341. ヒストリー・オブ・バイオレンス
こんなに尺の短い作品とは知らなかったので、いきなりのエンドに、リモコンのスキップボタン間違って押しちゃったのかと焦ったほど、これで終わり?な感じだった。トムが自分の過去を認める前まではとてもテンポ良く楽しめたが、その後は失速ぎみ。で、あっけなくエンド。なんだか物足りない。しかしそのラストには巨大な余韻が残る。ここでは描かれていない過去、ジョーイとはどんな男だったんだろう、あの兄弟はどんな少年時代を過ごし、どんだけロクデナシだったんだろう。更に描かれていない未来、あの家族はどうなったんだろう、きっとゆっくり時間をかけて元のストール一家に戻る努力をするんだろう、息子は、娘は、どう育つんだろう、店は、保安官は、などと想像は膨らんでゆく。想像のヒントになるような気の利いたエピソードやアイテムなんかがもう少し随所に散りばめられていたら、もっと奥行きが広がるのになあと思ったりもした。 [DVD(字幕)] 7点(2008-04-30 16:19:41)(良:2票) |
342. ロッキー2
涙無くして見れません。感動をありがとう。ウィー・ラブ・ロッキー!! [地上波(字幕)] 10点(2008-04-30 13:02:05) |
343. クラッシュ(2004)
《ネタバレ》 人種差別、という言葉が悪い。人種意識、でいいじゃないか。。だって同じエリアにいろんな人種の人間がいたら、そこには何かしらの「構え」みたいなものがあって当たり前だろう。その当たり前に存在する構えが、悪い方向へ作用してしまったとき、ちょっとした別の力が加わってちょっとだけ方向が変わっていったりする。人の行動が人に作用して、影響を及ぼして、ちょっとした行動や言葉が人の人生を大きく変えることもある。このドラマの人物たちはたまたま細い糸で繋がっていて、引っ張り合って、いつ切れてもおかしくないほど常に張り詰めた空気が流れている。緊張している。それが社会で生きるということ。透明マントは、荒波のような社会で生きるために必要な、「勇気」のことだろう。 [インターネット(字幕)] 8点(2008-04-24 11:05:54) |
344. ロッキー
《ネタバレ》 チャラチャ~ンラ~、チャーンチャチャーンチャチャララ~ララララ~ンララ~ンララー 「15ラウンド戦って今の感想は?」「エイドゥリエーーン!ェイドゥリエーーン!!」「ロキー!ロキーー!アイラーヴュー!」「アイラヴュー」 究極のラブストーリーです。 [DVD(字幕)] 10点(2008-04-19 08:46:01)(良:3票) |
345. フラガール
邦画では使い古したテーマ。でもそうゆうの個人的に嫌いじゃないし、世間の評判も良く作品賞等多数受賞したという実績を持つ作品だったのでちょっとだけ期待して鑑賞。しかしその“ちょっとだけの期待”を大きく上回る感動作でした。TVドラマの延長か、金ばかりかけても「テレビでいいじゃん」という類の邦画が多い中、これは間違いなく「映画」でした。迫力のダンスシーンや音楽、悲しい涙、感動の涙、笑いどころを、劇場で見ず知らずの映画ファンと共有したかったです。“バカみたいに笑って”踊るフラガール。その笑顔に隠された並々ならぬ努力と血の滲むような練習は、モデルとなった当時のフラガールも演じている女優も同じ。踊りきった後の涙も本物でした。そして40年前のフラガールの笑顔の裏には、寂れ行く炭鉱町の切羽詰ったど根性が隠れていることを考えると感動はひとしおである。ブラボー。 [DVD(邦画)] 10点(2008-04-11 17:43:26) |
346. ジュマンジ
《ネタバレ》 久しぶりに見直すとCGが…ひどい…。そう考えるとSFXの技術は進歩したなぁとしみじみ思う。双六が実現するという原作の発想は子供にも分かりやすく、大人が見ても面白い。最後の「ジュマンジ!」もタイムパラドックスおちも良く出来ている。B級っぽいけど実は良作。 [地上波(字幕)] 8点(2008-04-08 16:18:54) |
347. クローバーフィールド/HAKAISHA
《ネタバレ》 やっていることはGODZILLAと変わらない。しかしそれを家庭用ビデオカメラで撮影することによって、そのありえない光景があたかも実際に目の前で起こっている出来事のような錯覚に陥る。カメラを構える青年(ハッド)の目が自分の目になってしまう。そこでハッドになった私は、震災か、テロか、はたまた地球外生物による破壊を、何が何だか分からぬままに疑似体験している。ロブやマリーンは私の友達になってしまっている。だから友人たちが死んだときは本当に悲しくなったし、逃げ場の無い窮地には絶望的な恐怖を感じた。とにかく怖かった。しかしながら走り逃げ惑う時の映像は揺れがひど過ぎて、注意書きどおりに気分が悪くなる。ちゃんとした映像で見てみたいなという場面も多々あった。乗り物酔いする人には絶対に薦められないし、これは映画なのかと考えてみると、違うような気もする。バラエティ番組かアトラクションの領域なのかもしれない。 [映画館(字幕)] 6点(2008-04-06 10:12:16)(良:1票) |
348. ホテル・ルワンダ
《ネタバレ》 ルワンダ紛争。アフリカ中央部にある小国で1994年4月~7月の間に100万人とも言われる大量虐殺があった。フツ族のツチ族に対するジェノサイド。たった十数年前にそんな民族間虐殺行為があったことを知らなかった自分を恥じ、さほどの事件として取り上げなかった情報網に猜疑心を抱く。また国連や大国の不甲斐なさ、正義感の欠如に恐怖を覚える。もちろん最大の被害者は、最も守るべきはずの最も罪の無い子供。それが悲しい現実。この作品では、想像される惨たらしい殺戮シーンをあえて描いていない。それはこの作品が紛争の残虐性を訴えるだけのものでは無く、むしろ傍観者の残酷さ、無力さを訴えているからだろう。そこにこの作品の存在価値があり、エンターテイメントを求めるところの映画ではないことが伺える。更には植民地だったことによって根強く残る民族意識、差別意識まで考えるととても重いテーマであるし、考えさせられる事の多い事件である。見て良かった、というより、観るべき作品。 [DVD(字幕)] 7点(2008-04-03 16:44:05) |
349. カサブランカ
《ネタバレ》 久々に鑑賞してみて、あれ?こんな感じだったんだね、という印象。超ビッグスターの共演でのメロドラマ、独り歩きし過ぎたいくつかの名セリフのせいで、本質を見失いやすい種類の作品です。ラブストーリーというよりは当時のような世界情勢下に置かれた人々、とりわけ若者たちが、その逆境の中でたくましく生きている、生きていかざるを得ない、そんな状況なのにそこで交わされる会話はさり気なくクールでおしゃれ。そこにしびれるわけなのです。当時のカサブランカという微妙な場所で、昔別れた男女が再開してまた別れる。人がただ通り過ぎるだけの土地。実は極めて叙事的な作品なのかもしれない。イングリットバーグマンはとにかく美しく品があり、目がキラキラしていて、誰もがメロメロになるでしょう。余談ですが同じようなストーリーの「脱出」の方が、会話はウィットがきいて面白みがあります。そして何と言っても特異な魅力を放つローレンバコールの存在感が物凄いです。当時の女優って日本の同世代の女子の目にはどう映っていたんでしょう。日本でも戦後間も無く公開されたと思うのですが、そりゃアメリカ人の美しさとカッコ良さに度肝を抜かれた事でしょう。戦後復興の子供世代の私なぞは、ジュリーのあの歌が頭の中で流れます。ボギー、ボギー、あんたの時代は良かった。 [インターネット(字幕)] 7点(2008-03-20 10:48:54) |
350. タイトロープ
主人公刑事も犯人もいまいちキャラが立っていなかった。更に連続暴行殺人の手口は絞殺ばかりでインパクトに欠ける。その凶器がいつも赤いリボンだった点に変質性のこだわりがあるはずなのだが、その理由も特に描かれてはいない。数々の猟奇的連続殺人モノに比べると普通な感じ。背景がダークな世界なのに、殺人鬼にダークさがあまり感じられず、肩透かしを食らった気分で終わった。 [地上波(字幕)] 5点(2008-03-17 16:57:56) |
351. 魔法にかけられて
とにかくジゼルが可愛かった。演じている女優さんも可愛かった。絵本から出て来たのだからもちろんスレていない。演じる女優さんもホントに今絵本から出てきたかのようにピュアで、癒されました。子連れで行ったのでやむを得ず吹き替えを見たのですが、原語で見たかった(泣)。ミュージカルはやっぱり吹き替えはいけません。決して悪くは無かったけど。あと、あのバカ王子が、X-MENのサイクロップスだと後から気づいて、そのギャップに唖然としました。スーザンサランドンも頑張ってました。よくやったなぁ…。 [映画館(吹替)] 7点(2008-03-15 21:43:42) |
352. ブロークバック・マウンテン
そもそも友情なのか愛情なのか、欲望なのか、そこが良く分からなかった。羊番の過酷な仕事によるストレスや酒に酔った勢いで、つい魔が差して興味本位でヤっちゃった感があって、二人の秘密だ忘れようって言ってたのに、もともとノーマルだった人間がたったひと冬の不思議体験を二十年も引きずるのだろうか。それこそさっさと忘れてしまいたい出来事なんではないだろうか。そんな疑念を抱いてしまうのは、この二人が案外あっさりそういう関係になってしまったからで、そこに至るまでの、友情を突き抜けて愛情に変わってしまうほどの決定的な事件や、それが無いにしても徐々にお互いを求め合う心の変化なんかをもう少し時間をかけて丁寧に描いてくれれば、こんな私にも理解できたのではないかと思う。もしくは最初の冬はプラトニックな関係くらいでも良かったかもしれないとさえ思った。 [DVD(字幕)] 6点(2008-03-14 18:11:51) |
353. ヒューマンネイチュア
題材は深い。文明はパンツ。文明の対義語は自由。文明を受け入れた人間は自由を失った。パンツを履かなくてはならない。本能を抑える理性が無くてはならない。ラスト、アスファルトの道路から森へ裸で入っていったパフ。そこが文明と自由の境界線だったのだが、その後の車のシーンにはちょっと驚いた。ライラとの約束は?人間も動物もエロの部分は同じ、エロだけが文明と共存した自由ということか。深い。面白い題材なのでもっと面白い監督に面白く撮ってもらいたかったかな。 [ビデオ(字幕)] 6点(2008-03-12 16:18:15) |
354. プラダを着た悪魔
《ネタバレ》 意外と面白くなかった。女性にとって流行のファッションや高価なバッグは戦闘服、鎧であり、派手なメイクは悲しい顔辛い顔を覆うレスラーマスクのようなもの、というメッセージ性は感じられたが、それとメリルストリープの相変わらず貫禄のある演技意外は何も得るものが無かった。ファッションやその業界に興味があればもう少し楽しめたのかな。主人公や周囲の友人に共感することが出来ず、ストーリーは退屈。主人公は努力して自分を磨いて、その結果少しだけ鬼編集長に気に入られた、みたいな話なんだろうけど、この主人公は特に努力していない。ファッションはデザイナーにコーディネートしてもらってたし、仕事も文句言わずに雑用をやってちょっとツイていただけに過ぎない。私生活がうまくいかなくなったときも、特に言い返すことも出来ずあんなショボい男に捨てられ、仕事目当てもあって成すがままにエロジャーナリストになびいてしまう。結局職場を辞め、また元彼に謝って元さや。あー、書いてるうちにだんだん腹が立ってきた。つまり誤った道を進むと大変だってことなんだろうか。何とも後味の悪いラストもミランダの笑顔によって救われただけ。あと、第一アシスタントのエイミーや、ナイジェルもプロとして光っていただけに主人公の生き方がショボく感じられてしまった。主人公に共感できない作品はダメ。 [DVD(字幕)] 4点(2008-03-11 11:57:19)(良:1票) |
355. 時をかける少女(2006)
甘酸っぱい~!アイドル俳優を起用した実写の青春ドラマや映画が横行している昨今ですが、アニメーションでしかもキャラデザインはこれと言って特徴の無い主人公、登場人物。なのに実写と同じくらい、いやヘタな実写ドラマでは表現できない微妙な切なさ甘酸っぱさリアリティを自然に醸し出す事に成功したアニメーションの底力を感じてしまいました。真のアニメファンにしてみればその薄っぺらいキャラに物足りなさを感じてしまうのかもしれないけど、アニメ素人としては若手俳優の熱烈な演技よりもアニメーションの方がむしろリアルにストレートに心に入ってくるという不思議な事実にびっくりしました。素人声優が良かったのかな。タイムリープという非現実世界を、現代的リアリズム全開キャラで表現したところに感情移入してしまう。視聴者も高校生時代にタイムリープしてしまう、そういう錯覚に陥ってしまいました。ラストも余韻を残した感動作。 [地上波(邦画)] 7点(2008-03-08 22:36:17) |
356. マリー・アントワネット(2006)
これはひどい。期待はずれ。もちろん悪い意味の方。マリー・アントワネットといえば悪女だ悲劇のヒロインだと何かと興味深い女性であり、特にフランス革命という歴史的大事件にも関わる人物。それなのに史実は全くと言って良いほど描かれていない。彼女自身が政治に頓着していなかったという目線ということにしても、これはマリー・アントワネットを語るには間違った形だと思う。例えば織田信長を描くとき、その豪華絢爛な暮らしぶりを美しい衣装や調度品やロックミュージックでポップに表現されても、それはそれで面白いかもしれないが、正しい描き方とは思えない。本能寺の変は最低限描いてほしい。つまり本作、ラストの始末が悪い。史実は別の文献で学べ、更に心の内は行間に読み取れと言うのか。何も描こうとしていない行の間を。それではあまりに映画というメディアを馬鹿にしているのではないか。もう少し内容のあるものを撮れる監督だと思っていたが残念。出直してもらいたい。これだけ苦言を呈するがキルスティン・ダンストには何の罪も無い。彼女はとても良かった。 [DVD(字幕)] 2点(2008-03-04 18:18:19) |
357. 赤ちゃん泥棒
ギャグマンガやコントを見ているようなノリで終始笑えた。それでいて構図、カメラワークが芸術的で美しい。ひとコマひとコマが丁寧に計算され、ストーリーはコメディなのに映像美には感動すら憶えた珍しい作品。その計算された構図の中でニコラスケイジ、ホリーハンター、ジョングットマン、ウィリアムフォーサイス等が“生き”ていて、感情移入もできた。さすがコーエン、独特のジャンルを創りあげている。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-03-01 22:10:36) |
358. コーラスライン
とにかく当たり前だがダンスが素晴らしい。オーディションシーンだけなのに飽きない。究極の室内劇といった感じで面白い。個性的なダンサーたちが、コーラスというあまり個性を発揮できない役を懸けて、自分の個性をアピールする。矛盾しているようだがオーディションに全てを懸ける熱い思いが伝わってきた。合格者の嬉しそうな顔と、ラスト“ワン”を踊る誇りに満ちたダンサーたちの顔がとても良かった。でもブロードウェイの舞台のほうが断然素晴らしいんだろうなぁと想像すると、このくらいの点数でしょうか。 [地上波(字幕)] 6点(2008-02-28 16:12:54) |
359. イン・ハー・シューズ
《ネタバレ》 キャメロンディアスとトニコレットの姉妹。美貌だけが売りのアホ妹と行き遅れた弁護士鬼姉との女の戦い、みたいなのを想像していたのですが、よりリアルでほろ苦い作品でした。二人とも悩んでいて、お互いにコンプレックスを抱いていて、姉妹ってこんな感じなんだろうなあと思いました。彼女たちの身近にいる人(恋人や友人、父や後妻、そしてもちろん姉、妹)は悩みの種になるばかりで助けてはくれなかった。たくさんあっても履かない靴と同じ。けれど妹はそんな現状を打破しようと思ったのか、ただ単に現実から逃げただけなのか、どちらにせよそこで出会った祖母や老人たち、盲目の元教授によって生き方をちょっとだけ変えることが出来ました。相変わらずの二人だったけど、お互いを思う気持ちに素直になれた“瞬間”を見た気がしました。後味の良い作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-26 09:04:44)(良:1票) |
360. ライラの冒険/黄金の羅針盤
《ネタバレ》 ナルニア、ロード~、ハリポタなど、最近乱発されるファンタジー。どれもシリーズもので力が入っています。中でもロード~はアカデミー賞11部門受賞という快挙を成し遂げ、比較の対象としては別格だと思われます。しかし私、そのロード~に関してはいまいち付いて行けず、予備知識の無いまま見たことを後悔したものです。にもかかわらずまたしても何の予備知識も持たぬまま本作の試写会に臨むことになってしまいました。というわけでかなり不安だったんですが、大丈夫。分かりやすかった。登場人物の名前や善悪は分かりやすく、難しい固有名詞やキーワードも理解しやすく覚えやすい。主人公の味方つまり善人たちは頼りがいがあり、キャラクターも個性的で(よろい熊のイオレクとか気球乗りのリーとか)なかなか良い。普通に続きが見たくなった。 [試写会(吹替)] 6点(2008-02-24 10:16:04) |