3441. 深夜の告白(1944)
サスペンスとしては、骨子が呈示されているだけという感じで、特段目新しいものがあるとは感じませんでした。冒頭で録音による告白などということをやっちゃったせいで、全編にしつこくナレーションがかぶさることにもなり、その点もマイナス。 [DVD(字幕)] 4点(2007-10-21 01:02:13) |
3442. ハーモニーベイの夜明け
ホプキンスが出した質問に対する第3の回答とか、本来はなかなか示唆的な話だとは思うのだが、肝心の映画としての内容が、大事なところは全部どこかからのパクリじゃん!いや、ここまで分かりやすすぎだと、逆にけなす気力もなくなってしまいます。制作者は、作っててこれはやばいんじゃないかと思わなかったんでしょうか。ジャングル走り回りで格闘シーンも頑張ったホプキンスに4点。 [DVD(字幕)] 4点(2007-10-15 00:47:16) |
3443. フラガール
《ネタバレ》 炭坑町にハワイアンリゾート計画という通常ありえないような取り合わせであれば、そもそも、誰が、どのような想いからそんな無謀な計画を推し進めたのかというのが当然気になるのだが、そんなことは一顧だにしていない、いきなりフラダンスありきで始まるオープニングに唖然。その後も、講師が泥酔して登場するとか、最初に集まったのが意図的なほどイモくさい人たちであるとか、講師が実は借金取りに追われているとか、設定なり演出のやることなすことがいちいち陳腐なのです。友人との別れとか、講師を駅で引き止めるシーンとか、そんな二流テレビドラマのような部分に時間を割くのであれば、なぜもっと練習や技術向上やチームワーク形成の部分、もしくは会場建設の準備の部分を描写しないのでしょうか。勢揃いのダンスシーンが見られる後半は多少マシになりますが、それはフラダンスの力であって、映画の力ではありません。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2007-10-14 23:08:27)(良:4票) |
3444. バラ色の選択
《ネタバレ》 設定と邦題と主演キャストからして「摩天楼はバラ色に」の劣化コピーの予感が漂ってくるわけですが、実際本当にそのとおりで、しかもそこに「アパートの鍵貸します」のパクリみたいな展開がねじ込まれてくるわけですから、もう方向性がバラバラなわけです。大体、この種の話だったら、主演がマイケル君というのが間違いで、もっとぱっとしないもてなさそうな人を選ぶべきでしょ。ヒロインも、あんな普通のまともそうな美人ではなく、もっと王女様というか高嶺の花タイプの人にすべきでした。●と、文句を言いながらも、マイケル君のお姿と高速回転台詞を存分に鑑賞できるという点では大いに意味があるので、+1点。結局、ほぼ全部のシーンで出ていたのでは? [DVD(字幕)] 5点(2007-10-12 23:01:08) |
3445. 花様年華
《ネタバレ》 ちっとも話が前に進まないのに苛々したり、肝心の男の妻と女の夫が全然画面に出てこないのに苛々したり、最後の急すぎる展開に唖然としたりなど、見ているときは文句が多かったのですが、終わった後に醸し出される切ない雰囲気はやはり捨てがたいので甘めの点数。心の中で振り返ったロマンスの回想などというのはああいうブツ切りのものなのかもしれません。ただし、マギー・チャンのチャイナドレス七変化は、不倫ドラマの大前提である「生活感」を削いでいるような気がして、やっぱり疑問。●再見して、全編でマギーのお顔とお姿を、しかもひたすら美しく撮っているのに、今さらながらびっくり。もしかしたらそれこそが創作動機だったのかも。 [映画館(字幕)] 6点(2007-10-09 04:19:14) |
3446. パンズ・ラビリンス
《ネタバレ》 冒険系ファンタジーの割には話の規模としてはごく狭い範囲内に収まっているのだが、この作品が優れているのは、無意味に展開を拡げすぎずに、あくまでも現実の迫り来る危機と表裏一体のものとしてファンタジーの部分を位置づけていること、そして、中途半端にお約束的なハッピーエンドの方向に持っていかなかったこと。そのことが、全体に少女の生々しい息づかいを与え、地に足のついたファンタジーという難易度の高い世界を創り上げることに成功しています。それにしても、主演のイバナ・バケロの、気品と可愛らしさが完全に両立した存在感にはびっくり。演技も安定していて、今から次作が楽しみ。 [映画館(字幕)] 7点(2007-10-08 22:31:25) |
3447. フィールド・オブ・ドリームス
ファンタジーの部分が勝ちすぎて、のめり込んで見るまでには至らないが、それでも、僅かな可能性を信じてそれにすべてを投入していくことの尊さを正面から讃美したという点において印象に残る佳作。演技面では、男優陣をしっかり後ろからコントロールしているかのようなエイミー・マディガンの巧演が特筆されるべきだろう。 [DVD(字幕)] 6点(2007-10-08 03:45:08) |
3448. おかあさん(1952)
《ネタバレ》 作品として優れているのは、すべての物事を日常生活の範囲内で徹底して描ききっていること。兄の死とか父の死など、普通に考えればどうやってもいろいろ演出として盛り上げたくなるのですが、この作品では陳腐な感傷を出さずに、むしろ何事もなかったかのように淡々とその次の生活に向かっています。かと思えば、次女を養子に出すような重大な決断も、(事前の約束があったとはいえ)淡々と、かつ妥協なくなされています。そう、家族を守らなければならない母親には感傷に浸っている暇はありませんし、それを無言で伝えることによって母親の力強さを静かに描き出すことに成功しています。 [映画館(邦画)] 6点(2007-10-07 21:16:06)(良:1票) |
3449. トランスポーター2
最後までノンストップ一直線、アクションも各々しつこくない程度で切り上げていて、1よりは良かったです。ま、ここまで来ると本来の職業はほとんど関係ありませんが…。あと、敵方がもう少し頭良さそうだったらもっとよかったのにと思ってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-10-07 03:25:49) |
3450. 人妻(1999)
《ネタバレ》 前半は何とも安直かつ陳腐なメロドラマで、後半まったく別の話になってきたのはちょっと目新しかったのですが、それだとこの邦題は全然違いますよね(それに、収束部分はやっぱりありがちで安直)。グレッチェン・モルの脱ぎっぷりも報われていません。ジョセフ・ファインズの女たらしぶりははまっていて面白かったので4点。しかし、君は本来こんなB級作品に出ている場合ではないと思うが。 [地上波(字幕)] 4点(2007-10-07 03:04:58) |
3451. 菊豆/チュイトウ
《ネタバレ》 前半は単純な構成ながら微妙な心理の綾があって良かったのです。また、色彩感覚も含めたラブシーンの官能性も印象的でした。ただし、後半、異様なほど陰湿な描写になってびっくり・・・主人公をあんなに豹変させる必要はあったのでしょうか。それと、あの子供は、あんな鬼っ子にしなくても、普通に表情のある無邪気な子にしておいた方が、ラストの意味合いが強調できたと思います。 [地上波(字幕)] 6点(2007-10-05 02:52:43) |
3452. 乱
もっと三兄弟の確執なり策謀なりを見たかった気もするが、この三兄弟は、期待された割にみんな凡人だったというところがいいのかも。全体の流れにほとんど救いがなく、ほぼ一直線に破滅に向かって進んでいるのが強烈です。大型時代劇のくせに、胸晴れるすかっとする場面が全然ありません。そして、その変なドロドロした世界を決定づけているピーターのキャスティングが絶妙です。 [DVD(邦画)] 7点(2007-10-05 01:07:01) |
3453. ワンダー・ガールズ 東方三侠2
《ネタバレ》 前作でトリオ結成に至り、今度こそ豪快に大暴れかと思いきや、何と最初の30分で、ほとんど壊滅状態みたいなとんでもない窮地に陥ってしまう!普通ならこいつはまず死なないだろ的なキャラも、容赦なくビシバシ抹殺される!しかも、それならばただちに3人組が団結して立ち向かうかと思ったら、あれやこれやでなかなか軌道に乗らない!いや、こんな掟破りの大ピンチはまったく予想してなかったので、びっくりしました。ナックル星人とブラックキングの連合軍に新マンが敗れ去ったとき以来の衝撃でした。とどめが、その後のシリーズ化を自ら全否定するかのようなあの渾身のラスト。何か、最初から最後まで、謎のような必然性のないテンションが暴走しています。とてつもないものを見てしまった気分です。 [DVD(字幕)] 6点(2007-09-27 00:26:19) |
3454. ゴッド・アンド・モンスター
いろんな人間模様や人生の深さなどをたっぷり味わわせてくれる作品かと期待していたのですが、予想に反して、ボソボソした平坦な会話がほとんど最初から最後まで続けられるだけの内容でした。イアン・マッケランの存在感だけでもっているような作品。彼に5点。 [DVD(字幕)] 5点(2007-09-26 23:51:54) |
3455. リトル・チルドレン
身近な家族・隣人・不倫関係を対象としたドラマであり、主演がケイト・ウィンスレットとなれば否応でも期待が高まるところなのですが、はっきりいってまったくの期待はずれでした。とにかく、最初から最後まで、杜撰なシーン設定と陳腐な台詞のやりとりが続いており、それだけでも十分に苦痛なのですが、輪をかけて最悪なのが、各登場人物の心理状態をいちいち丁寧に説明してくれるナレーション(しかも第三者の声)で、何でそんなものを入れたのかまったく不明。ジェニファー・コネリーも、ストーリー上いてもいなくてもまったく影響しないような感じで、何でわざわざ投入したのか不明。以上、ウィンスレットをはじめとする俳優陣の無駄遣い(無意味な脱がせ方も含む)という点において、糾弾されるべき作品です。 [映画館(字幕)] 3点(2007-09-23 23:34:55) |
3456. 火垂るの墓(1988)
《ネタバレ》 この作品が優れているのは、子ども目線できちんとすべてを統一し、社会の歪みのしわ寄せが子どもに行っているという構造を明確に示していること(清太が家を飛び出したのは客観的には判断ミスだが、そのような状況での判断準則なり行動規範を教えなかった周囲の大人の責任であって、本人の責任ではない)。だから、この作品は、現在でも普遍性を有する大人への厳しいメッセージたりえている。ただし、映画としての欠点は、変に綺麗すぎる色彩感覚も手伝い、全体に本来あるはずの切迫感や恐怖感が足りず、むしろ幻想的でメルヘンチックな雰囲気すら漂っている点。この辺が心理描写の綾を削いでおり、作品としてのドラマ性はやや欠ける結果となっている。 [映画館(邦画)] 7点(2007-09-23 01:49:33) |
3457. 普通の人々
淡々とした平坦な会話が延々と続いているだけなのに、なぜか最後まで筋が追えてしまう不思議な作品。各登場人物は、同じことを繰り返しているように見えて、ラストに至るまで僅かずつではあるが確実に変化している。その過程の一つ一つを、陳腐な盛り上げを入れずに素直に映像に収めた誠実な姿勢が、作品を心に残るものにしている。 [DVD(字幕)] 7点(2007-09-23 01:37:26) |
3458. 用心棒
狭い町中で似たような登場人物がチマチマ動いているだけだし、殺陣は少なめでほとんどはボソボソした会話だけだしで、大きく期待はずれでした。いろいろな意味で、これを超える時代劇はいくらでもあるんじゃないでしょうか。司葉子に4点。 [DVD(邦画)] 4点(2007-09-22 22:19:02) |
3459. いちご白書
《ネタバレ》 立てこもり、ストライキ、アジ演説、デモなどの大学闘争の風景をきちんと正面から映像化してくれた点をまず評価したいが、その中にも、敗北感というか挫折感というか、ある種の諦念のような雰囲気が常に漂っているのにどきっとする。威勢のいいことをいくら言っていても、通りすがりのチンピラにすら何もできないという無力感。大体、このタイトルからして、ほぼ自虐の領域です。一方で、講堂を揺るがす"Give Peace A Chance"の大合唱は実に強力。警官隊の突入時の、四方八方からのカメラワークも迫力があるし、怒号と悲鳴と催涙ガスの発射音だけで延々とつなげる演出も凄い。幹部連中に特色のある人がもう少しいると、なおよかったのですが。 [ビデオ(字幕)] 8点(2007-09-18 03:12:40) |
3460. ムーンライト・ジェリーフィッシュ
《ネタバレ》 ただ暗いだけの自己満足ドラマだったらどうしようと思っていたのですが、意外に最後まで見易い内容でした。ロマンスの部分は深入りせずに無理のないところで切なさを醸し出すのに貢献していますが、逆に、あのラストにするんだったら、ヤクザの日常生活の部分でもう少しどん底ぶりややるせなさを強調しておく必要があったでしょう。主人公がいきなり被疑者扱いになって発砲までされるという処理が若干強引だったのも惜しい。 [DVD(邦画)] 6点(2007-09-18 00:17:23) |