3541. ノーマ・レイ
《ネタバレ》 労働運動の尊さ、団結することの価値を高らかに讃美してみせたという志の高さだけで、低い点はつけられない。ストライキの発生原理についてまで話に即してさりげなく見せてくれるのだから、さらに好印象です。ノーマが「UNION」の札(それもただの手書き)を掲げて立ち上がり、延々と続く機械音の中、1人ずつ労働者が機械を止めていくシーンは、映画史上屈指の名場面だと思います。ただし、終盤までは少数の協力者で頑張っていたのに、最後はいきなりみんなで大喜びしていたのは、若干違和感がありました。 [DVD(字幕)] 7点(2007-05-15 01:07:41) |
3542. ノー・マンズ・ランド(2001)
《ネタバレ》 何と、あれだけの空間設定と時間設定(わずか1日の話)の中に、これだけ多くの要素を凝縮してみせた手腕にびっくり。最初はひたすら塹壕とその近辺を舞台とする心理ドラマかと思っていて、国連やらマスコミやらが出てきたときは、話拡げすぎでは?と思いましたが、終わってみれば、見る者を突き放すラストとして結実しています。舞台劇でもできそうですね。 [DVD(字幕)] 6点(2007-05-14 02:09:07) |
3543. 五月のミル
《ネタバレ》 ちょっと変な人たちがとぼけた会話を交わす雰囲気は嫌いではないのですが、前半などは意味が分からないシーンがたくさんあって、内容についていけませんでした。ただし、何事もなかったようにほのかな寂寥感を漂わせて終わるラストはなかなか印象的。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-05-13 22:50:20) |
3544. 炎の戦線エル・アラメイン
《ネタバレ》 妙に生活感の漂っている前半の戦場描写が、全体の作品のカラーの描出に効果的に機能しています。登場人物は誰も活躍などしません。ひたすら敵を警戒し、攻撃に備えて待機し、上からの指示に振り回され、武器と水の不足に悩み続けます。そしていつしか誰からも見放された存在になります。戦場というのはそういうものです。砂漠をほとんど放浪状態でのろのろ進む一隊、英軍の包囲にのろのろ投降する兵士たち、そして余韻と解釈を残すラストの別れなど、強烈な印象を残すシーンも多数あります。 [DVD(字幕)] 7点(2007-05-13 11:56:19) |
3545. コンフェッション(2002)
かりにCIA云々が本当だという枠に乗ってあげるとしても、どこがポイントなのか分からない地味で平坦な作りはいただけない。ところどころのドキュメンタリー調のインタビューも余計。気合と雰囲気だけは評価してこの点数。 [DVD(字幕)] 4点(2007-05-12 23:15:44) |
3546. 裸の銃を持つ男 PART33 1/3/最後の侮辱
笑えるギャグよりも滑っているギャグの方が多いのですが、こういうナンセンス・コメディ作品の存在は貴重です。こんな下らない内容で映画一本作ってしまおうという根性を評価したい。 [DVD(字幕)] 5点(2007-05-12 11:52:48) |
3547. コンフィデンス
《ネタバレ》 レイチェル・ワイズの美しさに+1点、と思ったけど、オチがあまりにも下らないので-1点。ガルシアの一人勝ちであとはみんな負けでした、というラストの方がずっとよかったと思うけど。 [DVD(字幕)] 4点(2007-05-12 01:10:43) |
3548. ビッグムービー
《ネタバレ》 設定はすごく面白いはずなのに、ネタがついていっていない感じ。大体、マーティンがやっていることが滅茶苦茶なのだから、マーフィの方はそれを「一般人の立場から」受けてこそ面白さが引き立つはずなのに、精神的に不安定になって宗教(?)に逃げ込むという受け方では、仕掛けが仕掛けになってません。主演二人の演技も、お互いに遠慮したのか、何となく腰が引き気味になっています。 [DVD(字幕)] 4点(2007-05-11 02:09:24) |
3549. リトル・プリンセス
《ネタバレ》 冒頭の変てこなファンタジー的描写には一体どうなるのかと思いましたが、終わってみれば手堅くまとまったなかなかの作品でした。主人公に意思がきちんとあるところ、それと人間の「想像力」の価値をテーマとして賛美しているところがよい。イジメ描写が予想していたよりかなりあっさり風味なのもほっとしましたが、さすがにこれはあっさり過ぎるような・・・ラストが予定調和的に見えて、高揚感が減少してしまいます。 [DVD(字幕)] 5点(2007-05-08 00:49:21) |
3550. 21グラム
《ネタバレ》 脇役も含めた俳優陣の演技は十分なA級レベルで、それだけで見る価値あり。時系列操作については、ところどころやり過ぎな部分もありますが、全体として、登場人物の心理的混乱を表現するために巧く機能していると思うし、これだけいじりながらストーリーのポイントとなるべき部分を織り交ぜて分かりやすく編集しているのは見事です。全体の流れを知ってもう一度見直すと、さらに楽しめます。ただ、尺はもっと短い方がよかったかな。 [DVD(字幕)] 7点(2007-05-07 02:17:10) |
3551. プロジェクトA
アクションは確かに凄いし、意表を突いたその辺の小道具の武術使用など頭もひねっているとは思う・・・が、それ以外の要素がどう見てもそれほど感じられないし、他の類作との差異をどこに見いだしたらいいのかも分からない。したがって、「映画として」突出して高い評価をすることはできない。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-05-06 22:53:58) |
3552. ベイブ
結局は子供向けとは思うが、そのような作品でも映像や編集に手を抜かずきちんと作っているのは偉い。ナレーションと章立て表示は余計ですね。ところで、羊の顔ってよく見ると結構怖いんですね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-05-04 01:21:08)(良:1票) |
3553. ディアボロス/悪魔の扉
《ネタバレ》 終盤の無理矢理な展開は現実を逸脱しすぎてかえって面白かったのに、あのオチでほとんど台無し。ついでに、依頼者に無断で勝手に辞任する(しかも公開の場で)なんて、そっちの方が弁護士として失格でしょ。懲戒されても文句は言えません。セロンとコニー・ニールセンの華々しい共演に+1点。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2007-05-02 01:40:58) |
3554. 隣人は静かに笑う
《ネタバレ》 途中からはてっきり「実は全部主人公の妄想だった」的なオチかと思っていたんですが・・・。ラストはともかく、途中までの隣人のワルぶりが分かりやすすぎて、かえって展開の可能性を閉ざしている。もう少し、善人か悪人か分からないような流れにしておいた方がいろんな余韻があってよかったと思うのですが。 [地上波(吹替)] 4点(2007-04-30 00:35:26) |
3555. スミス都へ行く
《ネタバレ》 導入部はやや地味でかったるいのですが、悪の親玉が前に出てきたあたりからスピード感と迫力が出てきて、最後まで一気に見られました。メインの本会議の部分など、会議での発言をつないでいるだけなのにあれだけのスリリングさが出せるのは驚きです。「発言を中断するか、座ってしまったら終わり」というたった一つの条件だけであそこまで作品のテンションを維持しているのも驚きです。しかし、この作品を単なる自己満足夢想映画にしなかったのは、脇役の人たちの名演あってのことでしょう。ただ、ラストがほとんど「中断」に等しいほどものすごくあっけないのは何とも残念。 [DVD(字幕)] 6点(2007-04-29 00:51:54) |
3556. ラブソングができるまで
《ネタバレ》 まるでG.I.オレンジかカジャグーグーかといいたくなるような超ださかっこいい頭のビデオで爆笑(歌いながらのインチキ寸劇もツボ)。ついでに、途中の同窓会(?)でヒューが歌う曲は、ワム!の"Careless Whisper"のパロディでしょうか?ラストの決めの曲も、歌詞も楽曲も作品内容に適合した良い曲です。と、音楽的には文句のつけようがないのですが、マーク・ローレンスって、いい台詞やいいシーンを作る力はあるのに、全体を一貫させるような演出力とか構成力がないんですよね。で、せっかく何か所でもクスッと笑えたりじーんとしたりするのに、それが持続しないのです。特にこの作品では、本来重要な働きをすべきサブキャラ(マネージャーとかドリューの姉とか)の存在感不足が痛い。それと、演技部分でのヒューのやる気不足が窺えるのも気になります。一応、ラブコメの王道ストーリーでまとまっている部分を評価して5点、音楽部分に+1点。 [映画館(字幕)] 6点(2007-04-28 21:29:46)(良:1票) |
3557. カオス(2000)
《ネタバレ》 歌野晶午という人は駄作率の非常に低い作家なのだが、そんな中でこのつまらない原作を何でわざわざ選んで映画化するのか、その時点で製作者のセンスを疑ってしまうわけなのだが、そこでさらに、ポイントの場面を矮小化もしくはカットして、どうでもいい部分を延々と流してぐしゃぐしゃにしてしまっているのだから、もうどうしようもない(ところで、あの子供は何の意味があったの?)。大体、舞台裏(真相)の部分を途中からあんなにばらしてたら、サスペンスとして成立しないでしょうに。主人公2人も、人格や背景の表現などまったくなされてない単なる操り人形です。とにかくひどすぎ。 [DVD(邦画)] 1点(2007-04-27 00:12:00) |
3558. 十二人の怒れる男(1957)
《ネタバレ》 今見ると、やはり内容的に単純素朴にすぎる感は否めないが(特に、証拠の精密度に関するいい加減さ)、この作品を時代を経ても鑑賞に耐えうる作品にしているのは、主人公自身、最初から無罪を確信して根拠を述べ立てていたわけではなく、人の話を聞いてさらに自分の考察を深める「議論」をしているところ。それと、事件の「真実」だの「真犯人」だのという要素をきっぱりと切り捨てている潔さ。そう、当事者主義を採用して対審構造をとる以上、裁判所に(狭い意味での)真実発見義務なんてのはないんです。そのことを製作者はよく分かっています。 [DVD(字幕)] 6点(2007-04-25 00:31:41) |
3559. ロッキー4/炎の友情
《ネタバレ》 当時のテレビの予告CMで見てたドラゴは、めちゃくちゃ怖かったんです。ソ連にはこんな無表情筋肉殺人マシーンがその辺にごろごろいるんだと思ってました。なんですけど、作品としては、何でそこにいるのか分からないロボットが再三出てきたり、JBの歌がやたら長かったりで、スリリングさは全然ありません。何より、ドラゴが訓練中に辛そうな顔を見せるのがいかん。殺人マシーンたるもの、あれくらいは涼しい顔で平然とやってくれなくちゃ。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2007-04-24 21:44:34)(笑:1票) |
3560. ボディ・ダブル
とにかく主人公が馬鹿で頭が悪くて、何でそこでわざわざそうするの?という行動の連続で、最初から最後までいらいらさせられっぱなしでした(馬鹿なら馬鹿に徹すればまだ面白みはあるが、その辺も中途半端)。デ・パルマらしい映像トリックやカメラワークに免じて+1点。 [DVD(字幕)] 4点(2007-04-23 00:24:03) |