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3141.  五線譜のラブレター/De-Lovely
各シーンは何かを表現するという段階に至る以前でブツ切りになり、次々に楽曲がかぶさってくる。結局、楽曲ありきで作られ、ストーリーや人格表現はそれにつじつまを合わせているようにしか見えません。あくまでも映画なんですから、きちんと俳優に演技をさせて下さい。年老いた主人公が画面に出てきて回想するという手法も、必然性があるわけではなく、成功しているとはいえません。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2009-01-19 01:04:00)
3142.  あなただけ今晩は 《ネタバレ》 
河に荷物を投げて殺人事件と勘違いされるところまでは面白く見ましたが、そこから後は収拾つかなすぎでしょ。元の設定だけでコメディとして成立する素地は十分あるのですから、普通にめでたく着地して問題なかったはず。せっかくのセンス溢れる邦題も霞んでいます。なお、今度誰かが作るときは、警官と娼婦という立場を維持させたまま、完全片想い純愛バージョン(立場上正体を明かすことができない)でリメイクしてほしいものです。
[DVD(字幕)] 5点(2009-01-17 21:53:05)
3143.  シェフと素顔と、おいしい時間
オープニングの趣味の悪い音楽で嫌な予感がしていたのだが、その後も、無理矢理作りあげたような実体のないやりとりが延々と続くだけの内容で、がっかり。登場人物にも、中年ならではの落ち着きとか人生背景といったものが感じられません。そしてそれ以上に、ジュリエット・ビノシュにいつもの凜とした美しさがなく、サンドラ・ブロックの出来損ないのようになっちゃってるのが問題。
[DVD(字幕)] 3点(2009-01-17 03:11:42)
3144.  失われた週末 《ネタバレ》 
このネタ一発だけで作品を一本作ってやろうという初期衝動性が凄い。ただし、過剰な演出に走ることなく、主人公のちょっとした行動や台詞、ちょっとだけ出てくる幻覚などで、作品に現実性を持たせ、地に足のついた恐怖を見る側に与える手法は、現在でも参考になります。ただ、ラストは今の作品だったら主人公が拳銃自殺してエンドなんだろうし、そっちの方がインパクトがあったと思う。
[DVD(字幕)] 5点(2009-01-16 12:44:02)
3145.  ビヨンド the シー/夢見るように歌えば
ケビン・スペイシーの気合の入り方は十分伝わってきますが、肝心の内容が、未整理の断片を順々につなげただけという感じで、どこで何を伝えたいのかがはっきりしていないのです。楽曲の数々がもったいないです。センスのかけらもない邦題も、何とかならなかったのだろうか。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2009-01-15 02:42:41)
3146.  逢いたくて(2002) 《ネタバレ》 
ヒロインがいかなる意味でも前向きではなく、ちっとも魅力的でない。なので、その行き着く先に興味を持つこともできません。2人が結びつく過程も著しく不明確で、制作者がそういうラストにしたかったからそうなっただけという気しかしません。「めぐり逢えたら」にも同じような弱点はありましたが、こっちの方が極端です。
[DVD(字幕)] 4点(2009-01-13 02:15:33)
3147.  プリティ・プリンセス 《ネタバレ》 
王道中の王道コメディの割には、妙にテンポが悪くてもたもたしていて、同じところを行ったり来たりしている感じです。敗因の第一は、内面の迷いや成長をきちんと切り取って表現していない点。なので、最後のスピーチも予定調和なだけです。第二は、冴えない女子高生がプリンセスになるという変化の過程で、訓練やギャップのディテールにこだわってない点。結局、王女になったって言っても、別に対して変わってないんじゃない?という気さえしてきます。
[ブルーレイ(字幕)] 4点(2009-01-12 02:53:58)
3148.  ミツバチのささやき
どうにも難解というか中途半端で、私にはよく分かりませんでした。死の世界の概念をダイレクトに受け止めてしまった少女心理というものを表現したいのであれば、もっと純度の高い、したがって常識を突き抜けるような、大人から見たら到底受け容れがたいかもしれないような描写が必要なのではないでしょうか。作品の構成そのものは大人視点なので、その辺が分かりにくいです。
[映画館(字幕)] 5点(2009-01-11 23:23:41)
3149.  エル・スール 《ネタバレ》 
冒頭、少女が目覚め、枕の下から振り子を取り出してじっと見つめるが、そのシーンが象徴するとおりに、じっくり、ゆったりと時間が流れ、静謐で神々しい空気すら感じさせる作品である。肝心の父親の内面の描写はそれほど深いとはいえず、観念的に流れる部分もないではないのだが、聖体拝受式の日の主人公の超絶的な可愛らしさに免じて+1点。
[映画館(字幕)] 6点(2009-01-11 12:55:03)
3150.  出逢い 《ネタバレ》 
この役はレッドフォードではなく、もっと本当に枯れかかったオッサンにやらせるべきでした。そうでないと、使い古されたカウボーイの悲哀、そこからの最後の意地というものが出てきません。ステージから街中へ馬で堂々と出て行くシーンと、馬と車のカーチェイス(?)の部分は面白かったです。ただ、大半のシーンはありがちで平凡、というか初期設定から予想される範囲内という感じ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2009-01-10 03:20:48)
3151.  春にして君を想う 《ネタバレ》 
人工物からして見当たらないアイスランドの茫漠とした風景、その中を頼りなく、しかし決して止まらずに、走らずに、確実に歩き続ける主人公2人、必要最低限の凝縮された会話、そこから醸し出される年季の入った信頼感。細かいことをいう前に、この作品はその珠玉のような世界を提示できた時点で成功です。重要な場面でもさらっと流れているので見ているときには注意が必要ですが、ラストの埋葬の場面にはすべてを結実させて昇華させる強力なインパクトがあります。陰影を強調した撮り方も作品世界に適合しており、印象的です。
[DVD(字幕)] 7点(2009-01-09 01:06:19)
3152.  ALI アリ
ほとんどはウィル・スミスが適当に喋っているのを適当に撮っているだけだし、やたらと揺れまくるカメラも見ていて酔いそうになりました。もちろん、ボクシングというスポーツによる肉体の躍動感の表現など微塵もありません。まさかモハメド・アリを対象としていて、こんな作品になるとは思いませんでした。びっくりです。
[DVD(字幕)] 3点(2009-01-07 01:46:06)
3153.  序の舞
制作者がこの素材のどこに注目したのかが分かりません。ほとんどが説明台詞ばかりで、思いついた場面をそのまま並べただけのような感じ。しかも、慣れない京都弁のせいか、俳優陣の喋りもみんなぎこちないです。主人公も、いろいろな体験を経ているはずなのに、成長や変化というものが見えません。少なくとも後半は、もっと逞しさや凛々しさを備えた人間になっているはず。美術関係の頑張りに5点。
[DVD(邦画)] 5点(2009-01-05 01:08:07)
3154.  ジャッキー・ブラウン
タランティーノならではのダラダラした会話術はなかなか心地よいのだが、その点を取り払うと、骨格はありがちなコン・ゲーム系でしかなく、作品としてのスリリングさはそんなにあるとはいえない。俳優陣では、ロバート・フォスターとブリジット・フォンダは意外なほどこの雰囲気にはまっているが、キートンとデ・ニーロは本領発揮の場面がなく、無駄遣いだった気がする。
[DVD(字幕)] 6点(2009-01-04 04:08:27)
3155.  愛と哀しみのボレロ 《ネタバレ》 
ボレロという一発ネタだけで、第二次大戦を取り巻く各国の家族の描写を網羅してやろうという大風呂敷構想には大いに敬意を表したいのだが、肝心の各登場人物の描写が、どれも細切れで似たような感じなのです。一人二役をどうこういう以前の問題です。しかも、お互いにそれほど絡んでいるわけでもないしね。それでも、ラストのボレロの力強い演舞には、すべてを濁流のように飲み込んで一つの世界にしてしまうほどのパワーがあり、作品を心に残るものにしています。それを考えると、原題をまったく無視したこの英題と邦題は大正解だったんだなあ。●(追記)改めて見てみると、これって、作品自体もボレロみたいな構成で作りたかったということなんですね。似たようなストーリーがちょっとずつ繰り返されて積み重なって、いつしか大河のようにラストになだれ込む。そういう、作中に登場するテーマと構成自体が一致している作品は貴重なので、1点プラス。加えて、随所で炸裂する移動長回し、また丁寧なエキストラ配置も実に気持ち良いので、さらに1点プラス。
[映画館(字幕)] 9点(2009-01-02 01:20:56)(良:1票)
3156.  ハリウッド的殺人事件
これってどうみてもお馬鹿アクション・コメディの設定ですよね?(邦題もそんな感じだし)何でこんなに、というかこんな中途半端に格好良さげに撮ろうとするの?いやその前に、この映像の汚さは何?これって笑わせようとしてるんだろうかという部分も含めて、何がしたかったのかさっぱり分かりませんでした。大体、この作品でハリソン君やハートネットというキャスティングがまずありえないでしょ。
[DVD(字幕)] 2点(2009-01-01 03:46:43)
3157.  Kids Return キッズ・リターン 《ネタバレ》 
余計な演技をさせずに地道な日常生活の描写を積み重ねているのと、ボクシングのシーン(練習含む)をきっちりと撮っているところには好感が持てる。大事件が起こりそうで起こらない、またポイントとなる部分も最低限の説明だけであるのが、登場人物の心理を暗に表現しているようで印象的。ただ、主人公2人の部分はきちんと骨があってドラマにもなっているのに比べ、サブの漫才師とかタクシー運転手の部分が、全然機能してないのですよね。本筋と絡んでもいないし。
[DVD(邦画)] 5点(2009-01-01 03:34:39)
3158.  サルサ! 《ネタバレ》 
普段は耳にしないサルサ・ミュージックがたくさん聴けるのはいいのですが、肝心のストーリーが、ベタを通り越して「陳腐」です。音楽でごまかしきれないほどの粗さが目につきます。冒頭のピアノのシーンと、ラストのライブシーンのそれぞれの迫力で何とか印象が保っている感じ。室内部分でのカメラの揺れも気になりました。
[DVD(字幕)] 5点(2008-12-31 01:51:17)
3159.  地上より永遠に(1953) 《ネタバレ》 
特にひねった工夫があるわけではないのですが、殴り合いのシーンにしろシゴキのシーンにしろ女性絡みのシーンにしろ、対象を単純に忠実に写し撮っているのが良い。それによって、各俳優のキャラクターが生きています。陰湿な上官に対してもどこかで盛大に復讐、と思いきや、ごく淡々と組織的対処によって処分がなされるというのも、逆に目新しい。
[DVD(字幕)] 5点(2008-12-31 01:25:10)
3160.  二十四の瞳(1954)
物語としてはしっかりしていてつまらなくはないのですが、全体に共通する妙な「ほのぼの感」がどうにも受け付けられませんでした。学校唱歌の繰り返しも、最初は新鮮だったのですが、最後の方はしつこいと感じてしまいました。子供たちが泣きながら先生を訪ねていくシーンの単純な説得力に4点、笠智衆先生の堅実な存在感に1点。
[DVD(邦画)] 5点(2008-12-30 03:07:10)
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