341. LOVERS
《ネタバレ》 チャン・イーモウはもうアクション映画を撮らなくていいし、チャン・ツィイーを使わなくて良い。昔のように人情味溢れる作品を撮って貰いたい。チャン・ツィイーの一番の魅力と言えば笑顔だろう。それを一番分かっている筈の監督が、元の路線に戻さなくて誰が戻すというのだろうか。「初恋のきた道」でスターになって以降は不憫な影のある役ばかりである。顔が綺麗なだけに冷たさが先に出て、損をしていると感じるのは私だけでは無い筈である。ストーリー、アクションについては、良い所より悪い所の方がやはり目立つ。陳腐な三角関係に人間不信になりそうな嘘、スローで飛んでいくモロCGの数々、最後は風景までCGで変えてしまい何を信用して良いか分からなくなる始末。結局冒頭の舞台としか思えないチャン・ツィイーの踊りと衣装が最大の目玉。 4点(2005-02-05 06:36:54)(良:1票) |
342. テイキング・ライブス
《ネタバレ》 まず、キーファー・サザーランドの出演を知っているかどうかで犯人予想が大きく変わってくる。私は、今一番勢いのある役者をチョイ役で使用した監督に悪意を感じた。次に、素手で鮫を殴っているのと比べると、本作のアンジェリーナは魅力的であった。挫折・悩み・勢いで過ちと他では観れない姿がある。最後のドンデンも普通とは逆のパターンで驚かされたが、観客の同情を上手く利用している様で後味が悪い。ストーリーであるが、題名でもある格の”人間ヤドカリ”に現実味が無さ過ぎる。科学捜査の時代、最初から難しいのは分かっている訳で、それでもこの題材で創った以上、もう少し努力を見せる必要があった筈。 4点(2005-02-05 04:39:59) |
343. バッファロー'66
最速の「ストックホルム症候群」とでも言うのだろうか、いやただ単に互いの容姿に惹かれたか構って貰えれば誰でも良かっただけという感じがする。冒頭から主役には、ムカツキっぱなしであったが、後半の駄目っぷりには不思議と親近感が沸いた。クリスティーナ・リッチがプニプニしており、同時期に観た「スリーピー・ホロウ」とは随分違うなあ、というのが一番の印象。 4点(2005-01-02 06:12:36) |
344. ミシェル・ヴァイヨン
カークラッシュが売りだろうが、人間の方がクラッシュしまくっている。ル・マン、ラリーといった歴史・伝統があるモータースポーツが良く許可したなという感じ。仲間とつるんで相手を面白半分に妨害するチャンピオンに威厳など最初から無く、圧倒的な強さと最後まで余裕をかまされても、観ているこちらは冷めるだけである。公道を走るシーンが唯一爽快だったが、それもガソリンスタンドでアウトである。「TAXI」の様なコメディなら許されるが、レーシングマシーンに普通のガソリンは無いだろう。技術者が1/1000秒速く走るためにどれだけ苦労しているかという努力すら踏みにじった気がした。 4点(2004-12-19 15:42:55) |
345. ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還
アカデミー賞11部門受賞、しかし主演、助演に1人のノミネート無し。まず、この異様な賞 の取り方がこの作品のバランスの悪さを表している。結論から言うと、主役は最後までどうしようも無く、感動には程遠いストーリーであった。常識で考えてみよう。リングが敵の手に渡れば終わりという中、目的地に行くのが結局最弱コンビだけという運頼みのストーリーに、どれだけの人が共感出来るだろうか。「水戸黄門」で言えば、黄門様とうっかり八兵衛だけで敵の城に乗り込む様なものだろう。他の仲間は何を根拠に信じられるのかさっぱり分からない。魔法使いの力で合流ぐらい出来るだろ。そして幾らヘタレでも最後にボスキャラとの死闘ぐらいは見せて欲しかった。次に、期待した戦のシーンであるが「2」と同じ感じなのでインパクトが薄い。冒頭からいきなり始まったので”またか”と思った観客は多い筈。主要人物に今回死ぬ気配が全く感じられず、3作目になり余裕すら感じる。特に、弓使い。これでは、一般兵士が幾ら死のうが緊迫感は伝わってこない。幽霊戦士の登場もご丁寧なCMのお陰で、驚きは無かった。結局、西洋人が書いた西洋人のための子供向けファンタジーだったのだと改めて感じた。邦画や漫画の「人の死を乗り越えて~」に慣れた日本人には本作は生緩いと感じるのではないだろうか。 4点(2004-11-28 20:36:44)(笑:1票) |
346. 殺人の追憶
《ネタバレ》 風景の美しさとラジオの音楽は秀逸。暴行のシーン、獣の如き犯人の描写も実に迫力があった。 問題は言うまでもなく刑事・・・。3人中2人が最初から馬鹿で、残りの1人も暴走してはどうしようも無い。ソン・ガンホに期待していただけに裏切られた気がした。そして相変わらずの、暴力シーン。韓国ではまず飛び蹴りから入るのか? 更に恥ずかしげもなく逆さ吊りの拷問シーンというあたり国民の質が問われると考えないのだろうか。韓国の兵役では今でも平気で”しごき”が行われており、その後の人生にも影響を与えているという。横にそれてしまったが要は、こういう実際に起きた事件の映画化の場合、遺族が観ても絶えられることが一番肝心だと思う。未解決の理由が警察の質が低かった、人手が無かった(実際は大人数で警戒中だったという)では到底納得出来ないだろう。 4点(2004-11-09 02:35:07)(良:1票) |
347. 乱
舞台劇をミックスしたとはいえ、戦国時代の風情をぶち壊す、ワダエミの衣装はどうにかならなかったのか。黄色に黒の家紋、鎧に水色の羽織は全くセンスを疑う。同じ家系(兄弟)で赤・黄・青と、ここまであからさまだと普通退くだろう。実際、ストーリーは好きである。兄弟は最初から馬鹿にしか見えないが、それを補うに十分なのが原田美枝子の存在であった。ただ、なんの躊躇も無しに無慈悲に父親を殺そうとする安易な描写のため、テーマの「人間の愚かさ」までは感じることは出来なかった。実際に城を建て燃やしたという城攻めのシーンは映画史に残る出来で、それだけでも一見の価値はあると思う。重量感のある城門、弓矢が刺さった死体に黒澤らしさを感じた。 4点(2004-07-03 17:24:50) |
348. コール
《ネタバレ》 既に皆さんが述べているとおりで、幾つも問題を感じる。一番最悪なのは、やはり最後のドアホな親父の行動で、普通に考えて「デッドコースター」になっていたと思う。娘の生死以前に、トラックの運ちゃんが死んだらとそちらの方を心配した。次に、子供担当の誘拐犯が見た目からして善人すぎて、最後の展開が安易に予想出来てしまう。喘息、誘拐犯同士の微妙な関係、シャーリズ・セロンに切られるベーコンと犯人側が不利になればなる程テンションは下がっていった。それでも、シャーリズ・セロンが綺麗だったのと、不思議と退屈はしなかったのでこの点数。 4点(2004-06-19 15:46:55) |
349. 続・猿の惑星
「猿の惑星」の様な衝撃作の続編を創ること自体がそもそも無謀で、誰が創ってもこの程度が限界だったと思う。新たな主人公・未来人・核爆弾と無理矢理な設定ばかりが目に付き、よって”核の驚異”というメッセージも取って付けたようにしか感じられない。シリーズモノで普通に2・3と付けず、「新」「完結編」などと付いたのに限ってろくな作品が無い。それは配給会社の”後ろめたさ”の表れで、金儲けの印と見るのは私だけであろうか。 4点(2004-05-06 17:34:06) |
350. 刑事コロンボ/構想の死角<TVM>
スピルバーグが監督だからか図書館でこれだけ字幕であった。初めてピーター・フォークの肉声を聞いたが、野太い声で日本の感じとあまりに違い違和感がした。「刑事コロンボ」はやはり日本語吹替えに限る。トリックを知っているにも関わらず、犯人の策謀にまんまと引っかかり殺される様に無理を感じた。証拠も今ひとつ。 4点(2004-03-07 18:25:06) |
351. 2001年宇宙の旅
《ネタバレ》 プロレスのテーマ曲というのが子供の頃からの一番の印象。当時としては正に驚愕の映像技術であり、それについては素直に評価する。人類の起源、宇宙基地、地球外生命体、神(?)と大風呂敷を敷いた割りに、メインは退屈極まりないコンピューターの反乱だったという期待はずれの作品。この映画が走りとすら思える無責任な終わり方にしても、単なるキューブリックの自己満足としか思えない。 4点(2004-02-28 05:22:11)(良:1票) |
352. ワイルドシングス
よほど真剣に観ていないと話しに付いていけない。それ以前に4人共 皆腹黒そうで、誰が犯人で誰が殺されようがどうでも良いという感じであった。ネーブ・キャンベルは結局「スクリーム」以外では通用しないのが分かった。 4点(2004-02-28 05:12:03) |
353. A.I.
前半のこれでもかという人間の身勝手な行動に殆どグロッキー状態になり、後半よくここまで盛り返したという感じ。あの子役の不気味な笑いだけは二度と見たく無く、半永久に生きるという設定など、とにかく悪趣味にも程がある。オチの是非はともかく、宇宙人の姿は良かった。 4点(2004-01-17 01:45:01) |
354. トレインスポッティング
正月の深夜放送で観たのだが、新年早々こんな汚い映画を放送するなと言いたい。映画としてはなかなかの秀作と思うが、生理的に受け付けない。この映画は麻薬が身近にある者のための映画と感じる。催眠治療の「麻薬」=「汚い便器」、「赤ちゃんの死」と嫌なイメージを植え付けることによって止めさせるそれである。日本で麻薬と言えばまず芸能界が浮かぶが、捕まってもすぐ復帰出来る体制には呆れるばかりである。偉そうに紅白で歌っていた某歌手がいたが、志穂美悦子のファンだった私としては未だにむかつきを覚える。 4点(2004-01-03 05:53:22) |
355. ウインドトーカーズ
挽歌でジョン・ウーに魅せられた私としては、ハリウッドでの映画は、どれも賞味期限切れの感覚でしか無い。今回も無難に創ってはいるが印象は薄い。金や名声を得れば、悲しいかな作品の質は落ちていく。巨人のFA選手のようなもの。 4点(2003-12-24 00:21:42) |
356. オーロラの彼方へ
最初の展開は感動的で申し分無いのだが、過去との交信とせめて火事からの生還ぐらいで止めておけば良かったと思う。それでも十分奇跡だろうに、あのハッピーエンドは全くいただけない。犯人は30年じっとしてたというのか? 下手をしたら息子も殺されるだろうに。未来など親父が店で食事をするだけで連鎖的に全て変わるだろう。そのために不幸になる者も出ると考えないのか? そういう無神経さが映画と分かっていても後味を悪くしている。 4点(2003-12-07 19:03:23)(良:1票) |
357. レッド・ドラゴン(2002)
リメイク前のを観ていたので、すべて先が読めて楽しめなかった。ストーリーが良いのでレクター=アンソニーでリメイクしたい気持ちは分かるが、作るならもっと”リメイク”を強調せないかん。それに前のパンスト男の方がインパクトがあった。 4点(2003-11-06 08:38:10) |
358. ハリー・ポッターと秘密の部屋
子供向けということでこういう作品もいいが、人気だけが1人歩きしているように思われる。前回より新鮮味が無くなった分つらい。 4点(2003-10-18 13:18:56) |
359. DRAGONBALL EVOLUTION
《ネタバレ》 鳥山明は「私は絶対に、パチンコに作品を売ったりしませんよ。だってそうでしょう、自分の子どもを賭博屋に売る人間がいますか?」とパチンコには魂を売らなかったのに、ハリウッドには魂を売ってしまったようだ。それだけに、絶対に陳腐になるのに決まっている実写化を許したのは所詮”金”かと残念で仕方ない。要は「ドラゴンボール」という最高の作品に汚点を一つ残してしまったのである(アニメの映画化も大概酷いものであったが)。そもそも、アニメを実写化する理由が分からない、ストーリーが面白くてキャラが良ければそれでよいのである。悟空が金髪の時点で嘗めているといか言いようが無い、絶対に金団雲に乗れそうに無い性格だし。途中から陳腐なのにも慣れ不思議と楽しめた。 [DVD(字幕)] 3点(2010-01-10 19:26:37) |
360. 20世紀少年 -第2章- 最後の希望
《ネタバレ》 近年のテレビ局による番宣の鬱陶しさには本当に目を覆いたくなる。余りにも露骨で押し付けがましく、「北風と太陽」でも読んで人間の心理から勉強しろと言いたい。唯でさえ超スピードの展開で原作を読んでいないと完全に置いてけぼりを食らうのに、更にカットして興味だけ煽る作品を放映した罪。結局、何もかも宣伝で金儲けしか頭に無いのだ。大体此れを観て、更に幼稚な第3章を観たいと思うだろうか。第1章の核爆発でどうやったらケンジは生き残れるのよ?スーパーサイヤ人じゃあるまいし。原作を忠実に映画化されているのだけは評価する。CMタレントの唐沢がいないので実に見やすいし、新人の2人の女優が想像以上に良く、完璧なキャラを演じていた。それ以外も皆適役だったし、特に豊川悦司はハマリ役。問題は絶対にこの世界観に馴染めない事、ストーリーの繋がりさえもはや無くなってしまっている点。例えケンジが犯人だとしても日本政府の責任は重いぞ、何故日本が反対に救世主になれるんだ? 世界特にアメリカをよく騙せたな。次に”ともだち”という此処まで胡散臭いカルト宗教が広まるとは到底理解出来ない、今のネットの時代押さえ込む事は先ず不可能。それにしても顔を隠す教祖てどうよ。「政教分離の原則」にも完全に違反している。私は宗教に全く興味無いし、カルト宗教と聞くだけで虫唾が走る。昔、大橋巨泉が言っていた「金を取ったら其処で宗教じゃない」という巨泉教を信仰しているぐらいである。 [地上波(邦画)] 3点(2009-08-29 17:01:12) |