2641. ヒア アフター
死というものは常に身近に存在しているものであること、そしてそれは、決しておどろおどろしかったり禍々しかったりするものではなく、むしろ距離感をとりつつ受け入れられるものでもあること。それをきっぱりと静謐な空気の下で映像化したこの作品は快挙である。 [映画館(字幕)] 7点(2011-03-06 23:06:45) |
2642. 聖者の眠る街
《ネタバレ》 どうしても「黄昏に燃えて」と比較してしまうのですが・・・あちらに比べると、ホームレスの日常生活における恐怖感や孤独感の掘り下げが弱く、描写の生々しさに欠けます。途中で奇跡云々の方に話が行ったときは、そのまま一気にファンタジー路線でまとめるのかと思ったのですが、それも中途半端でした。ただし、マット・ディロンの繊細な演技には見るべきものがあり、彼を役者として奥深く味わえたのは、もしかして初めてかも。 [DVD(字幕)] 6点(2011-03-03 04:12:53) |
2643. 翼に賭ける命
《ネタバレ》 あまりにも設定も進行も都合良すぎというか、それぞれが行動に至るまでの描写がものすごく適当です。結局、最後のこの結論がありきだったのでは? [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-02-27 23:18:32) |
2644. 英国王のスピーチ
《ネタバレ》 スピーチというのは、書いてある原稿を読めばよいというものではない。そこで言うことを自分が心底確信していなければならないし、またそれを全力をもって目の前の人に伝えようとする意志がなければならない。その一事を踏まえている時点で、すでにこの作品は成功しているし、だからこそ主人公や周辺人物の背景描写が生きてきている。ジェフリー・ラッシュやヘレナ・ボナム=カーターの好演はいうまでもない(2人のお嬢様がヘレナにそっくりなのもびっくり)。カメラワークにあまり工夫がないのが残念。 [映画館(字幕)] 7点(2011-02-27 22:03:02)(良:1票) |
2645. 野のユリ
《ネタバレ》 余計な脇の筋に浮気せずに「教会を建てることだけ」に徹しているのが良いし、ラストで主人公が挨拶も何もなくさりげなく消えていくのも良い。本当にあの主人公は神の使いだったのではないか?なんてことまで考えてしまいます。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-27 21:39:55) |
2646. 屋根の上のバイオリン弾き
《ネタバレ》 歌やダンスのシーンはものすごい迫力なんですが・・・それ以外のところが何もないというか、娘が男とくっつきそうでどうしようというのを延々3時間見せられるだけというだけなので、長く感じました。ただ、それを保たせた主演男優の存在感は強力だったと思います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-27 13:14:26) |
2647. 幸せの始まりは
無駄に豪華なスタッフの布陣が逆の意味で気になっていたのだが、危惧どおりというか、個々の持ち味が全然生かされていません。登場人物はみんなでああだこうだと悩み続けているのですが、その思索の中にもさして目新しい点がなく、悩みのための悩みになってしまっています。大体、こんなうじうじした役にリースってのが、そもそも合ってないでしょ。 [映画館(字幕)] 4点(2011-02-25 00:32:41) |
2648. 悲しみは空の彼方に
《ネタバレ》 筋書はなかなか魅力的なのですが、出発点のところが設定ありきというか、何でこの登場人物が出揃うのかという描出がなされていないため、説得力に欠ける。途中で年月は大分経過しているはずですが、それによる空気の変化も感じなかったしな・・・。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-02-22 03:02:15) |
2649. 君とボクの虹色の世界
《ネタバレ》 ただ何となく登場人物があらかじめ定められた脚本通りに動き、カメラはただそれを後から追いかけている。このような作品にドラマとしての魅力は感じません。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-02-22 02:32:03) |
2650. 愛する時と死する時
導入部の戦闘の場面からして今ひとつ迫力に欠ける描写なのですが、ラブロマンスの部分も、ただ登場人物がレールの上を進んでいるだけで、面白みがありません。つまり、キャラクターが「生きてない」のですね。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-02-21 22:55:56) |
2651. ウィスキー
地味に淡々と進むかと思いきや、その中にいろんなことが盛り込まれているから油断ならない。普通ならこの先で本腰入れて盛り上げるだろう、というところで説明をシャットアウトしてあとは想像に委ねる。ちょっとした描写でさりげなく登場人物の思考の背景を表す。私は、「逆さ言葉遊び」のこの話における位置づけに思い至ってぞくっとしました。 [DVD(字幕)] 7点(2011-02-20 01:57:23) |
2652. セントラル・ステーション
《ネタバレ》 うざい程の大群衆をしつこいくらい延々と撮り続ける前半、バスやトラックで大平原の一本道をひたすら走り続ける中盤、広大な住宅街の一角に落ち着く終盤。その視覚面への繊細な配慮が、ドラマの順を追った構築を際立たせている。最初にドーラのダメっぷりを存分に描いているのも終盤に生きてくるし、手紙以外にもハンカチや口紅やワンピースなど、小道具の使い方も味がある。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-02-18 23:54:52)(良:1票) |
2653. 巴里のアメリカ人
《ネタバレ》 タイトルに反して、パリの風景が全然出てこないのにがっかり。内容からしても、パリであるべき必然性がありません。ラストの延々と続くダンスは、いかにもアメリカ人好みの物量作戦で、そこまで徹底するとかえって爽快。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-02-17 05:03:13) |
2654. 天はすべて許し給う
《ネタバレ》 出だしはちょっともたもたした感じなのですが、主人公がベクトルを固め、子どもたちが絡んできて物語が動き出してからは、安心して見られました。娘役の人が意外にいい存在感を放っていたと思います(よく見ると、言っていることは超勝手ですが・・・)。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-02-16 03:16:39) |
2655. 彼女を見ればわかること
1つ1つの挿話が、断片にしかなっておらず、ドラマや展開というものがない。つまり、観察力はあっても、構築力に欠けるということ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-02-16 03:03:49) |
2656. 心のともしび
メロドラマには点が甘い私でも、これは受け付けられませんでした。登場人物が、あらかじめ定められた筋書の上を進んでいるだけであって、ドラマもなければ心理の綾もありません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-02-15 21:03:20) |
2657. 百万円と苦虫女
《ネタバレ》 秀逸な描写と陳腐な描写が交互に表れるので、見ていて変な気分になる。ナンパ男にどうしていいか分からず曖昧なまま逃げてしまう展開や、森山未來に心を開いていく過程などはなかなか斬新な切れ味があるのだが、例えば弟関係の描写はあまりにもありがちすぎて、足を引っ張っている。 [DVD(邦画)] 5点(2011-02-15 01:05:25) |
2658. Mr.デスティニー
《ネタバレ》 悪くはないんですが、ほとんどが初期設定から予想できる範囲内のことで・・・少なくとも、異世界での(本来の)妻との関係は、もっと深めてほしかった気がします。でないと、結論に説得力が出てきません。あと、尺も少し長すぎですね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-02-14 02:18:12) |
2659. 追憶の切符
《ネタバレ》 自分が親に捨てられたからといって、レポーターとして取材対象夫婦に絡み出すという初期設定は、かなり強引ではないのかな。なので、切符云々も設定のための設定という気配が漂っているし、途中のところは無理に山村の風景に寄りかかっていないかという気もするが、上品に締めるラストはなかなか良いです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-02-11 00:58:11) |
2660. イングロリアス・バスターズ
《ネタバレ》 やっぱり、タランティーノの場合は、登場人物がアホだったり低俗だったり間が抜けていたりするからこそセンスが光ってくるのであって、このようなみんながそれなりの目標を持ってそれに向かって進むような真面目な世界では、その光も霞んでくるのではないだろうか。いろいろな枠を破ろうとして、かえって枠の存在を際立たせる状態になっている気がする。それでも、ラストの大スクリーンでのど迫力の哄笑など、忘れがたい場面はいくつかあったので+1点。 [DVD(字幕)] 6点(2011-02-10 23:09:09) |