2741. 地中海殺人事件
《ネタバレ》 トリックは偶然頼みのトリックともいえないような代物だし、そもそもそう考えても矛盾はないという程度であって、積極的な根拠なり伏線は何もありません。また、それを措いたとしても、謎の描き方自体が弱すぎです。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-01-27 01:20:15) |
2742. リクルート
《ネタバレ》 前半はそれっぽい迫力があって、CIAの内幕をいろいろ曝してくれるのかと期待させるのですが、後半は裏返しの連続の方に趣向が移ってしまい、結局、中途半端な印象に終わってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-01-26 00:49:02) |
2743. ナイル殺人事件(1978)
《ネタバレ》 トリックが無茶すぎる上に、死体は3人もいらなかったんじゃないだろうか。また、密閉空間の限られた中での動きに面白みがあるのに、船と関係しない導入部が長いと思う。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-01-25 23:23:32) |
2744. オリエント急行殺人事件(1974)
《ネタバレ》 これだけとてつもない原作なんだから、あとはしかるべき俳優を配置して、急行の内部をしっかり再現して、それをきっちりと撮れば、存分に楽しめる作品が出来上がるわけです。しかし、単なる原作頼みではなく、多岐にわたる登場人物を上手く整理して、全員を必然性のある存在にしています。犯行再現シーンの迫力はいうまでもありませんが、それ以外でも、冒頭で1人1人列車に乗っていくシーンなんかでも、タネを知ってみていると緊張します。ただし、最後はやっぱり原作通りの主犯のスピーチが見たかったなあ。●後で考えると、この作品は、「お客さんに楽しんでもらうこと」を徹底するために、巧妙に原作をいじっているのです。冒頭に誘拐事件をずばり提示して(しかも台詞もナレーションもなし!)後の展開を分かりやすくし、閂がどうのとか細かいトリックは潔く削除。殺害場面は、原作ではものの数行なんだけど、台詞を追加してしっかり時間をとる。最後はキーパーソン2人が立ち上がって、もろにカーテンコール。そうそう、乗車・尋問・犯行・ネタ割り・ラストで順番をいろいろ操作しているのも、オールスターキャストの強みを生かした周到な緻密さが窺えます。というわけで1点プラス。 [DVD(字幕)] 8点(2011-01-24 00:08:15) |
2745. そして、私たちは愛に帰る
《ネタバレ》 個別にはよくあるかもしれないストーリーをさらに複合的に組み合わせて、交錯する人間模様を描き出した点はなかなか新鮮である。ただ、そうであればこそ、決めの部分はもっと表現に気を配るべきではなかったかな・・・。展開が巧妙であるからこそ、筋を追いかけているだけのようにところどころ見えてしまうのが惜しい。 [DVD(字幕)] 7点(2011-01-21 02:33:03) |
2746. クリスタル殺人事件
最大の弱点は、肝心のミス・マープルに気品や高貴さがあまり感じられないこと。これではその辺にいるお婆ちゃんとあまり変わりません。ただし、名探偵が叡智で事件を解決する本格ミステリーをきちんと映画化しようとした心意気は買いたいので、この点数。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-01-20 16:35:13) |
2747. きみの友だち
《ネタバレ》 冒頭の取材シークエンスの挿入はまったく成功しているとは言い難いし(後に全然つながっていない)、例えば川辺のリンチのシーンやサッカーのシーンでのエキストラの雑な動きだけで、制作の志の低さが見えてきます。肝心の主人公2人の関係も、思いつきの台詞を並べただけのような感じで、引き込まれるものがありません。しかも途中では脇の筋に追いやられてプロセスが飛ばされているから、ますます意味がない。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2011-01-18 01:44:09) |
2748. セブン・イヤーズ・イン・チベット
《ネタバレ》 ストーリーはいろいろ詰め込んだ割には描写は平坦で、チベットの土地柄や社会背景や風景に寄りかかっただけという気もするが、チベットが何であって、そこに中国がどう関わったのかということを、端的に示した心意気は買いたい。また、ブラッド・ピットはいい演技ができているとは言い難いが、彼が主演であることによって見たという人も多いと思われるし、こういった作品ではそういう要素も案外重要。 [DVD(字幕)] 6点(2011-01-16 02:23:16) |
2749. エレニの旅
《ネタバレ》 延々と続く長回し、その中で存分に存在を示す隅々まで徹底された美術関係が、この映像としての破壊的な重量感をもたらしていることはもちろんである。それに加えて、どこをとっても乱れのないエキストラの動きが凄い。数でいえばこれを上回っている作品はあるだろうが、すべてのエキストラをフレーム内でこれほど完全にコントロール下に置いた作品は、ほかに例を知らない。それらすべてが相まって、完結した映像別世界を提示してくれる作品。いろいろな意味で、これどうやって撮ったの?と感嘆してしまうシーンばかり。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2011-01-15 23:25:51) |
2750. 女帝〔エンペラー〕
こんな大時代的で仰々しい話を、何でこんなに暗くて気が滅入る撮り方をするのかな。チャン・ツィイー目当てで見ましたが、全然綺麗に映ってないです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-01-15 20:37:58) |
2751. スクリーム(1996)
これってほとんど「出オチ」に近いんじゃないでしょうか?ドリューの場面とそれ以降とで、演技、演出、スリル感など、すべてが違いすぎます。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2011-01-13 02:41:04) |
2752. ああ結婚
《ネタバレ》 ソフィア・ローレンの表情七変化と表現力を鑑賞するだけで十分楽しめる作品。それぞれの回想で背景を明らかにし、かつ視点もはっきりさせるという構成も気が利いています。ただし、ラストのあの展開はいかにも唐突で、中盤以降は男性側が頭悪くて情けないだけの存在になってしまっていたので、あのように持っていくのであれば、その奥にある人情の機微をもう少し描写してほしかった。それと、一途に尽くしてきたアルフレードには、何か報いが欲しかったのですが・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2011-01-12 03:07:54) |
2753. 魂のジュリエッタ
妄想で片付けてしまうんだったら、何だって許されてしまう。つまり、物事の必然性ある表現にはなっていないということです。色彩の豊かさに2点。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2011-01-11 02:54:36) |
2754. パリ、恋人たちの2日間
《ネタバレ》 どうしても「恋人までの~」「ビフォア~」の続編クラスを期待してしまい、ハードルが高くなってしまうのだが・・・この作品の弱点は、映像としての撮られ方にまで考慮がいっていないこと。カメラワークは最悪に近い。また、脚本も、デルピーの力の入り方は伝わってくるが、ところどころ、あからさまに「ここがフランスとアメリカの違いなんですよ~」的な誇張があるのが難点。ただし、全体として、自分はこういうのが作りたいのだという作り手の一貫した執念があるのは、嫌いではない。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-01-11 00:59:43) |
2755. 若者のすべて
日常の生活の1つ1つの中に、着実なすれ違いと静かな破綻の予感を感じさせる前半は、なかなか良かったのです(冒頭の駅到着の場面だけで、すでにこの家族はこの後も上手くいかないであろう雰囲気満載です)。ところが後半、ストーリーが好き勝手に動き出してしまったというか、現実感の部分が薄れて、あらかじめ定められたポイントに向けて話が進んだような感じになってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-01-10 12:58:06) |
2756. ローラーガールズ・ダイアリー
《ネタバレ》 終わった後に勝者と敗者を両方とも堂々と讃えていること、そしてそのシーンに違和感が何もないこと。これだけで、この作品はスポーツ映画、青春映画として成功している。それにしても、エレン・ペイジの静かなる存在感は凄い。どのシーンでもぴたりとその場にフィットしている。編集の粗さを補って余りあるほど。(余談1)最初にエレンがStryperのTシャツを着ているのに気づいたときは大喜びしたんだが、まさかあそこまでキーアイテムになるとは・・・。(余談2)あの敵のラスボスが、ジュリエット・ルイスだったとは!クレジットを見るまで分からなかった。 [DVD(字幕)] 7点(2011-01-09 01:04:27)(良:1票) |
2757. 笑の大学
《ネタバレ》 一番の問題は、作家側の造形ができていないこと。脚本に体を張っているという気概や情熱も感じられないし、それが戦中のことであるという切迫感も感じられない(したがって、ラストも生きてこない)。あの演技だと、ただのフリーターが暇に任せて書いているだけのように見えてしまいます。あと、内容の割に、尺も長すぎですね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-01-08 03:11:55) |
2758. バーダー・マインホフ 理想の果てに
《ネタバレ》 俳優陣が揃って気迫のこもった演技に満ちており、多少登場人物の区別がつかなくなることはあっても、集団として1つの動きがあったことが明確に伝わってくる。また、エキストラの使い方、記録映像の入れ方などにも気が配られており、それによって2時間半があっという間。ただ、描写としては、同じような爆破シーンや暗殺シーンが繰り返されて、ところにより単調になりかけているのが気になった。 [DVD(字幕)] 7点(2011-01-08 01:41:30) |
2759. みんなのいえ
《ネタバレ》 モダンセンスのデザイナーと職人気質の大工の棟梁との対立というのであれば、まずはこの両者が奥義を尽くして技術の火花を散らしてこそ、そのギャップから出てくる笑いの土壌が生まれるはずで、この作品はその辺のディテールの突っ込みが弱く、比較的早い段階から内心の人間的理解の部分に重心がシフトしている。結果、コメディとしてのパンチは弱くなってしまい、着地点のカタルシスも低下してしまいました。あと、ペンキぶちまけの件はどうやって解決したんだろう? [CS・衛星(邦画)] 5点(2011-01-07 04:42:51) |
2760. マイアミ・バイス
やたら暗くてじめじめしていて、潜入捜査官ならではの緊迫感や行動力というものがほとんど感じられませんでした。主人公の2人が、なりゆきのままに動いているだけの存在になってしまっています。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2011-01-07 04:14:46)(良:1票) |