2621. ディスタービア
《ネタバレ》 どういう風な転結で来るのかしらと思って観てたら、なんとそのまんまあのおっさんが殺人鬼だったわけですね。こういうストレートなのも逆に最近は珍しいかも(笑)。冒頭の事故シーンはとてもリアリティがあってよく出来てます。それでいて子供のシーンとか友達のコミカルなやりとりなんかで時折笑いを入れて、緩急の付け方がうまく、緊張感と笑いが見事にミックスされてる。さらに特筆すべきは、主人公の家の中のシーンは全てセットなんだとか。主役たちは実際には照明の光に向かって盗撮の演技をし、外でのシーンと、室内のシーンとは全く別々の場所で撮られてるわけですが、これがまた違和感無く、見事に一体化してる。ムービーマジックというやつです。全体としては意外性もなくボリュームにも欠けるが、良作といっていいでしょう。 [DVD(字幕)] 6点(2008-05-02 12:39:22) |
2622. タッチ(2005)
青春映画って、どうしてこうも出てくる人がみんな「いい人」ばかりなんでしょうね。「おいお前!今頃顔出してきやがって!遅いんだよ!」なんて言ったと思ったらすぐににこっと笑って「みんな、待ってたんだぜ」みたいなさ、昔の木の実ナナがやってたみたいな演出、辞めてくださいよ。気持ち悪くてしゃあない(苦笑)。 [地上波(邦画)] 5点(2008-05-01 01:05:36) |
2623. 殯の森
《ネタバレ》 確かに、この作品に対して意味不明だとか説明不足だとかいう論評が多いのは頷けます。しかし、この監督さんがやりたいこと、描こうとしていることは、実際にはすごくシンプルでわかりやすいテーマです。それは端的に言うと「横軸の概念」というやつです。昔の人はみんな、横に生きていた。生活は「横軸のスタイル」で、人間関係は「横軸の関係」で、生きる為の知恵や思想はみな「横軸の考え」というものを持ってた。だけど現代人というのは、みんな「縦軸の概念」なわけです。みんな縦で生きてるから、横で生きてた頃の大切なものを忘れかけている。それを思い出させるきっかけは自然や森であり、自然や森というのは人間にとって必然的に殯の要素が備わっている。平たく言うとこんな感じです。だけどこの作品で描こうとしているそれは思念的で「目には見えない」ものですから、それを映像で見せようとするのはなかなか難しい。この作品がどれほどその「目には見えないもの」の可視化に成功しているか。その部分においては、もっともっとやれるところがあるんじゃないか、という、全体としての物足りなさ、不足さを感じずにはいられない。だから、着眼点はいいし、こういう、画で語ろうとする試みは応援したいのだけれど、まだ力量不足な感は否めないのが正直な感想です。 [DVD(邦画)] 6点(2008-05-01 00:46:07) |
2624. アーサーとミニモイの不思議な国
なんというか、一体全体どこがベッソン作品なんだ、といいたくなってきますが、こともあろうに彼自身の原作。なぜまたあんなおっさんがこんな小説を書くのかよくわかりませんが、ごく純粋に子供が喜ぶ映画を作りたかった、とうことなんでしょうか。それならいくら必然性がなかろうが、まぁ別にいいんですけど、それにしても全体的に、特にアクションシーンの画面切り替わりが早すぎで、テンポがいいを通り越してただ単に観辛いだけです。全体を通してよかった点は、、、そうだな、「サタデー・ナイト・フィーバー」のシーンとエンドクレジットぐらいかな。 [DVD(字幕)] 6点(2008-04-30 22:52:04) |
2625. ステルス
《ネタバレ》 いやぁ、さすがはアメリカのステルス。知識をなんでも吸収する人工知能が、最後には自己犠牲の精神まで学びとるとは(笑)。戦闘機での戦闘シーンは、とてもスピード感があってかっこいいです。あれだけの困難の状況下にあっても、きちんと彼女を見つけ出し救出する。いやはや。現実もあんなにラクチンだったらいいのにね。 [地上波(吹替)] 6点(2008-04-27 01:59:36) |
2626. キー・ラーゴ
《ネタバレ》 序盤から中盤にかけてはあんまりパッとしないんですけど、嵐が近づくにつれてストーリーも段々と勢いづいていき、終盤は目が離せない展開となっていきます。ラスト、船という逃げ場のない状況下で多勢に無勢の中、どうやって切り抜けるのかと思ってみていましたが、なるほど、考えたものです。あの船での決闘シーンの為に全てがあるといってもいい。見終わった後は、カタルシスというよりは安堵感が気持ちを満たしてくれます。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-04-27 01:46:13) |
2627. Mr.&Mrs. スミス
《ネタバレ》 全く期待せずに観てたんですけど、これがどっこい、予想外に面白かったです。映像が凄くスタイリッシュで、こだわりを感じます。この映画がきっかけになったのかどうか知りませんが、これでこの二人は実際に交際することになる。そこまで見越したかのように絶妙な役柄なので、この役はこの二人じゃないと務まらないでしょうね。まさにハマり役ですよ。殺し屋同士、知らずの結婚。ありそでなかったこの設定。馬鹿馬鹿しさを存分に楽しみましょう。 [地上波(吹替)] 7点(2008-04-20 22:52:03) |
2628. ニュールンベルグ裁判
《ネタバレ》 なんと、上映時間は3時間だったんですね。見終わって2時間くらいの映画に思えたのに、これはびっくり。全く長さを感じませんでしたね。そう、この作品は文句無しに面白い。事実という混沌とした世界の中で、ある一面一面をチョイスして並べ立てていき、いいかわるいか札をつける。裁判とはそういうものです。絶対的不利な状況下でロルヌ弁護士のあの見事なまでの弁論!終盤、ヤニングは立ち上がり自ら罪人であると認める訳だが、もし彼が立ち上がらなかったら果たして裁判の行方はどうなっていたか、と考えざるをえない。果たして人間にとって普遍的な正義などあるのだろうか、真に公平な立場などあるのだろうか、罪の在処を明確に分け隔て出来るのか、この法廷劇で繰り広げられる様を見てると、人間とはつくづく根本誤謬な生き物であり、だからこそ完全なもの、正当なるものを追い求めるのだなぁという気がします。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-04-20 01:14:11) |
2629. EX MACHINA/エクスマキナ(2007)
前作はストーリーが舞台の説明や設定からの展開であまりよさがなかった要に思いますけど、今回は純粋にストーリーテリングしていてよかったと思います。細野氏監修の音楽ということで、全体的に割とマイルドな印象。テーマ曲がほとんどテーマ曲の扱いになってない(笑)。日本ならではの緻密な映像もよし。鳩を出してくるのはジョン・ウーだから? [DVD(邦画)] 6点(2008-04-20 00:21:25) |
2630. 呪怨 パンデミック
ある意味で清水崇の集大成といっていいかもしれません。彼が作り上げたメインキャラの白塗り少年&長髪伽椰子が神出鬼没で現れる。毎度のパターンながらストーリーもついに完成の域に達した感あり。おそらくはもう同じパターンは踏めないはず。だから集大成ね。一つ不満なのは「呪われた家」の外観があまりに嘘くさく、リアリティに欠ける点。清水さん、次回からは新キャラをお願いしますね。 [DVD(字幕)] 6点(2008-04-19 22:06:37) |
2631. 妖怪大戦争(2005)
《ネタバレ》 いやぁ、実にくだらない(笑)。完全に子供向けなので、大人の皆さんは童心に返って観てください。いつの時代にもこういうくだらないおバカ映画は必要なのです。見てくださいよこの神木君の素晴らしい演技。彼の「驚く」演技には魂が入ってるじゃありませんか。加藤保憲を倒す最終兵器が小豆だってのがまたいい。え?妖怪たちが戦ってない?皆さん平和主義者でよろしい(笑)。 [地上波(邦画)] 6点(2008-04-14 22:03:02) |
2632. ベオウルフ/呪われし勇者
《ネタバレ》 なぜわざわざフルCGでやる必要があるのか?実写でやればいいんじゃ?などという文言は今のロバート・ゼメキスには通用致しません。彼はCGアニメーションに完全にハマってしまったらしく、その方面の先生までしているそうな。前の「ポーラー・エクスプレス」と比べると、そりゃもう格段に進歩していますよ。わざわざ炎さらめく点滅画面で人々を戦わせたり、わざわざベオウルフを全裸にして剣やら影やらでイチモツを隠すなどして、つまりはわざとチャレンジングなことをやって見せてる。監督の意気込みは伝わってきますけど、それにつきあってCGを作る製作陣はそりゃもう大変でしょう。コミカルな動きと台詞の数々。最後まで飽きる事無く鑑賞する事が出来た、見事な力作そして娯楽作。 [DVD(字幕)] 7点(2008-04-14 16:50:53) |
2633. パンズ・ラビリンス
ギリアムの「ローズ・イン・タイドランド」もそうですけど、やっぱりこういうのが本当のファンタジーといえるのかもしれません。空想というのは、特に子供にとってはそうですけど、現実の反転、反映、逃避なわけでありますね。彼女の空想を作り出す要因、それは戦争下の現状と、そしてあのお父さん。まるでファシストの代名詞みたいなキャラで、ちょっとやりすぎかしらと思うくらいエグいシーンもありますから、これはまさに大人の為のファンタジー作品といっていいでしょう。私がこの作品で共感を覚えたのは、空想というものが現実を土台にして飛び回る自由で躍動的な存在などというのではなく、あくまで現実という不変不動の巨きなるものを前にした非力でか弱い代物でしかないというその描き方にあります。それは多くの「空想好きな子供たち」が体現するどうしようもない切なさ、やるせなさであり、それを思い知ることで人は大人になっていく。その子供特有の感覚をこの作品は構成として再現して見せており、あまたの数あるファンタジー映画の中でも一線を引く点だと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2008-04-14 16:31:27)(良:3票) |
2634. テイキング・ライブス
《ネタバレ》 割と面白かったと思いますよ。アンジェリーナもああいう強い女役は勿論いいんだけど、イーサンのイカレた男役もなかなかいい。ああいう役をやらせると独特の味が出てて、まさに彼にとっては本領発揮といったところでしょうか。無論、彼が犯人であるというのは途中でわかっちゃいますけど、この作品の場合はサスペンスとしての良さより、役者の持ち味と展開の唐突さを楽しんでみる方がいい。ラストの展開、妊婦のフリをしてひたすら待ち続けていたという、彼女の執念が伝わってくる様でなかなかよい。 [地上波(吹替)] 6点(2008-04-09 00:01:40) |
2635. ラッシュアワー3
《ネタバレ》 ストーリーなんてほとんどあってないようなもんで、特に不満なのはジャッキーと真田の「義理の兄弟」関係について。ジャッキーが台詞でほんのちょっと語っただけで、あれでは話全体に膨らみがないでしょう。もっと二人の仲を掘り下げれば、ラストの「手を離せのやり取りがぐんと生きてくるというもの。まぁ、いずれにしろ、見所はその二人の真剣での戦いと、後は巨人に振り回されるジャッキー&タッカーのシーンぐらいか。 [DVD(字幕)] 5点(2008-04-08 23:31:51)(良:1票) |
2636. ソウ4
《ネタバレ》 ふむ、ジグソウおじさんも元々は普通の人だったんですね。最初から悪人などという人はいないのだなぁ・・・。いやそれにしても、僕も3を観たのはだいぶ前だったんで、ほとんど覚えてないですよ。でも完全に引き続きのお話ですから、シリーズ通してみる方がわかりやすいと思います。明らかになった謎と、また新たに出てきた謎。新殺人者とジグソウさんとの関係がさっぱりわからんのですけど、それは次の5に持ち越しということか。 [DVD(字幕)] 6点(2008-03-23 21:56:12)(良:1票) |
2637. インファナル・アフェア 終極無間
《ネタバレ》 なかなかよかったですねぇ。現実と空想のシーンがシームレスに展開するでしょう。その表現の仕方がとてもうまい。あそこまでやっても結局死ぬことも出来ない、善人になりたいのになれない。生き地獄。たぶんこのシリーズは「ゴッド・ファーザー」を意識してるんだろうけど、ただ単に入れ物を真似てるんじゃなくて、ちゃんと「東洋の精神」を表現してるのがいいですよ。そこいらのマフィァ映画と違って格が出来上がってる。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-03-17 00:16:30) |
2638. インファナル・アフェア 無間序曲
2作品目というよりは、スピン・オフといった感じですね。アンディ・ラウとトニー・レオンは出てきませんが、若い頃を演じてるお二人はなかなかよいです。善も悪も無い混沌の世界で血みどろの寸劇が行われる。1ほどの重量感と面白さはないものの、一本の作品としては悪くない佳作。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-03-17 00:10:34) |
2639. インファナル・アフェア
《ネタバレ》 いいですね。無駄な台詞が一つもなく、全ての出来事が印象的で、骨太で重みがある一本。警察とマフィアがお互いにイヌを差し込んで、バレるかバレないか、双方嗅ぎ合いの寸劇を繰り広げる。この設定がまず素晴らしい。僕はディパーテッドの方を先に観たんですけど、ラストを除いてほとんど一緒でしたね。あらゆるシーケンスもファクターも同じ、だけど細かいところで表現の仕方が違っていて、両方を見比べて監督の表現方法の違いを垣間みるというのもまた面白いものです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2008-03-17 00:02:13) |
2640. デンジャラス・ビューティー2
単にドタバタコメディやってるだけで、もうほとんど続編である必要性がないですよね。ギャグもクスっと笑える程度で、何も残るものはなし、、、。お股おっぴろげて男を締め上げるシーンに5点。 [地上波(吹替)] 5点(2008-03-16 23:53:41) |