341. ベルサイユのばら(1979)
ツマラナイ。衣装はきれいだが、背景は最低限しか使ってないので、しょぼい。おバカなマリー・アントワネットとフェルゼン。タダの小娘のオスカル。低俗なアンドレ(もっとも酷いのは、この原作とは180度違うアンドレ)。・・・・・・フランスサイドとしては、伯爵令嬢オスカルが歴史を動かしたかのようなストーリーなんてのは、ゼッタイに許せなかったんだろうな。ある意味、現実的ではあるんだが・・・・・・。それにしても、ラストの、死ぬことも出来ずに群衆の狂騒の中をさまようオスカルは、哀れすぎて、言葉もないほどだ。原作漫画の歴史無視ぶりもヒドイけど、ココまで原作を無視した映画を作るなら、制作しなければいいのに。 1点(2003-06-02 22:31:20) |
342. サブリナ
リメイクなんてするもんじゃないよなー、と思う。マジで。リメイクして、前の作品より成功した(感動を起こせた)例ってどれだけあるんだろう? やめて欲しかった。だいたい、昔ほどパリは突出して洗練された場所ではないので、メインテーマの【サナギが蝶に変身】が、すでに苦しい設定。どうせなら、ヒロインに経営学でも学ばせれば良かったのに、と思ってしまいました。それなら少しは現代的でしょ。オードリーのあの可憐さ、そして衣装のすばらしさを、改めてしみじみと実感するのみ。 4点(2003-06-02 22:10:05) |
343. ジョー・ブラックをよろしく
映像の美しさにこれだけの点をあげたいと思いました。ストーリーとしては、可もなく不可もなく。 6点(2003-05-26 14:12:51) |
344. シティ・オブ・エンジェル
《ネタバレ》 リメイクして何がやりたかったんだ? メグ・ライアンはキュートで良かったけど、ニコラス・ケイジは天使には見えないし。人間になったとたん、突然、彼女が死んじゃうという展開にはちょっとビックリしたけど、あまり意味がないと思った。 3点(2003-05-26 14:10:31) |
345. アンナ・カレーニナ(1997)
ああ、この二人は生活苦なんてしたことの無い、貴族なんだなぁ~と、ちゃんと納得してしまえる点で、この映画はスゴイ。セットも衣装もゴージャスだが、主役の二人もまぶしい。ショーン・ビーンは悪役も良いが、こういう傲慢な甘ったれのハンサム役がまたよく似合う。ストーリーはつまり、金持ちの贅沢な不倫話である。二人の破滅的な恋と、アンナの狂乱への一歩一歩が非常に丁寧に描かれている。文学作品の映画化としては大変わかりやすい映画。 7点(2003-05-26 14:07:32) |
346. ピアノ・レッスン
映像が美しく、音楽も良い。あまり語りすぎていない(少々説明が足りない部分もある)が故に、ハンターの演じるエイダの内面を、ピアノの音にシンクロしながら自分勝手に想像して観た。ピアノが彼女の言葉の代わりであり、意志と感情である。それを捨てさせて自分の保護下に入れようとしたダンナの行動もわかるような気がするが、やはり、女性としては主人公母娘に共感する。ピアノを与えた原住民の男は、彼女の存在そのものに興味を抱いたのである。彼女の内面を解き放ち、直接捕らえようとしてくる男に、エイダは答えたのだ。「娘にとって、ああいう母親は道徳的に問題がある」という意見もあるが、閉じこめられた母親の悲しみに、娘が気づかぬはずない。 10点(2003-05-26 13:57:31)(良:1票) |
347. ダイヤルM
はじめに公開時にマイケル・ダグラスのファンとして観た。うわぁコワイコワイ。こういう低温な演技ホントに上手いよー、と思いました。失敗後の、夫と愛人の船上の会話シーンが何故か印象に残ったが、心理サスペンスとしてそこだけが秀逸だったような・・・・・・。次にパルトロウが好きになって観たが、ほとんどファッションチェックに終始してしまった。この奥さんに同情する気にならない。共感なんて出来ない。今回観たのはヴィゴ・モーテンセンが好きになったからだが、20代の北欧系美青年に見えていた人物が、実は40代にさしかかろうとしていたことにビックリ。ダグラスとの比較のせいかもしれないが、それだけ逆に言えば愛人のキャラクターが薄かったのか。 5点(2003-05-26 13:38:02) |
348. 28DAYS
がんばってもドジしちゃうのよね、というキャラと、更正が必要な中毒患者とでは違うのに、サンドラ・ブロックはいつもの調子で演じてくれてしまうので、あまり中毒患者に見えない。むしろ恋人役と姉役の二人が、彼女がダメになっている背景をうまく演じてサンドラを救っている。施設の他の面々はそれなりに面白いキャラクターで楽しくて、特に同室の女の子がウマい。ただ、あまりにも役を作り込みすぎているヴィゴ・モーテンセンが、ストーリーの中で浮いていて変。 5点(2003-05-26 13:20:40) |
349. インディアン・ランナー
《ネタバレ》 痛い。観ていて、ひたすら痛い映画。あまり内容が整理されていなくて、役者の演技で持ちこたえているようなところがある作品だが、兄弟の葛藤物語として良くできている。この兄弟の容姿も性格も立場も極端に違う姿は、あまりにも神話的で寓意的である。喜びも悲しみも内包して、一見無表情で、ひっそりと物静かに幸せを探すかのような兄。じゃれたり甘えたりはしゃいだりしながら、どこか斜に構えて冷笑し、ふいにゾッとするような禍々しさを見せる抑制力の無い弟。この二人の対照的な存在が、あまりにもあざやかで、印象深い。ベトナムから帰ってきて、兄の家までは来たけれども「ママとパパはいい」と会わずに帰るフランク。何度か鑑賞していると、その時点で悲しくなってくる。実の親にたった一目でも会うのがイヤだと言ってしまうほどの絶望。そこにあるフランクのナイーブさ。そういうフランクが妻の出産に立ち会うことが出来ずに逃げ出したくなるのは、分かるような気がする。分かるような気もするが、私は女なので、フランクの自己世界に入れてもらえないドロシーとも気分が同調するので、痛い。イタイ。ラストなどは、ほとんどせりふがないのに、二人の苦しみと絶望が伝わってくる。この辺の演出にはただただ感嘆するのみだ。映像も、禍々しさと不条理に満ちながら、それでもいつも兄のほうへ視点を持っていくので、心にストンとおさまる。締めくくる兄の言葉には、現実を受け止めて生きる男の、万金に値する重さがある。人生はすばらしい。 8点(2003-05-20 21:40:42)(良:2票) |