341. LUCY ルーシー
とりあえずダレる時間帯がほとんど無い。ラストまで90分を突っ走る。ベッソン映画のテンポの良さは本作でも健在。 そしてあっという間にエンディング。SF向きの人ではないとは思うけど、彼らしさは十分に感じられる作品です。 太古の昔、地球に生命が誕生し、そこから最も劇的な進化を遂げた人間。それでも脳の10%しか使ってないという。 それが100%に達したら人間はどうなってしまうのか? 20%~30%でもあれだけ凄かったのだから、100%に達したらどんな超人的活躍を見せるのかと思いきや、最後の尻すぼみ感が残念。 それでもまるで体温を感じさせないような、クールでいてパワフルな本作のスカーレットは素晴らしかった。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2019-01-20 20:10:03) |
342. ジェーン
美しく撮られた雄大な西部の風景、音楽、ストーリー。オーソドックスな西部劇です。 西部劇の世界観にナタリー・ポートマンが合うのかとは思ったのですが、 本作のナタリー、勿論奇麗ですがそれだけではなく、この時代を生きる女の気丈さを感じさせるなかなかの面構えを見せる。 90分程度の作品のわりには回想シーンが多く、この部分はもう少し整理できたのではないかと思います。 アクションよりも人間ドラマに重きを置いた西部劇ですが、それでも最後の敵との対決は面白かった。 真夜中、明かり1つ無い荒野の一軒家での対決。もう少し画が明るいと良かったんだけど…。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-01-16 17:18:33) |
343. バンク・ジョブ
王室や政府高官のスキャンダルにロンドン警視庁の組織ぐるみの汚職に、その裏に暗躍していた犯罪組織。 ある銀行強盗がイギリスに激震をもたらせた実話をもとにしたクライムサスペンス。 トンネルを掘って貸金庫強奪までの前半は急造の強奪チームの様子がユーモアも交えわりと緩く描かれる。 トンネル堀り完了までで約1時間。しかし後半の1時間は一転して様々な組織の思惑が交錯するスリリングな展開に。 同じく実話モノである映画史に残る名作「大脱走」を思い出すような構成です。 2時間があっという間のスピーディな展開の中に強奪チーム、MI5、警察、犯罪組織、様々な思惑が交錯するわりには 非常に分かりやすく話がまとめられており、構成が非常によく練られている作品です。 本作のジェイソン・ステイサム、シブくてカッコいいです。何で向こうの人はハゲていてもこうもカッコいいものか。 アクションはほとんどありませんが、ラストにはさすがに強いところをちょっとだけ見せてくれます。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-01-16 17:16:52)(良:1票) |
344. DEATH WISH/キング・オブ・リベンジ
去年ブルース・ウィリス主演のリメイクが公開されましたが、こちらは本家ブロンソンのデス・ウィッシュシリーズの最終作。 ポール・カージーの人生に安らぎの時は訪れないのか・・・。今度もまた婚約者が酷い目にあって最後は殺されてしまいます。 そして過去の4作と同じくポール・カージーの怒りが爆発します。 映画としての出来だけを評価すれば、もっと低い点を付けてもいいのかもしれません。 しかし、70歳を超え頭も真っ白になり、すっかりおじいちゃんという風貌になったブロンソンが頑張っている。 ブロンソンが大好きで、このシリーズも全5作見た者にとってはそれだけで十分なのです。 ビデオスルーという扱いが何とも淋しくもありますが、仕方がないのかな。 本作がブロンソンの主演映画としては最後の作品になるそうです。 「俺の助けがいるときは電話しろ。」そう言いながら去っていく背中が力強く頼もしい最後の姿でした。 [DVD(字幕)] 5点(2019-01-10 21:50:45) |
345. 逃走車
登場人物が極端に少なく、ポール・ウォーカー演じる主人公の男が運転するクルマから出ることはほとんど無い。 さらにこのクルマに搭載されたカメラのみで撮影というアイデアで勝負という作品。 敵の動きをカメラがとらえる機会も当然限られてしまい、これだけ状況が限定されてしまうと飽きがきてしまう。 限定された状況の中、いかにカーアクションで魅せるかという作品でもあると思うのですが、 邦題の通りずっとクルマで逃げている割にはカーアクションが少なく、物足りない。 今回の事件とは無関係な男が主人公の巻き込まれサスペンスでもあります。 こういう場合、主人公は犯罪とは無縁の普通の善人でいいと思うのですが、この男がムショ帰りという設定も微妙。 80分が非常に長く感じる作品でした。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2019-01-07 22:37:50) |
346. クリミナル 2人の記憶を持つ男
大物を揃えた何とも豪華なキャストです。そしてライアン・レイノルズを何とも贅沢な使い方です。 中でも本作はやはりケビン・コスナーでしょう。 近年は脇を固めるという役割も多く、彼が中心にいる作品を久々に見た気がします。 複雑な設定の男を演じていますが奥の深さと力強さを感じさせる演技で全盛期の頃とは全く違った男の魅力を見せてくれます。 前半はよくあるスパイアクションものかと思いながら見始めたのですが・・・。 コスナー演じる男の脳内でフラッシュバックされるもう1つの記憶を辿り、 ガル・ガドットと絡み始める頃には序盤とは異なり人間ドラマの要素が濃くなっていきます。 コスナーの魅力に子役の女の子やガル・ガドットの魅力も加わり、本作に関してはこれで良かったのだと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2019-01-07 22:35:03) |
347. E.T.
BSプレミアムでやっていたので、本当に久しぶりに見ました。 初めて見たのは、初公開から数年後のリバイバルで映画館での鑑賞です。 子どもと一緒に、家族そろって楽しめるSFファンタジーの名作だと思います。 徹底的に子ども目線なのがいい。あんなに簡単に当局の追跡をかわせるものではありませんが、それでいい。 自転車が宙に浮かび上がり空を飛ぶシーンの爽快感。その時の子どもたちの目の輝き。ジョン・ウィリアムスの心が躍るような音楽。 今、お金をかけてリメイクすれば凄いものが出来上がるだろうけど E.T.に関してはこのままで大切に置いておきたい、何故かそんな気がする映画です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-12-31 12:13:36) |
348. ブロンド少女は過激に美しく
すぐ向かいに住む美しいブロンドの女。毎日決まったように窓から顔を見せる。 髪や団扇が邪魔をしてその表情の全てがなかなか見えない。声も聞かせてくれない。 どういう性格で、毎日何をして過ごしているのかまるで分からない。 ミステリアス。すぐに恋してしまうかは別にして、興味を持たない男などいないだろう。 男は窓から姿を見せるだけのこの段階で既に完全にこのブロンドの女に恋をしてしまう。 この序盤のブロンドの女の見せ方や、脚の動かし方1つでその時の女の心理を表現する巧みさ。 マノエル・ド・オリヴェイラ、本作の監督がこの時すでに100歳を超えていることに驚かされます。 1時間程度の作品ですが、そんなに短い作品だとは思えませんでした。勿論それは退屈で長く感じたということではありません。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-12-30 00:20:50) |
349. さよなら、僕のマンハッタン
マーク・ウェブは「(500)日のサマー」や本作のようなスケールの映画で真価を発揮する人なのでしょう。 サイモン&ガーファンクルの曲が流れる中、ニューヨークの青春ラブストーリーを想像していましたが・・・。 これは誰も幸せになれないんじゃないか・・・?前半から中盤の人間関係はなかなかのドロドロぶりです。 サイモン&ガーファンクルつながりで言えば「卒業」を思い出すような関係もあったりします。 しかし収束に向かう後半の流れがよく練られており、最後はこういう家族の再生のカタチを見せてもらえるとは思いませんでした。 胡散臭くもただ者ではない雰囲気を醸し出す最初の登場から最後まで、ジェフ・ブリッジスが流石の存在感を見せてくれます。 [DVD(字幕)] 7点(2018-12-27 13:12:24)(良:1票) |
350. マンハッタン物語
《ネタバレ》 マックイーンとナタリー・ウッド、同時期に若くしてこの世を去った2人のラブコメ。 お話の内容もそうなのですがそういうこともあり、今に見直すと少しほろ苦くも感じるコメディです。 稀代のアクションスター、スティーヴ・マックイーン。僕はこの人のコメディも結構好きだったりします。 「華麗なる週末」など数は少ないですが、コメディで見せる彼の意外と人懐っこい笑顔とぼけた味わいがたまりません。 そしてナタリー・ウッド。冒頭からほとんどずっと機嫌が悪いまま。本作のナタリー、なかなか笑顔を見せてくれません。 だからこそ、ふとしたタイミングに挿入される、本作の彼女の笑顔もまたいいのです。 マックイーンがコメディで見せるとぼけた味わいが出まくりのラストがいい。 「死ぬより結婚の方がマシ」と書かれた看板を背中に差し、バンジョーを奏でている。 それも都会のど真ん中で。なんだこいつは?当然、人だかりができている。 こんなプロポーズがあるのか?でも、マックイーンという人は何をやっても絵になる。 2人の姿が人ごみに紛れてよく見えない。しかし何とも粋なラスト。 [DVD(字幕)] 8点(2018-12-27 13:10:18) |
351. スリー・ビルボード
《ネタバレ》 人間関係が濃密で誰もがどこかでつながっている。 アメリカの小さな田舎町に事件が起こる。今までにいくつか、こういう映画を見た。 そして本作。何度も見返したい映画ではないですがこれは秀作だと思うし、 2人がアカデミー賞を受賞したのも納得の作品でした。 序盤から作品の中に様々な絶望や怒りが渦巻いている。それが次第にエスカレートしていく。 そんな中に効いてくるのが、末期癌に侵され絶望の末に自ら命を絶った署長が2人に残したメッセージ。 そして様々な怒りが渦巻いていた作品も少しずつ落ち着きを見せ始めます。 怒りだけでなく、色んな赦しもありました。この一連の流れがしっかりとしているいい脚本の映画を見たと思います。 最後も極端な行動に出ようとしている2人の姿でラストを迎えますが、最後に車中の2人がようやく穏やかな表情を見せる。 アイダホまで行くのか、途中で引き返すのかは分かりませんが、 どうするのかは「道々考えればいい。」2人の穏やかな表情に少し救われた気がしました。 [DVD(字幕)] 8点(2018-12-23 20:35:18) |
352. デッドフォール
《ネタバレ》 スタローンとカート・ラッセル、2人の敏腕刑事の活躍を描くバディムービー。 この分野は白人と黒人だったり、エリート刑事とハミダシ刑事だったりと対照的な凸凹コンビが 笑いドコロを挿入しながらそのギャップや対立を乗り越え、次第に心を1つにしていくというのがお約束。 本作ではスタローンがエリート刑事でラッセルがハミダシ刑事となっていますが、 スタローンの眼鏡をかけて高そうなスーツに身を包むエリート刑事ぶりがどうにも似合っていない。 序盤に「お前は何様のつもりだ?ランボーにでもなったつもりか?」みたいな台詞がありましたが、 やはりこの人はランボーもそうですが、不器用で人間臭いキャラが似合う。 そして罠にはめられて刑務所に送られて以降は2人のキャラの凸凹ぶりに大きな差が無くなってしまうのが残念。 この2人なので脱獄の際に見せてくれるアクションなど、見どころはちゃんと挿入されています。 見どころといえば、ラッセルの女装した姿は必見。なかなかはまっていたんじゃないでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-12-16 19:35:05) |
353. 刑事コロンボ/策謀の結末<TVM>
《ネタバレ》 旧シリーズ最終話ということで武器商人や武器の密輸が絡む大掛かりな事件でありながらも、 あくまでも犯人vs警部、2人の攻防が軸となる、いつも通りの作品のスケールがいい。 武器を積み込んだ船が出航してしまっても諦めない。最後まで事件に食らいつく姿勢も実にコロンボ警部らしい。 ミステリとしては犯人からの仕掛けやトリックといったことに関して特筆すべきものはありません。 サインした本やウイスキーのボトル。まあ、これだけミスをしていれば警部を相手に犯人に勝ち目はありませんが、 IRAの活動家にして詩人の犯人と警部の、時折詩を交えながらのやりとりが味わい深い一編です。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2018-12-16 19:30:07) |
354. 刑事コロンボ/死者のメッセージ<TVM>
このシリーズには女性が犯人の作品がいくつかありますが、警部はいつも紳士です。 売れっ子の老推理作家を魅力いっぱいに演じたルース・ゴードンがいい。 犯人vs警部の息詰まるような攻防も無ければ、ユーモラスな警部の行動がもたらす笑いドコロも少なく、 彼女のキャラクターもあり、サスペンスよりは、終始穏やかな空気が流れる作品です。 いきなり警部が講演会でスピーチすることになるくだりは面白かったですけどね。 犯人と警部の穏やかなやりとりの中に次第に警部が犯人を追い詰めていく、これはこれで味わいがあるのですが、 やはりこのシリーズは見応え、面白さという点では社会的地位もあり野心家で自信家の犯人と警部の 知恵比べや息詰まる攻防がある作品の方に分がありますね。 あと、被害者のクルマのキーを握っている秘書にもう少し役割を与えてもよかったと思います。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2018-12-08 18:03:03) |
355. 水の中のナイフ
登場人物は3人のみ。1組のセレブ夫妻と、誘われるままに一緒にヨットに乗り込む1人の若い男。 ヨットで港を出て以降はほとんどの時間が狭いヨットの中のみで展開されるサスペンス。 最終盤まではほとんど何も起こらず、身動きするスペースもほとんど無い狭いヨットの3人をとらえ続ける。 妻を前に、男2人の些細な意地の張り合いが延々と展開されるのみですが、 全くだれる時間帯がない。かと言ってそれ程張り詰めた緊張感が漂っている訳でもない。 風と波に揺られて漂うヨットの如く、何とも言えない不安定な空気とそこに流れるジャズがたまらない。 ルイ・マルの代表作「死刑台のエレベーター」を思い起こさせるテイストがあります。 これがポランスキーの長編デビュー作とのことですが、アカデミー外国語映画賞にもノミネートされており、 この新人監督、ただ者ではないぞと思わせる雰囲気をたたえた作品です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-12-03 20:20:24) |
356. 灰とダイヤモンド
ドイツが降伏し戦争は終わっても、ポーランドの民衆の闘いは終わらない。 本作製作当時はソ連が東欧諸国で影響力を持つ中、思想や映画などの文化への検閲も厳しい時代だったという。 主人公マチェクの運命はこれしかなかったのか…。ゴミの山の中で死んでいく姿で終わるラストは強烈。 これはアンジェイ・ワイダの、第2次大戦から祖国ポーランドを思い、戦った当時の若者達への鎮魂歌か。 その一方で、マチェクとバーで働く女との一夜限りのロマンスが悲しくも心に残ります。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-12-03 20:19:20) |
357. フランス特殊部隊 GIGN ~エールフランス8969便ハイジャック事件~
1994年に起きたアルジェリアからパリに向かう予定だったエールフランス機のイスラム武装組織によるハイジャック事件を再現した作品。 モノクロに近いところまで抑えられた色調が何とも言えない陰鬱な空気を醸し出す。 飛行機は離陸せず特殊部隊が突入する終盤まで、基本的にはずっと膠着状態が続くのですが、 機内の狭い空間で至近距離でとらえていく乗客とテロリストの動きとその表情が機内の緊迫した状況を今に伝える。 そしてこれも接近戦でとらえられていく終盤の特殊部隊とテロリストの銃撃戦はなかなかの迫力。 このハイジャックの最終目的はエッフェル塔への激突であったという。9.11を思い出さずにいられません。 地味な作風の作品ではありますがなかなかの力作です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-11-25 22:23:02) |
358. 胸騒ぎのシチリア
豪華キャストを揃え、ミシェル・ルグランの音楽も良かったオリジナルと比べるとかなり分が悪い作品です。 とにかくテンポが悪い。後半になってようやく事件が起こり話が動き出しますが、それまでの間延び感が半端ない。 男2人、女2人。そのうちの1人は娘。登場人物の関係性はほぼオリジナル通りで、オリジナルにもこの間延び感はあったのですが、 オリジナルには絶頂期のアラン・ドロンという主役がいた。本作は後半になるまではそのあたりもかなり散漫。 作品の舞台がシチリアに変わっていましたが、シチリアという魅惑的な作品の舞台を活かしきれていないのも勿体ないところです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2018-11-22 00:11:38) |
359. そして友よ、静かに死ね
この邦題の持つ雰囲気、この作風。やはり監督は「あるいは裏切りという名の犬」のこの人でしたか。 古くはジャン・ギャバンやアラン・ドロンらが活躍していた頃からのフレンチノワールの伝統を今に受け継ぐ。 銃撃戦も効果的に使いながらも、友情、裏切り、家族…。人間ドラマに重きを置き、 幼少期から70年代、血気盛んな若かりし頃のエピソードをテンポよく挿入し、 それらが積み重なって今に至る、実在する伝説の老ギャングの見ごたえある人生ドラマに仕上がっています。 日本でもCMで使われているのでお馴染み、ディープ・パープルやジャニス・ジョプリンの70年代の名曲。挿入曲のセンスも良し。 作品の評価自体とは何の関係もありませんが、映画が始まってすぐに結末が読めてしまうこの邦題は何とかならなかったものか。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2018-11-19 19:47:14) |
360. 私の奴隷になりなさい
演技の方はちょっとアレなんですが壇蜜さん、体を張った大熱演です。 壇蜜さんの裸はこれでもかというほど見せてくださいますよ。お綺麗です。 作品としては、そのまんま官能小説の映像化という感じです。 原作未読なので何とも言えませんが、ストーリーの方はもうちょっと面白くならなかったものか・・・。 板尾がおいしい役をやっていますがそれだけでなく、 謎のおっさんの役をさもありなんという感じで演じており表現しようのない味わいがあります。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2018-11-19 19:45:24) |