2661. 刑事コロンボ/権力の墓穴<TVM>
どうして友人を助けるのか理解出来なかったのですが、助けたのではなく利用したしたたかさには感心しました。しかし、コロンボのしたたかさの方が桁違いに上で、警部、ちょっとやり方が汚いじゃないですか!と申し上げたいです。真面目一点張りの考え方では仕事の成果が出ない場合もある事を感じた作品です。 7点(2005-03-18 09:04:09) |
2662. 刑事コロンボ/自縛の紐<TVM>
パチーノの赤ジャージ姿と同様、衝撃(見てはいけない物を見てしまったような)の青ジャージ姿は強烈な印象です。汗だくになって走っていましたが、考えに考えて脳も汗だく状態なのでしょう。哀れな未亡人を思ってなのか、犯人の厚顔さに思わず激昂する姿に、彼が実は激しい気性の持ち主で、その激しさは何時もは執拗に食い下がるという形となって現れる事が想像できます。それと、受付で待たされている時のイライラした様子から実は短気なのだという事も分かりました。彼の違う一面を知る事の出来る作品でした。決め手の鮮やかさを絶妙なタイトルが言い表しています。 6点(2005-03-14 08:17:37) |
2663. リチャードを探して
作品を完成させてゆく過程でチームから感じられる熱気は気持ち良いです。屈折した野心を持ち、どんな手段を用いようが良心の呵責を感ずる事は一切無く、王位に上り詰めたリチャード3世は悪の魅力溢れる人物で、そういう人物を演じるパチーノには惚れ惚れします。レディ・アンを口説き落とすシーンは、自分の中での『パチーノ名場面』の一つで何度観ても鳥肌が立ちます。通しで観てみたい、生の舞台を観てみたいと夢のまた夢の事を思ってしまいます。 7点(2005-03-01 01:01:05) |
2664. えびボクサー
タイトルを見まして、えびボクサーがダメボクサーのトレーナーとなって二人三脚(?)で世界タイトルを奪取するストーリーが思い浮かび、百円でしたので借りてしまいました。こんな企画で作品が出来上がったのはある意味驚嘆します。大昔のウルトラマンシリーズに出てきそうなえびは殆ど動きも無くキモチ悪さしか感じず、「21世紀は何でもありだ」と言うのなら、えびが喋ってくれれば良かったような気がします。中途半端なストーリーで、おじさんがえびに人を愛する事を教えてもらわんでよろしいのです。自分はおなかを抱えて笑い転げたかったのです。ざんね~ん。 3点(2005-02-15 07:01:24) |
2665. 殺人魚フライングキラー
タイトルを見まして、豪華客船が魚に襲われて沈没していく様子が思い浮かび、つい借りてしまいました。キャメロン監督作品だったとは・・・こういう時代を経て現在のキャメロン監督があるのですね。魚を軍用兵器にというとってつけたような話で、何やら陰謀めいた様子をみせながら、少しも話しが膨らむ事無く、人をかみ殺すシーンが適当にあるだけの脚本・映像とも何とも安易な作品でした。 3点(2005-02-14 06:58:49) |
2666. 蝿男の恐怖
《ネタバレ》 蝿男が何千万の蝿を率いて街を占拠する、蝿男が未知の病原菌を街にばらまく、ような恐怖を想像して、つい借りてしまいましたが、蝿男が恐怖ではなく、蝿男になってしまった事が恐怖の『悲しみの蝿男』というタイトルがぴったりの物語でした。登場人物全員が善意の人々からなる見事な脚本で、科学者として抑えきれない好奇心が生み出す悲劇が科学の進歩と隣り合わせの危険な落とし穴を感じさせ、妻を愛しているという人間としての意識がある内にという思いから彼がとった行為には胸が詰まるものがあります。左手だけ見せて頭の黒い布がここが最高というタイミングで取れて変わり果てた姿があらわになる恐怖の演出にも唸らされます。自分の予想を良い意味で裏切られた印象に残る作品でした。 8点(2005-02-13 15:51:01)(良:2票) |
2667. アデルの恋の物語
イザベル・アジャーニの原点であり、物語の展開は手に取るように分かりました。燃える様な想いもお互い何時変わるかも分からなく、人の心とはそういうものであり、理屈ではないその事を責めたり責められたりしても何も得るものがありません。愛されなくても愛するという一途な想いも、その想いの振りかざし方が肝心で、愛する気持ちが人を美しく、賢く、強く、優しくしてくれるはずなのに、醜く朽ちてしまったアデルは無残です。本屋さん、下宿のおばさんといった暖かい心の持ち主と接していただけに残念です。 7点(2005-02-09 16:01:24) |
2668. インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説
いやはや、本当に魔宮です。中学生の頃、何度かムカデに噛まれてひどい目に遭っている自分は、大ムカデがうごめいているシーンに「こんなんに噛まれたら死ぬで」と全身硬直してしまいました。他にもこれでもかという程グロテスクなシーンが満載ですが、何度か観ているのは怖いもの観たさの心理なのでしょうか。 7点(2005-02-06 21:33:31) |
2669. インディ・ジョーンズ/最後の聖戦
指定席料金を払って(北野劇場の二階席でした。)鑑賞した唯一の作品で、出費に見合う面白さで満足して帰った事を覚えている、自分の思い出の一本です。ラストの手に汗握るハラハラ、ドキドキ感は最高で、エンディングの爽快感も素晴らしいです。 8点(2005-02-06 21:02:01) |
2670. 逃亡者(1993)
無実の罪を何としても晴らす執念と、逃亡した死刑囚を何としても逮捕する執念を二人から強烈に感じました。この二人が遭遇し間一髪のところでキンブルが逃れる意地と意地のぶつかり合いは迫力満点でした。逃亡劇は追手のキャラクターが優れている事が大切であるように感じる作品です。 8点(2005-02-06 20:30:20) |
2671. ディック・トレイシー
初めて観ました。パチーノが最初に登場したとき顔では判断できませんでしたが声で分かりました。激昂する、説教する、小悪党を思う存分演じていて「おっ、やってるやってる、今日も快調」と声をかけたくなります。もう一人のお目当てホフマンの役柄と登場シーンの少なさは残念でした。原色の街は美しく幻想的で、うまくまとまっているストーリーも良くなかなか楽しい作品でした。 7点(2005-02-01 21:11:19) |
2672. 戦場のピアニスト
「生きて歴史の証人となる」事は値打ちのある事だと感じます。ナチスの所業とドイツ国防軍の存在。ポランスキーがその時代に見聞きしたことなのでしょう。シュピルマンが万感の想いで演奏したように、ポランスキーも万感の想いで作り上げたのでしょう。忘れられない作品です。 8点(2005-01-31 18:09:16) |
2673. ダイ・ハード2
舞台のスケールが大きく派手な爆発炎上シーンが盛り沢山ですが、一作目にあったような殺すか殺されるかという切羽詰った緊迫感が感じられないのが物足りません。ソーンバーグのアホさ加減の描かれ方も悪乗りが過ぎているようでしらけてしまいました。そして何といいましても今回の知性の感じられない悪役は大いに不満です。アラン・リックマンが偉大過ぎるので仕方ないのかもしれませんが。 5点(2005-01-31 17:40:41) |
2674. ドランク・モンキー/酔拳
ジャッキー・チェン出演の中で印象に残っている作品です。やる気というのは、傍から千回、万回叱咤激励されるより、自身が一回途方も無い屈辱を受けて、「今に見てろよ、見返してやる」思いを抱いた時に湧いてくるもの、という明快なストーリーは良いです。泰然自若としたお師匠さんは大好きなキャラクターで、隙のある師弟コンビはリラックスして観ることが出来、爽快感を感じます。自分がその昔飲めば飲むほど頭が冴えて?饒舌になっていった事を思い出します。 7点(2005-01-28 00:20:31) |
2675. 踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
大山鳴動して何とやら・・犯人達のどうでもいい様な描かれ方はお粗末で大いに不満です。女性管理官が本当の敵であるといいたいようで、組織の幹部が組織の患部である様子が彼女のエキセントリックな言動から伝わってきます。理不尽な命令を下す側と従わされる側、不条理であってもそこには人間の上下ではなく役職の上下が存在するのですね。偉くなりたい事と偉くなって組織の力で大きな仕事をしたい事は違うものであるように感じました。 4点(2005-01-26 08:39:04) |
2676. 誘拐(1997)
《ネタバレ》 今も印象に残っている作品です。大掛かりなロケには辟易しましたが、謎解きの部分から俄然惹き込まれました。津波の覚悟を抱いての所業もさることながら、津波に協力する人々の、彼の後姿に向ける自分達の思いを託した祈る様な眼差しに、罪を犯させた者達への怒りがこみ上げてきます。復讐はしても命まではとらなくていいよ、罪を犯したのだから罰を受けなさいよ、と愛した家族が夢に出てきて言ったのでしょうか。一人また一人と自首する様子は、今思い出しても胸に迫るものがあります。新米刑事の葛藤する様子に厚みを感じられなかったのが少し残念ですが、素晴らしい作品です。 8点(2005-01-26 01:06:26) |
2677. フォロー・ミー
学生時代に一度観たきりですが、妻と探偵が街を歩く姿は、バックに流れる音楽と共に忘れる事はありません。心の触れ合いの大切さ、感じることの素晴らしさを教えてもらいました。パンフレットを眺めては、もう一度観たいと思いながら何十年も過ぎました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・この度、映画館での鑑賞が叶い感慨無量のひとときを過ごしました。 あてどなく街を歩く妻、お愛想の付き合いをそつなくこなす夫、激務で寂しさを麻痺させたと話す探偵。それぞれが孤独に耐えている。ときめきは歳月と共に色褪せてゆく。そうであるからこそ、ロンドンの街を歩く二人、ラストのチャールズのはにかんだ笑顔に胸が締め付けられるのです。 [映画館(字幕)] 9点(2005-01-23 23:08:38) |
2678. スーパーの女
ダメスーパーをふらりと訪れた女が立て直すお話を、監督、キャスト共に小慣れた感じで見せてくれます(花子の男口調には辟易しましたが。) スーパーの色々なエピソードをサラッと紹介しつつ、二つの店の物凄いネーミングやカーチェイスなど、お笑い部分も盛り込まれた、観ていて肩の凝らない楽しい作品に仕上がっています。精肉チーフの「どうせ、素人には判りゃしねぇんだよ」とほくそ笑む姿に、昨今の産地偽装など「見つからなんだら、何をやってもええんや」とでも考えている倫理観の欠如している方々が思い浮かびます。もっとも、 お客の側はお客の側で「見つからなんだら、何をやってもええんや」と思っている人もいるのでしょうね。 6点(2005-01-23 16:44:47) |
2679. マルサの女2
マルサの面々と鬼沢との攻防は、権藤との攻防に感じたワクワク感は無く、胸が塞がる様なハラハラする思いが続き、誰が悪の根源で彼らの実力が如何に強大かという現実を思い知らされるラストに、ため息をつきながら映画館を後にした事を今でも覚えています。あの時代にあの題材で作品を作り上げた伊丹監督は凄い方だったと思います。 9点(2005-01-19 23:59:56) |
2680. 刑事コロンボ/黒のエチュード<TVM>
指揮振りの違和感が強いのはいただけませんが、カサヴェテス演じる犯人は印象深い人物でした。妻、姑、愛人の狭間にあっての犯行は、彼が愛したのは自分自身で三人の誰でもなかったようで、ラストの妻にかけた言葉が一層うそ寒く(妻も同様に感じたのではないでしょうか)響きました。花が彼の致命傷になる予感を最初から感じさせられ、かなり強引な所もありましたが、妻の丹精込めた花であったのが何とも皮肉です。 ラスト、敗者が雄弁に語っていましたが、警部、彼に花を持たせてあげたのですね。心憎いです。 6点(2005-01-16 10:12:06)(良:1票) |