341. 蝿男の恐怖
《ネタバレ》 ホントはリメイクの方の「ザ・フライ」を観ようと思ったのだけれど、ちょっとホラー初心者のワタクシにはキツ過ぎるかな、と思い、こっちをまず観てみる事にしました(何たって「“シザーハンズ”の発明家」ことヴィンセント・プライス御大も出演してるし)。・・・怖い。これはホラーというよりスリラーに近いのではないでしょうか。まず蝿男が死んでいる所から始まるのに意表を突かれたし、あの物質転送機の存在自体も怖い。んで肝心の蝿男もなかなか出てこなくてかえってドキドキが高まるし、「白い頭の蝿」がどういうのなのかもすげー気になるし。それに冒頭でさりげなく猫の伏線が張られているところなど、脚本もよく練られていたと思います。それにしても、科学の進歩が早すぎて、人間の感性や習慣などが追いつかない、というのは重要な指摘だよなあ。 8点(2005-02-11 17:00:22)(良:1票) |
342. キューポラのある街
良くも悪くも「戦後」と「戦後民主主義」を感じさせる作品。んでもってやっぱしワタクシはヒネクレ者なので、いかにも文部省(当時)推薦な感じは鼻につくし、「労働者の団結」ってなことに対して無邪気に希望を抱ける時代でもないよな、とか思ったりもするけど、与えられた状況の中(生まれる環境は選べないからね)でやれる事を精一杯やって生きる、というのはいつの時代も共通だけんね。今は当時と違う意味で暗い時代なのかもしんないけど、ただニヒリストぶっててはいかんな、と思いました。 7点(2005-02-10 18:32:55) |
343. 子猫をお願い
おシゲさんがどういう観点からこの作品を褒めてたのかは分からないけど、僕もこれ、いい映画だと思いました。最近徐々に「近くて近い国」になりつつある韓国だけど、日本の社会と合い通じる所も多いと思う。都市と郊外、「勝ち組」と「負け組」(←あんま好きな言葉じゃないんだけど)、異なる世代(父と娘)の確執など、韓国社会の状況を織り込みながら(ある程度の )自由や可能性が広がっているからこその悩みや不安を抱えた若い女性たちの微妙な心のあやを柔らかいタッチで描いた、爽やかな作品でごんす。あーあと、韓国の若者の間でも携帯電話って重要なコミュニケーションツールなのね。 8点(2005-02-10 18:21:38) |
344. あの娘と自転車に乗って
以前【STING大好き】さんが「“昔”の映画は“古い”のではなく“若い”のだ」というようなことを仰られていたけれど、この作品はまさにその意味で“若い”映画。若々しく、瑞々しく、風や草木や泥水の匂いが画面から漂っているのです。 8点(2005-02-09 17:38:40) |
345. 緋牡丹博徒 一宿一飯
「トラック野郎」シリーズでお馴染みの(僕にとってはね)鈴木則文監督による、シリーズ第二作。鈴木監督らしい(多分)明快な筋立てで、ドラマチックなところはどばーんとドラマチックに、コミカルな所は徹底的にコミカルに、そして悪役はとことん憎たらしくってな感じの演出。いかにもヴァンプ(毒婦)な白木マリと情けなくもひたむきな西村昇(後に黄門様やった人とは思えん)のカップルが印象的。ただ、敵役の菅原文太が、ラストで割とあっさり倒されちゃうのが、ちょっと惜しいかな。 7点(2005-02-07 21:14:17) |
346. 緋牡丹博徒
山下耕作監督作品ってそんなに観てないけど、どれもこう、重厚で凛とした佇まいなのが印象的。藤純子は勿論素敵なのだけど、山本麟一、待田京介ら脇を固める役者の表情がいいっすねえ。健さんも、むしろ自分が主演の時より美味しい感じ。あと敵役の大木実のキャラクターも単純な悪人ではなく、死に際に高倉健のことを「あにき・・・」と呼びながら倒れる場面に端的に現れているように、人の苦悩とかが奥深~く描かれてるのが良かったです。・・・ただ、藤純子の主題歌は、確かに・・・結構難しい歌だし、たぶん藤純子の声域に比べてキーが低すぎたんじゃないかな~。間違っても「なんかコレ、クレヨンしんちゃんの声の人が歌ってるみたい」とか、もし思っても口に出してはいけません。 8点(2005-02-07 21:07:47) |
347. 宇宙で最も複雑怪奇な交尾の儀式
ふふふ、笑いました。ただ、ヒトの性行動って地球の生物の中でも「少数派」で「異端」で「アブノーマル」、つまりは変態なのですよ、実は。だから「宇宙人の勘違い」というギャグを入れないで、もっと生真面目に解説させたら、もっとウィットの効いた、大人のコメディになったと思うのだけれど・・・でもあの「精子ランナー」はツボでした。 6点(2005-02-07 20:58:03) |
348. 深呼吸の必要
うーん、嫌いじゃないんだけどなあ・・・。なんか、沖縄が舞台で、傷や悩みを抱えた若者たちが集まって、最初は心の行き違いもあったけど、最後は・・・って、ありきたりというか、安易ではないかい?登場人物も、ちょっと類型的で先が読めるというか・・・でもきっとこれは、映画のせいではなく、僕がキラキラした青春モノに対してある種「嫉妬」を感じてしまうからなんだな、きっと。あそこで描かれてる「傷」というのが、例えば小学校時代、机に触ったという理由だけで女子に背中を蹴られた、とか、中学時代修学旅行で「好きな女の子の名前告白ゲーム」したら次の日にクラス全員にばらされたとか(ついでにその女の子には手酷くフラれた、とか)、高校時代初めて女の子をデートに誘ったら宗教に勧誘された、とか、大学時代・・・・・・もう、やめよう、泣いちゃうから。ジーン・アーサーも「スミス都へ行く」で「皮肉ばっかし言って一生終えるのも不幸かもよ」って言ってたしね。でもまじめな話、ああいう単純労働を通したコミュニケーションって大事だと思う、やっぱし。だからこそ若い人に共感されたんだろうな(・・・フォローになってる?)。 7点(2005-02-05 20:26:39) |
349. ぼくセザール 10歳半 1m39cm
10歳半かあ・・・遠い昔のことよのう。僕の場合、背は高い方だったけど、運動は全然駄目だったから(何を隠そう、ぐるぐるさんが初めて“逆上がり”ができるようになったのは高校二年生の時。その年になってもあきらめなかった、自分をむしろほめたい)、セザール君の気持ちは分かる。でも、えっちな事には、も少し小さい頃から興味あったけどね(笑)。この映画、ちょっと展開がちゃかちゃかしてるのが気になったけど、ヒロインの女の子(ちょいナタリー・ポートマン似)が可愛いから許す。アンナ・カリーナもかっちょ良かったねい。そうそう、これは直接映画の内容とは関係ないけど、DVDに収録されてる子役たちのコメンタリーがとても大人びているのにびっくりした。小さくても、プロなんやねえ。 7点(2005-02-05 20:15:34) |
350. リービング・ラスベガス
ワタクシの場合、手の震えが止まらなくなったりとか蛇が見えたりとかまでは行かなかったけど、一時期かなり酒に溺れてた時期があったので、主人公が酩酊の中で「死」に惹きつけられてしまう感覚は、ちょっと分かります。これって実は絶望という病を抱えた「難病モノ」でもあるし、相手に将来性とかお金とかを求めないという意味では「純愛モノ」でもあるんだなー。ま、単純にジャンル分けするには壮絶すぎるけど・・・♪あれも愛、きっと愛、多分愛ってことか。 7点(2005-02-05 20:06:49)(良:1票) |
351. ペーパー・ムーン
現在レビューを「お休み」中の【グロリア】さん(元【おばちゃん】さん)にオススメ頂いて、ちょうどDVDがレンタルされてたので観ました。いやー、とても丁寧に作られてて良い作品でした。ワタクシが好きなのはアディが鏡の前でセクシーポーズしたり香水をかけるトコ。幼い子の父親(じゃないけど)に対する微妙な心理が表れてたと思います。でも、あの女の人を追い出すやり口は、チトえげつないのでは・・・。 8点(2005-02-05 20:00:49) |
352. シャイニング(1980)
これ、「エイリアン」でも書いたんですけど、僕がホラー嫌いになったのは、幼い頃、十以上年の離れた姉(現在二児の母)にホラー映画のパンフレットで散々脅かされたのがきっかけ。姉『ほら、ここに載ってる人たちね、この人以外全部殺されちゃうんだよ~』ぐる『ううぇうぇwww(半泣き)』姉『・・・それでね、最後にね、お墓から・・・』ぐる『びえええええ、お、おでえぢゃ~ん、やぁ~めぇ~でぇ~(全壊)』・・・てな感じで。その頃姉に「解説」して貰った作品の中にこの「シャイニング」もあったのですが、【GOGOのはらひめ】さんに触発されて、自分も観てみよーかなーと、二十数年ぶりに「再会」。んで、結論から言うと、確かに怖かったけど、結構楽しめてしまった。これは単なる食わず嫌いだったかも。そういえば小学生の頃、給食に出てた「ほうれん草のごま和え」が死ぬほど嫌いだったんだけど、大人になって食べたら美味しかったもんなあ・・・と、閑話休題。まーこの作品に関して今更ワタクシごときが付け加えることなんてほとんどないけど、シェリー・デュヴァルの顔とかあの双子の姉妹とかと同じ位、キューブリックのあのきちっきちっとした絵の作り方も怖かったなあ(あの真っ赤なトイレとか)。ともあれ、これで自分もほらーが結構いける口だとわかったので、次は「ザ・フライ」かデップ兄貴の「エルム街の悪夢」にでもアタックしよーかな。 8点(2005-02-01 16:43:13)(笑:2票) |
353. 永遠<とわ>の語らい
<はじめに:今回はレビューというより“鑑賞体験記”に近いです>今までオリヴェイラの作品は「家路」と「クレーヴの奥方」を観てたのだけど、正直言って「撮り方はユニークだけど、どこが良いのか分かんねえ」と思ってました。だからこの作品を観る前も「何だか凄いらしい」という評判は聞いていたものの期待と不安が入り混じっていたのです。んで冒頭、母娘が遺跡を巡りながら歴史について語るくだりあたりは「ふむふむ」とか思いながら、その特徴あるカメラワークの「意味」を探ろう、とかしてたのです。ところが中盤、マルコヴィッチ演じる客船の船長が三人の女性たちと「前代未聞で異様なやり方」で語り合う場面辺りからだんだん画面に引き寄せられていって・・・この感覚、口でうまく説明するのが難しいのだけれど・・・例えば、音楽って歌詞とメロディ(主旋律)だけでなく、それぞれの楽器やリズム、ひいては音そのものが渾然一体となって「音楽」になってるじゃないですか。それと同じく映画も、台詞とストーリーや役者の演技だけでなく映像の質感とかリズムが溶け合って、んで「映画」になると思うんですよ。で、この映画は正に「映画」そのものに魅了されてく感じというか・・・何だろな、こっちが理屈をこね回して「構えてた」のをゆっくり、優しくほぐされていく感じ。こういう言い方すると何だか超常体験みたいだけど(笑)、ホントそんな感じで最後までぐいぐい引っ張られて、最後まで見せられた(魅せられた)感じ。あんまりショックなんで続けてもう一回観てしまいました。何なんだ、この映像から匂い立つ豊穣な奥深さは!この映画、一応のテーマとしては「9.11以降の世界に対するヨーロッパからの真摯な“問いかけ”」てなことだと思うのだけど、個人的には「映画」そのものについて、言葉にできない無数の“問いかけ”をされたような、何とも不思議な映画体験でした。これはもう一度オリヴェイラ作品を見直さねば。凄えよ、オリヴェイラ爺さん、二百歳まで映画を撮り続けてくれい。 9点(2005-01-28 18:37:21)(良:2票) |
354. パッチギ!
《ネタバレ》 やられた!やられたチギよ、井筒監督!年初めからこんな素晴らしい青春映画を見せてくれるなんて!もーワタクシはアンタについて行くッチギ!でも実は、結構不安もあったチギ。個人的に井筒作品の中でもケンカ青春モノ(「ガキ帝国」と「岸和田少年愚連隊」)は苦手だったし、ひょっとして「スパイ・ゾルゲ」みたいな妙に啓蒙臭い、説明的な映画だったらどうしよう、と思ってたのだけど、そんなのは全くの杞憂だったチギ。確かに日朝の歴史とかに関して説明的な台詞もあったりしたけど、チッチッチ、そんなアラ探しをしていては本質は見えないチギよ。これは何よりもまず、あっつーい、ぬくーい青春映画であり、恋愛映画なのだチギ。恋を阻む障害を前にした若者が悩み、傷つき、壁を乗り越えようと奮闘する・・・その姿はいつの時代、どこの場所でもある普遍的なテーマだし、この作品はたまたま在日朝鮮人の少女に恋をした高校生の話だったというだけの事。そしてこの映画では沢山ケンカのシーンが出てくるけど、このケンカは往年の名作「トラック野郎」シリーズと同じく、決してただの「暴力」ではなく(その証拠?に鉄棒とかも使ってるけど決して頭は殴ってない)、「祭り」であり「コミュニケーション」であり「生きている証」なのだチギ。だからこそ何度も出てくる頭突き(パッチギ)や飛び蹴りが爽快で感動的で泣けるチギ。若手の俳優の演技もやたら熱いし(特に朝鮮高校の番長役の高岡蒼佑が主役を食う勢いで素晴らしい)、クライマックスシーンも大いに泣けるチギ。そうそう、これは他の井筒作品にも言える事だけど、この作品には絶対的な悪人が登場しないチギ。井筒監督は主役たちだけでなく、例えば朝鮮高校を目の敵にするいかにも体育会系右翼みたいな空手部大西も、或いは毛沢東かぶれのダメ教師も、後に学生運動に傾倒していく主人公の友人もそれぞれ愛情のある描き方をしてるチギ。登場人物たちの未来を暗示するラストに込められていたもの、それは「みんなそれぞれ考え方も違うから、生き方も違うし、時にはぶつかり合ったりもするやろ。でもそれぞれが、それぞれなりに精一杯生きていこうや。そりゃ生きてく中で色んな困難もあるわなあ。そーゆー時はな、パッチギかましたれ!」という力強ーいメッセージ、すなわち「生」に対する強烈な「イエス!」なのだ。おっしゃあ、俺も行くぜ、パッチギるぜ! 10点(2005-01-23 19:01:26)(良:11票) |
355. 許されざる者(1992)
僕の場合「ダーティハリー」もセルジオ・レオーネとイーストウッドが組んだマカロニウェスタンも観たことないので(というより、クリント・イーストウッドの映画を観るのはこれが初めてなので)、ひょっとすると見当違いの意見かもしれないけれど、この作品はイーストウッドが自らのキャリア、すなわち西部劇のヒーロー、あるいは強い男(つまりは強いアメリカ)というイメージ(幻想)と決着をつけようとした作品ではないか、と思えた。例えばそれは、イーストウッド演じる老いたガンマンが馬になかなか乗れなかったり、銃の腕が落ちていたり、という場面、あるいは伝説のアウトロー、イングリッシュ・ボブが保安官にメタメタにのされた上に、実は過去の伝説がでっちあげであったことを暴露されてしまう場面に顕著に表れている。或いは「人を殺める」という行為に関する描写もそうだ。作品の中で彼は何度も、人を撃ち殺すことが英雄的行為でも何でもなく、ただ人の一生を「無」に返すだけのことだ、と繰り返し説く。僕はこの映画を観ながら、ジョン・レノンのことをふと思い出した。彼はビートルズ解散後に発表した「ゴッド」で「僕はプレスリーもボブ・ディランもヒトラーも信じない。神も、そしてビートルズも信じない」と歌ってファンを驚かせた。彼はこの歌で自分の中のビートルズと決別し、「もうあの楽しい頃、みんなで無邪気に夢を見ていられた頃には戻れない」と宣言することで、新たな一歩を踏み出そうとした。きっとイーストウッドも同じような気持ちだったのだと思う。この「許されざる者」はそんなジョン・レノンのソロ作品の多くと同じく、とても野暮な作品(つまり「そんなこと、わざわざはっきり言わなくてもいいじゃんかよー」と言いたくなる感じ)だと思うけど、その分、作り手の誠実さを感じる。 8点(2005-01-20 19:52:20)(良:2票) |
356. ピーウィーの大冒険
ティム先生長編映画デビュー作(であると同時に盟友ダニー・エルフマンと初めて組んだ作品でもある)の本作は、冒頭からティム節全開。ロベルト・ベニーニと若人あきら(現我修院達也)を足して二で割ったようなオトナ子供のピーウィー(街の人気者、だけど恋愛に関してはちょっとオクテ)の暮らす家はまさにティムワールドで、特にシザーハンズファンとしてはあの調理ロボット(?)の凝りようには大感激。楽しくて、可愛くて、でもよーく見るとティム先生の「毒」もちらほら垣間見える、そんな作品。 7点(2005-01-20 19:10:13) |
357. 冒険者たち ガンバと7匹のなかま
うーん懐かしい。とはいえ自分の場合、TVアニメの本放送ではなく、何度か再放送された折にチョコチョコ観てただけなのですが。よく友達と話していたのですが、この作品実は結構暗くて重~い話なんですよね。敵の親玉ノロイの造型は異常に怖いし、その圧倒的な強さでネズミたちはどんどん殺されるし、何よりエンディングテーマが重い(♪夕日は~お前と~仲間のドクロを~映す~・・・って子供向けアニメなのに、おい!)。ひょっとしてこの暗さは60~70年代の学生運動の盛り上がりとその挫折の記憶が反映されてるのかな、と思ったりもします。ただ、そんな暗さを吹き飛ばしてくれるのがガンバを始めとする7匹の仲間たち(あ、今思ったけど、これって「荒野の七人」とかと同じく「七人の侍」の影響を明らかに受けてますね)の、底抜けの朗らかさ、前向きさ。親分肌のヨイショ、クールなイカサマ、食いしんぼのボーボ、泣き虫の忠太、冷静な戦略家ガクシャ、飲んだくれのシジン(実は原作ではちょっと暗い過去を背負ってたりする)、それぞれ個性的なネズミたちが奮闘する姿は愛らしくも健気で、観てる方も元気になってきます。昔のテレビアニメっていわゆるリミテッドアニメという奴で動きも粗いし、背景も例えば宮崎アニメとかと比べるとずいぶん簡略化されてるけど(これは資金不足・人手不足・時間不足などのせいらしいのだけど)、今観るとちょうど良質の低予算映画を観ているような味わいと新鮮さがあります。個人的にこういう作品はアニメとか、ましてやジャパニメーションなどという軽い言い方ではなく、敬意を表して「漫画映画」と呼びたい。追記:この作品の原作(ラストがちょっと重め)もオススメ。たいていの図書館の児童書コーナーに置いてあると思います。 7点(2005-01-20 18:58:55)(良:1票) |
358. 1969
自国が泥沼の戦争状態にあって、なおかつ徴兵制が敷かれてるという状況下、若者たちの心理はどうだったのか、ということをまざまざと見せてくれる。そりゃ徴兵逃れはしたいし、最低の気分を紛らわすにはいけないおくすりでもやらなきゃしょーがないかもなあ。ただ、この作品を反戦映画として捉えた場合、どーなんだろ?昔「7月4日に生まれて」の原作本を読んだ時にも感じたのだけれど(映画の方は未見なのです)、アメリカ人が戦争に反対する根拠が、自分や自分の身内が死んだり傷ついたりするのが嫌だ、みたいな所から始まってるようで、要は侵略戦争そのものの犯罪性ってとこにはあんまし触れられてない気がする。意地悪な見方かもしんないけど、例えばアメリカが自国の兵士を死なせないように「上手に」侵略すればOKってことか?とか思ってしまう(これは今のイラクに関しても言えると思う)。まー映画に罪はないのかもしれなけどね。 6点(2005-01-20 18:34:07) |
359. カンフーハッスル
前々から思ってたけど、やっぱチャウ・シンチーってヘタレだ。そんな彼がヘタレ力(へたれぢから:アホアホパワー、もしくは関係ねえよパワー、とも言う)とカンフー映画に対する愛をこれでもかとばかりに注ぎ込んだこの作品。同じくヘタレのワタクシは笑いながら号泣するしかないのだ。 8点(2005-01-20 18:22:26)(良:2票) |
360. ルーカスの初恋メモリー
自分が三十代に突入してから「なんでこんな大人になっちゃったんだろう・・・」と思うことが、よくある。大体、世間体的に見ても三十代と言えばガウンを羽織り、髪にはポマードを塗って、んでもってブランデーグラスを揺らせながらボギーの「カサブランカ」(もしくは裕次郎の「夜霧よ今夜も有難う」)あたりを観るべきなのだ。なのに何だってオレは土曜の夜にジャージ姿でインスタントコーヒー飲みながらこんな恋に恋する少年少女向け青春映画で号泣してんだろう(ハァ~)。でもしょうがないよね好きなんだもん、こーゆーの。それにしてもこの作品のウィノナ・ライダーは良い感じにふっくらしてて、実に可憐。何となく「エル・ニド」の頃のアナ・トレントにもちょっと似てるし(そういえば大人になってからの二人の顔も良く似てる)。さ、ビデオ返す前に、も一回観よ。 8点(2005-01-16 21:27:24)(良:1票) |