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 > 目隠シスト さん
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プロフィール
コメント数 2335
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 53歳
自己紹介 お世話になっております。
今年もよろしくお願いします。


※映画とは関係ない個人メモ
2025年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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281.  仮面病棟 《ネタバレ》 
(ネタバレしています。未見の方はご注意願います)  コンビニ強盗犯による病院立てこもり事件発生。病院は5階建て、病床数は(たしか)64。夜勤スタッフは院長、当番勤務医、看護師長、看護師の4名のみ。満床ですが、療養型ゆえ満足に動ける患者は少ないそう。一方、犯人は拳銃所持の単独犯で、負傷した女性人質を連れていました。さて問題。この状況で立てこもりは成立するでしょうか。勿論否です。広大な建物と大人数の人質を、たった一人で制御下に置くなど不可能です。しかもスタッフを誰一人拘束しないというユルユルぶり。この時点で、ははーんこの事件には何か裏があるなと誰でも勘づくでしょう。こんな先入観を持たれた段階でミステリーとしてはアウトです。さらに事件の真相。いわゆる『復讐』が動機でしたが、いくらなんでもそんな目に遭いますか?という話。病院の裏稼業(仮面病棟なる所以)が、あまりにお粗末過ぎて呆れました。物言わぬ人々を獲物にするからこそ成立するビジネスではないのですか。様々な設定上、ストーリー上の欠点を要約するなら『リアリティが無い』に尽きると言えましょう。もう少し上手に嘘を付いて欲しいと思いました。ただ、役者の皆さんはお上手だったと思います。高島弟さんの「悪い医者」ぶりはすっかり板に付いていますし(そもそも医者役多いですよね)、最近では連ドラ主役を張る江口のりこさんもこの手の脇悪役で本領を発揮するタイプ。そして何より永野芽郁さん。彼女は可愛いルックス以上に幼いイメージがありましたが、本作の難しい役柄をちゃんと自分のものにしていたと思います。当初違和感ありありだった茶髪や赤い口紅も、真相を知れば府に落ちます。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-12-10 18:57:05)
282.  Mr.ノーバディ 《ネタバレ》 
邦題は『Mr.ノーバディ』原題は『Nobody』。私は勝手に「誰でもない男」=「どこにでもいる普通の男」と意訳してしまい、DVDパッケージのキャプションも相まって、マイケル・ダグラス主演の『フォーリング・ダウン』みたいに一般人がブチ切れるお話だとばかり思っておりました。しかしこれが全く的外れ。タイトルは『存在しない人』が正しく、主人公は何処にでもいる普通のオジサンではなく、国家レベルの力で存在を隠蔽してしまうトンデモない素性の男でありました。劇中の台詞を借りるなら、羊の皮を被った『狼』どころではなく『オルトロス』『キマイラ』あるいは『ケルベロス』クラスの化け物だったワケであります(注:当方現在『真・女神転生Ⅴ』にドハマり中です)。まあ、とにかく強いこと。でも決してスーパーマンではありません。普通に反撃をうけて傷だらけ。彼の凄さは技術面ではなく、精神面の方。修羅場を潜った経験値がべらぼうなんでしょう。そんな主人公のキャラクターが実に魅力的で、「やりすぎ」「無茶しすぎ」「ちょっとオフザケ」な超絶バイオレンスアクションを存分に堪能することができました。音楽もサイコー!大別すると『キック・アス』とか『ザ・ハント』と同じバイオレンスアクションで、コンプライアンス無縁の代物でありますが、体に良くないものほどオイシイのが世の常であります。
[ブルーレイ(吹替)] 9点(2021-12-06 22:19:58)
283.  スモールフット 《ネタバレ》 
言及したいポイントは2点です。1点目は『CGアニメ技術』について。映像技術の進歩は目覚ましく、実写・アニメを問わず新作映画が公開される度に驚かされます。私は『ターミネーター2』の時点で「もうこれ以上はない」と思ったものですが、いまだCG技術は進化の歩みを止めません。実社会では本物と見分けがつかない『ディープフェイク』なる問題まで出る有様。そこで本作。実写と見紛うとは言いませんが、ところどころまるで『本物』なのです。例えばイエティの毛の質感は、ぬいぐるみのそれ。リアリティ度合は必要量を明らかに上回っており、謎の迫力を湛えています。『不気味の谷』の崖っぷちと言っても差し支えなく、これ以上リアリティを追求してしまうと、崖から落ちてしまう気がしました。これは称賛や批判というより単純な「驚き」です。 2点目は『タブーに触れた物語』のこと。こちらも心底驚きました。タブーとは絶対的な決まりごと。その是非を問うてはいけません。何かおかしいな。変だな。そんな風に思っても飲み込むのが常。圧倒的多数の支持を得ている概念に異を唱えることは、害こそあれ得は全くないからです。こんな事例、あちこちに転がっていますよね。損得勘定に敏感な大人はタブーを嫌います。それが生きる術です。しかし大人になる前の自分を振り返ってみると、もちろんそんな技術は身に付けていませんでした。だからこそ痛い目をみたワケで。大人イエティの正義に賛同すると同時に、子どもイエティの素直な欲求にも共感してしまい、どうにも胸がざわつきました。頭と心が連動しない感じ。しかも、子どもイエティの思いを大人イエティが受け止めるという驚愕の結末が待っていました。マジかと。タブーに触れただけでなく、取っ払っちゃうとは。これ、現実でも通用したりしないかな。今まで封じ込めてきた考えが頭をもたげてきて、大人の私は正直困るのです。だって、もう冒険する年齢は過ぎたはずだから。安全安心が一番に違いないのだから。恥ずかしながら、少し泣いてしまいました。これは称賛や批判というより純粋な「感動」です。
[インターネット(吹替)] 10点(2021-11-17 18:21:52)(良:1票)
284.  嘘八百 京町ロワイヤル 《ネタバレ》 
『コンフィデンスマンJP』のジャンルを骨董陶芸作品に絞り、人情噺に特化した感じ。小池と佐輔の掛け合いが面白く(贋作提供金額の値切り交渉に爆笑)、サブキャラクターの皆さんもレギュラー固定でファンには嬉しい限り。ゲストで毎回マドンナを配せば『男はつらいよ』的なシリーズ化も望める優良なフォーマットだと思います。ただし懸念材料もいくつか。まずは佐輔の処遇。前回贋作づくりから足を洗う事を誓っており、今回その約束を反故にした点をどう評価しましょうか。『人助け』『悪徳業者の成敗』が理由であれば良しとしますか。あるいは『本物を超える贋作』に価値を見出しますか。また、骨董の業界自体が狭そうなので、そう何度も似たような詐欺が通用するとも思えません。これは『コンフィデンスマンJP』の江口洋介、あるいは『一休さん』の桔梗屋さんのように敵役をレギュラー化する事で解決できるかもしれません。いずれにしても気軽に観られる貴重な『大人向け喜劇』であり、更なる続編を希望であります。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-11-09 19:58:30)
285.  すくってごらん 《ネタバレ》 
元エリート銀行員が田舎に左遷された事に端を発する物語を、カルチャーギャップやイデオロギー相違、そして淡いラブストーリーを軸にハーフミュージカル(歌うけど踊らない)&ハーフファンタジー(まるで『千と千尋』のような異世界感)で綴ります。タイトル『すくってごらん』=『救ってごらん』は、傷心の主人公に掛かる言葉だと予想しておりましたが、むしろ彼は救う側でした。主人公は『黒船』であり、鎖国中だった女性の心をこじ開け、再び本国に戻っていったという結末です。もちろん異文化交流は双方に刺激を与えるものですから、少なからず主人公の内面にも変化があった訳で、「数字は裏切らない」が口癖の彼から「数字にこだわっていたら誰も救われない」という言葉が引き出されています。矛盾する概念ではありませんし、多角的な視点を持つ事は有益に違いなく、今後銀行員として一皮剥けることが期待されます。人間的にも成長したことでしょう。多分。 ミュージカルとファンタジーの親和性の良さは『オズの魔法使い』で証明されているとおりであり、唐突な歌唱パートに違和感は無いものの、主人公の内面語りがセットとなっている部分が少々鬱陶しいかもしれません。というより、主人公のキャラクターが『都会から来たいけ好かない奴』から終始変化が無いため『感動』や『感慨』に繋がりません。素材となるドラマの薄さを、ミュージカル調で濃く味付けしたという印象を受けます。 (ここから先は赤寄りのモノノフとしての感想です)最後に百田夏菜子さんについて。週末ヒロインから映画単独ヒロインへ。黒髪の乙女の着物姿を拝見できただけでファンとしては得しかなく、さらに映画を通じてピアノスキル習得の機会をいただき、生駒吉乃としてソロ曲まで頂戴し、大変実りの多いお仕事でありました。心より感謝申し上げます。アイドルとは、歌って踊ってバラエティも演技もできるトータルファイター。本隊にはあと3人逸材がおりますので、どうぞ引き続きご愛顧のほどよろしくお願いいたします。
[DVD(邦画)] 7点(2021-11-03 21:52:25)
286.  新感染 ファイナル・エクスプレス 《ネタバレ》 
低予算から大作まで、猫も杓子も『ゾンビ映画』だらけ。それだけ魅力的かつ作り易い題材なのでしょう。『噛まれたらアウト』のシンプルなルール、荒廃した世界、サバイバル、アクション、ゴア描写、そしてヒューマンドラマ。この組み合わせは『奇跡のレシピ』と言ってよく、まさに映画界の『カレー』であります。上手い監督が作れば極上品が拝めますし、素人監督でもそれなりに形になる魔法のジャンル。そんな数多あるゾンビ映画の中にあって本作が特別なのは、ゴア描写を完全に排除したことです。お約束ともいえる『捥がれた手足』や『飛び出す内臓』なんてグロテスクな表現は一切ありませんし、血飛沫を浴びたシャツはオレンジに染まり、まるで『ナポリタンをこぼした人』のよう。お子様でも安心なファミリー映画仕様でありました。事実、私は家族揃って(最年少は小3女児)お茶の間で鑑賞しています。そう、本作はゾンビ映画界の『カレーの〇子様』でした。しかも本家『カレーの王〇様』は大人の口には合いませんが、本作は辛味こそ無いものの旨味やコクは一級品なので大人が楽しめる優れもの。ただし、『流れ的にこのあたりで主要キャストが退場するな』とか『ここはこうやって切り抜けるんだろうな』みたいな予想はことごとく的中します。あの人なんて、ドラマチックにする為だけに“噛まれにいってる”ものなあ。『期待を裏切らない』とも言えますが『驚きがない』とも言えます。まさに既製品クオリティです。普段使いのお家カレーとしては満点で十分コレで満足ですが、心を鷲掴むサムシングは独創性の中にこそ存在するため9点や10点にはなり得ません。よって8点満点で8点映画との評価です。
[CS・衛星(吹替)] 8点(2021-10-30 16:58:19)(良:2票)
287.  約束のネバーランド 《ネタバレ》 
原作未読。TVアニメシリーズ鑑賞済み。浜辺美波さんがエマ役とお聞きした時点で『駄作決定』感がありました。キャスティングの都合で要となる子どもたちの年齢を変えるなんて(11歳→15歳)、原作を尊重していない証拠ですから。更にメインキャスト3人の見た目にも違和感あり。エマやノーマンに対してレイが明らかに幼いのです。せめて配役のバランスくらいとりましょうよ。鑑賞前の期待値はかなり低いものでした。それが功を奏した(?)のか、思ったよりも悪くなくて。いや、クライマックスに至ってはアニメ以上の感動がありました。 本作で描かれるアニメ第1シリーズは、所謂『脱獄もの』です。監視の目を盗み、如何にして孤児院から脱出するか。年端もいかぬ子どもたちが、勇気と知恵を振り絞り決死の脱出を試みます。ところが子どもたちの年齢を4歳も上げたことで、相対的にミッションの難易度が下がりました。サスペンスとして年齢変更は百害あって一利なしです。しかし主役を『少年少女』から『青年』に替えた事で、物語に別の視点が生まれました。『脱獄』から『巣立ち』へ。クライマックスでイザベラとエマの間で交わされた会話。崖を飛ぶというシチュエーション。これら全てが『親元からの旅立ち』を意味しました。親の願い、子の気持ち。両者の想いが相容れぬのは、2人が人間だからです。この時、イザベラとエマは『飼育監と食幼児』ではなく『母と娘』であったと考えます。 『巣立ち』要素は、原作(アニメ)でも存在したのかもしれませんが、年齢変更によりクローズアップされたのは間違いないでしょう。だから年齢変更を良しとする気はありませんが、サスペンス上の失点を逆手にとって、青春ドラマに活かした手腕はお見事だったと思います。冒頭に述べたキャスティングバランスの不具合についても、3人の中でレイが一番精神的に幼かった事を示すためとすれば納得です(これは好意的解釈が過ぎるかもしれません)。いずれにしても、漫画アニメの実写化で求められるのは『原作の再現度』ではありません。コスプレ大会など御免ですし、そもそも漫画やアニメのファンで実写化を望む人なんて居ないのですから。それでも実写化するのであれば、実写にする『価値』や『意味』が欲しいところ。そこで重要なのは原作に対する『理解力』であります。その観点から『脱獄』を『巣立ち』と解釈した判断はアリだと思います。「本当はここ(崖)を超えていける子を育てたかったんじゃないの?」「違うわよ」「ママも世界を変えたいんでしょう」「違う」「本当はママも大人になった私たちを見たいんでしょう」「違う!」イザベラとエマの心情は生身の人間が演じるからこそ伝わってくるものでした。本作は実写化の『成功例』ではないまでも『正解例』の一つとして良い気がします。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-10-26 18:48:52)
288.  新解釈・三國志 《ネタバレ》 
NHK人形劇から始まり、横山光輝の漫画全60冊を誕生日プレゼントでねだり、吉川英治の小説も読みふけり、スーパーファミコン版光栄の『Ⅱ』は50回以上中国全土を統一した『三国志』大好きな私。さらに福田雄一コメディも大好物で『新解釈』なるアプローチも面白そう。期待値はかなり高かったのですが、見事に空振りました。何がまずかったかと考えたのですが、純粋に『物語』が面白くなかったのだと思います。『三国志』の高い認知度に胡坐をかいた粗い脚本が諸悪の根源と考えます。メインとなる物語で魅せてこそ、福田コメディの生命線、アドリブや悪ふざけが活きる訳で。もっとも本作については、悪ふざけもセンスを欠くものが多く、特に渡辺直美の容姿体形を揶揄するネタは、東京五輪開会式案『オリンピッグ』より数倍タチが悪いものでした。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2021-10-22 23:17:27)(良:3票)
289.  樹海村 《ネタバレ》 
『犬鳴村』に続く恐怖の村シリーズ第2弾。今回は青木ヶ原樹海(富士の樹海)の奥にある自殺志願者が作った架空の村がタイトルだそう。自殺しようと樹海に入ってはみたものの、死に切れない、でも帰れない。だからここで暮らそうと村が出来たとか。まあ、流石に無理筋です。生きたいと願う気力が無い者がサバイバルなんて出来ませんから。結局のところ、樹海の樹木と同化した“半人半木”みたいな謎の集合体がわらわら出てきますが、正直何のことやらよく分かりません。あの中にシャキーンのジュモクさんが混じっていても気づかない自信があります。さらに『コトリバコ』なるネット由来の与太話を物語の核に据え、ひたすら気持ち悪い展開が延々と続くと。最終的に“ちょっと切ない系”に落とし込むあたりはシリーズ共通項でありますが、あくまで“気持ち悪い”がメインであって“怖い”の芯を全く食わないため、フラストレーションが溜まりました。これはホラーなのかな?個人的には、まだ『犬鳴村』の方がホラーとしての体裁を保っていた気がします。 それにしても、ただでさえ自殺名所のイメージが根付いてしまった富士の樹海が、こんな形でさらなるネガティブキャンペーンをされるなんて本当に迷惑な話だと思います。青木ヶ原樹海って世界文化遺産であり国立公園でしょ。みんな楽しく素晴らしい自然景観を満喫しましょうよ。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2021-10-16 01:05:26)(良:1票)
290.  台風家族 《ネタバレ》 
ブラック&シュールコメディ+ヒューマンドラマ。あまり馴染みのない組み合わせで、少々戸惑いました。終盤はファンタジーと言っていい無茶な展開が付加され、さらに困惑度が増します。それでも全体を通じてみれば、映画技法として許容可能なレベルに収まっており不満はありません(ダニエル・ラドクリフ君の『スイスアーミーマン』あたりが大丈夫な人なら全然イケるでしょう)。大変エネルギッシュな映画でありました。役者の皆さんも熱演でした。「ま、ま、満足、一本満足」みたいなシーン強烈でしたね(実際の台詞は全然思い出せないのに!)。草なぎ剛さんは一皮剥けました。いや、もともとあのくらいはやれる方でしたか。 「隠された真実」が露わになり「胸を熱くする」のが、人情ドラマの醍醐味です。本作の場合『銀行強盗』や『釣銭泥棒』『賽銭泥棒』『醜い遺産相続争い』といったネガティブな出来事が、そこに至った経緯が明かされることでポジティブに裏返ります。「何だ、そういう理由があるなら仕方ないと」。勿論これはマヤカシです。正当性が認められるのは、それ以外の解決方法が無い場合のみ。こんな屁理屈、現実には通りません。しかし映画は虚構の世界。それを強くアピールするために、終盤の「超展開」があったと考えます。情に訴えられ、多少なりとも共感できるのであれば、それを受け入れるのが映画の楽しみ方。「裁判ではなく、感情の話」ですから。
[インターネット(邦画)] 6点(2021-10-10 21:48:59)
291.  バッド・バディ!私とカレの暗殺デート 《ネタバレ》 
土台となる物語の様式は「身分違いの恋愛」です。『ローマの休日』や『ノッティングヒルの恋人』に同じ。好き同士。されど相手は別世界の人。このラブストーリーの結末は「諦めて別れる」か「どちらかが住む世界を変えて結ばれる」の二択。現実世界では前者が多い気がしますが、映画ではハッピーエンドが好まれるので後者のパターンを結構見かけます。本作もその一例。今回のケースは、殺し屋がカタギになるか、カタギが殺し屋になるか。一見カタギになる方が好ましいように思えますが、実はそちらの方が厄介です。殺し屋は殺しが仕事。しかし足を洗った瞬間から「仕事」は「罪」に変わります。勿論効力は遡り。贖罪は不可能なので、人生の門出に重い十字架を背負う羽目になるでしょう。しかし、カタギが殺し屋になる場合は違います。主人公はぶっ飛んでおり、躊躇なく人を殺せました。オマケに殺しの才能まである。まさにお似合いのカップルです。当人が良ければ問題ありません(ただし身内なら死んでも止めますけど)。これは観客の心情にも沿うもので、『ルパン三世の泥棒を咎める者はいない』理論が、殺し屋にも適用されると考えます。このあたりの気配りはさらに丁寧で、男は金さえもらえれば誰でも殺す非情な男ではなく、殺しを止めたいと思っている善人設定でした(だから依頼人は殺してもいいという理屈は謎ですが苦笑)。主役2人とも好感度が高く、ブラックラブコメとして優秀な一作だと思います。
[インターネット(吹替)] 7点(2021-10-05 21:16:33)
292.  ヴィヴィアン武装ジェット 《ネタバレ》 
島田角栄監督作品は『PLAN6 CHANNEL9』で"体験済み"。氏のやり口はある程度分かっていたつもりですが、それでも本作の"やりたい放題ぶり"にはあ然としました。まともな感性で正面から向き合うと、精神をやられる可能性大です。ブラック&シュール&チープ&クレイジー。これぞサブカル系ナンセンスラブコメディの極地でありました。邦画史上最も有り難みのないおっぱいが拝める特典つきです。基本は主演を務めた鳥居みゆき嬢の持ちネタそのままと思っていただければ間違いなく、彼女の笑いを理解出来る方なら楽しめるでしょうし、そうでないなら、あるいは彼女のネタを知らないのであれば、鑑賞回避が無難と考えます。何らかのメッセージを汲み取ろうと努力するだけ無駄な気がしますが、深読みしたり、共感したりするのは自由ですので、勇気のある方(もしくは暇な方)はチャレンジしてみるのも一興かと思います。ただしちゃんと現世に戻って来られる保証は出来かねますのでご注意ください。結末だけは良かったと思います。あのラストは紛れもなく「救い」でした。大体3点満点の映画と思ってくださればよろしいかと。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-09-29 17:14:30)
293.  引っ越し大名! 《ネタバレ》 
史実に照らして「エピソードの妥当性」を検証する知識は持ち合わせていませんし、娯楽時代劇にそんな野暮は不要でしょう。ですから、時代劇の体裁を借りた「現代サラリーマン人情話」と捉えて感想を述べます。 今回の「本社移転計画」の本質は、「人員整理」&「コストカット」でした。会社を存続させるには避けて通れぬ重要課題。そんな一大プロジェクトを任されたのが主人公です。彼の役職は「資料室長」で、本来ならこんな重責を任される立場ではありません。彼の役目は「スケープゴート(生贄の羊)」でありました。不平不満・恨み辛みの引き受け先。責任をとって腹を切ってくれれば、その後の作業がやり易くなる目論見です。酷い話ですが、手柄を立てるより、ミスをしないのがサラリーマンの処世術。貧乏くじを引かされるのはいつも弱い立場の人間です。ただ、幸いな事に彼には協力者がいました。「引っ越し虎の巻」の提供、金策の下準備、そして精神的サポート。実に多くの人々の助力により、大事業は成し遂げられました。それは、彼の善良な人間性が生んだ奇跡であったと考えます。同僚が一時解雇を受け入れてくれたのも、商人が大金を融通してくれたのも、主人公の頼みだったからこそ。事務遂行や指揮命令力だけが「仕事の力」にあらず。「あの人の頼みなら聞いてやるか」も立派な技能の一つであり、往々にして「努力して獲得する」のではなく「最初から身についているもの」だったりします。 当初、主体性や積極性に欠けるように見えた主人公ですが、次第に見事なリーダーシップを発揮しました。これは「ポジション(役職)が人を創る」典型的なパターンかと。ただし今回は極めて稀なケースと知るべきでしょう。少し背伸びが必要な仕事を与えるのが、人を育てるコツ。背伸びどころか、ジャンプしても届かないような大仕事を与えても、普通は潰れるのがオチです。幹部もそれが分っていたから主人公を「スケープゴート」扱いした訳です。彼の基礎能力の高さ(とりわけ人柄の良さ)と、豊富な社内人材の活躍により「瓢箪から駒」が生まれました。実際「マツダイラナオノリ株式会社」(ドラッグストアみたい!)社員の団結力は目を見張るものがありました。これも社長の人徳のうちでしょう。社長の失策により会社は傾きかけましたが、会社を持ち直させたのも社長の力と考えます。 前述したように、本作は時代劇の体裁を借りた現代サラリーマン話。終盤の「チャンバラ」は特典です。ただ、このオマケが悪くない仕上がりでした。毎度おなじみ大名行列に付き物の大槍が、実戦で活用されるシーンを拝めて得した気分。オマケって、こうじゃなくちゃね。
[インターネット(邦画)] 7点(2021-09-24 18:54:29)(良:2票)
294.  サイレント・トーキョー 《ネタバレ》 
「日本を戦争が出来る国にする」という首相発言に対する憤り。平和ボケ極まれる日本国民に向けた警鐘。今回の爆破テロ事件は、主にこの2点が動機と思われます。大きく括れば、世界平和を望むが故のテロと言えましょう。主義主張と行動が噛み合っていないように感じますが、目的達成の為の手段として「テロリズム」を許容する立場であれば、何ら矛盾はないのだと思います。大事の前の小事。日本語本来の意味での「確信犯」です。ただ、今回の犯人に「政治的信条」があったとは思えません。犯人の胸の内にあったのは、今は亡きあの人に対する深い愛情でした。 長い年月をかけ熟成された亡き人に対する想いは、「故人の意思を受け継ぐ」かたちで顕在化したと考えます。ただし、「本当に爆破テロが故人の意思であったか」は議論が分れるところかと。故人が爆破知識を犯人に授けたのは「この技能を役立てて欲しい」でありました。伝統工芸の職人が弟子に技術を伝承するように。老舗のうなぎ屋が秘伝のタレを後継ぎに託すように。自分が消えて失われてしまうのは、その対象が希少で有益であるほど、それを獲得するのに費やした労力が大きいほど、耐え難いもの。自死を決意していた者にしてみれば、自身が持つ爆破知識が受け継がれれば、それで満足だった気がします。もし戦争になったら、この知識を役立てて欲しい程度の話。しかし受け継いだ方からすれば、そうは行きません。「秘伝のタレ」を家庭内で消費するなど許されません。「宝の持ち腐れ」は罪だからです。犯人は、受け継いだ技能を最大限発揮する場をずっと探していたのでは。冒頭に述べた動機は後付けであり、キッカケに過ぎないと考えます。あの人が病んだのは、非情な現実に心が耐えられなかったから。テロリストを育成する気などハナからなく、後に起こる「必然の悲劇」を予想できなかったからと考えます。甘いですか。甘いかもしれません。 もし現実に、本件のような予告爆破テロが日本で起きたとしたら。昨今のコロナ対策の現状を見る限り、あれほど大勢の野次馬が溢れかえるとは思えません。危険だから近寄るなと言われれば、近寄らないのが日本人です。鉄道も運休するでしょうし。実際には渋谷駅周辺はスカスカだと思います。ただ、立ち入り禁止の規制範囲は結構あんなものかもしれないと思いガクブル。爆破規模は、毎度お馴染み「想定の範囲外」であり、首相が責められるべきはテロリストと対話しなかった事ではなく、立ち入り禁止規制区域が適正ではなかった事だと思います。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2021-09-21 19:56:00)(良:2票)
295.  食べる女 《ネタバレ》 
古書店を営む文筆家・餅月敦子を中心に、彼女を取り巻く女性たちの人生を「食」と「性」に焦点を当てながら描く群像劇。特筆するエピソードはなく、日々の生活の「あれやこれや」が淡々と綴られます。刺激的な展開で惹き付けるタイプの作品ではない為、必然的に役者の演技に目が行きます。残念ながら本職俳優とタレント俳優の力量の差は明らかでした。おそらく両者の中間に位置するであろう「小泉今日子」や「ユースケサンタマリア」に中和剤の役目を期待したのでしょうが、あまり効果的では無かったように思います。 タイトルに違わず「美味しそうに食べる」シーンは随所に見られました。これは傍から観ているだけで幸せを感じるもので、敦子が言う「美味しいものを食べている時と、好きな人とセックスしている時が一番不幸から遠ざかる説」は概ね真実なのでしょう。 「食」をテーマに掲げるに映画にしては「料理」の見せ方に拘りが感じられません。料理の魅力をきちんと伝える「画」が不足していたと思います。献立のセンスが良かっただけに、尚更勿体ない気がしました。献立とは裏腹に、センスを感じなかったのがエンディングです。まるで漫画。エンディングの選曲も含めて「急にどうしちゃったの?」という感じ。そもそも終点が定まっていない物語なので締め方が難しかったのかもしれませんが、雑な味付けだったと思います。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-09-19 18:52:24)
296.  とんかつDJアゲ太郎 《ネタバレ》 
立志→小成功→挫折→葛藤→特訓→勝利。これは青春スポコン映画の黄金パターン。本作のような非スポーツ系にもこの絶対無敵の方程式があてはまります。ただし、特訓が派手で分かりやすいスポーツ競技に対し、文化系の訓練は見た目に地味です。さらに芸術系となると、技能向上をどう表現したらよいのやら。では、クラブDJの場合はどうでしょう。私の認識では、ツマミをいじって、レコードをキュキュキュキュやって、フロアを盛り上げるのがDJの仕事(本当は何をしているのか知りません)。もちろん楽曲知識や操作テクは必要でしょうが、一般的な技能習得法など見当もつきません。主人公が弟子入り志願をしたオイリーさんは、当初「そんなもん独学だ」と一蹴し、子弟関係を結んだ後も「フロアの客を具体的にイメージしろ」程度のアドバイスのみ。結局は「経験」と「センス」がモノを言う世界と思われます。これを前述した方程式の「特訓」に落とし込むと、「指たて伏せをする」「洋楽を24時間聴きまくる」「小箱100件武者修行」のような表現になるかと。分り易い。でも汗臭い。そして重苦しい。クラブDJのイメージとはかけ離れてしまいます。そこで本作では、「とんかつ屋」の下積みをそのままDJ修行に置き換え、軽やかに仕上げました。とんかつを揚げるのも、フロアの客をアゲるのも同じという理屈。もちろん詭弁です。しかし的外れでもありません。両者に共通するのは「お客さんの笑顔がみたい」。果たしてとんかつDJは、とんかつ屋修行で身に付けたスキルを武器に、フロアの観客に最高のグルーヴを巻き起こしました(調子乗って使ったけど、グルーヴってなんだ?)。オチもまた良し。アゲ太郎よ、DJである前にとんかつ屋たれ。まずは本業で一人前になること。そのとんかつ道はDJにも続いているに違いありません。 最初に『とんかつDJアゲ太郎』なるパワーフレーズを耳にしたのは、伊集院光の深夜ラジオだったと記憶しています。氏のフェイバリットフレーズ『岡村孝子のうどんの歌』と同じ悪ふざけかと思いきや、本当に漫画が存在するとは。さらに映画化と聞いて驚いたものです。しかも実際観てみるとキワモノではなく、正統派の青春映画で2度びっくり。タイトルで先入観をもってはいけませんね。それにしても、とんかつ美味しそうでした。本作鑑賞後、馴染みのとんかつ屋に走ったのは言うまでもありません。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-09-16 22:20:23)
297.  映画 賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット 《ネタバレ》 
前作の劇場版で『賭ケグルイ』の正体は分かったつもり。本シリーズを楽しむコツは単純です。「理屈を言うな」。私の感想文をお読みいただければ分かるように、本来理屈こき(それでいて理論的に物事を考えられない)で、頭の固い中年男性が観るような映画ではありません。どうしても荒唐無稽な設定や、ゲームとして成立していないギャンブルに、文句の一つも言いたくなります。しかし、そこは我慢。というか、理屈のスイッチを意図的に切ればよいのです。さすれば「面白い」とは言えないまでも「楽しめる」ことが分りました。最初のギャンブル「黒色限定ポーカー」の無法ぶりは論外ですが(ああ、こういう事を言っちゃ駄目)、メインとなる「ロシアンルーレット」はなかなか見応えがありました。ルールは簡便で、戦略も立てやすく、それでいてギャンブル性高し。ボードゲームとして商品化出来そうな完成度だと思います。とはいえ、本コンテンツのセールスポイントはやはりキャラクターの魅力になるのでしょう。浜辺美波ちゃんの美しさは際立っていますし、お気に入りの森川葵さんもノリノリでした(完全に『ワイルドスピード』仕様でしたね笑)、中川大志さんのオッサン風キャラもツボ。優秀な駒は揃っているので今後もシリーズ継続が期待できそうです。劇場で観たいかと問われるとアレですが。前作より2点アップです。
[インターネット(邦画)] 5点(2021-09-16 22:18:21)
298.  ファンファーレが鳴り響く 《ネタバレ》 
高校生が現実から逃げ出す場合「引きこもり」や「家出」をするのが通例ですが、光莉は実行に移す気力がなかったため「人殺し」に走ったと考えます。矛盾するようですが、持久力を必要とする「引きこもり」より、瞬発力で可能な「人殺し」の方が、ハードルが低かったのだと思います。また月並みではありますが「猫殺し」が予行演習となったのも間違いないでしょう。果たして光莉は、自らを窮地に追い込むことで、強制的に現実逃避を実現しました。ちなみに彼女は「世の中を変えたい」と口にしますが、これは行為正当化の口実と考えます。自分自身を欺ければ、理由は何でも良かったのでは。明彦にしてみれば完全にとばっちりですが、危ないところを助けてもらった恩(実際は逃避のキッカケを与えただけ)、そして彼もまた逃避願望があったことから、彼女の尻馬に乗りました。ヒロイズムの勘違いもあったでしょう。彼は、なまじ「良い子」であったが故に判断を誤ったと考えます。2人の凶行は常軌を逸しており、彼らの中で「現実感」は皆無だったと思われます。現実逃避をしているから当たり前。まさに夢見心地。シンメトリーな橋脚下シーンが印象的です。「夢」と「現」。2つの世界を私たちは行き来しています。どちら側に居るのか、ときどき不安になりませんか?タイトル「ファンファーレ」はパトカーのサイレン音のこと。目覚まし時計が鳴り響きます。夢から目覚めた2人には、「新しい現実」が待っています。 冒頭のダンスシーン、死んだ猫のツクリモノ感は、本作が「寓話」であることを匂わせます。また殺人の導火線として「猫殺し」エピソードが必須でした。いじめ。腐った大人たち。様々な「言い訳」を駆使して、どうにか荒唐無稽な「人殺しロードムービー」を成立させています。これほどショッキングかつ現実離れした内容にせずともテーマを語ることは可能だったはずで、商業戦略的に刺激過多にした感は否めません。特にアパート襲撃はやりすぎでした。喩えるなら、どこぞのバラエティに出てくる激辛料理。味や栄養が二の次になる料理に、何の価値があるのかと。料理人として、それでいいんですか?と思うのですが。園子温監督あたりの悪い影響もありそうです(決めつけ失礼)。 エピローグについて。2人が犯した罪に対して適正な罰が与えられた形跡はありません。「心神耗弱」「未成年」。減刑に使われたであろう刑法の「チートカード」は悪質で、光莉が忌み嫌っていたはずの「社会のルール」に守られた無慈悲な結末と言えるでしょう。『殺すのなんて簡単なんだからね』は、犯罪加害者には適用されません。とはいえ、映画は因果応報に厳しい世界です。明彦には「報い」が待っていました。当然光莉にも、しかるべき報復があると考えてよいでしょう。守るべき者が出来た今、より厳しい仕打ちが予想されます。その時、彼女は初めて自らが犯した罪と向き合うのかもしれません。明彦の同僚は「罪を背負って生きていけ」と述べました。そう、これが私たちの社会が望む「更生」の姿であります。令和日本版『ボニー&クライド』で描かれたのは「破滅」ではなく「絶望」でした。
[DVD(邦画)] 6点(2021-09-16 01:28:39)
299.  聖女/Mad Sister 《ネタバレ》 
(シュワちゃん主演の『コマンドー』のネタバレを含みます。未見の方はどうぞ名作『コマンドー』をご覧になってから、本文をお読みください)  本作の類似作品に『コマンドー』を挙げたいと思います。ご存じA・シュワルツェネッガー主演の大人気アクション映画。娘を拉致された主人公は、僅かな手がかりを頼りに敵のアジトを探り当て、武装集団を相手に単身大暴れします。主役をマッチョからお姉さんに、娘を妹に替えれば本作の出来上がり。ただしテイストは真逆でした。韓国製サスペンスはバッドエンドがデフォルトですが、それにしてもこれでOKなの?という感じ。何が気に入らないって『リアリティ』の扱いに一貫性が無いことです。例えば『コマンドー』にリアリティなど微塵もありません。娘の居場所の手掛かりは都合よく繋がりますし、最終的に一人で武装小隊を壊滅させます。あり得ないバカさ加減。でもバカが一貫しているので何の問題もありません。そういうルールのエンタメだから。ところが本作では、妹を探す過程は『コマンドー』以上にトントン進むのに、最後になって妙なリアリティを発揮します。バカでもシリアスでも構いませんが、ノリには統一性を持たせてください。また、カタルシスが無いのも問題です。感情の赴くまま行動する主人公に対して、普段ルールに縛られて生きている私たちは『憧れ』や『爽快感』を感じるもの。でもそれは目的達成が大前提です。目的が達成しなければ、どんな大活躍も『徒労』に変わります。骨折り損のくたびれ儲けは、実生活だけで十分です。救出劇の体裁になどせず、純粋に復讐劇の方がすっきりした気がします。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-09-16 01:27:28)
300.  EXIT 《ネタバレ》 
地震、津波、ハリケーン、火災。災害系パニック映画はこれまで数多く作られてきましたが、本作の災害は「有毒ガス」でした。それも自然由来ではなく、テロリストが作った生物兵器。殺傷力が高く、即効性・持続力に優れ、皮膚に触れてもアウトな代物。都市部が広域に汚染され、人々は窮地に陥りました。充満するガスの中を潜り抜けて避難するのは基本不可能なので、ガスを避け、高い場所を目指し、救助ヘリを待つのが唯一の生き残り策となります。そこで元山岳部・ボルダリング経験者の主人公が八面六臂の活躍を見せました。 特筆したいのは「説明責任」を果たしていること。単に「山岳部」の肩書で主人公の身体能力の高さを処理するのではなく、「これくらいの事ができますよ」と事前にアナウンス。超絶アクションに最低限のリアリティを持たせています。サバイバルで必要な物資の調達過程も抜かりなく。本編では伏せられたハイライトシーンの顛末は、エンドクレジットにさりげなく差し込むオシャレな演出。唯一「ん?」と思ったのは、予備校生に救助ヘリを譲ったところ。定員オーバーだから諦めたのでしょうが、ダメ元でチャレンジすればよいのにと思ってしまいました。でもそれだと、同じ状況を繰り返す事になるのでクドイ印象を受けたはず。クライマックスに向け、よりスピーディな展開が求められる中でリアリティを捨てる判断をしたのだと思います。エンタメとして正しい選択でありました。 パニック映画の器に、サスペンス、アクション、ラブストーリー・家族愛・コメディ・パロディ(タイタニック)を盛った豪華仕様の幕の内弁当。満腹・満足・間違いなし。掛け値なしに面白く、万人におススメできる秀作でありました。
[インターネット(吹替)] 9点(2021-09-10 20:38:52)
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