Menu
 > レビュワー
 > 青観 さん
青観さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1963
性別 男性

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順123456789101112131415161718
投稿日付順123456789101112131415161718
変更日付順123456789101112131415161718
>> カレンダー表示
>> 通常表示
301.  七変化狸御殿 《ネタバレ》 
主演に美空ひばりで時代劇風、オペラッタミュージカルコメディとこりゃまた色々贅沢な作りにはなっているけど、美空ひばりを完全に売り出すための作品てのが解ってしまって折角の面白い題材も脇を固める喜劇役者、特にあの二人、伴淳とフランキー堺の持ち味が殺されてしまっていて残念でならない。この二人の面白い俳優の面白さがほとんど見られないのがとても不満である。そんな中で後半、何と何とあのマキノ雅弘監督の「次郎長三国志」のパロディが出てきた瞬間、思わず嬉しくなってしまった。美空ひばりと堺駿二の二人が森の石松のお墓の前で座ってる場面でいきなり森の石松のあの歌が聞えてきて何だか急にまた「次郎長三国志」シリーズが見たくなってしまった。この監督、間違いなく「次郎長」ファンであることが解る。それにしても歌あり、チャンバラありの、おまけに狸世界での恋愛映画と何だか欲張り過ぎではないかと?この映画はマキノ映画ファン、特に「次郎長三国志」ファン、中でも私のように石松ファンの為にあるようなそんな感じの作品であり、勿論、美空ひばりファンの為にあるようなものでもあり、いずれにしても滅茶苦茶で欲張り過ぎたが、それなりに楽しめる作りにはなってると思います。
[DVD(邦画)] 6点(2008-12-29 17:20:46)
302.  夜の牙 《ネタバレ》 
石原裕次郎が自分がどういう訳か?勝手に死んでることにされ、それには何か深い訳があるんじゃないのかという、まあ、いわゆる謎解きサスペンスドラマではあるが、話としては面白いが如何せん、画面が暗くて解りにくい部分が多いのが難点である。石原裕次郎を兄貴と慕う岡田真澄にこの二人が出会う謎の女、月丘夢路、更に和尚さん役と石原裕次郎演じる主人公の弟の謎の死に大きく関わっている男の一人二役の森川信、寅さんシリーズ以外での森川信さんの姿が見られるなんてそれだけで何だか妙に嬉しく思えてしまいます。ここに書いたこの人達にはある共通点がある。それは私の最も好きな日本の監督、川島雄三監督の作品に出演している。品川駅と銀座の街が出てくるところも川島雄三監督を思い出させるし、そういう意味でも何だか嬉しく思える。その一方で石原裕次郎とくれば、芦川いづみが出てないという不満も多い。北原三枝も今回は出てません。石原裕次郎映画に多く出てくるこの二人の女優の出てない作品の中にあっても、石原裕次郎はここでも石原裕次郎らしく好青年ぶり、正義感ある男を演じていて印象に残ります。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-12-04 21:11:49)
303.  間違えられた男
無実の人間がある日、何かの間違いで有罪に祭り上げられる。こういう話はよくある話だと思います。ヒッチコックらしい映像から伝わる恐怖がよく伝わってきます。その一方でヒッチコック映画の大きな魅力である女優の魅力という点において何か物足りない。弱さを感じてしまう。この映画を見ると誰にでも起こり得る恐怖、人は間違いを起こす生き物であるというのが改めて身に染みる。ヒッチコック映画としては特別凄い映画でもなければ、だからといってつまらなくもない。それなりに楽しめるという意味でのこの点数です。
[ビデオ(字幕)] 6点(2008-11-30 18:52:01)
304.  丹下左膳(1953)
丹下左膳って、もっと明るい、陽気なイメージしかないのだが、この丹下左膳は私の思ってる丹下左膳のイメージからしたら暗い。マキノ映画にしては珍しく湿っぽいなあ!それでも楽しめることは楽しめるのだが、う~ん?やっぱり何かが違う。主演の大河内傅次郎のかっこ良さと山本富士子の美しさなど見所はあるけどマキノ映画にしては平凡な感じがしてならない。果たして続編はどうなんだろう? 
[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-11-22 10:05:13)
305.  清水の暴れん坊
芦川いづみ大好きな放浪紳士チャーリー様!お先に失礼します。石原裕次郎と北原三枝、同じく石原裕次郎と芦川いづみ、この共演作は沢山、あるし、結構、観てはいる。浅丘ルリ子とも結構、共演してますよね。ところがこれがまた石原裕次郎と北原三枝に芦川いづみの三人が一つの映画で共演しているものとなると沢山、あるようで意外と少ない気がします。この三人の共演と言って真っ先に思いつくのはおそらく放浪紳士チャーリーさん、そして、私も他の芦川いづみファン、石原裕次郎ファンも「陽のあたる坂道」ではないかと思います。少なくとも私にとっての石原裕次郎、北原三枝、芦川いづみ三人共演作と言えば「陽のあたる坂道」である。で今作は、タイトルを見た時はマキノ映画を思い出しました。清水の暴れん坊って正にマキノ映画風な時代劇かと思った。しかし、やはりこの三人でそうはならない。石原裕次郎はスーツ姿を決め、ここでもいつもの裕次郎らしく好青年ぶりを発揮している。どことなく子供ぽさを残したまま大人になりきれてない若者を演じるとこれほど見事にハマる俳優はいないと思うぐらいである。北原三枝に対する態度と芦川いづみに対する態度の違いはいつも思うがその違いにしても単なる女たらしじゃないものをこの石原裕次郎という俳優から感じられるのはこれはもう演技を超えていると思わずにはいられない。まるで石原裕次郎そのまんまのような感じがここでも見られる。北原三枝と芦川いづみについて言えば、常に気の強そうな女、北原三枝に対して気は強そうだけど本当は弱そうな、芦川いづみ、作品としての完成度、面白さでは「陽のあたる坂道」には及ばないし、北原三枝にしても芦川いづみにしても確かに守ってあけたくなるような女ではあるけど、この二人にしても他の裕次郎映画の女性に比べると魅力という意味で劣る。欠点もかなり多い。それでもなかなか見れない三人の共演作を見ることが出来るという意味で観て良かった。損はない。これがこの映画に対する私の感想です。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-11-19 21:34:31)(良:1票)
306.  恋文(1953)
田中絹代の監督作品てことらしいけど、なるほど!森雅之に久我美子に香川京子にとどこから見てもどこをどうとっても明らかに成瀬巳喜男監督作品て感じのキャスティング、それはこの三人以外にも中北千枝子、花井蘭子などもこれまた成瀬巳喜男監督の作品に出ていたりととにかく田中絹代が成瀬巳喜男監督を尊敬しているのが伝わってくる。どこまでも僻みぽい森雅之と不幸な女、久我美子、その一方で宇野重吉のあの笑顔とそして、本屋で働く女を演じている香川京子の笑顔、この二人の笑顔がこのどうしようもなく救いのない話の中にあって安らぎを与えてくれている。ここでも香川京子の可愛さは成瀬巳喜男監督の映画の中でも見られるような可愛さというものに香川京子がいるといないとでは大きい。話は本当に悲惨だし、見ていても久我美子が気の毒でならないものの、とにかく香川京子の存在の大きさと森雅之とは対照的な宇野重吉の存在の大きさによって見ることの出来るさんな作品です。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-11-08 13:32:25)
307.  大江戸五人男
これは何とも凄いキャスティング!阪妻と市川右太衛門が共演てのが有り得ない。考えてもみなかった。脇を固める俳優陣も芸達者な俳優が揃っている。そして、監督にはあの大傑作「王将」の伊藤大輔監督とくりゃあ、どうしたって期待してしまいます。阪妻と右太衛門この二人の壮絶な戦いというものを期待していただけにちょっと肩透かしを喰らった気がするし、全体的に話が解りにくいという難点もある。それでも今時のテレビ時代劇にはない役者の演技力と迫力というものは感じることは出来たし、それなりに楽しむことは出来た。それにしてもいつ見ても何を見ても阪妻はかっこ良い。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-10-13 22:01:28)
308.  地上(1957)
川口浩は相変わらず、煮え切らない男を演じているなあ!野添ひとみと香川京子は香川京子の圧勝!野添ひとみの浮いた衣装、香川京子の芸子の美しさがこの作品の見所かもしれない。出演者の顔ぶれを見ると溝口健二作品ぽいが、溝口健二作品ほどの力強さ、エネルギーは感じられない。しかし、香川京子が素晴らしいから見てられる。あの顔つき、涙する姿、完全に野添ひとみを食ってしまってる。そのぐらいの素晴らしさ、話としては、ストライキがどうだのこうだのと、全体的に暗い。それでもやはり香川京子が良い。香川京子がいるといないではこの作品の評価は変わるはず。他では小沢栄太郎の嫌な奴ぶりがここでも見られる。あっ!山茶花究も見られたことはとても嬉しい。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-10-09 20:39:51)(良:1票)
309.  お國と五平
これは成瀬作品としては珍しい時代劇風な始まり方で、時代劇風メロドラマと言える内容も成瀬映画としては特別凄い作品でもないし、そこそこ楽しめる程度の出来もお國役の木暮実千代の色っぽさ、大人の女の色気十分に木暮実千代ファンなら木暮実千代を見ているだけでも見て損はない作品だと思います。成瀬作品らしい女の強さ、男のだらしなさという意味においても他の多くの傑作と比べるとやはり弱い。それでも何度も言うように木暮実千代のあの美しさ、やはり女優を美しく撮ることに関してこの監督さんは本当に上手い。そう思わずにはいられなくなるぐらいこの映画の女性像、画き方などは見事である。話そのものは特に凄い話が展開されるわけでもなく、時代劇としてもメロドラマとしても中途半端な感じはするが、こんな成瀬映画でも画面構成の美しさだけは相変わらずだとも思えるほどとにかく美しい映画です。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-09-28 18:05:00)
310.  地獄門
長谷川一夫と京マチ子の二人を見ると真っ先に溝口健二監督の名前を思い出す。この二人共、溝口作品において、インパクトのある演技を見せている。そして、今作でも印象に残るであろうこの二人、長谷川一夫のどこまでもしつこい男ぶり、女からしてみたらこんなしつこい男はごめんであろうし、男の私からしてもこのしつこさは異常であるとしか思えないぐらいのしつこさである。そんなしつこい男に好かれる女、京マチ子はまるで百人一首に出てくるような女の感じが凄くする。映像的な美しさは皆さん指摘の通りで本当に素晴らしい。しかし、物語としてはそれほど面白くもない。けして、つまらないわけでもないし、まずまず楽しめるものの、期待したほどのドロドロさ、凄みはあまり感じられなかった。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-07-28 21:44:49)
311.  何故彼女等はそうなったか
清水宏監督の作品を観るのは「有りがたうさん」に次いでこれが2作目だが、これはもう、話そのものよりも香川京子、香川京子あってこその作品です。小津映画でもなく、溝口映画でもなく、成瀬映画でもなく、黒澤映画でもない、なかなか観ることの出来ない姿がここに映されているだけでも観て良かったと思える。話としての面白さや会話、フレーズとでも言うべき方が良いかもしれない言葉による可笑しさ、楽しさはあまり感じられなかったし、同じ清水宏監督の「有りがたうさん」のような滲み出る笑いと皮肉のようなものもないし、作品としての完成度もそれほど感じない。それでも良いのだ!ただただ香川京子の美しさ、それが観れればファンとしてはこんなにも嬉しいことはない。そういう作品だというのが、この作品に対する感想です。それにしても、にじばぶさんの香川京子への想い、ふくらはぎとかかとに対する執着心とでも言うべきか?足フェチぶりとでも言うべきか?同じ香川京子ファンとして、尊敬する以外、ございません。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-07-20 23:37:51)(良:1票)
312.  遠い雲
高峰秀子が二人の男から愛される女を演じている。かつての恋人ともう一人の別の男、この二人から受ける愛に対して苦しむ姿を演じてるのたが、こういう役柄を演じても全くもって嫌味なく演じることの出来るところが、この女優の凄さであるとこれを観るとそう感じます。話そのものはごく普通の男と女のメロドラマっぽい作りで平凡な出来ではあるが、高峰秀子という女優の素晴らしさ、凄さを体験出来るという意味において、この映画は高峰秀子の映画だ!
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-07-17 21:07:17)
313.  浮草日記 《ネタバレ》 
おっ!オープニングからいきなり軽快な音楽、これはひょっとして?とかなりの期待!何とも快調なスタートに出演者の顔ぶれ、演技、中でも東野英治郎と津島恵子が素晴らしく良い。旅芸人の一座の物語として良い感じで進んでいたのに、途中から急にお金の問題がどうだの、組合がどうだの、ストライキがどうだのと、この監督らしい社会派の顔が覗いてしまい、折角の人情話も何だか説教臭さく感じて残念でならない。人情ものなら下手に社会派のようなものなど入れないで描いてくれる方が私は好きです。5点にしようか6点にしようかで迷うけど、津島恵子をはじめとする役者達の演技には好感が持てたのと、それなりに楽しむことも出来たので6点にしたいと思う。
[ビデオ(邦画)] 6点(2008-06-15 14:12:45)
314.  ひめゆりの塔(1953) 《ネタバレ》 
「ひめゆりの塔」というこの作品があることは知ってました。沖縄師範学校の女子生徒達の眼を通して描かれるこの実話のドキュメンタリー映画!冒頭から物凄い戦闘シーンが繰り広げられる。実話だからこそのリアリティのあるこの作品、今井正監督がどうしても言いたかった。伝えなくてはならなかったものとは何か?この映画の彼女達は死ぬ時も生きる時も一緒であるという津島恵子演じる女教師の台詞から感じる重み、戦争の犠牲となって亡くなっていった彼女達が素直であれば、あるほどその悲惨さというものが伝わってきて見ていてやりきれない気持ちにさせられる。今井正監督の好む清純な乙女達の中にあって、一際、香川京子の存在が目立つ。香川京子がみんなの前で歌を披露する場面でのあのアップにこそ秘められた思いのようなものが伝わるだけに余計、悲しみというものが大きく、また、津島恵子の存在の大きさも忘れることは出来ない。戦争の悲惨さを知るという意味とあの実話における重さを考えるという意味でも貴重な作品であることはやはり認めなくはならないだろうが、個人的好みからしたら私の好きな今井正監督作品とはやはりどこかが違って見えてしまい、もう一度、観たいとは思わない。
[DVD(邦画)] 6点(2008-05-11 20:00:04)
315.  暁の脱走
脚本に黒澤明って名前があるだけあって、物凄く男臭さを感じる。更に戦争ものでありつつも、雰囲気は完全に西部劇です。ジョン・フォード監督を尊敬するだけあって、とにかく風景、描写といい、何から何まで西部劇です。戦時中における男、池部良と女、山口淑子の恋愛模様が繰り広げられる中にあって、小沢栄(後の小沢栄太郎)の副官の何とも嫌な奴ぶりは凄まじい。あの嫌な男ぶり、悪人ぶりは「妻は告白する」の滝川亮吉以上です。これだけ女を敵に回す嫌な奴を演じて似合う。ハマル俳優は他にはいないと思えるぐらいの悪人ぶり!この小沢栄の悪人ぶりがあまりにも際立っていて、他の俳優の存在感が薄く思えるなど欠点も多い。また、力作なのかもしれないけど、個人的感想としてはそれほど好みの作品ではない。それはそうと、やはりここでも若山セツ子は可愛かった。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-05-04 14:39:17)
316.  月形半平太(1956)
出た!モテモテ男の本領発揮の長谷川一夫!本当にモテモテです。観ていて羨ましい限りです。山本富士子にあれだけ思われりゃあ、幸せだろうなあ!また、この作品、もう一人、木暮実千代の色っぽいことといったらない。日本で一番、和服の似合う女優、木暮実千代の色気に吸い込まれそうになります。一方で長谷川一夫の他に出てくる男優陣に眼を向けると市川雷蔵の使い方が勿体無い気がする。長谷川一夫ファン向けの作品だなあ!とこれは観ていてそう思った。長谷川一夫に気を使いすぎてるような気がして、もっと他の俳優陣も上手く使いこなして欲しいと言う不満が残る。それでもけして、つまらなくはない。女優陣の美しさを観るにはもってこいの作品なのかもしれない。それにしても長谷川一夫、モテすぎだ!
[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-05-03 14:34:18)
317.  殺陣師段平(1950)
殺陣師としての人生に生涯を賭けた男の人生ドラマをマキノ正博監督がどう描いているのか?という興味を感じて観たこのオリジナル作品だが、マキノ正博監督としてはシリアスだなあ!この監督の持っているユーモアというものがあまり観られないのが残念だが、主人公、段平を演じている月形龍之介に陰で支える妻、山田五十鈴、更に脇で味わい深い人柄を演じている市川右太衛門の好演が輝る。話的にはそれほど感情移入出来ないが、それぞれの俳優陣の演技のお蔭で観ることが出来る。個人的にはマキノ正博作品にしてはシリアス路線よりももっとはじけている作品の方が好みではあるが、まあ、普通に楽しむことは出来たので観て損はなかったと思う。リメイク版の方の評価が結構、高いみたいなのでそちらの方も観たいと思う。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-05-03 14:19:33)
318.  宗方姉妹
小津作品に高峰秀子というのはそれほどないと思われる中でのこの作品での高峰秀子の演技を見て思うのは、確かにあの口調、男しゃべりは愛嬌たっぷりで楽しめる。その一方で、全く正反対の性格である田中絹代の姉への引き立て役のようにも思えてしまって、いまひとつ感情移入出来ずに終わってしまったのが残念でならない。二人に惹かれる男を演じている上原謙ともう一人、何とも嫌な奴ぶりの山村聡、小津映画でまさかのピンタの応酬が観てても辛い部分がある。あそこは出来ることならもっと違う方法で二人、山村聡と田中絹代の互いの気持ちというものを表して欲しかった。厳しさの中にもほっと出来る。そんな笑いというものが私の考える小津作品と思う。そういう意味で考えると高峰秀子の口調ぶりは確かに面白いかもしれない。けど、私の小津作品に求めている笑いというものとは何かが違う。高峰秀子の持ち味はもっと別のところにあるはずだと、それは放浪紳士チャーリーさんが書かれているように成瀬、木下作品での彼女を見ていると思えてならない。小津監督らしい人生を見つめる。人生に対する厳しさ、確かに上手く描かれているけど、私の好きな小津作品とはどこか違う。上手く言えないのだが、高峰秀子の存在があまりにも輝きすきでいて、他の俳優陣の輝きというものが少し薄い気がしてならない。
[DVD(邦画)] 6点(2008-04-27 14:48:23)(良:1票)
319.  明日は日曜日 《ネタバレ》 
菅原謙二と若尾文子の「青空娘」コンビとそこに森繁久彌が加わるという何という会社なんだろう!上司に森繁久彌、部下には若尾文子だなんて、菅原謙二の立場になって考えてみると、何だかそれだけでも楽しそうで良いなあ!そんな仕事場なら私は毎日が楽しくて良いだろうなあ!そんな楽しそうな感じとは裏腹にちょっしたことで喧嘩してしまう二人、菅原謙二と若尾文子、もう一つ、同じく奥さん(市川春代)との喧嘩と社長に叱られて落ち込んでいる森繁久彌を何とかして立ち直らせようとする菅原謙二と若尾文子の二人のお陰で何とか立ち直った森繁久彌が社内旅行での宴会上でこれまた歌声を聞かせる。森繁久彌の歌声、ここでも何だか観ていて森の石松みたいだと思った。話としてはそれほどの凄い内容でもないが、全体的に明るい雰囲気で楽しめる内容にはなってる。それにしてもここでの若尾文子のあの健康的な明るさ、笑顔、本当に可愛い。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2008-02-09 18:55:05)
320.  山の音 《ネタバレ》 
冒頭、山村聡と原節子の二人を映すシーン、鎌倉の駅のあの描写を見て、真っ先に小津監督の「晩春」を思い出してしまった。まるで小津映画でも見ているような錯覚に陥る。成瀬巳喜男監督作品に付きまとう重苦しい雰囲気が漂う。ある意味、それこそ成瀬巳喜男監督の映画の持ち味なのかもしれないと思う。しかし、ちょっと期待をしすきだか?私の好きな成瀬巳喜男監督作品とはどこか違う。相変わらず一つのシーンにおける何とも味わい深い描写、風景の画き方などは素晴らしい。主演の二人、山村聡と原節子が歩きながら会話している場面が何度も登場するのだが、あのラストの並木道を歩く二人の姿なんて、どことなく「第三の男」を思わせるシーンだし、そして、やっぱり全体的な雰囲気は小津監督の「晩春」を思わせるものの「晩春」のような感動を味わうことは出来なかった。けして、駄目な作品だとは思わないが個人的な好みとしてそれほど高い点数は付けられません。
[DVD(邦画)] 6点(2007-12-18 20:32:20)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS