィスの唇ばかりが印象に残る残念な映画でした。(個人的には後の運転手として入ってきたシンシア・エリヴォが印象的で良かったです) 音楽はオシャレでジャジー、映像も綺麗なだけに勿体無い作品です。日本語のタイトルも悪いですね、この内容でしたら普通に「WIDOWS」にすべきだったと思います。リーアム・ニーソンを前面に押し出した割りにラストもいまいち描き切れていないように感じました。色んな意味で残念過ぎる映画。 [インターネット(字幕)] 3点(2020-02-27 12:52:08) |
257. ドーン・オブ・ザ・デッド
評判良かったので期待値上がり過ぎたせいか、意外と普通でした。全体的に悪くはないのですが、なんだか空気感が違うというか、、まあ普通のアクション映画らしいライトな感じになってしまっていると思います。なんだかんだいってもウォーキングデッドは凄いですよねやはり。 既視感アリアリで「もしかしたら以前見たかも?」そんな印象すら受ける流れでしたが、オリジナルと混同してしまっているのかよく思い出せません。(犬を使ってモノを運ぶのって他の映画にもありましたっけ?) ハードロック系の音楽の使い方が嫌。全体的に何となく軽い感じで、さほど怖さも感じませんでした。個人的にはロメロゾンビのベストは「死霊のえじき」、ロメロ以外では「28週後」の世界観(雰囲気・空気感)かなって結論がでました。CJいいやつ。 [インターネット(字幕)] 5点(2020-02-25 11:11:21) |
258. わたしを離さないで
《ネタバレ》 話としてはSFの側面が強いはずですが雰囲気重視のせいか、どうも”暗い青春恋愛映画”の様相を呈してしまっています。そもそもプロローグでクローン技術の普及発達まできちんと言及されていないがため、ヘイルシャムのパートもあまり可哀そうに見えず、ルーシー先生の告白の衝撃も微妙、コテージで自分のオリジナルにまで話が及んでもあまり衝撃的に感じられないのは残念でした。 詩的な文学作品は大好きですが、雰囲気を重視しすぎたせいで「クローンにも人間の尊厳があるのか」というとてつもなく重大な問題がスルーされてしまっているように感じました。(そこを描きたかったんじゃないのか?って話ですよ) 他の方も書かれていますが主人公達が自分の運命を受け入れてしまっていること自体にも無理があり、「悲しい」を共有できないばかりか、厳しく書くなら「バカなの?死ぬの?」という状態にまで陥ってしまっています。ヘイルシャムの描写からクローンにも”心”があるのは一目瞭然ですが、そこもサラッとスルーされており、あくまで彼らはクローン羊と同じ、物と同じなんだという扱いになっている点にも激しく違和感を感じました。(実際問題、あれだけ素直で素晴らしい若者達と接している看護士の描写もあるが、なんとも思わずにサクッとメスを入れられるものかね?) 映像の美しさは当然ですが「提供」「三回目」「終了」などの言葉の雰囲気も非常に素晴らしく、彼らの絶望感や未来がやってこない感じがよく表現されています。好きなジャンルなので期待していただけに残念な作品でした。余韻があるので点数は少しオマケで。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-02-22 11:39:59) |
259. アス
元々、ゲット・アウトも世の評価ほど良いとは思えず、今作もさほど期待せずに鑑賞しました。やはり根本的に地下道やドッペルゲンガー、政府の方策への言及が弱く、だから何なの?的な流れになってしまっています。(ドッペルたちが13日の金曜日のジェイソン並に強くてイミフですが、そもそも彼らに言及したらダメな映画なのかもしれません) ただ、オープニング1986年のアデレードのパートは非常に素晴らしく、ラストの伏線としてはとてもよく効いています。子役の演技も素晴らしく、オープニングの音楽も良かったです。しかし反面、終盤に出てくる「ハンズ・アクロス・アメリカ」のパロディは大して面白いとも思えず、結局何も解決していない点がモヤモヤします。 オープニング&オチのつけ方は最高、ドッペルゲンガーに初めて遭遇した時の家族全員の顔芸も最高。これらに免じてこの点数で。 [インターネット(字幕)] 5点(2020-02-22 11:29:20) |
260. ターミネーター:ニュー・フェイト
《ネタバレ》 序盤から焼き増し感・既視感アリアリですが、それを感じさせないスピード感で前半の40分はあっという間でした。しかしやはり「ああ、ターミネーターってパート1と2で見せたいものを全て出しきってるんだなぁ」と再確認させられるのも事実で、個人的にはドラマ版「サラ・コナー・クロニクルズ」までで物語は綺麗に完結しているんだと痛感します。(クロニクルズのパイロット版のほうがずっとワクワクさせられたし) リンダ・ハミルトンにもっと意味を持たせてくれるものと思っていましたが、「未来を変えた。礼はイイ」で彼女の役割は終わってしまいます。30年の歴史を感じさせる風貌の割には彼女はただの補佐役に成り下がっており、これなら思い切ってオープニングの衝撃&出オチで息子共々T-800にやられてしまったほうがずっと良かったのでは?とすら感じてしまいました。 とにかく蛇足感・繰り返し感が強く、ジョンを死亡させてダニーを出す意味も分からないし、サイバーダインを終わらせてリージョンを出す意味もよく判りませんでした。(てか、意味ないじゃん) 更には中盤、リンダとT-800に妙な会話をさせて古参二人の存在に意味を持たせようとしてしまったがため、なんだかよくわからないイミフな映画に成り下がってしまっています。 マッケンジー・デイビスがサマー・グロー並に存在感を発揮していて非常に良かったです。ボーイッシュなのに女の子としてもとても魅力的で、プライベートでギャップがある描写でもあれば最強の萌キャラになったでしょう。彼女の魅力に若干甘めの点数です。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-02-14 11:32:25) |