3381. 映画史特別編 選ばれた瞬間
近年のゴダール作品の例にもれず本作も難解極まりない。 いや、難解さだけで言えば完全にトップクラスだった。 しかも『ゴダールの決別』の様な心奪われる映像美があるわけでもない。 無秩序に現れては消える言葉と映像と音楽の洪水。 たった80分の上映時間だったが、後半はかなり息切れ状態になった。 しかし、これでもかこれでもかと過去の監督の名前や作品名、俳優・女優の名前などが引用される様は観ていて楽しかった。 覚えているだけでも、「ロッセリーニ」「ヒッチコック」「メルヴィル」「ダニエル・ダリュー」「バーグマン」「トリュフォー」「ヴィゴ」「雨月物語」「赤い砂漠」「モニカ・ヴィッティ」「ドゥミ」「エイゼンシュテイン」「シュトロハイム」「ドライヤー」「北極のナヌーク」などなど。 とにかく引用の雨あられで、それらを目で追っているだけでも飽きない。 おそらくこの作品は、より多くの映画(とは言っても、ハリウッド映画ではなく)を観ていれば観ている方ほど、楽しめる作品ではないだろうか。 今回は一人で観に行ったが、それが正解だったというのが率直な感想。 よほど“心得(こころえ)”のある人とでもない限り、文句を言われること間違いなしだろうからだ・・・ [映画館(字幕)] 5点(2007-09-10 09:53:45) |
3382. インビジブル・ウェーブ
《ネタバレ》 『地球で最後のふたり』は私にとってマイベストな映画。 その『地球で最後のふたり』と同じ監督、同じカメラマン、同じ脚本家、そして主演も同じ浅野忠信で撮られた本作。 『地球で最後のふたり』で感動し、「次回作も同じスタッフで撮る」というニュースを入手してから待つこと、実に3年余り。 監督がペンエーグ・ラッタナルアーンで、撮影がクリストファー・ドイルで、原作・脚本がプラープダー・ユンで、主演が浅野忠信。 この『インビジブル・ウェーブ』という作品を観るために、私は3歳も歳を取ってしまったのだ。 冒頭で、“ボス”の妻を毒殺した浅野忠信は、“ボス”の手配した船に乗って、香港からタイのプーケットへと渡る。 ここからいよいよ、私の大好きな“ロード・ムーヴィ”のはじまりはじまり。 えらい汚い船で、何故か人気(ひとけ)が感じられない。 誰もいないのだ。 間接的に窓の向こうに人影が見えたり、部屋を船員などが訪れたりはするが、基本的に浅野忠信以外の人間が出てこないのだ。 これがとても気味悪く、奇妙な雰囲気を演出することに成功していた。 あ、そういえば、エレベーターの中でも浅野忠信の旧友と名乗る奇妙な日本人男性と遭遇したっけ。 ここでの浅野忠信の振る舞いやリアクションがとても良かった。 別に普通に聞いてる分には、特別、面白くもない会話なのだが、浅野忠信のリアクションが面白かったのだ。 この辺りは浅野忠信ファンでないとなかなか理解してもらえないところなので、詳細な説明は割愛させて頂く。 逆に、浅野忠信ファンならば、この奇妙な男性に対する浅野忠信のとぼけた対応に注目すべし。 これを演じた浅野忠信、そしてこれを演出したペンエーグ監督はさすがのセンスである。 そして音楽。 『地球で最後のふたり』と同じ感じの音楽が本作でもずっと流れ続ける。 同じ感じの音楽なんで、おそらく同じ人が音楽を担当したんじゃないかと思う。 静かなBGMだったが、ペンエーグ監督とドイルが描き出す世界観に見事にマッチしており、これまた最高であった。 ロード・ムーヴィちっくなところも良かったし、ドイルの撮ったアジア各国の映像美も感動したし、浅野忠信の魅力も十二分に発揮されていた久しぶりの作品だった。 ただ、ストーリーにそれ程の厚みはないし、話も淡々とゆっくり進むので、人によっては退屈な映画に感じてしまうかもしれない。 [映画館(字幕)] 7点(2007-09-10 09:51:07) |
3383. キンスキー、我が最愛の敵
《ネタバレ》 ドイツが生んだ奇人監督ヴェルナー・ヘルツォークと、彼の作品に何度も出演した“映画史上に残る怪優”クラウス・キンスキーの愛憎渦巻く人間関係を、怪しげに描いたドキュメンタリー映画の傑作。 本作の中でヘルツォークはこう語る。 「私は変人ではない」と。 自身が作成したドキュメンタリーの中で、真面目な顔をしてこんな言い訳を淡々とされると、思わず噴出してしまう。 やはり、このドキュメンタリーは傑作中の傑作。 その他、いたるところでヘルツォークが「自分はマトモ」的な立ち位置でこちらに語りかけてくる。 しかし、ヘルツォークが自身のことをマトモと主張すればする程、逆に「本当かなぁ・・・」という気持ちにさせられる。 キンスキーが奇人であることは映像が雄弁に語るが、ヘルツォークもそれに負けず劣らず奇人であることは明らか。 これは彼ら二人も本ドキュメンタリーの中で認めていることだが、彼ら二人は“似た者同士”なのである。 それにしてもキンスキーは常にキレている。 少なくとも、ヘルツォークが撮ったこのドキュメンタリーの中では。 特に冒頭のキンスキーがキレながら大衆に向かって演説をするシーンが興味深い。 迫真の映像で、これを観るだけでも十分楽しめる。 ラスト・シーンは特別に印象的。 こんなに不思議に心温まる映像は観たことがない。 アマゾンの大自然の中に一羽の蝶がいる。 それがキンスキーの体にとまる。 しかし蝶は逃げない。 逃げるどころか、彼に吸い付いて離れないのだ。 彼がいかに常人離れしているかという隠喩がうまく込められた素晴らしいラストの映像だ。 アマゾンの蝶に愛されるキンスキーも凄いが、この映像を撮って最後に持ってきたヘルツォークも凄い。 ヘルツォークの自己中な語りに苦笑させられ、キンスキーの狂った言動に口をあんぐりさせられ、最後に蝶のシーンで心を温められるという、素晴らしいドキュメンタリー。 皆さんに是非オススメしたい。 [DVD(字幕)] 8点(2007-09-10 09:42:12)(良:1票) |
3384. アポロンの地獄
想像していた程、過激な内容ではなかった。 [ビデオ(字幕)] 5点(2007-09-09 23:22:23) |
3385. 奇跡の丘
モノクロ映像はとにかく美しい! だけど、それだけの映画。 特に、キリスト教に感心の無い人にとっては、辛い作品。 [ビデオ(字幕)] 4点(2007-09-09 23:21:13) |
3386. 王女メディア
マリア・カラスの美しさにビックリ、ウットリ。 相変わらず、パゾリーニ作品には魅力的な女性がたくさん出てくるなぁ。。 [ビデオ(字幕)] 5点(2007-09-09 23:19:13) |
3387. 大きな鳥と小さな鳥
不条理なドタバタ喜劇。歌劇で過激なキリスト狂劇。 カラスをどう動かしているかにずっと興味をおぼえながら観ていた。 カラスの素敵な動きにプラス1点でこの点数。 “パゾリーニのおホモ達”ニネット・ダヴォリは相変わらずのハイテンション。 ラスト近くの親子の会話で、 父「どうした?」 息子「腸ねん転になった!」 父「何食ったんだ??」 、というのがあるが、これには笑った。翻訳のミスかもしれないけど、「腸ねん転になった!」って、自分で分かるんかい!しかも「何食った??」って。 [ビデオ(字幕)] 4点(2007-09-09 23:15:27) |
3388. うなぎ
最高賞を撮った割には・・・ という評価になってしまいがちだが、そういった色メガネで観なければ普通に楽しめる作品。 [ビデオ(邦画)] 5点(2007-09-09 00:57:15) |
3389. 極道黒社会 RAINY DOG
レビュー第1号とは、光栄ですね。 作品タイトルはかっこいいんですけどねぇ・・・ 内容的にはややショボイ。 香港が舞台なのはいいんだけど、俳優陣に問題アリ。 [ビデオ(邦画)] 4点(2007-09-09 00:55:33) |
3390. 中国の鳥人
良作という言葉がいかにも似合う、肩の力がうまい具合に抜けた作品。 [DVD(邦画)] 5点(2007-09-09 00:53:49) |
3391. DEAD OR ALIVE 犯罪者
邦画史上に名を残す衝撃のラスト! 未見の人は、是非その目でお確かめ下さい!! [ビデオ(邦画)] 6点(2007-09-09 00:53:06) |
3392. 漂流街 THE HAZARD CITY
三池作品は相当観たが、これは間違いなく駄作の部類に入るかな・・・ [ビデオ(邦画)] 3点(2007-09-09 00:51:30) |
3393. ビジターQ
まあまあ良いんだけど、どうも雑な感じが。 ムツカシイことを考えずに素直に楽しめば、なかなかの良作かも。 [DVD(邦画)] 5点(2007-09-09 00:49:38) |
3394. 誰も知らない(2004)
YOUちゃんがとってもキュート! 是枝作品では唯一良かった作品。 [映画館(邦画)] 6点(2007-09-09 00:48:04) |
3395. あの夏、いちばん静かな海。
とても切なく、心に沁み入る映画。 [地上波(邦画)] 6点(2007-09-09 00:46:44) |
3396. 戦場のメリークリスマス
音楽はかっこいいが、中身がついていけてない印象。 [ビデオ(邦画)] 5点(2007-09-09 00:45:42) |
3397. バトル・ロワイアル
別れた彼女と適当に観た映画。 その程度の印象。 [映画館(邦画)] 5点(2007-09-09 00:44:17) |
3398. BROTHER
武作品としては、比較的失敗作。 武のバイオレンス作品は大好きだが、これはクドすぎ。 加藤雅也はカッコよかったが・・・ [映画館(邦画)] 5点(2007-09-09 00:43:14) |
3399. Dolls ドールズ(2002)
とにかく“赤”が凄まじい。 まぶしく美しい。 主人公二人の演技もなかなか良かった。 [DVD(邦画)] 6点(2007-09-09 00:42:13) |
3400. HANA-BI
武作品の中でも、個人的に苦手な作品。 武作品はほとんどが好きだが、これは例外的に苦手。 [映画館(邦画)] 5点(2007-09-09 00:41:20) |