2981. 欲望(1966)
とても哲学的な映画ですね。真理の追究、意味、関係的と現象的、そういったことが要素としてあると考えられます。「人間は意味を求める動物である」とヴィクター・フランクルは言いましたけど、証拠や死体が消失する様はまさに意味の喪失だと言えます。トーマスは写真を並べて物語を構成し、意味付けを行う。それで殺人事件だと判断して、自分で公園に行って死体を見つける。だけど写真は盗まれ死体も消えてしまう。意味がなくなってしまった。それって不条理でしょう。現実というのは不条理の世界ですから。その後のギターを壊して、その破片を手に入れて外に出たら捨ててしまう、ていうのも、要するにあのライブハウスの中では貴重なものだという意味付けが、外へ出たらなくなって単なるゴミに変わってしまう。現実の不条理さを端的に表していると思う。その後で友人と死体を一緒に見に行ってくれと誘い、写真を撮ろうとする。これは現象的と関係的の要素があります。例えば、幻覚を見たら、それは関係的にはその幻覚で見えているものはないものだと言う事になるけど、現象的に言ったらあることになる。幻覚が見えている人にはそれは実存するわけです。トーマスは、自分の見たものは実際に存在するものだと証明するために、友人を誘って、写真を撮ろうとした。関係的証拠を求めた。だけど、断られ、一人で見に行ったら死体は亡くなってた。自分の見たものは果たして本当に存在したといえるのか?「誰もいない森で木が倒れたら音がするか?」というおきまりの哲学的問題がありますけど、この場合は、物的証拠がない場合、自分の見た殺人事件は、死体は、本当にあったと言えるのか?裁判だったら物的証拠がなければ裏付けがないので存在しないことになっちゃう。ラストの見えないテニスもそういう要素を含んでるし、最後は主人公がさーっと消えて終わる。あの最後によってこの問いが観客に向けられる。この主人公は、実際に存在したと言えるのか?例えば、世界には60億を越える人間がいるけれど、あなたはそのほとんどの人と出会ったことはない。出会ったことがない人を存在しているとどうして言えるのか?この映画は真理を求めようとして意味を喪失してしまうなんとも不条理な映画です。だから僕がこうやってこの映画に意味付けをしても、この映画はするりとその意味付けをかわしてしまう!まるで救い上げようとしても、手からこぼれおちる水のように。 8点(2004-07-24 03:10:14)(良:2票) |
2982. 9|11 N.Y.同時多発テロ衝撃の真実
9.11の映像はもう何度見てもまったく慣れないですねぇ。よく「歴史の生き証人」という言葉が使われますけど、テクノロジーが生み出したそれまでになく確実性と具現性を持った「歴史の生き証人」が映像だと思うんですね。人間だったらいつか死んでしまうし話は記憶と関わってるから確実なものではないし、具現性に乏しいものでしょう。それまでもっとも確実なものは書物だけだった。書物は人間と違って死にませんからね。だけど具現性に乏しい。映像はこの確実性と具現性を両方兼ね備えているわけですよ。今、巷に溢れてる映画、映像はほとんど価値のないものばかりだけど、でも映像の存在する意義は何かと言ったら、そこにあると思いますね。こういう優れたドキュメンタリーを見るとつくづくそう思います。内容に関しては、そうですね、人が飛び降りるあの凄まじい音。ダーーーーン!っていう爆発したみたいな。あれは強烈ですね。この兄弟は、遺体は映してはいけないものだ、ていう立場をとった。この倫理に関してもすごく関心しますね。遺体を映す映さないっていうのはドキュメンタリー作る人では考えが違う。一線を越えるか越えないかみたいな。勿論、悲惨なシーンを見せてもそれは凄く訴えてくるものにはなるけど、倫理的にどうかっていうのがありますよね。 9点(2004-07-23 01:23:15) |
2983. レボリューション・めぐり逢い
アメリカの自由を愛する精神は、独立戦争から来てるわけですね。それにしても、僕もDVDで観ましたけど、確かに画質は悪かったですね。ストーリーも、なんだか焦点があってない感じで、感情揺さぶられるところがどこかわからないですねぇ。評価が悪いのも致し方ない感じがします。息子を守る父親、その点だけですかね。 5点(2004-07-23 00:45:11) |
2984. 夕陽のガンマン
このイーストウッドに憧れて、自分も靴の裏でマッチに火をつける事を試み、結果として大量のマッチを無駄にした人は僕だけじゃないはず。 6点(2004-07-23 00:38:51)(笑:1票) |
2985. デス・ゾーン/奇跡の生還<TVM>
【もっち~(←にょろ)】さんとほとんど同じ意見です。これを観るくらいなら、同じ雪山遭難映画の「生きてこそ」を観るべきでしょう。緊迫感に欠けるし、ストーリーがすごくしょぼい。話が膨らんでこない。遭難側の人たちも、救出する側の人たちも、葛藤が月並みです。「生きてこそ」と違ってこれはフィクションなんだから、もっといろいろ盛り込めるでしょう! 3点(2004-07-22 04:07:58) |
2986. CURE キュア
どうしよう、、、、、全然怖くない(笑)。皆さん怖いとおっしゃるのに、なぜ自分は怖くないのかと考えること小一時間。そうか、僕の観てる態度が悪いんだ。最初から怖いと聞いていて、それで観たもんだから、怖さの分析をして観てた。映画はなるべく、先入観なしで観るべきですね。なんとも心理学的な映画だったせいか、自分で自分のの精神分析までしていました(笑)。 5点(2004-07-22 03:59:53) |
2987. イヤー・オブ・ザ・ドラゴン
ほんと、ジョン・ローンかっこいいですねぇ。対するミッキー・ロークの方は皆さん言うように嫌な奴です。たぶんわざとそういうキャラで勝負したんだろうけど、どうもそれが裏目に出たみたい。さっき調べたら、この作品、ラジー賞5部門にノミネートされているじゃありませんか、、、、。だけど魅力ある一本です。 6点(2004-07-22 03:33:50) |
2988. スチームボーイ STEAM BOY
多くのファンはおそらく「AKIRA」的なものを求めて観に行くんじゃないでしょうか。でもそもそも「AKIRA」とは違うものを作ろうってやったわけで、(確かにマシンやアクションは盛りだくさんだけど)そういうのを求めて観に行った人はたぶん落胆すると思う。だから比較じゃなくてこれはこれで別物として見てほしい。話がつまらないという意見がありますが、そもそも大友さんのシナリオに話の面白さなんて求めてはいけません。いや、とは言うものの、やっぱり各キャラクターの心情に対しては、終始違和感がありました。いや、そんなものを求めてはいけません!彼らは単なる駒の一つ一つなのです!(と、自分に言い聞かせてみる)。僕も一人の大友ファンとして、主人公同様なかなか葛藤しながら見たんですから(笑)。視覚的イメージ、このイメージっていうものは、宙に浮き空を飛ぶものです。だけどストーリーっていうものは、地に足をつけてじっと考えるものです。よく、映像だけの映画は話がつまらない、と言われるのは、このイメージとストーリーの相反する要素のせいです。だからなかなかこの両者はうまいこと結婚しないものです。この二つが共にせめぎあって出来るのが映画作品。大友さんの映画は他の多くのアニメの監督同様、イメージ先行型でしょう。だから大衆的観点からすると先走った観客おいてけぼりの作品になりがちです。だけどそこから生じるズレ、微妙な違和感に魅力を感じたらその作品の、作者のファンになるんですよね。ここら辺うまいこと言葉にしにくいんですが、、、、。あ、あとカメラの動きがなかなかエレガントでしたね。ああいうダイナミズムさも大友さんの魅力の一つかな。 6点(2004-07-21 02:08:01) |
2989. フェイク
そう、皆さん言うように、切ない映画ですねぇー。単に男同士のどうこうっていうんじゃなくて、マフィアだからなおさら切ないんですよね。すごく男性原理な人たちが、仲間とはファミリー同然の絆を保つ。でも裏切られちゃう。そうするとその男性原理的な部分が、なおさら切なさを引き出してる感じがします。 6点(2004-07-21 00:49:03) |
2990. ドッグ・ショウ!
ドッグ・ショーって発祥が英国なんですけど、どうもこう貴族遊戯っていう感じが好きになれないんですよねぇ。僕は第の犬好きなんでまだ最後まで見れましたけど、ほとんど笑えなかったなぁ。毒が足りないからなのかアメリカンジョークが理解できないのか知りませんけど、、。 4点(2004-07-21 00:34:55) |
2991. フレディVSジェイソン
《ネタバレ》 前々からフレディとジェイソンの対決を望む声がファンから出ていたので、これはそのファンの要望に答えた形となりますね。で、興行も全米2週連続No.1ですから、大成功と言えるでしょう。予想通りああいうラストですから、まぁ双方のファンも納得でしよう。それにしてもとってもテンポがよろしいですね。ああもグロテスクで不毛な戦いを続けているのを見ると、こういう映画を楽しむというのはなんというかS的M的な快楽にも似たようなものを感じてしまいますね。 6点(2004-07-21 00:20:57) |
2992. ジョーズ'87/復讐篇
ジョーズが、すごく遅いんです。なんだかのっぺりしてるんです。ラストのジョーズ爆破シーンが、そのまんま1の使い回しなんですけど、あれを見てると予算がないか撮れなかったかで爆発できず、仕方なく1を使い回して未亡人の回想という事で許して、という風に思えてしまいます、、、。 3点(2004-07-20 01:37:03) |
2993. スペースキャンプ
まあ、ファミリー映画ですからね。宇宙の素晴らしさ、宇宙飛行士のたいへんさ、孤独さ、一致団結の必要性、とってもとっても教育的な内容となってます。 5点(2004-07-20 01:18:12) |
2994. 第三の男
皆さんのコメントが素晴らしいので、今さら僕が言う事はないです。撮影におけるライトは被写体を照らす為にあるんじゃない。影を作る為にある。この作品を見ればそれがわかります。 9点(2004-07-19 02:50:49) |
2995. チャーリーズ・エンジェル フルスロットル
MCハマー、、、、10数年ぶりに見たよ、、、、 5点(2004-07-19 02:43:58) |
2996. 素晴らしき哉、人生!(1946)
メリークリスマス!メリークリスマス!現実に戻ってその現実の素晴らしさに喜びを爆発させる様がとてもいい。たくさんの人が寄付をしてくれて助けてくれる、そうですね、これは本当に素晴らしい人生ですよ。友人のよさを教えてくれる良作です。 7点(2004-07-18 03:00:50)(良:1票) |
2997. 東京画
ヴェンダースさんは本当に小津さんが好きなんだなぁ。役者の方と撮影の方のインタビューとしての価値があるし、ヴェンダースさんの考えや思想なんかも伺いしれて興味深いですね。だいぶ長くロウの食品模型をうつしてたけど、やっぱりすごく珍しいんでしょうねぇ。あれって日本独自のものですから、、、。 6点(2004-07-18 02:55:33) |
2998. ブルースカイ(1994)
いい嫁はんやん。いい家族やん。守るべきものはただ一つ。それはファミリーやでー。 6点(2004-07-18 02:51:39) |
2999. マラソン マン
風呂に入ってる時に教われるシーンから次の拷問シーン、そして逃走シーンはとても秀逸。サスペンスのいい味が出てます。ラストの、宝石を「飲み込め」と言うシーン。怒りが伝わってきますね。 6点(2004-07-17 18:46:47) |
3000. プレイタイム(1967)
まるで夢の国にいるみたい 9点(2004-07-17 16:24:57) |