261. バリー・リンドン
《ネタバレ》 風景、決闘、戦闘、ファッション、どの場面も絵画のように美しくのどかで、18世紀のヨーロッパをとても身近に感じさせてくれます。インターミッションを挟んで映像に慣れてくると、次から次へと続く共感乏しい転落ストーリーが次第に鬱陶しくなってきますが、最後の決闘シーンは思わぬ展開になり意外でした。見終わった後に、「死んでしまえば皆同じ」なんて余裕しゃくしゃくに語る悟りきったような作者の顔が浮かんでくる映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-05-12 11:33:35) |
262. レッズ
《ネタバレ》 男女の関係を含めて人間の本性にあえて抗っているようにみえる理想主義者の主人公、ロシアに渡って活動するうちに理想が高ければ高いほど他者を排斥しなければならなくなることを悟ったのか、目標実現のためには手段を選ばなくなる。しかし不満分子の比率や不満のレベルがあまりにも違い過ぎる本国では革命なんてとても無理、かえって弾圧を受けてしまう。結局ジョン・リードはロシアで亡くなってしまい、ソ連時代も含めてとてつもなく多くの人がこの国で粛清されます。主人公はどんな思いで赤の広場に眠っているのか、共感には程遠い映画でしたが熱さとくどさだけは伝わってきました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-05-06 20:46:48) |
263. 大砂塵
《ネタバレ》 仕切るのが二人の凄い女だとかギターを背負った流れ者とか、なかなかお目にかかれない西部劇。女同志が撃ちあうかなり荒っぽいクライマックスですが、昔のスター女優となってしまったクロフォードが自分のためにシナリオを書き直させたとか。演技ではなく殆ど地でいってますね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-05-05 14:21:54) |
264. ミルドレッド・ピアース
《ネタバレ》 願望と現実のギャップを各々必死で埋めようとする親子。母親の娘への一途さが不条理ですが、何故か男には口説かれ事業も大成功。母のシュールな愛をモロに受けて育った娘の方はギャップを埋められるはずもなく、後はなるべくして二人で破滅の道をまっしぐら。ノスタルジー漂うシナリオと演出がかえって新鮮に映ります。途中からある程度予想がついてしまう結末ですが、女性の時代の到来を予感させるような映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-05-05 09:31:51) |
265. シェーン
デジタルリマスターでの雄大な映像が開拓者になったような気分にさせてくれます。悪役含めての分かりやすいキャラクター、感情移入しやすいストーリー、名作の称号に納得です。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-05-04 23:45:16) |
266. ロシュフォールの恋人たち
双子は実の姉妹でしたか、似ているはずだ。軽くて薄い物語に中味を求めるのは野暮ですね、生活臭の感じられないドラマも垢落としにはいいかも。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-05-03 21:10:43) |
267. シェルブールの雨傘
《ネタバレ》 「恋で死ぬのは映画の中だけ」「疲れで死ぬことはない」等々、落ち込んでいる娘に投げかける母親の言葉が面白い。自声でないミュージカルに物足りなさを感じますが、初めから終わりまでずっと歌というのも趣があってなかなかいいです。どこにでもありそうな打算的悲恋物語ですが、随分音楽に救われているような気がします。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-05-03 15:33:01) |
268. バラバ
多神教時代のローマ帝国に好感を抱いている者としては、殺せコール一色のコロセウムを見ていると、「コンスタンティヌス帝より前のローマ帝国=悪」の構図が透けているようで、なんかなあという気分になります。キリスト教国家が幅を利かせている今の世の中、歴史映画とはこんなもんなんでしょうけど。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-05-01 21:38:30) |
269. ワーテルロー
ナポレオンのキャスティングとそのキャラターを見る限りフランス映画でないのは頷けます。実写の壮大さだけは伝わってきますが、スケール優先の編集カットのせいかアバウト感の際立つ映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2018-04-30 21:53:14) |
270. 南極料理人
《ネタバレ》 せっかくの南極疑似体験がドラマ仕立てのオーバーアクションにちょっと水を差されますが、刺身に天ぷら、伊勢海老、ステーキ、フレンチ、カニと入れ替わり立ち替わりのメニューを見ていると、2、3年は我慢できそうな気がしてきます(料理だけで他の事は無視しちゃってますが)。そして最後にオーロラよりラーメンですか、その気持ち痛いほど分かります。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2018-04-30 15:09:32) |
271. ラストエンペラー
一般的に知られている溥儀の生涯から、それなりの人物像をイメージしていましたが、大分違いますね。もっとも、この作品の見どころは波乱万丈の細かい中身よりそのスケールの大きさだと思います。壮大さに圧倒されます。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-04-28 23:00:49) |
272. おくりびと
《ネタバレ》 2度目の鑑賞。身内の葬儀も経験していますが納棺師自体初耳でした。知らない世界への好奇心に引き込まれながら、本人や周りの人たちが抱く蔑まれる職業へのオーソドックスな違和感に感情移入大です。しかしながら、風呂屋のおばちゃんが亡くなるあたりから次第に強くなってくる移入した感情の居心地の悪さ、これは初めて見た時と変わらずです。葬儀屋の女性の過去の告白、石ころの話、家出した自分の父親の納棺、これらのエピソードが自分にはかえっておさまりが悪かったです。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2018-04-28 11:28:18) |
273. ゴースト/ニューヨークの幻
ヘアスタイルと小顔のせいで首が太く見えてしまうデミ・ムーア、このヒロイン鈍いのかピンとくるのが遅いし、気付いてからも伝え方が下手くそ。主人公も念力を使えるようになっているんだから、自分でやっつけちゃえばいいのに。まあ、ハラハラさせるにはしゃあないですか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-04-26 21:18:37) |
274. 明日に向って撃て!
久々の鑑賞。アホなのか、能天気なのか、ヤケクソなのか、窮地に陥っても余裕をかます二人組の軽くて薄い雰囲気が何とも言えないです。当時の西部劇としては極悪人を善人キャラに仕立てた規格外の人間臭い映画だと思います。どう考えても「俺たちに明日はない」的生き方にみえますが、タイトルは先を越されちゃったからしゃあないですか。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-04-24 23:37:36) |
275. ラビリンス/魔王の迷宮
人形劇はまだいいんですが、中味の方がちょっと・・・ [CS・衛星(字幕)] 4点(2018-04-24 20:06:00) |
276. 危険な情事
《ネタバレ》 一見頭の切れそうな弁護士も自分の事となると想定される最悪の事態から目を背けてしまうのか、どんどん深みにはまっていきます。抑えきれない本能と幸せ家族の狭間で揺れ動く心理サスペンスも、終盤は怪物ホラーになってしまってちょっと残念です。グレン・クローズの迫力は流石ですが、最後まで人間臭くジワジワと追い詰めていく方が凄味があったのでは? [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-04-24 00:16:02) |
277. 旅情(1955)
ベネチアの休日はローマとは大違いですが、アラフィフヘプバーンがハイミスの可愛らしさをとても自然に演じています。それにしてもイタリア男は女性の自尊心を傷付けないようにもっとスマートに口説くのかと思いきや、あまりにストレート過ぎて少々きつくないですか? [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-04-22 23:37:00) |
278. ビューティフル・マインド
2回目の鑑賞。 実話との相違点を考えてしまうと酔いしれた感動も醒めがちですが、初見での作り物っぽい夫婦関係とか幻覚症状への違和感も薄れてくるのが意外… 心の病の克服にノーベル賞、孤独でないことと居場所があることの大切さをしみじみと感じさせる作品でした。 [インターネット(字幕)] 7点(2018-04-22 20:28:05) |
279. 帝一の國
《ネタバレ》 誰にも邪魔されずにピアノを弾くため。総理大臣になりたい理由からしてふざけてるけど、序盤から皮肉とデフォルメのきいたくだらなさに引き込まれます。マイムマイムあたりから居心地の悪いシュール感が漂ってきますが、ラストのマリオネット演奏後の主人公のセリフ、「君たちの事だよ」。ナイスな締めでした。 [地上波(邦画)] 7点(2018-04-22 14:22:08) |
280. 火垂るの墓(1988)
希望ってものが全然ないのであまり見たくない映画ですが、未評価だったので高畑氏を偲んで改めて鑑賞しました。生理的欲求や安全の欲求が満たされない中で、自尊心と思いやりを失わない幼い二人、社会的欲求くらいは満たされていると思っている身にもグサリと突き刺さります。やっぱり涙を見せたくないので見たくありません、しばらくは。 [地上波(邦画)] 9点(2018-04-21 18:13:15)(良:1票) |