321. 砂の器
ハンセン氏病という病により差別を受けた親子の宿命、それは感動というよりは息苦しい程の悲哀でいっぱいでした。ただ何故、英良が駐在(緒方拳)の元から逃げ出したのかがよく解らなかったのですが...丹波哲郎の生き生きとした演技、森田健作の向こう見ずなところ、そしてあの「あばれはっちゃく」の子役といい、十分過ぎるほどのハマリ役で物語を引っ張ってくれました。親子二人が海辺を歩くカットはとても印象的でした。 8点(2002-02-10 18:15:43) |
322. 太陽を盗んだ男
こんな面白い映画があったなんて!多少強引なところはありましたが、テンポはいいし意外性もあってくぎ付けでした。原爆を作ったがそれをどう利用すればいいのかわからないという、可笑しくもあり悲しくもある主人公に共感しました。放射能の脅威から逃れることの出来ないながらもZEROこと麗子に「生きて...」と託されてしまう。皮肉な運命ですよね。沢田研二の演技は完璧とはいえませんが、その気迫は十分伝わりました。それに終盤で中々死なない菅原文太!あまりに濃すぎるやられ方でしたが、ま、それは彼のキャラクタとして良しとしましょう。 7点(2002-02-10 18:02:22) |
323. パズル(1999)
やっぱり、騙された!「オープン・ユア・アイズ」っぽい作品かと思いきや、中途半端なサスペンスでした。稚拙なストーリーに変な展開に印象に残らないシーン...だって黒頭巾の人達がおもちゃの銃で主人公をひたすら撃つ!すると主人公はどんどん弱っていくんですよ!原因はその前に薬を飲まされてたんですが、その馬鹿さ加減に脱力です。疑ってた友人がやっぱり首謀者だったり、ヒロインの魅力がイマイチだったり、肩透かしの連続でした。ま、スペインっちゅう土地のお陰で映像的には綺麗に見えたのが救いでしょう。 4点(2002-02-08 22:32:02) |
324. メリーに首ったけ
大爆笑っ!って程でもありませんでしたが、面白かったです。立ちションしようと思ったら、モーホーの方々がたくさん隠れていたのには笑いました。それにしてもキャメロン・ディアズはエエのぉ。エッチ過ぎないところは彼女のキャラクタが存分に生かされているのでしょうね。要所要所に挿入される生演奏の展開にはちょっと?でした。 7点(2002-02-07 21:56:47) |
325. クロスファイア(2000)
やっぱりこんな感じなんだね。もっと二人の悲しい恋に焦点を絞って欲しかったですね。なんか「見て見て!この特撮。すごいでしょ?!」って感じで本編がイマイチ乗り切れてない感じでした。二人が雪の中を走るシーンなんてそのまんまTVドラマみたいでした。妹が死んで、自暴自棄のはずの伊藤英明は髪型は絶対崩れないし、炎に包まれる矢田亜希子の衣装は焦げすら見当たりません。桃井かおりの役柄もつかみきれてない感じもしました。 4点(2002-02-05 21:47:14) |
326. ビヨンド・サイレンス
押し付けがましい演出も、臭い演技も無く、感動させて頂きました。少女期のララにはもう、涙腺を震わせる位のオーラを放ってましたね。両親がろうあ者で中々子離れ出来ず、つい健常者である娘に頼ってしまう。幼い彼女にとっては過酷な状況ですよ。そして彼女が人生の選択に選んだのはクラリネットのプレイヤーになる事。そう、両親は彼女のこの喜びも苦労も分かち合う事が出来ない。そんな彼女の葛藤が良く伝わりました。しかもこの家族だけでなく、父親の姉との関係の不調和などアンダーグラウンドなストーリーもしっかりと作られていました。特に父親と彼の姉が手話を通じてほんの少しですが、心を通わせるシーンにはお互いの微妙な距離感が現れていました。心が震える映画でした。成長したララがバーで伯母さんとセッションするシーン、思いっきり吹き替えでしたけど、気にしない気にしない! 8点(2002-02-01 22:01:57) |
327. アメリカン・サイコ
何故でしょう?観終わった後に漠然とですが、記憶に残っているさまざまなシーンが気になるんですよね。主人公のシルエットをワザとぼやけさせた不安定な存在、物質的(表面的)な事にしか興味を抱けない悲しさや恐ろしさが実に巧妙に作られていました。娼婦とのセックスでポーズを取ったり、名刺交換に執念を抱いたりと本人は至って真面目なところが笑えました。クリスチャン・ベールが見せる表情の数々には驚愕の一言です。 7点(2002-02-01 21:43:43) |
328. (ハル)(1996)
だーまされた、だーまされた。ビデオのパッケージを見てもっと悲しくて切ない物語かと思ったのに。でも深津絵里は好きです。 5点(2002-01-27 20:56:13) |
329. パラサイト
あらら、イライジャ・ウッドも大人になったのねん。ホラーって言うには全然怖くは無いし、SFというには壮大さが無いし、まさにB級ですね。そうは言ってもそこそこ楽しめましたよ。展開も早くて一気においしいところを見せてくれるので退屈しのぎには打ってつけ!デミ・ムーア似のジョーダナ・ブリュースターが気になりました。 6点(2002-01-27 20:52:46) |
330. 破線のマリス
誰が犯人?と前半で思わせといてさぁ~、そりゃないんじゃないの??過剰報道の犠牲者になった陣内が報道をした黒木姉さんに復讐するけど、口論の末誤って黒木姉さんが陣内を殺してしまう。立場は逆転し「暴く者」から「暴かれる者」へ...この話聞く限りでは面白いかもと思ったあなた!あなたも騙されてます。脚本だけで映画が出来ちゃった!! 4点(2002-01-27 20:40:10) |
331. ハード・キャンディ(1999)
へへへ~、可愛いネエチャンたちがいるねぇ~。でもあめ玉のどに詰まるって哀れじゃ、哀れじゃ。 4点(2002-01-27 20:29:54) |
332. SADA 戯作・阿部定の生涯
阿部定事件を元に彼女の人生に重点をおいて描かれた作品。何故彼女が情夫を絞殺し、陰茎を切り取るような奇行に走ったのかという事よりも、彼女の波乱万丈な人生を重点に描いているので事件の核心には迫っていません。ただ終わり近くに警察に逮捕された当時の写真が映るシーンがあったのですが、彼女を含む全ての関係者が全員何故か笑っているモノで、これはある意味その辺の心霊写真よりも恐ろしかったです。強引極まりないテーマソングに、薄っぺらな展開にはイマイチこの作品の良さが解らなかったのですが、実話&大林監督と言う事を考えると仕方が無いのかもしれませんね。ハンセン病の岡田とのシーンは強調的に表現されていたのが印象的でした。でも大島渚監督の「愛のコリーダ」とは違い、様々なセックスシーンを滑稽に思えるように撮ってしまったりするあたり、この監督ってやっぱりこういう事にはあまり興味がないんでしょうね。キャストに関しては黒木瞳って綺麗かも知れませんがどうもセックスシンボルにはなりえず、嶋田久作は明らかに演技不足で不快に感じました。 4点(2002-01-27 20:02:24) |
333. ウォーターボーイズ
ホント、素直に楽しめました。作品全体が元気いっぱいなのでその雰囲気が心地良かったです。会場には明らかに「若い肉体」目当ての奥方様が多数来てたので、異様な雰囲気を感じました。妻夫木&平山綾(以外と可愛い)両者のラブスーリーが始まると奥方様のテンションが下がり、水着のシーンが出るとテンションが上がる...この反応がおかしかったです。とにかく若いパワーを十分に生かした作品だと痛感しました。色んなカメオ俳優の出演に、粒ぞろいのBGM(青江美奈は爆笑)も愛称が良かったです。 8点(2002-01-26 23:02:23) |
334. エンド・オブ・デイズ
なんだ、全然シュワちゃんの映画路線じゃないの!マッチョ俳優の性でしょうか、悲しんでいても全然悲しそうに見えないし、何考えてるかも伝わってこないし。ひねりもないんで展開はミエミエ。シュワちゃんのマッチョなボリュームに反比例して薄っぺらな作品でした。あの電車ん中で壊れちゃう変な頭の人、ヤツは怖かった。 3点(2002-01-24 03:00:17) |
335. 天使が見た夢(1998)
一人は自由を求め、一人は愛に傷つくこの二人の主人公が痛々しく且つ魅力的でした。特にイザベル役の女優さんはいかにもおフランスの少女できったないセータも剥がれかけたマニキュアも、この人だと妙にオシャレに見えてしまうんですよね。全く赤の他人である昏睡状態の少女に自分を投影し、看病するところはなんかしみじみと悲しみが伝わりました。行き詰まったマリーが自殺してしまうのはどうかと思いましたね、恋に盲目な少女はあなおそろしや。出てくる男優たちが陰気で気持ち悪い配役ばっかりなのが逆にリアルに感じました。ま、お陰で主人公二人が引き立ってたんですけどね。 6点(2002-01-24 02:52:19) |
336. 青春デンデケデケデケ
微笑ましいとはこの事ですね。ついクスッと笑ってしまう、気がつくと大林ワールドにどっぷり浸かってしまいました。心に思っていることをそのまま映像で表現してしまったり、個性的なキャラクターをバンバン登場させたり、大林監督らしい作品ですよね。後半ではバンド活動を終え、ポッカリと心に穴のあいてしまった主人公の切ない気持ちも忘れていない。とにかく、誰しもが経験するような青春の1ページに共感しました。お寺の息子役の俳優は完璧でしょう。どこか冷めてて悟っている雰囲気を醸しだしながらも、親友思いな彼が主人公をひきたたせてくれてました。個人的には「う~ち~の~た~く~み~がぁ~」のおばあちゃん、ツボにはまりました。常連の岸部一徳に根岸季衣は相変わらずいい味でてます。 8点(2002-01-24 02:37:56) |
337. FLIRT/フラート
NY、ベルリン、そして日本。三つの国で起こる良く似たストーリー。主人公は人種も性別も舞台も違うんですが、セリフ回しやストーリー展開はほとんど同じという実験的作品。途中で登場人物が「この作品は失敗するよ」などと言わせてしまう所なんて、「やられたっ!」と思いましたね。それにしても主人公達の環境が違うとこうも違った展開に見えてくるんでしょうか。もう、失敗ではなくて十分成功してます。2話目なんて、「あれっ?同じセリフに同じ展開?」と驚かせておいて問題の銃を撃つシーンではわざと音を消したりするし、3話目ではその構成を少しずつ変えてるし..もうホント、騙されましたよ(いい意味で)ただ、3話目のオープニングの白塗りの妙な演技..その辺りはちょっと不満でした。ちなみに3話目では監督自身が登場してたり、永瀬正敏や藤田朋子が出ててお得です。 8点(2002-01-22 00:20:50) |
338. 悪魔の手毬唄(1977)
この作品ほど岸恵子の魅力を引き出しているものはないでしょう。「獄門島」よりは残虐度は大人締めで、恨み積もって20年というには少し動機が...何故彼女たち(すずめ=娘)があの歳になるまで待たなければならないのかが不十分でした。大滝秀治に草笛光子、三木のり平等市川常連組が回りをしっかりと固めているので安心して見れる作品でした。メインテーマはこの作品が一番印象的でしたよね。(仁科明子の歌う手毬歌じゃないよん)手毬をつく人形たちはおっとろしかったぁ~。それにしてもやっぱり犯人は死んじゃうんですね...この辺が納得いかないんですが。(残された息子はどう生きてくねん!) 7点(2002-01-22 00:07:52) |
339. 疑惑の幻影
登場人物が少ないだけに、これといって驚く事も無いオチはミエミ。いかにもな猟奇殺人的な展開にもオリジナリティは見られないし、なんたってメラニー・グリフィスにトム・ベレンジャーでしょ?精々がんばって芸能界を生き続けて下さいまし。 3点(2002-01-18 20:32:03) |
340. バニラ・スカイ
私は多数の方とは違い、オリジナルを何度か観ていきました。結末はわかっている事はさて置き、リメイクと言えど不必要なシーンを挿入した完全版のようなものでした。キャメロン・ディアスの好演以外にはあまり目新しいものは無く、プツプツとぎれるカットの数々に時々不釣合いなBGMの挿入と退屈なシーン...リ・イマジネーションを期待してたんですが、ちょっとね~。ジュリーを殺害するシーン(テンションが上がった時)のBGMは良かったんですが...でもトム・クルーズって今回ではあまり演技の幅が広がっていないように思えました。色男は特ですね。 5点(2002-01-17 20:50:25) |