301. 帰郷(1978)
《ネタバレ》 結局戦争なんてものは人殺しであり破壊行為であるわけですから、いくら大義名分やヒロイズムで誤魔化そうとしても中々上手くいくものではないということなんでしょうね。しかも国のために戦った英雄といくら国が讃えても、実際は自分の国を守るわけではなく、他国の内戦に介入しているだけですからね。 そんな戦争がもたらす闇の部分を一人の将校の妻を通じてリアルに描きだした作品でしたね。あえてドラマチックに持っていかず、現実的な展開でストーリーを進めていくところがまた切なさを際立たせていましたね。 ローリング・ストーンズやビートルズ等の名曲をふんだんに使った音楽も非常に良かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-23 22:13:55) |
302. 天国へのシュート
《ネタバレ》 オランダのサッカー文化が垣間見れる興味深い作品でした。規律に縛られるより自らクリエイティブにプレーする方を選ぶ展開にオランダらしさを感じましたね。しかし、スリナムにもイタコがいるんですね。 [DVD(吹替)] 6点(2011-12-23 00:36:12) |
303. 冷たい熱帯魚
《ネタバレ》 表現は非常にグロテスクですが、内容は非常に骨太で見応えのある作品です。特にでんでんが、軽妙な明るさの陰にどす黒い闇を抱える男を見事に演じています。コワモテの男よりもこういうオッサンの方が本当に怖いですからね。 そして、前代未聞の異常な事件をモチーフにしてはいますが、この作品で描かれているのは家族関係の問題、そしてでんでん演じる村田が決して突然変異で殺人鬼となったわけではなく、誰しもがそうなる可能性を持っているということですね。 現に、最初に人体の解体シーンを見たときの感じ方と、2回目、3回目のシーンを見たときの感じ方は全く違っているはずですから・・・・・。 しかし、元ネタの事件は酷い話ですね。背筋がゾッとしました。 [DVD(邦画)] 8点(2011-12-11 23:25:27)(良:1票) |
304. ダーティ・メリー/クレイジー・ラリー
《ネタバレ》 Ain't nothing gonna stop us ! まあ、人生なんてこんなものなのかも知れないなと思わせるようなストーリーでしたね。 常に何かを抱え、何かに追われ・・・・・。そして、そこから解放されるの死を迎える時のみ。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-11 22:02:35) |
305. 英国王のスピーチ
《ネタバレ》 国王の吃音克服の過程だけでなく、ナチスドイツが台頭していく状況に対するイギリス国内の空気の変化や「王冠を賭けた恋」など当時の出来事や状況も映し出されていて非常に興味深かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-10 15:33:41)(良:1票) |
306. さらば冬のかもめ
《ネタバレ》 刑務所までの護送という束の間の自由を描くことによって、自由のない軍隊・そしてアメリカという国家の息苦しさや理不尽さを描いたロードムービーです。途中から仏教(日蓮宗?)が重要なキーワードになってきたのが非常に興味深かったですね。 [DVD(字幕)] 7点(2011-12-01 00:21:09) |
307. メタルヘッド
《ネタバレ》 イジけて、内にこもっていても物事は好転することは無く、行動することによってしか物事を帰ることはできないということを伝えてくれる作品でしたね。 まあ、ヘッシャーはかなり極端な行動に走りがちでしたが、それがまたメタリカのスラッシュメタルに非常に良く合っていて面白かったです。 ヘッシャーがいったい何者なのかが知りたくなりましたね。 [DVD(字幕)] 7点(2011-11-26 23:47:15) |
308. ハロルドとモード 少年は虹を渡る
《ネタバレ》 モードの腕に刻まれた数字について、作品の中で具体的に説明されることはありませんでしたが、非常に大きな意味を持っています。過去に地獄のような経験をし、生き延びたモードが最後に、死に取り憑かれた少年に自らの死を持って生きることの重要さを教える姿に深く感銘を受けました。 全体的にユーモラスで洒落た作りになっていますが、中味のある良い映画でした。キャット・スティーブンスの音楽も非常に良かったです。 [映画館(字幕)] 7点(2011-11-22 00:21:49)(良:2票) |
309. マネーボール
《ネタバレ》 こ の作品は野球ファン、特にメジャーリーグが好きな人はとても楽しく観ることのできる作品だと思います(何せ、最近のメジャーの事情が映像化されていて、実在の人物が実名で出てますから・・・)。それだけでなく、会社勤めの人間にとっては、人の使い方についてとても参考になる作品でもあります(ちょっとシビアすぎる面もありますが)。 野球界のみならず、あらゆる業界の中小企業が大手を相手に生き残っていくためにはどうすればいいかを教えてくれる作品でもありましたね。 で、単なるサクセスストーリーで終わらず、ノウハウを大手に使われて差をつけられてしまうという結果は現実の厳しさを教えてくれました。 野球の楽しさ・醍醐味を十分に伝えてくれる作品でした。 [映画館(字幕)] 8点(2011-11-19 22:01:44) |
310. 蛇にピアス
《ネタバレ》 吉高由里子の魅力で何とか最後まで見通せましたが、正直、自分と全く価値観の違う人たちが子供のように欲望の赴くに行動する様を延々と見せ付けられるのは苦痛でした。 [DVD(邦画)] 4点(2011-11-19 12:31:23) |
311. 大阪ハムレット
《ネタバレ》 松坂慶子と岸部一徳の安定した演技力によって、このかなりヘヴィな要素を内在した物語が、まるでNHKの朝ドラのようにさわやかに仕上がっているのが非常に面白かったですね。 映画の要所要所に謎や疑問点が散りばめられていて、その解答を考えながらストーリーを追わせていくような作りにもなっているのも良かったと思います。何せ、「ハムレット」はいわば疑心暗鬼の物語ともいえますからね。 [DVD(邦画)] 7点(2011-11-13 14:29:53)(良:1票) |
312. 旅立ち ~足寄より~
《ネタバレ》 私にとっては特別な作品ですね。 昔、松山千春が大好きで、当時絶版だった「足寄より」を図書館で借りて読んでいたので、デビューのいきさつや竹田さんとのエピソード、そして千春が育った足寄の風景が映像化されただけでもう感涙ものでした まあ、平成も20年を超えると昭和のあの雰囲気を完全に再現するのは金をかけてCGをフルに活用するくらいしかないんでしょうけど、ちょっと全体的に綺麗すぎたかなと思いましたね。本音を言えば、もっと早く映像化して欲しかったです。でも、実家や足寄駅のセットは見れて良かったです。 ラストに映る、寂れた足寄の現在の光景が非常に印象的で考えさせられました。 [DVD(邦画)] 9点(2011-11-12 09:56:04) |
313. ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡
《ネタバレ》 まあ、言ってみれば日本酒の利き酒コンテストで外国産のものが1番になるようなもんですからね・・・・。ワインはフランスだけのものではなく、世界中どこでも美味しいワインが造れることを世界中に知らしめた革命的な出来事を描いた映画でした。 とにかくワインが飲みたくなるような、魅力的な映画でした。というか、シャトーモンテレーナのワインを購入してしまいました! [DVD(字幕)] 8点(2011-11-03 23:59:16) |
314. 東京画
《ネタバレ》 80年代の東京の姿と笠智衆や厚田雄春といった小津組の人たちのインタビューが収録された貴重な映像作品です。しかし、今見ると80年代の東京はどこか垢抜けない近代都市といった感じで奇妙な感じですね。 [ビデオ(字幕)] 7点(2011-11-03 23:56:49) |
315. 婚前特急
《ネタバレ》 タイトルはまるでルビッチ監督作品のようですが、内容もまるでかの時代のスクリューボール・コメディを彷彿とさせるとても楽しい作品でした。吉高由里子のコメディ女優としてのポテンシャルの高さに魅了されてしまいましたね。 とにかく、テンポの良さとセンスの良さが観ていて非常に心地よかったです。内容も、極端に色づけはしていますが実は非常に普遍的なものなので、共感できる部分が多かったです。 [DVD(邦画)] 8点(2011-10-30 22:58:32) |
316. その街のこども 劇場版
《ネタバレ》 やはり、主演が実際に神戸で震災を経験した2人ということで、まるでドキュメンタリーを見ているような感覚でしたね。大災害が被災者の心に刻みこんだ傷の深さをリアルに表現できていたと思います。最後のシーンもドラマ性を排除していて非常に良かったです。 ただ、建設会社でのシーンは余計だったような気がしましたね。15年経って人々の関心が薄れてきたことを示しているのかも知れませんが。正直、東日本大震災では日本の建物の耐震レベルの高さを示したわけで・・・・・ [DVD(邦画)] 8点(2011-10-18 23:40:01) |
317. 殯の森
《ネタバレ》 西洋人には受けるかもしれないですね。正直、森に入ってからの展開は良くわからなかったのですが、それもまた「東洋の神秘」「日本の死生観」を表現していると考えれば、カンヌで賞を取ったのも納得です。そして、このような難解さを持ちながらも最後まで不思議と退屈せずに観れたのは河瀬監督の才能の為せる技であったのかなと思いました。 まあ、森の風景はとても美しく非常に癒される作品ではありました。 [DVD(邦画)] 6点(2011-10-18 23:11:08) |
318. ランナウェイズ
《ネタバレ》 70年代の洋楽全盛期、様々な「ビッグ・イン・ジャパン」なアーティストが出てきましたが、その代表的なバンドである「ランナウェイズ」の伝記映画ということで非常に興味深かったです。 ガールズバンドの栄光と挫折、人間関係の軋轢、音楽性と商売との矛盾だけでなく、当時の日本の洋楽人気も映し出されていて非常に面白かったです。 キャストも、実際のメンバーに似た雰囲気でリアルな感じでしたね。 [DVD(字幕)] 8点(2011-10-15 16:47:46) |
319. ハッピーフライト(2008)
《ネタバレ》 フライト自体は全然ハッピーではないんですけど、我々が飛行機を利用する陰でこれだけの人たちが精一杯働いていることが良くわかる作品でした。 まあ、空港や飛行機を舞台にした作品にハズレなしというところですかね。 [地上波(邦画)] 8点(2011-10-11 23:35:39) |
320. 殺人の追憶
《ネタバレ》 非常に完成度の高い映画で、ポン・ジュノ監督の才能の高さを感じることができます。また、80年代、90年代の韓国の状況も映し出していて興味深かったです。 ただ、「疑わしきは罰する」みたいなノリで暴力的に捜査をする主人公達の姿にはどうしても共感できない部分がありますね。冤罪とかも多かったんでしょうね。ただ、この事件の犯人には怒りを覚えますけど。 [DVD(吹替)] 7点(2011-10-10 00:06:18) |