3381. 突撃(1957)
《ネタバレ》 これだけの内容を90分未満に凝縮してみせた豪腕には感服するが、やはり、主人公の心理描写などはもっとじっくり見たかった気がしないでもない。前半=戦場、後半=法廷ときっちりと色分けがされすぎているのも、何となく作品世界の矮小化につながっているような印象を与える。 [DVD(字幕)] 5点(2008-01-21 02:32:31) |
3382. アメリカン・スウィートハート
それぞれが好き勝手な演技をしているだけで、映画として一つのものを形成していません。豪華キャスト作品を作るのも大変だね。ゼタ=ジョーンズなど、無理して「ステレオタイプの嫌な性格の大女優」を演じようとしているのが見えてきて、逆に痛々しく感じられます。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2008-01-20 23:52:28) |
3383. 噂の二人
《ネタバレ》 出だしの感じと邦題からは、明るく賑やかな学校ものを想像していて、風評被害が発生したときも、そのうちうまく誤解が解けて最後は全員笑顔でハッピーさ!みたいに予想していたので、あまりの暗さと陰湿ぶりにびっくりしました。いつまでたってもハッピーな雰囲気にならない(どころか、悪い方向にばかり進んでいる)ので、一体どうやってオチをつけるのかと思っていたら、まさにそのまんまの話でした。ラスト、オードリーの散歩の時間をゆっくりととって、観客にもこの「時間的空白」を体感させる演出が面白かったので+1点。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-01-16 02:57:26) |
3384. ロング・キス・グッドナイト
《ネタバレ》 記憶喪失が出発点なんだったら、もっと記憶が戻っていく段階を順を追って見せてくれてもいいと思うんだけどな・・・ある一時で一気に戻ってそのまんまなんて、工夫なさすぎです。前半のジーナは撮る角度が悪いのか照明が悪いのか、やたら顔がごつごつした感じだし、後半は似合わない短髪でごてごてメイクだったりして、その点でもがっかり。ただ、水車シーンの執拗な変態演出はお見事だったので、そこに+1点。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-01-15 02:00:06) |
3385. 地獄の逃避行
《ネタバレ》 主人公の背景や動機に中途半端に踏み込まず、それらをすべてサウスダコタの荒涼とした平原の風景で表現しているのが素晴らしい。途中、キャデラックで道を外れ、ひたすら地平線に向かって目標もないままに突き進む行動は、まさに2人の心理の象徴です。そして、それらを見ているうちに、いつの間にか違和感なく2人を追いかけている自分に気づきます。着地部分も、「あ、終わっちゃった」みたいな淡々とした感じであるのが良い。 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-12 02:45:34) |
3386. ホワイト・オランダー
なかなか表現の難易度が高いテーマだと思うが、何といっても、ミシェル・ファイファーの気迫のこもった演技が凄い。作中でこの母親にコントロールされていた娘同様、画面の前の我々も、この冷たい迫力に思うがままにコントロールされそうである。それを演技の上できちんと受けきったアリソン・ローマンも見事。また、メイクやヘアメイク、衣装、色彩関係もきちんと内容表現に即した形になっている。登場人物の座り位置や撮影方向なんかにもさりげないこだわりがあるのも嬉しい。 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-11 04:18:18) |
3387. さらば青春の光
《ネタバレ》 これって、単に主人公の自堕落なウダウダした生活をそのまま追ってるだけでは・・・と前半は思っていました。同じようなシーンが繰り返されているのも気になりました。しかし、それでも、ホテルの入口に昔の悪仲間を発見するシーンがもたらす虚しさから始まるラストへのシークエンスは、なかなかの味わいがあって見所ありです。 [DVD(字幕)] 6点(2008-01-11 03:49:13) |
3388. 運転手の恋
《ネタバレ》 タイトルは半分くらい偽りあり。りえちゃんとの恋愛沙汰は、90分のうちの正味20分くらいです。どちらかといえば、「運転手の恋」というよりも、「運転手の日常」といったほうが正確です。しかし、その日常を、何とか面白くさせようといろいろデフォルメを加えながらまとめていく素朴な作りは嫌いではありません。大体、あんな一歩誤ったら変態ストーカーのような作戦であっさり恋がうまくいってしまうというプリミティブな世界観が凄すぎる。実は案外飛び道具の作品かもしれません。 [DVD(字幕)] 6点(2008-01-09 02:20:47) |
3389. お引越し
子供の方は、いろんな場面でわがままでうるさくてあまり可愛いと思えないし、両親の方も、それに対するきちんとしたしつけなり親としての毅然とした対応ができているとは言い難い。したがって、内容面ではそんなに入り込めませんでした。演技の方では、田畑智子はひたすら朗読調の一本調子、中井貴一はキャラクターに合ってない上に関西弁が異様にぎこちなくて、どちらも評価はできないのですが、桜田淳子の意外に堅実な演技には驚きました。こんなこともできる人だったんですね。この作品は彼女にかなり救われてます。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2008-01-09 02:07:11) |
3390. 台風クラブ
台風の接近と青春の衝動の爆発やねじれを重ね合わせるというコンセプトはとても面白く、また描写のインパクトも強いので、低い点はつけられないのですが、作品として普通に楽しめたかと言われたら、ノーです。特に、やたら暗い映像と、役者の表情などどうでもいいと思っているかもしれないロングショットばかりのカメラに参りました。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2008-01-08 01:57:31)(良:1票) |
3391. 世界で一番パパが好き!
《ネタバレ》 今どき映画でここまでやらないだろうとつい思ってしまうくらい、何のひねりもない予想通りのストーリーなのですが、会話の節々はきちんと練られているので、退屈することなく楽しめます(エロトークや危険トークも満載)。ただし、住民相手のスピーチの場面は、音楽でごまかしたりせずに、きちんと脚本を書いてほしかった。あそこが一番の転機点なのですから。 [DVD(字幕)] 6点(2008-01-08 01:51:33) |
3392. いつか誰かが殺される
《ネタバレ》 冒頭の、いかにもなお屋敷でなされる変な人たちばかりの大家族の食事会は、ミステリーの基本という感じで大いに期待させるのですが、終わってみたら全然本筋と関係ないじゃん!いや、これはもうほとんど詐欺のレベルです。それ以外でも、父のさりげない失踪とか、キーアイテムのディスクとか、謎の要素はそれなりに撒いているのに、後半はその処理を全部捨て去ってC級ラブロマンスに走っちゃってます。参りました。渡辺典子が"Summertime"を歌うシーンはなかなか格好良くて意外な見所だったので、点数はそこに対して。 [DVD(邦画)] 3点(2008-01-08 01:41:11) |
3393. ミザリー
《ネタバレ》 筋立ては単純ながら、手を拡げすぎないコンパクトで確実な演出によって、主演2人の表現を光らせることに成功しています。「フォークで布団に穴を開けてそこにカプセルを隠す」(=そこしか隠すところがない)など、主人公の無力な日常生活状態をきっちりと表しているのが、当たり前のこととはいえ重要ですし、アニーの行為による恐怖を効果的に裏付けています。残念なのは、最後がありがちなサスペンスの着地風になってしまったこと。主人公の決死の覚悟を表すためには、変に引っ張らずに一撃で倒すべきだったと思いますし、それまでとの対比で、脱出して自由を獲得する救済の過程を少しでも見たかった。 [DVD(字幕)] 6点(2008-01-07 04:35:42) |
3394. フェイク
設定が設定なんだから、もっとギャップに悩む場面とか、ばれそうになって焦る場面とかがいろいろあるかと思ったのに、意外と最後まですーっと流れてしまいました。それと、奥さんの描き方がステレオタイプで、しかもぎゃーぎゃーうるさいだけなのが気になりました。あれはリアリティがないです。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2008-01-07 04:18:48) |
3395. 運命の逆転
《ネタバレ》 そもそも、裁判で完全無罪が確定しているのだから、その裏をどうこう疑うような映画をわざわざ作っている時点で制作者の神経を疑うのだが、それを措いたとしても、何が表現したかったのかよく分からない作品。本体の裁判の部分は、証拠関係や審理経過のディテールを省略してしまっているせいで、著しく緊張感が薄れてしまっているし、また、視点をグレン・クローズに置いてしまったせいで、弁護人から見た人間ドラマという点でも発展性が減殺されている。結果、単に弁護団内部の表面的なやりとりを淡々となぞっただけになってしまいました。クローズとアイアンズの底力で何とか見られるものになっているだけですね。 [DVD(字幕)] 4点(2008-01-06 04:28:11) |
3396. イージー・ライダー
大まかなストーリーは事前に知っていて、主人公2人が行け行けで無軌道に気ままに旅をする話かと思っていたのですが、意外にのんびりした部分とかかったるい部分が多かったのがかえって新鮮でした。しかし、そういう洗練されてない作りだからこそ、制作者が表現したかった挫折感、敗北感が、ある種の初期衝動を伴って生々しく伝わってきます。今見ても鑑賞に耐えうる作品です。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2008-01-06 04:13:24) |
3397. 虹の女神 Rainbow Song
《ネタバレ》 予想以上にしっかりした内容でした。まず何よりも、脚本がすみずみまで気が配られていて、台詞の一つ一つまで執念のように作り込まれているのが良い。登場人物のやりとりを聞いているだけで自然に引き込まれますし、各キャラクターの成長を自然に表現しています。上野樹里は、発声はかなり今ひとつなんだけど、役作りに関しては相当気合を入れた様子が窺えます(主人公の彼も、作中の役柄同様、それによってかなり引っ張り上げられてますね)。また、蒼井優も、それほど登場時間は長くないのに、最後のキメの一言をしっかりと決めてしまう存在感は素晴らしい。あと、相田翔子のシークエンスは、主人公の一つの「旅」としてヒロインに向けた感情を固めるところに意味があります。その矢先に事故があるところに落差が生じるわけで、もしあのシークエンスがなければ、ラストの感動は半減したでしょう。 [DVD(邦画)] 9点(2008-01-05 03:21:23)(良:1票) |
3398. バンジージャンプする
《ネタバレ》 ビョンホンとウンジュが出ているという付加価値がなかったら、どうしようもなくなっちゃっていたのではないでしょうか。前半は平々凡々な内容でまったく食い足りないし、肝心の後半は、担任している男子高校生が彼女の生まれ変わりという超強引な設定をしているのであれば、もっと前半とのリンク率を高めるなり対象男子の描写を深めるなりして、観衆にとっても生まれ変わり説を確信させる程度の強力な工夫をしないとダメです。あと、邦題もやる気が感じられません。 [DVD(字幕)] 3点(2008-01-05 02:52:38) |
3399. 天国にいちばん近い島
脚本は何から何までグシャグシャだし、主演の2人の演技の下手さには周りが全員巻き込まれてるし、原田知世は最初イモくさいと見せかけてどこかで華麗に変身・・・と思ってたら最後までそのままだしで、何を目的として作られたのかさっぱり分かりませんでした。久々に聴いて意外と良い曲だったテーマ曲に2点。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2008-01-04 01:16:30) |
3400. 恐怖の報酬(1953)
《ネタバレ》 本題に入るまでに40分以上もかかったときはどうしようかと思いましたが、そこから後は普通に楽しく見られました。ただし、今度は逆にドライバー4人の中でしか展開されないので、ドラマとしての拡がりがないのですね。そんな中でも、誰もが体験している「急カーブでの切り返し」というネタ一発だけであそこまでスリルを引っ張っていたのは、ちょっと唸ってしまいました。 [DVD(字幕)] 5点(2008-01-02 01:43:52) |