321. リメンバー・ミー(2017)
「人は2度死ぬ」をテーマにしたディスニーらしい説教クサイ内容ではある。他方で独我論的に「わたしが死んだら世界が終わる」と考える人間にとっては死後の世界なんてあの世もこの世もどうでもいいわけで、この手の内容は全く受け付けないだろう。いずれにしても、流石に映像的には見応えはあるし、テンポも悪くないので飽きずに最後まで見られる。全体的には家族とか祖先とか子孫とやや保守的な内容ではあるが、その根本には「他者の評価」という価値観で生きることの是非を問うていると考えれば、それなりに楽しめるのかもしれない。親に認めて欲しくて靴屋を継ぐのではなく、音楽が好きでミュージシャンになりたいという少年の姿勢にある種の「リベラルさ」を感じられるかどうかがポイントか。 [地上波(吹替)] 6点(2022-04-21 02:21:40) |
322. モリーズ・ゲーム
《ネタバレ》 放送時間が100分なのでCMを考慮すると正味90分もないだろうから50分以上はカットされたものを鑑賞。カジノ経営の場面は「様々な客がいた」というギャンブルモノにありがちな内容なので、あまり見るべき点はなくその辺がカットされたのかと。主人公の場合はスポーツマンシップなのか根がインテリだからなのか、一応の節度というか倫理観をもって経営していたようではあるが。稼いでるカネも弁護士になるのとそんなに変わらないし、大成功って感じでもないし。そういったある意味波乱万丈な彼女の人生も背景には「父娘問題がありました」ってのもちょっと話が小さくなってしまったというか、結局こうなっちゃうのかというガッカリ感もある。弁護士は中々いい味出していたとは思うが、法廷モノでもないので中途半端な存在で終わってしまったのは残念。フルバージョンだともっと存在感があったのかもしれないが。『るつぼ』という文学作品がモチーフになっているようだが、これについては何も知識がなかったので、後で調べてようやく理解。自分の無知を棚に上げるが、視聴者に教養を求める点も賛否があるのかと。と文句ばかり書いてしまったが、実話ということで興味深くは見られるから不思議。 [地上波(吹替)] 6点(2022-04-21 01:48:55) |
323. RONIN
デニーロがまだ元気だった頃、とは言ってもとっくに50を過ぎてるし、他の面々も皆いい年してるオッサン達のアクション映画。とはいえ、これが年のワリには中々頑張っていてそれなりの見ごたえがある。放送途中でロシアのウクライナ侵攻の緊急ニュースが入り番組中断した後再開したが、その後はロシア勢がイッキに悪者に見えてくる(犯人役がプーチンに見えてくる)というオマケ付き。TV版&緊急ニュースで20分程度カットされて、ストーリーがややわかりにくい部分もあったが、カーチェイスも見ごたえあるし、気晴らしに見るにはちょうどいいアクション映画だと思う。 [地上波(吹替)] 6点(2022-04-20 12:30:53) |
324. ダウンタウンヒーローズ
松本に旧制高校記念館というのがあって行ったことがあるのだが、在学生はそれなりの誇りやプライドがあるんだなあと感じたことがある。時代は戦後の学制の変わり目とは言え、そういう名残が感じられる作品ではあるが、当時は優秀であってもナンバースクールではないところはその後は駅弁大学へと没落していくので、原作者の自伝として古き良き時代を懐かしむ作品でしかないようにも思え、現代から見るとあまり響くものはない。当時の世相を確認する風俗物として見る分には悪くはないのかもしれないが。なお、渥美清は相変わらず面白くて存在感はある。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-04-19 12:42:43) |
325. ぶどうのなみだ
大地の生命力?によってワケありな人々が再生していくという北海道らしい作品ではあるが、前作同様ダラダラした展開でコレといったストーリーがあるわけででもなく、見所と言えば犬が可愛いだけかな。あと、ちょっと不思議系な世界観が焼酎の二階堂のCMぽいような。事情があって使ってるんだろうが、大泉洋はシリアスな役はダメだな。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2022-04-18 01:12:56) |
326. 飢餓海峡
中学時代に高倉健目当てで見て途中で挫折した記憶がありようやくリベンジ。ストーリーは単純なので中学生には映像表現が合わなかったのだろうと思う。しかも、肝心の高倉健が中々出てこないし。で、大人になってから見ると、どこかで聞いた事があるような松本清張ぽいストーリーだし(戦後の混乱という意味では『砂の器』よりも『ゼロの焦点』の方が近いような)、演者は悪くはないもののちょっと期待が高すぎたかなという気はする。例え犯罪でなくとも誰にでも多かれ少なかれ「黒歴史」というものがあり、それを知る者が現れた時にどう立ち振る舞うのかというのは、成り上がりであればあるほど結構厄介で難しい問題なのかもしれない。ヒロインの方も成功者にユスリタカリをするわけじゃないんだから、事情を察して立ち去れよと思うし、娼婦やってるなら人間の機微ぐらいわかりそうなものだが、その辺がちょっと鈍感だったかな。よく言えば素直で純粋だったという事になるんだろうが、見方を変えればそれはエゴでしかないということになるのかと。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-04-15 14:42:06) |
327. 疑惑(1982)
原作未読だが、本来は「司法の正義」と「マスコミの正義」の対比がテーマなのだろう。しかしながら、良くも悪くも2人の女優の演技力の高さに見応えがありすぎて、本来のテーマがわかり難くなってしまったように思える。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-04-14 12:25:15) |
328. わるいやつら
片岡孝夫は存在感と魅力に欠けるが、それが「どうしようもない男」ぽくてよかったのかもしれない。ただし、こんな男がなんでモテるのかがよくわからないが。演じる役としては宮下順子の看護師役が面白いのだろうが(米倉涼子ドラマ版ではこっちが主役らしい)、「いかにも」っていう愛人風情ではなく、上品ぶってカワイコぶってる女(松坂慶子)が裏では何やってるかわからないってのが作品のキモなんだろうな。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-04-13 12:23:56) |
329. アルプスの若大将
このシリーズをちゃんと見たのは初めて。まわりが勝手に動いているだけで、ぼうっとしている主人公は何もしていないというのが特徴的で中身は殆どない。突然歌いだすのはちょっとミュージカルっぽいが。見所は星由里子が魅力的なのと昔の東京の町並みぐらい。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2022-04-12 12:06:04) |
330. 永い言い訳
《ネタバレ》 子供(育児)は免罪符になりえるか?がテーマだが、その答えは明確には描かれない。主人公が言うように子供を持つ事はリスクであり、幸福にも不幸にもなりえる。統計的には不幸になる事が明らかになってはいるので主人公のように「合理的」な人は子供を持たないが、世間には竹原のように子供がいて幸福を感じる(と思いたい?)人もいるだろう。ただし、人は子のある人生と子のない人生のどちらかしか選べない。主人公は子のある人生を疑似体験する事になるわけだが、果たして免罪符になりえたのか否か。子供のある種の「魔力」というものが男にとってどう作用するのかという興味深い視点ではあるが、あくまでも女性作家・監督のからの視点ということは留意する必要はあるだろう。ラストは救いのある終わり方にも思えたが、全体的には男性批判のテイストが感じられる作品ではある。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2022-04-06 13:38:59) |
331. 植村直己物語
《ネタバレ》 佐藤純彌らしいスケール感のある壮大な作品で撮影は大変だっただろうとは思うのだが、人間ドラマを期待する自分としては少々物足りなさがあった。登山家達が功名心から諍いを起こし、そういう集団行動が嫌になって単独行動可能な冒険家に方向転換するところは印象的。が、植村自身も功名心からは逃れられなかったのではないかと思った。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-04-01 12:15:55) |
332. 事件
《ネタバレ》 裁判制度や高度成長に向かって変化する郊外といった問題をテーマとする社会派ドラマなのか、愛憎劇の謎解きサスペンスなのかが中途半端。冒頭で殺意はないことがネタバレされちゃっているのもどうなのかと。厚木という街のポジショニングがイマイチわからないのだが、新宿や横浜と比べてかなり田舎扱いされているのが印象的。登場人物達に裏表があったり、しぶとく生命力に溢れていたり、所謂「人間図鑑」としては結構楽しめるので、それなりの見応えはある。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-03-31 11:46:52) |
333. 少年時代(1990)
所謂「小国民」教育ってもっと軍国主義的なイメージがあったのだが、戦時中の小学校生活ってイガイと現代とあまりかわらないように思えた。「少年時代」というのは理不尽の連続で、それをどうやり過ごすかによってその後の人生が決まってくると言っても過言ではない。特に頭がよかったりすると「正義とは何か」が芽生えてきて厄介度は増す。そのある種の「やり過ごし方」の中で揺れ動く少年の微妙な心は上手く表現されていたとは思う。ただし、単なるノスタルジーに浸かるといったものではないし、決して気持ちのいい作品ではない。という意味では、ラストに流れるよく知られた井上陽水の歌もこれまでとは違って聞こえてくる。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-03-31 00:40:27) |
334. 糸(2020)
平成の時代に生きた若者を描く作品ではあるが、ちょっと駆け足な印象。とはいえ、大衆ウケするように無難な作りにはなっているので、結婚式で「糸」を流すようなカップルにはちょうどいいのかも。ただし、中島みゆきって昭和のイメージなので、平成の若者にはちょっと合わないというか違和感もある。 [地上波(邦画)] 5点(2022-03-30 11:55:38) |
335. キセキ あの日のソビト
《ネタバレ》 殆どフィクションだろうが、家族の物語としてみれば、そんなにヒドクもない。ラストの父息子の「和解」のシーンはいいね。本当にGReeeeNを知らないのか?トボケタのか?がちょっとわかりにくいけど。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2022-03-29 10:21:48) |
336. ブリット
マックイーンがマスタングでサンフランシスコを疾走する。ある意味それが全ての作品なんだが、マスタングの対比としてノロノロ走るVWビートルの存在もアクセントになっているのを見落としてはならない。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-03-25 11:32:36) |
337. ミッドウェイ(2019)
1976年版と比べると相対性が欠如しており、日本側の描き方が雑かつ量も少ない。内容的には米国人の安っぽいヒューマンドラマで歴史的に興味がある自分にはやや不満。映像的に楽しみたい人向けかな。ただし、ウクライナ問題の真っ最中に見ると「戦争とは何か」といった本質的なテーマについて多少は考えるようになるという副産物はあるのかも。 [インターネット(字幕)] 4点(2022-03-24 01:20:23) |
338. 決算!忠臣蔵
歴史学者の書いた新書が原作という点では『武士の家計簿』と同類。原作は未読だが、カネをテーマに忠臣蔵を検証するというのは歴史番組で度々扱われていたので内容的にはさほどインパクトはなかった。尚、忠臣蔵にはそれなりに興味があって、映画で舞台とされている所には殆ど行ったことがある程度には知識はあるつもりだった。が、それでもやはり四十七士の個々のエピソードは押さえ切れていない事を痛感すると共に、各々にドラマがあったことを再認識。ただし、内容的には少々フザケていたのが残念ではある。 [インターネット(邦画)] 5点(2022-03-24 01:08:13) |
339. SING/シング
こういう動物キャラが日本人ウケするとは思えないのだが子供が見ると違うのか。吹き替えはまあまあ頑張ってたかな。 [地上波(吹替)] 4点(2022-03-13 16:59:53) |
340. ゴッドファーザー PART Ⅲ
因果応報の殺戮が只管展開されていくだけなので、あとは「見せ方」が問題となるわけだが、ちょっと過剰演出かなという印象。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2022-03-09 01:23:59) |