281. パルプ・フィクション
最初に観たのはいつだか忘れてしまったが、そのときよりも更に楽しめた気がする。等身大のワルい奴らの物語。それを軽く笑いのエッセンスで料理してしまうタランティーノの手腕はすごい。やっぱりタランティーノはこの頃がサイコーだったと思う。 しょうもないんだけど、なぜか笑ってしまう会話。妙なこだわりを持つギャングたち。愛すべき人間たちが殺伐とした殺し合いを行うこのシュール感。タランティーノの映画は最高に心地よい非日常だ。ただし、いつか巻き込まれそうな、すぐ隣にある非日常だ。 ただし、個人的にミアのエピソードは浮いていると感じた。もうちょっとミアが本筋に絡めばもっと面白くなったかもしれない。 [DVD(字幕)] 8点(2010-06-05 17:59:17) |
282. その土曜日、7時58分
兄弟の共犯関係を描いたシリアスドラマと言う設定が、最近観た「夢と犯罪」に酷似していた。どちらも面白かったが、こちらの方が犯した罪がよりエグく、兄貴の狂いっぷりも相当なので好みだった。ユアン・マクレガーが兄貴役の「夢と犯罪」はわりと等身大の話。それに対して、こっちはフィリップ・シーモア・ホフマンの粘着質で屈折したブッ飛び方が全開で、ストーリーも壮絶な展開を見せる。こっちのほうが実際にはありそうもないけど、映画としては面白かった。脇を固めるアルバート・フィニーやイーサン・ホークもさすがの演技。でも一番凄いのは80歳を越えてこれを撮るルメット御大か。 あと、最後に付け加えるとこの邦題はちょっとしっくり来ないと思う。僕が代わりに考えた邦題はこちら。「兄と弟の犯罪」。うーん、これもイマイチ。何か、ないですか? [DVD(字幕)] 7点(2010-06-05 17:34:53) |
283. グリーン・ゾーン
正直に言って、ポール・グリーングラス-マット・デイモンのタッグにはもっと期待していたので、期待以下といえば以下ですが、並みのアクション・サスペンスは遥かに超える出来と思います。物事が主人公にとってうまく進みすぎる嫌いはありますが、まさにノンストップで息もつかせない展開でした。アクション部分のラストも、展開がゆっくりであれば想定できる範囲なのですが、その時はまさかそういう方向に行くとは思わず、びっくりしてしまいました。 ちなみに撮り方に賛否両論あるようですが、私は手ぶれには強いほうなので、その点は特に減点対象とはしていません。また、アメリカ嫌いではないので、イラク戦争の大義云々を持ち出す気もありません。純粋に一個の戦争モノとしての評価です。 [映画館(字幕)] 7点(2010-05-31 22:00:25) |
284. マイレージ、マイライフ
「ジュノ」で期待していた監督さんで、観る前から私のハードルも上がっていましたが、無難に越えられた印象です。この監督さんは重くなりがちな話題を軽く、そしてアイロニカルに撮られるのが持ち味で、本作もその範疇を出るものではありませんが、期待通りの味わいでした。ジョージ・クルーニーの演技も良かったですが、アカデミー助演女優賞にノミネートされた二人もよい。特にアナ・ケンドリックの小生意気な新入社員振りには、自分の会社の新入社員と比較して笑えました。なかなか難しい役を軽妙に演じられていたと思います。大傑作と言うわけではないですが、ピリッとした皮肉の辛さと人生のほろ苦さを笑いで薄くコーティングした佳作だと思います。ハードルを下げずに監督の次回作にも期待します。 [映画館(字幕)] 8点(2010-05-31 21:50:10) |
285. アリス・イン・ワンダーランド
《ネタバレ》 一言で言うと食い足りない映画。アリスの成長物語と捉えても食い足りないし、観る者をワクワクさせるファンタジーとしても食い足りない。登場人物は確かにいちいちエキセントリックなのだが、全体的にキャラがとっ散らかっていて、掴みどころが無さ過ぎる。イカレ帽子屋はその典型だし、白の女王もメイクは濃いが印象は薄い。チェシャ猫と赤の女王は悪くないが、ハートのジャックはもうちょっと凄みのある極悪であってほしかった。 「チョコレート工場」でも感じたことだが、ティム・バートン監督は二兎を追うと失敗する。あの映画も最後に妙な教訓臭いエピソードを入れたばかりに台無しになってしまっていた。ストレートに映像美で勝負してほしい。子供向けを意識すると仕方が無いのだろうか。次回作に期待したい。 [映画館(字幕)] 5点(2010-05-18 22:53:03) |
286. 第9地区
《ネタバレ》 上映前からその独創的な設定を存分に生かしたドラマを非常に期待していただけに、アクション色が強くて少し肩透かしにあった。土埃の舞うアフリカの景色やスラム化した街は「ブラックホーク・ダウン」を思い出させられる。軍(正確には民間会社の軍事部門)のヘリコプターが集結して地域の制圧に動くさまも似ている。緊迫感漂う現場の雰囲気がうまく出せていた。 結局、テーマは「アバター」と同じく「異星人との融和」なのだが、全体的に品がなくて外見も気持ち悪いこちらの宇宙人の方が、融和のハードルがより高いだけに話しの展開も一筋縄ではいかないようになっている。暴力やグロの描写もこちらのほうが上だ。敵味方は違えどラストに人型兵器が出てくるところは同じ。 個人的には、圧倒的な映像美は「アバター」が上だが、筋立てはこちらの勝ち。結果引き分けといったところか。 [映画館(字幕)] 7点(2010-05-17 19:46:53) |
287. その男、凶暴につき
これが初監督作品か?これが初監督作品とは! 問答無用のバイオレンス。男の悲哀とエロス。全てこの作品の中に萌芽がある。大傑作「HANA-BI」や「ソナチネ」には劣るが、凄い作品。 もう一回言うとこれが初監督作品だなんて本当に信じられない。 [DVD(邦画)] 7点(2010-05-16 22:02:21)(良:1票) |
288. ウォッチメン
ユニークかつおどろおどろしい設定に惹かれて、劇場公開時から気になっていたのだが、このたびようやくDVDで鑑賞した。面白かったので、鑑賞後に原作の日本語訳も買って読んだが、その微に入り細を穿った構成や背景ゆえに、まずは原作を読んでから映画を観るべきだったかもしれないと思った。もう一度、映画も観てみようと思う。 さて、映画は、さすがは映像で売るザック・スナイダーだけあって、ビジュアル面がものすごい。ドクター・マンハッタンの圧倒的な存在感やラスト付近の描写は凄まじい。ダイジェスト版としても良くできているが、いかんせん初めて本作を見る人は、正直何が何やらというところだろう。少なくとも一定レベルの現代アメリカ史は押さえておきたい。個人的には面白かったので7点をつけるが、少なくとも日本では万人ウケしそうにはない。観る人を選ぶ作品だと言えよう。 エンディングの「Desolation Row」がその歌詞と相俟って痛快。しばらくこの曲ばかり聞いていた。 <再鑑賞後>評価は変えないが、やはり原作を読んでから見たほうがよいと思う。やはり映画だけだと細部の理解が難しい。結末の表現方法が原作と映画で異なるが、映画のほうが意外にすっきりとまとまっていて良いかもしれない。 [DVD(字幕)] 7点(2010-05-16 21:43:20) |
289. ウディ・アレンの夢と犯罪
《ネタバレ》 一緒に観た人には不評でしたけど、意外と悪くないと言うかむしろ良いと思いました。でも、とてつもなく暗い話なので、そこは覚悟できる人と観ることをお勧めします。 主演の二人がうまいので、安定感のある作品に仕上がっています。クラシカルなサスペンスを好むいつものアレンの作品から頭が抜ける感じはないのですが、きっちりと仕上げた感はあります。 実際、これを自分に依頼されたらどうか?と考えると結構身につまされます。僕ならやるでしょうし、その後平然としていられる自信もありますから、物語として成り立たないでしょうが。。。いずれにしてもかなり深刻な話なので、女性と観る場合は暗い話が大丈夫か確認してもしすぎることは無いと思います(笑) [映画館(字幕)] 6点(2010-04-18 22:57:05) |
290. ベルヴィル・ランデブー
《ネタバレ》 嫌いかと聞かれると嫌いじゃない。確かにキャラは軒並み可愛くないし、可愛くないならなぜアニメにするの?と聞かれてもよく分からない。でも、この作品のことは嫌いじゃない。犬の夢、電車にほえる犬、気味の悪い三人の婆、そして何よりもすさまじいデフォルメ。嫌いじゃない。積極的に大好きとは胸を張れないが、嫌いじゃない。いや、好きなのかも。最終的には。 [DVD(字幕)] 6点(2010-04-18 22:51:20)(良:1票) |
291. Kids Return キッズ・リターン
《ネタバレ》 「俺たち、もう終わっちゃったのかな?」 「馬鹿野郎!まだ始まっちゃいねぇよ!」 ラストで心を射抜かれる。 [DVD(邦画)] 9点(2010-03-12 23:47:28)(良:3票) |
292. イントゥ・ザ・ワイルド
《ネタバレ》 主人公と自分は全くタイプが異なるんだけれども、かなり好きな作品だ。 金持ちだが、夫婦仲の悪い家庭に育ち、大学をトップクラスの成績で卒業した主人公は突然蒸発し、長い長い放浪生活を始める。 中年のヒッピーのカップルや農場労働者、シンガーソングライターの女の子、革職人の老人など様々な人々と出会いながら、ひたすらアラスカ行きを願う主人公。それぞれの人々と深いレベルでコミュニケーションをとり、周囲に影響を与えながらも、どこまでも自分の生き方を貫こうとする主人公の意志の強さは自分にはまねできない。普通の青春映画であれば、主人公は葛藤し、挫折し、愛に溺れ、ヤケになるものなんだが、この主人公は異様なまでに老成していて、しかもストイックなのだ。かえって周りの大人が圧倒されるくらい。真面目な人間が本気で放浪をやるとこんなになるものなんだとちょっと怖ろしい。 ラストでこれが実話に基づくことを知り、さらに感動の度合いが増した。何はともあれ、自分の生き方を全うした主人公は立派だと感じた。 [DVD(字幕)] 7点(2010-03-11 22:24:04) |
293. (500)日のサマー
《ネタバレ》 運命の人だと自分は感じても、相手が感じないとそれはそれはつらいもの。自分にとって「運命の人」であっても、相手にとっても「運命の人」がいるのだからそれは当たり前でもあるのだが。それが一致するほうが珍しいってもんだ。 さて、僕も「運命の人」に片想いまっしぐら中なので、この映画にはかなり期待していて、「膝を打つ」感覚が味わえるかもと思っていたのだが、残念ながらそうでもなかった。IKEAデートとか公園デートとか男心にキュンキュンくるはずの設定ながら、どうも気持ちが乗らない。正直に言って、時系列を狂わせ過ぎなのでは?と感じた。ラブラブ時代の伏線が、倦怠期にオチるという構図は面白いのだが、間の時期をすっ飛ばしてすぐオチにつながってしまうので、ちょっとしらけた。あとは、デシャネルのキャラが自分にとってはイマイチだったこと。フツーの女の子じゃん。と思った瞬間、この映画の魅力には限界値ができてしまった。 笑えるところもあったし、全体的に楽しく観られたのだが、新しい発見というか考えさせられるものは無かった。もっと恋愛について真剣に考えたかった! [映画館(字幕)] 7点(2010-03-11 21:48:28) |
294. 生きる
《ネタバレ》 黒澤映画はどうも自分にとってはムラがあるようだ。この映画のストーリーは嫌いではないのだが、全体的に退屈だった。なるほど、愚鈍になりきった志村喬の演技は素晴らしいのかもしれないが、愚鈍な人を見ているといらいらしてしまう僕にとっては、逆にこのうまさが苦痛だった。ボソボソしゃべるし、目はいつも下を向いている。彼がその鈍重さを生かしたまま、公園事業を貫徹する様はすごいことなのだろうが、どうも気持ちが乗り切れなかった。死ぬと決まる前から、もっと早くから仕事やれよ。としか感じられない。数十年間給料泥棒をしてきた人が最期だけ働いてもあまり感動を覚えないのである。 役所に入った友達の話を聞くと、今でも仕事をしない老人は職場に数多くいると言うことで、きっとこんな感じなんだろうなと同情してしまった。僕なら小田切さんみたいにさっさと辞めてしまうだろう。 [DVD(邦画)] 5点(2010-03-11 21:37:11) |
295. マンハッタン殺人ミステリー
《ネタバレ》 ウディ・アレンの映画はどれも面白いけど、その中でも特に気に入った。ウディ・アレンの台詞回しが好きならば、誰が観ても素直に笑える内容だと思う。特にユダヤ関係のネタが少ないから、日本人にも理解しやすい内容になっているのはありがたい。アレン映画の入門版として観ても良いし、アレン映画の強烈な毒気に中てられた人がちょっと軽めのものをということで手にとってみるのも良いと感じた。アレンはいつ観てもアレンだから、彼の喋りが嫌いな人は当然この映画も受けつけないだろうけれど…。 いわゆる倦怠期を迎え、離婚の危機まで追い詰められる中年夫婦の会話がリアルで笑える。この映画は主人公ラリーの妻であるキャロルの視点から見るのが一番面白いだろう。冒険と名のつくようなことは何もおきない日常。ラリーはチビの皮肉屋で、会話は面白いんだけど、所詮は口先だけの男。昔はそのウィットに富んだところが好きだったのに、今ではすっかり慣れてしまってたまにイライラしてしまう。仕事上の関係がある女流作家とも頻繁に会っているようだし。いっそのこと、自分を好きだと言ってくれるテッドに乗り換えてしまおうか。 離婚の危機にあるはずの二人なのだが、ある事件が現実性を帯びてくるにしたがって、昔のように息が合ってくる。それも相手の意外なところを発見して好きになるのではなく、昔と同じように弱いラリーと強いキャロルという「素」の関係性が復活するところから、再び愛が始まるのだ。実際、人間の相性ってそういうものじゃないかと思う。「異常な状況下で結ばれた愛は長続きしない」というのも、お互いが「素」ではないから仕方ないのかも。 脚本はいつもながらの安定感だし、ラストのドタバタになり過ぎないドタバタぶりもまた面白い。映画の上映と同時に進行する鏡張りの部屋でのクラシカルなノワール風アクションもいかす。鏡張りの部屋が出てきた時点でここでのアクションを当然想定できなかった自分が不甲斐ないが、さりげなく昔の映画への愛情をにじませるアレンが好きだ。日本にはいない監督だ。意識している日本人はいそうだけれど。 [DVD(字幕)] 9点(2010-02-26 23:19:26) |
296. 七人の侍
《ネタバレ》 長い映画だ。百姓達が七人の侍を雇い、村を略奪に来た野武士と一戦交える。ただそれだけの話なのだが、侍一人ひとりの個性、百姓達の意識、そして異なる身分同志の交流と反発、様々なテーマを取り扱い、しかもそれらをきちんと、しかも適度なユーモアを以って描き出すにはこれくらいの時間はやはり必要なのだろう。確かに削るべき場所がほとんど見当たらない。 この作品を観て一番思ったのは、最後に勝つのは百姓なんだろうけど、自分は武士でありたいなあということだ。まさにラストの勘兵衛の台詞は「武士は食わねど高楊枝」の考え方がストレートに表現されており、苦笑を浮かべながらも彼は満足(仲間を失った悲しみはあるが)だったのではないか。他人を守り、そして黙って立ち去る。そこに武士の本懐が垣間見えて、僕もそんな人間でありたいと思った。偉ぶらず、人のために役立つことができる人間でありたいと思った。 そして、今だったら、それぞれ誰が演じるだろうと考えた。勘兵衛は寺尾聰、勝四郎は妻夫木、久蔵は寺島進、菊千代は…。いない。彼の演技はアクが強くて普段はあまり好きじゃないけど、三船敏郎って凄いなと改めて感じた。彼の最期のシーンはアクションなのに涙が出そうになった。百姓を捨てきれない男の怖ろしいほどの執念が見えた。 長かったけど、観て良かった。 [DVD(字幕)] 8点(2010-02-16 23:10:39) |
297. チェイサー (2008)
《ネタバレ》 昨年の韓国映画では「母なる証明」かこれかと言われるほどの作品だっただけに期待しながら観たが、そこまでの作品ではなかった。 「オールド・ボーイ」以降の近年の韓国映画は、異様なエネルギーに溢れ、凄まじい暴力描写を伴うのが特徴だが、この映画も基本的にその線を踏襲している。追う者と追われる者が出会いと別れを繰り返す構成も面白い。サイコキラー役の俳優も桑田佳祐似の主人公も演技は良かった。 ただし、残念ながら、物語のバックボーンとなるメッセージ性にイマイチ欠ける気がした。例えば、映画と小説でジャンルは違うが、宮部みゆきの「火車」は「人を追う」というその一点のテーマを突き詰めた作品で、それがラストの静かな感動につながる。それに対して、この作品は途中で犯人が警察に捕まってしまうので、人をchaseするという面白さがあまり伝わらない。彼が釈放された後に、主人公は再び鬼のような追撃を始め、その部分は面白いのだが、中盤が若干だれる。確かに犯人に対する精神分析のシーンはゾクゾクするほど愉しいのだが、必ずしも必要なシーンではなく、周りから浮いてしまっている。 また、ラストの展開は、確かにミジンが助けられるよりも死ぬほうがドラマ性は増すのだが、あんまり酷くて可哀想でちょっといただけない。理不尽さや犯人の残虐性を強調したいのは分かるが、そっちにばかり焦点が行ってしまっている気がして嫌な気分だった。 原題はあくまでも「チェイサー」なんだから、もっと追う者追われる者のドラマを見せてほしかった。撮り方とかは好みなので、監督の次の作品に期待したい。 [DVD(字幕)] 6点(2010-02-16 22:47:10)(良:1票) |
298. ミュンヘン
《ネタバレ》 もっとヒューマン系の作品かと勝手に思っていたら、全然そうじゃなかったのですごく新鮮な気持ちで観られた。僕が知っている限りでは、スピルバーグの作品ではこういうタイプのスパイものやサスペンスものは他に無いような気がするが、こういうあまり撮っていない分野でも実際にやるとうまいなと感じた。さすが巨匠と呼ばれるだけのことはある。 ストーリー自体が長いので、暗殺部隊の中のキャラがイマイチ立っていなかったのが残念だが、ドキドキ感やスリル感は十分味わえたし、ユダヤ人としての監督の主張もほぼ理解できたと思う。次第に暗殺に取り付かれていく彼らの姿を通じて、それとなくイスラエル体制批判をするあたり、かなり政治的である。 でも、結局ラストでしれっと貿易センタービルを映すところが憎いなと感じた(もし間違ってたら誰か教えてください)。これじゃ、アラブ側は分が悪い。 [DVD(字幕)] 7点(2010-02-03 22:15:43) |
299. ゾディアック(2005)
《ネタバレ》 ああ、遂にやっちゃった!人生において初の借り間違い。しかも観終わるまで気づかず。いや、たいていは題名をちょっとは変えるじゃないですか!「ゾディアック・キラー」とかね(追記:こういう名前の映画は既にありましたw)。でもこれは原題も「The Zodiac」だから文句も言えない。ちゃんとフィンチャー監督っていうのを覚えて行くべきだった。そこで見分けるべきだったのに!いっぱい食わされたぜ!ジェネオンめ!そして、紛らわしいところに置いたツタヤめ! 映画の出来?酷いもんですよ。何も起こらないまま終わります。 [DVD(字幕)] 2点(2010-02-03 21:48:01) |
300. クラッシュ(2004)
群像劇の王道みたいな作品で、何と言うか「まっとう」な作品。一口にアカデミー賞作品賞と言ってもいろいろな映画が取っているが、この映画が取ったときは地味な映画だったけど、凄く納得感があった。ただし、群像劇だと「トラフィック」の方が僕は好きだけど。 様々な人種に属する人々が暮らすロサンゼルスのある2日間をどちらかと言うと淡々と描いた映画なのだが、脚本が自然でありかつ巧みで観客を飽きさせない。メインの登場人物だけでも優に10人は超えているが、一人ひとりの職業や性格、バックグラウンドが効率的に描かれており、日本人の僕が見ても混同しにくいつくりになっているのが、特にうまいと感じる。人種の違いから来る感情的なすれ違いや経済的な格差。それらを原因として多くの悲喜劇が生まれ、そして消えてゆく。この映画が特定の感情を押し売りしてこないところ、あっさりとしているところも僕の好みだ。 こういう映画を観るとアメリカと言う国はつくづくすごい所だなと感じる。よくこれで治まってるなと感心する。英語をしゃべれない国民がこんなにいて、どうして一つの国としてやっていけるのだろうかと不思議に思ったりもする。そして、こういう国に住んでみるのも面白そうだなと思う。たとえ、この映画にあるように人種差別が横行していたとしても、それもまた刺激的だなと思う。 [DVD(字幕)] 9点(2010-02-03 21:40:43)(良:1票) |