3061. プライド 栄光への絆
やたら暗く汚い画面、躍動感ブツ切りの編集、ゆらゆら揺れてどこを撮りたいのか分からないカメラと、スポーツというものをわざとおとしめて撮っているとしか思えない画面には怒りすら感じます。「エニイ・ギブン・サンデー」の撮り方もかなりひどかったけど、この作品はそれ以上です。また、選手たちの誰がどういう想いでアメフットをしているのかという描写も、ほとんどありませんでした。突然かかって懐かしかったポイズンの"Nothin' But A Good Time"に2点。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2009-07-18 00:06:20) |
3062. センチメンタル・アドベンチャー
あまりにも淡々としすぎで、どういうドラマがあるのかよく分かりませんでした。前後のエピソードに脈絡がないのも、作品の成立の必然性を阻害しています。 [DVD(字幕)] 4点(2009-07-17 23:58:14) |
3063. キング・アーサー(2004)
アーサー王伝説をあえて題材にとりつつ、やってることは普通の時代物とほとんど変わらない。壮大な対象に挑んでその壁の前でこけてしまった感じ。クライブ・オーウェンが最初から最後までニコラス・ケイジに見えてしまうのも気になった。この人にこの作品の主役は合わなかったのでは?キーラ・ナイトレイの見せ場がほとんどないのも、何とももったいない。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-07-14 03:06:10) |
3064. ブレードランナー/ディレクターズカット<最終版>
《ネタバレ》 ホネは一言でまとめられるくらい単純なお話なのに、デコレーションへのこだわりだけでここまでのものを生み出したスタッフの執念が凄い。真面目に筋を追いかけるよりも、独特の空気に身を委ねてたっぷりと浸る映画。というのは制作者の自己満足に終わってしまう場合が多いんだけど、この作品は貴重な成功例。そんな中にもいろいろ小ネタもあったりするから侮れない。 [DVD(字幕)] 7点(2009-07-13 00:57:04) |
3065. プライドと偏見
特にどうということもない会話が延々と積み重ねられているだけという印象しか残りませんでした。それっぽく作ってはあっても、登場人物の行動がすべて予定調和的で、どこでどのように生きているのかが表現されていないのです。あと、この種の作品で、俳優陣が全然綺麗に/格好良く撮られていないのは、大いにまずいのではないか? [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-07-11 14:30:13) |
3066. 帰らざる日々
《ネタバレ》 終盤の入口くらいまで、描写に工夫のないありがち青春ものと思いながら見ていたのです。ところが、すべてを裏返す最後の現代パートが秀逸で、主人公がそもそも帰省することになった裏事情のオチを含め、一気に全体をもう戻らないセピア色の過去に封じ込めています。特に、根岸季衣の「何でこんなところ走るのよお」の一言とともに、あのときの道を走り続ける主人公にクレジットがかぶさってくるエンディングが実に格好良い。こんな締め方は反則です。 [DVD(邦画)] 7点(2009-07-10 04:44:48) |
3067. 招かれざる客(1967)
《ネタバレ》 丁寧に作り込まれているのはよく分かる。しかし、翻って考えてみると、いきなり連れてきた相手と「この人と結婚する」と宣言される、しかも本人同士もどうもほぼ初対面で決めているようである、しかもこれからどうのではなく今すぐ結論を出すことを要求される(それも、イエス以外の選択肢は想定されていない)・・・となったら、相手が何人だろうが困惑するのが普通ではないだろうか?根本的な部分でテーマがはっきりしていないような気がする。それと、夕食へ向けて延々と引っ張るというのも、映画というより舞台劇を見ているようで気になった。キャサリン・ヘップバーンの、表情のわずかな変化だけですべてを伝える演技は素晴らしい。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-10 04:30:21) |
3068. プルーフ・オブ・マイ・ライフ
最初から最後まで、グウィネスがああだこうだああだこうだと言っているばかりなので、見ていて疲れる(それだけで作品一本持たせてしまう執念は、ある意味凄いとはいえるが)。そもそも、主人公が迷走する理由が父の死以外に見当たらないので、出発点の段階であまり説得力がないのです。あと、数学そのもののディテールや専門用語は省かないでほしかった。たとえ見ている側に意味が分からなくても。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-07-08 01:56:03) |
3069. 鉄道員(1956)
《ネタバレ》 映画としては「よくあること」かもしれない、父の職場での処分、姉の夫婦問題、兄の就職問題などといったことも、その家庭にとっては大問題なのです。そこをしっかりと正面から捉えて表現しているから、この作品はドラマとして安定しているのです。みんなで仲直りして大騒ぎしても、最期は夫婦2人だけというのが、何ともいえない示唆と余韻を残しています。これだけの環境を荒れることなく堅実に支え続けてきたお母さんに拍手。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-06 00:42:54)(良:1票) |
3070. 愛と喝采の日々
マクレーンとバンクロフトという二大女優の激突が堪能できるかと思いきや、意外なほどドラマ部分は見せ場がありません。バレエを引退して家庭に入った側と、バレエを続けてトップスターになった側の対比という設定だけで止まってしまって、その先のキャラクターや人物背景の掘り下げがないからです。時折目を引くシーンはすべてバレエのシーンであり、バレエそのものに作品が寄りかかってしまったのも痛い。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-07-06 00:26:43) |
3071. 愛を読むひと
《ネタバレ》 前半部分だけでも、年上のお姉さんと少年の一夏の想い出的ロマンスとして十分成り立っているし、そこだけで作品にすることも可能なボリュームがあるのですが、「その後」「さらにその後」までしっかりと一つの世界にしてくれているのが嬉しいではないですか。同じ監督・脚本の「めぐりあう時間たち」同様、余韻と間を大切にする演出と、一つ一つの言葉に意味を込めている脚本が、それを支えています。また、各シーンを的確に彩っている照明のセンスも印象的で、特に、最後のファインズとレナ・オリンの対面の場面の希望に満ちた明るさは、物語自体はアンハッピーエンドであるにもかかわらず、未来への拡がりを感じさせてくれます。 [映画館(字幕)] 7点(2009-07-06 00:09:14)(良:1票) |
3072. トーク・レディオ
《ネタバレ》 描写しようとしている対象はなかなか興味深いし、最初から最後まで喋りっぱなしのテンションも凄いと思うが、それってトークが凄いだけであって、必ずしも映画としての表現が凄いこととイコールではないのですね。特に、後半は登場人物の動きがあまりなくて、舞台劇のようになってしまったのがちょっと残念です。 [DVD(字幕)] 6点(2009-07-05 02:27:03) |
3073. 続・夕陽のガンマン/地獄の決斗
《ネタバレ》 しかし長かった・・・普通の監督なら100分で終わっているところでしょうね。良くも悪くも、この徹底的にじっくり流れる時間感覚が強力。特に、砂漠でテュコがジョーをいたぶる場面では、そのあまりの粘着質ぶりに笑いが出てしまう。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-07-04 00:40:45) |
3074. さまよう魂たち
最初から最後まで、主人公と仲間の霊がその場の思いつきで行動しているだけであって、見ていて格好良くもなければ、筋の行方に対する興味もそそられませんでした。エンディングテーマの「死神」のカバーは最悪。これほどひどい映画のテーマ曲も珍しい。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-07-02 00:20:07)(良:1票) |
3075. まぼろしの市街戦
このシュールで皮肉な設定からすればとてつもなく面白くなるはずと期待するのですが、一つ一つの展開がいちいちテンポが悪く、作品のテンションも沈んでしまいました。こういうのは、真剣に戦争を遂行しようとする軍事関係者と、これまた真剣に人生を生きている精神病者の感覚のギャップが面白みを醸し出すはずなのに、どちらも同じトーンで描かれてしまっているので、ポイントがはっきりしないのです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2009-06-29 01:28:46)(良:2票) |
3076. オペラ座の怪人(2004)
映像も編集も未整理でごちゃごちゃしている部分がないわけではないのだが、この作品に一本の筋を通しているのは、エミー・ロッサムの存在感。画面に登場するだけで、その場の空気をまとめてしまうほどの吸引力があります(ケイト・ウィンスレットの若い頃を思い出しました)。逆に、ファントムは普通の人っぽすぎ。もうちょっと不気味に毒々しくいってほしかった。●再見して+1点。いやもう、この歌、美術、そして音響のゴージャスっぷりは、やはり見事です。 [映画館(字幕)] 7点(2009-06-27 00:51:34) |
3077. プロデューサーズ(2005)
もう、最初から最後までやたら騒がしくて、うるさくて、落ち着きがなくて・・・作品世界自体がほとんど受け付けられませんでした。音楽表現を大きく導入するからこそ、押しと引きの呼吸はきちんと備えておいてほしいものです。それに、設定からしてもっと単純に笑えるかと思ったのに、コメディとしても今ひとつでした。色彩感覚はカラフルで楽しかったので4点。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2009-06-27 00:18:54) |
3078. フィラデルフィア物語
みんなが言いたいことをそれぞれ好き勝手に言い合うのが2時間続くという感じで、物語やドラマ性というものが感じられませんでした。キャサリン・ヘップバーンのキャラの濃さ以外に見るべきところがありませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-06-24 02:58:32) |
3079. 小説吉田学校
これだけの豪華キャストでごく最近の実在の人物たちの大盤振る舞いなのだから、誰が誰を演じているというのを見ているだけでも十分楽しいのだが、それにしても個々の見せ場をもう少し深められなかったかという物足りなさは残る。どうでもいいような砂浜のシーンに時間をとるくらいだったら、討議の場面や作戦会議の場面なんかはもっとじっくり時間をかけるべきだったと思うが。どの場面もごくあっさりとその場の結論が出ているので、えらくとんとん拍子に進んでいるように感じる。 [DVD(邦画)] 6点(2009-06-23 02:02:41) |
3080. レスラー
《ネタバレ》 この作品で主演がミッキー・ロークってだけで、もう見えてくるものがあるじゃないですか。いうまでもなくこの主人公は彼の人生そのまんまです。もっとも、こっちの主人公の方は、わずかに見えてきた新たな光もあっさり失い、負け犬人生のすべてを抱えてリングに戻っていきます。それをどこか暖かい眼差しで見つめている制作者の作り方も良い(一番の感動ポイントは、バトル中にこっそり主人公に声をかけるアヤットラー)。それに対抗すべく自らの肉体をさらけ出して見せたマリサ・トメイも立派。唯一の難点は、エヴァン・レイチェル・ウッドとロークの演技があまり合っていないこと。 [映画館(字幕)] 8点(2009-06-21 22:01:42) |