2821. 大いなる幻影(1937)
描写しようとしている対象の割には、あまりにも雰囲気が牧歌的でのんびりしすぎていて、入り込めませんでした。ただし、30年代という時代に、ある種の祈りとある種の予言を作品に封じ込めた先進性は今でも評価できるので、点数はそこに対して。 [DVD(字幕)] 5点(2010-04-05 01:52:09) |
2822. 影の軍隊(1969)
《ネタバレ》 ひたすら地味というか、前に進まないというか、一時的に成功があったとしても、すぐに次の拘束の恐怖がのしかかってくる。見ているときは終始単調な印象なのだが、作中で描写される現実の厳しさは、強烈なラストシーンで結実する。各登場人物にもう少し個性があると、もっと良かったのですが。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-04-03 22:45:18) |
2823. ティム・バートンのコープスブライド
《ネタバレ》 最初は勘違いストーカー幽霊女に悩まされるコメディかと思っていたので、だんだんとコープスブライドの方が魅力的になっていくのに意表を突かれました。ラストの切なさも良い感じです。ただ、それを受ける男キャラの存在感が今ひとつなのが難点です。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2010-04-03 11:40:29) |
2824. パリ警視J
無難な感じの古き良き刑事物なのですが、それにしても無難すぎというか、いろんな意味で個性なさすぎです。これだったら、特捜最前線とか太陽にほえろを見ている方がよっぽどレベルが高い気がします。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-04-02 01:24:33) |
2825. パリは霧にぬれて
《ネタバレ》 子供が誘拐される話と聞いていたのですが、いつまでたってもその事件が起こらず、逆に起こったと思ったら、あっさり解決してしまったので拍子抜けした。そっちはむしろオマケであって、中心は主人公の葛藤と錯乱の心理だったのですね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-03-30 23:48:50) |
2826. リトル・ロマンス
《ネタバレ》 子供同士の単純初恋ロマンスかと思いきや、ベースは確かにそうなんですが、周辺人物を巧く絡ませることによって、奥深さもあわせ持った作品に仕上がっています。少女の父が少年に好感を持ったのは、いけすかない映画監督を堂々と一発しばいてくれたから。最後に自ら決着をつけられるのも、少年少女のまっすぐな情熱に影響されたからです。そのような周辺部分も丁寧に扱っているからこそ、ラストの橋のシーンが実感をもって生きてきます。ヒッチハイクで出会った夫婦の最初の一言も伏線になっているなど、脚本の細部にも考慮が払われています。 [DVD(字幕)] 7点(2010-03-29 01:13:36) |
2827. カクテル
《ネタバレ》 80's青春モノには甘めの私であっても、この作品はなかなか辛い。この展開なら、最後は当然、みんなが目標にしている一大バーテン大会(何それ)で主人公が元マスターを破って優勝する、というのが王道なはずなんですが、それはさておき、まさかあんないい加減な締め方になるとは思いませんでした。トムのバーテン技術が後半はほとんど見られないのも残念です(あれをばんばん見せ尽くしてこその作品でしょ)。スターシップの"Wild Again"に5点。"Kokomo"、"Don't Worry, Be Happy"、"Hippy Hippy Shake"、"Rave On"も楽しみにしていたんですが、どれも一瞬だけでしたね。 [DVD(字幕)] 5点(2010-03-22 23:44:37) |
2828. ある愛の風景
《ネタバレ》 筋立ては単純ながらもなかなか示唆的で奥が深そうなのだが、終始画質が暗くてどんよりとしているのには参った。これでは、穏やかに希望を感じさせるはずのラストも、希望を感じることができません。コニー・ニールセンの意外な存在感は印象的でした。 [DVD(字幕)] 5点(2010-03-22 23:22:15) |
2829. RV
《ネタバレ》 久々に、腹が立つほどつまらない作品。そもそも、設定の前提として、本当はちゃんとしたお父さんが家族に誤解されたり嫌われたりするからこそおかしさが発生するのであって、この主人公は本当にただダメ男であるだけだから、コメディとして成立していない。子供2人もただ小生意気なだけで、ラストもとってつけた感じ。ウ○コネタであそこまで引っ張るってのも、発想の貧困さしか感じさせない。しかし、ロビン・ウィリアムスが06年にもなってこんなしょうもない作品に出ているとは・・・。 [DVD(字幕)] 1点(2010-03-18 00:46:13) |
2830. ターミネーター
《ネタバレ》 今見るとこの作品って、最初から最後まで「追いかけられるだけ」なんですよね。途中で各登場キャラクターが別方向にぶれたりはしない。背景だの何だのの説明は必要最低限。その焦点の絞られ方、見る側の想像力に委ねる信頼感こそが、作品のインパクトを高め、写真やベッドシーンに至るまでの周辺部分の説得力を強めています。●(追記)今頃になって気づいたのですが、あの写真の使い方って、もろに「ある日どこかで」じゃないですか。「タイタニック」があちこちであの作品を下敷にしているのは知られていますが、キャメロンはよほどあの作品が好きだったのか? [映画館(字幕)] 8点(2010-03-14 12:11:51) |
2831. バレンタインデー(2010)
《ネタバレ》 どうやっても「ラブ・アクチュアリー」との比較は避けられないところなのですが、後発のハンデを感じさせないほどの内容に仕上がっています。次から次へといろんなペアが登場しますが、手際よくまとめられていて、さしたる混乱も生じることなく、いつしか1つの大きなバレンタイン・ワールドを完成しています。個別のエピソードはそんなに深いものではないのですが、何よりも、各登場人物が素朴で素直で前向きなのがよろしい。こういうのは単純明快が最良なのです。●それぞれのストーリーが浅すぎるとか、ありがちとかいう向きはもちろんあると思うが、最小限度の描写の中にも、人物の背景や人間関係の成り立ちをいろいろと想像させるほどの力がある。決してフルコースのディナーではないけど、「冷蔵庫の残りものを上手に味付けして、美味しいお弁当を作っていただきました」という気に私はなりました。 [映画館(字幕)] 8点(2010-03-14 11:53:19) |
2832. 叫びとささやき
ひたすらどろどろした怨念のような情念を描出する手法はそれはそれでよいのだが、最初から最後まで延々と同じようなトーンでやられると、さすがに入り込めなくなる。というか、かえって意味がなくなる。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-03-13 13:07:30) |
2833. 史上最大の作戦
豪華キャストはそれを揃えるだけじゃなくって、きちんと使いこなさないと意味がないんです。音響や美術関係などはこれでもかというくらい凝っていますが、中身としてはドラマもなければ表現もないといわざるをえません。まさしくアメリカの物量作戦方式を象徴するような作品です。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-03-12 05:03:29) |
2834. 野いちご
オッサンの頭の中にある極私的体験を延々と見せられても・・・。もっと爽やかで前向きな内容を期待したのに、妙にうじうじじめじめした感じが漂っていて、疲れました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-03-12 04:44:18) |
2835. 誰も知らない(2004)
もっと陰惨で救いのない描写になるのかと思っていたのですが、意外に地に足の着いた堅実な描写に感心しました。この作品が優れているのは、特定の誰かをスケープゴートにしてしまって終わり、にしていないところです。ネグレクトの発生原理や防止策はそんな単純なものではないし、極端な描写はかえって現実の身の回りの事象を気づかせにくくしてしまう。本質は何よりもまず彼らの素朴な日常生活と向き合うことです。それを分かっているという点において、この作品は一歩抜き出ています。あと、音楽もいい感じですね。 [DVD(邦画)] 7点(2010-03-10 00:38:20) |
2836. 夏の夜は三たび微笑む
この監督にこんな軽快な作品があったんですね。女優陣の皆様方が綺麗に撮られているのは好感が持てるのですが、途中からだんだん各登場人物の行動が入り組んできて筋が見えにくくなっているのは残念。それと息子が顔老けすぎ。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-03-09 04:07:14) |
2837. 阿弥陀堂だより
《ネタバレ》 前提となるべき主人公のパニック障害というものがどういうものであって、それがどのような影響を与えたのか、という点がほとんど描かれてない時点で失格。ストーリーはいきなりその辺をすっ飛ばして、信州の風景と周りの「いい人たち」先にありきでどんどん先に進んでしまう。つまり、設定によりかかっているだけの内容になってしまっているのである。これではいくら風景が美しくても意味がありません。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2010-03-08 01:29:24) |
2838. 堕天使のパスポート
主人公2人の生活もいろいろ重いのですが、そこに腎臓云々という別ベクトルからの重さがやってきて、しかもその両者があまり上手く融合していません。よって、何かバランスの悪い空気が漂っています。テーマソングがデヴィッド・バーンというチョイスは、作品の多国籍状態となかなかフィットしていてセンスが良いので+1点。 [DVD(字幕)] 4点(2010-03-07 23:03:12) |
2839. マイ・ライフ、マイ・ファミリー
ローラ・リニー主演のファミリー・ドラマでしかも彼女のオスカーノミネート作品となれば、つい「ユー・キャン・カウント・オン・ミー」クラスの名作を期待してしまいますが、およそそこまでは及んでいませんでした。何といっても、作品全体を覆うやたら暗そうな雰囲気がいかん。登場人物の前向きな意志や意欲が全然伝わってきません。また、カメラが貧乏くさくゆらゆら揺れている上に、肝心のローラが綺麗に撮られていないのも痛いところです。せっかく演技力のある人なのに、これではもったいない。 [DVD(字幕)] 5点(2010-03-07 22:57:29) |
2840. デルス・ウザーラ
シベリアの大自然を延々とカメラに収めまくった執念については評価したいが、肝心の登場人物達が、そう動いた方が脚本の進行が都合良くなるというだけで動かされているにすぎず、ドラマ性が感じられない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-03-06 02:08:20) |